鉄血工造はイレギュラーなハイエンドモデルのせいで暴走を免れたようです。   作:村雨 晶

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コラボ回後編です。

喫茶鉄血のキャラの魅力が上手く表現できなかったようで悔しいですが楽しかったのでOKです。

ややこしいので喫茶鉄血の代理人を「代理人」、こちらの代理人を「エージェント」と表記しています。


救護者たちは喫茶鉄血を訪れるようです。後編

 

 

「異世界…ですか」

 

「ええ。たまにあなた達のような人がいまして。鐘の音を聞いたのではありませんか?」

 

「ああ、確かに。その直後にこのお店を見つけました」

 

「ならすぐに戻れるでしょう。今までもそうでしたから」

 

 

代理人同士で会話は進む。

いつもの代理人とDの会話ではなく、喫茶店のマスターである代理人と異なる世界のエージェントという組み合わせだ。

 

エージェントは注文したコーヒーを飲み、一息つく。

その隣では小さなエージェント、もといウロボロスがケーキを幸せそうに頬張っていた。

 

 

「…意外に冷静ですね?異世界と聞けば大体の方は驚くものですが」

 

「驚いていますよ?驚くようなことに慣れているだけです」

 

「うむ。救護者といると自然と突飛なことには慣れるからな」

 

「ええ。こちらの私も最前線で拳をふるって戦う衛生兵や戦車で轢殺する衛生兵やハイエンドモデルを抑え込む衛生兵と暮らしていれば慣れます。ええ、慣れますとも」

 

 

目のハイライトが消えるエージェントによしよしと頭を撫でて慰めるウロボロス。カオスである。

 

 

 

そして話題に上がった救護者はというと、マヌスクリプトを隣に座らせそのボディをまじまじと見つめていた。

 

 

「こちらにはいないハイエンドモデル…。それだけでも興味深いですが、この整備の細やかさ。よい技術者がいるようですね?」

 

「あ、うん。サクヤさんって人なんだけど…っひゃあ!?そ、そこは触っちゃダメぇ!」

 

「むむ、これは、実に…ふむ…、勉強になります」

 

 

とうとう眺めるだけでは飽き足らずペタペタとあちらこちらを触り始める救護者。

割ときわどいところも触るので他のお客は「おおっ!」と興奮して二人を見守っていた。

 

とうとう服を剥ぎ取ろうとした救護者にエージェントがチョップを落とす。

 

 

「やりすぎです、救護者」

 

「む、これは失礼を。目新しい技術が使われていたもので…。よければそのサクヤという方にも会いたいのですが」

 

「サクヤさんは忙しいから難しいかな、あはは…」

 

 

乱れた服を直しつつ苦笑するマヌスクリプト。

会えないことに少し残念そうにした救護者だったが、注文していたパフェが来ると気を取り直したようだ。

 

 

「にしてもこれがあのウロボロスねえ…」

 

「頬を突っつくな!ケーキが食べにくいであろう!」

 

 

ケーキを食べていたウロボロスの頬を突き、未だに信じられない、と呟くG11。

こちらの世界のウロボロスを見れば小さな代理人になってしまっているウロボロスは新鮮だった。

 

 

「私はなあ!これでも電脳世界では本来の性能を取り戻せるのだ!鉄血の中でも特に優秀なスペックだというのに…!」

 

「仕方ないでしょう、そのスペックが問題でボディの作成が難航しているのですから」

 

「お前がこんなボディに私を入れるからだろうが!」

 

「リッパーなどのボディではスペック不足でオーバーヒートを起こしてしまいますから。そのボディは違法に作られたものではありますがスペックは高かったのでちょうどよかったんです」

 

「むぐぐ…!」

 

 

言いくるめられてしまい唸るウロボロスを可愛い!と撫でまわすD。

なお小さいとはいえ自分のボディを「こんな」呼ばわりされて落ち込んだエージェントは代理人に慰められていた。

その後落ち込んだエージェントを見たウロボロスは「違うんですお姉様!そういうつもりではなくて…!」と慌てて弁明することとなった。

 

 

 

 

 

♢♦♢♦♢♦

 

 

 

 

喫茶店の面々と談笑していた救護者達だったが、その耳にここに来た時に聞こえた鐘の音が入ってくる。

 

事情を聴いていた三人は席を立ち、代理人たちへ向き合った。

 

 

「お世話になりました。また来れるかは分かりませんが、そのときはよろしくお願いします」

 

「馳走になった。ここのケーキは美味かったぞ!」

 

「ではこれで。また来れたら今度はサクヤという方に会いたいものですね。…ああ、それとこの世界のお金は持ち合わせていませんでしたので、代金代わりにこれを差し上げます」

 

 

救護者は代理人へデータチップを手渡す。

 

 

「これは?」

 

「私が作った快眠プログラムです。人形とはいえストレスは溜まります。その解消に役立つでしょう」

 

 

目当ての物を渡した救護者は二人の元へ戻り、扉を開ける。

まばゆい光に包まれ、目を細めた三人はいつの間にか見覚えのある街に立っていた。

 

 

「不思議な体験でしたね」

 

「ええ。…また行きたいですね」

 

「そうですね。きっとまた行けますよ」

 

 

三人は顔を見合わせると、鉄血工造への家路を歩き始めるのだった。




いろいろさん、コラボ許可ありがとうございました!
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