EX-01/
このハルケギニアの最高の地位にいる若き教皇、聖エイジス32世…ヴィットーリオ・セレヴァレは目の前にいる一人の少年に傅く。
「我等が聖者よ。どうか我等を導きください」
「うん。ヴィーにぃも手伝ってね」
「はい」
ヴィットーリオは心の底から思う。
目の前の『聖者』の力こそが、信仰と磐石にし、世界に平和をもたらすことを…
ヴィットーリオと他の枢機卿達と共に少年は世界を見る。
「変わっていない…人はやはり変わらぬものか…」
ヴィットーリオは身を引き締める。
目の前の少年は先ほどとは違い、絶大なる存在感を出して目の前にたたずんでいる。
「ブリミル…『オトヤ』…」
『いいか、お子チャマ。心の音楽に耳を傾けてみろ。そこに少しでも綺麗な音があれば、まだ大丈夫。少しでいい。信じてくれないか』
大切な友達はそう言って笑った。
でも…
「やはり人は変わらなかった。6000年経っても変わらなかった。我が友たちよ。我は『約束』を果たした。そして…今度は我が『約束』を果たしてもらう」
一匹の蝙蝠が飛んでくる。
「変身…」
少年の体から巨大な力が湧き出て、それが少しずつ実体化する。
ヴィットーリオと枢機卿達はそれを神々しそうに見ている。
「世界はこの『
巨躯の聖王は断じた。
世界に真なる平和を齎す為に…
世界を伝説が支配する…
EX‐02/黒の勇者
「…できた」
世界を救った偉大なる英雄、『ブリミル・ル・ルミル・ユル・ヴィリ・ヴェー・ヴァルトリ』は書き終えた『物語』を見て満足そうに呟いた。
「さぁて、これを本にしなきゃ…」
ブリミルは立ち上がり、少しふらつく。
どうやら根を詰めすぎたようだ。
「これで…これで『あいつ』との約束を守りながら破れる」
自分の大事な親友が残した無茶な『約束』。
それを聞いた時、泣きそうになった。
人の事をまったく考えない『あいつ』らしい約束…
「ブリミル…本当にいいのかい?」
「サーシャ…」
「約束を守ってるとはいえ…あんた『あのバカ』との約束を破るんだよ」
「うん…でも、僕と君が今ここにいるのは、『アイツ』のお陰なんだ。だから…」
「わかったわよ。好きにしなさい。で、タイトルはなんていうの?」
「うん…タイトルは…」
(僕は約束を守りながら破るよ…『オトヤ』…)
「あいつの戦う時の姿からとって…」
(世界を滅ぼした『魔皇』で…世界を救った『勇者』で…僕の四番目の使い魔…)
「『黒の勇者』」
ブリミルはその物語をサーシャに誇らしげに見せた。