鉄血工造はイレギュラーなハイエンドモデルのせいで暴走を免れたようです。   作:村雨 晶

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お久しぶりです。

こっち更新するのも一月振りかあ…やらないとあっという間に過ぎていくなあ…。

今回はいろいろさんの作品、「喫茶 鉄血」に救護者を出させていただいたのでその後のお話となります。
救護者ちゃんが元E.L.I.Dの人の話聞いちゃったらまあこうなるよね。


救護者は薬を作るようです。

 

 

鉄血工造の研究室。

 

普段は鉄血の所員が使用するその部屋に、救護者はいた。

 

「…これで完成ですね」

 

救護者が握る試験管の中には緑色の薬品が揺れている。

 

「朝になってしまいましたか。この私が徹夜とは、いけませんね」

 

カーテンの隙間から漏れ出る朝日に救護者は目を細める。

しかし、それもつかの間、彼女は完成したばかりの薬品を小型のケースへしまい、部屋を出る。

 

「作ったからには試さなければなりません。都合のいい任務があればよいのですが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミッションを説明します。

ミッション内容はJ03地区に出現したE.L.I.Dの排除となります。

対象はネズミ型。攻撃行動は噛みつきやひっかきなど単純なものですが、一つの巨大な母体を中心とした群体が形成されており、我々では手が回りません。

よって今回は鉄血のハイエンドモデル、デストロイヤー、エクスキューソナー、ハンターなど攻撃力の高いハイエンドを投入し、群体を押しとどめ、その間に母体を排除することが提案されています。

説明は以上です。グリフィンは鉄血を高く評価しています。良いお返事を期待していますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦場は地獄絵図だった。

 

 

「エクスキューソナー!そろそろ撤退しないと部隊が壊滅するぞ!」

 

「分かってるっての!だけどよ、撤退しようにもこの数相手じゃあ…!」

 

「うう、気持ち悪いー!そろそろ弾もきれちゃうよー!」

 

 

鉄血のハイエンドモデル三人を取り囲むネズミの群れ。

三人はそれぞれ別の部隊を率いていたが、E.L.I.Dのあまりの多さに部隊と分断されていた。

彼女達も離脱しようとしたのだが、グリフィンの人形達の撤退を援護していたらいつの間にか包囲されていた、という状況に陥っていた。

 

 

「くそが!母体がこんな速度で子分を生み出すなんざ聞いてねえぞ!グリフィンの奴らいい加減な仕事を…!」

 

「仕方ないだろう、よもや母体を追いつめた瞬間に爆発的に増えるのは予想できない」

 

「うー、こっち来るなー!あっち行けー!」

 

「あ、馬鹿!無駄弾撃つんじゃねえよデストロイヤー!」

 

 

ハンターが拳銃で、エクスキューソナーがブレードで迫るネズミたちを追い払う中、デストロイヤーはパニックを起こしそこら中にグレネードを撒き散らしている。

数が数だけにそれでもネズミの数は減っているが、母体が生み出す速度のほうが早く、三人はじりじりと追い込まれていく。

 

 

「…こうなったら、手段は問えまい。エクスキューソナー、お前はデストロイヤーを連れて離脱しろ」

 

「ああ!?何言ってやがる!」

 

「こうなっては犠牲は免れない。それに私は任務前にバックアップを取っている。問題ないさ」

 

「ふっざけんな!俺にお前を見捨てろっていうのか!?」

 

「ならばここで全員破壊されるか?そうすればこいつらの情報は誰が持ち帰る?」

 

「っ、それは…」

 

「分かったなら行け。デストロイヤー、いつまでも泣いてるんじゃない。お前も鉄血のハイエンドモデルなら、…?これは…」

 

 

ぐずっているデストロイヤーを窘めようとしたハンターは空から降る緑の粒子に気付く。

空を見上げると鉄血のヘリが彼女達の上でホバリングしており、緑の雨はそこから降っていた。

 

 

「!?ギッ、ギギギギギギイイイイイイイイイイイ!!!!???」

 

 

緑の粒子が降り始めると彼女達を囲んでいたE.L.I.Dたちが一斉に苦しみ始め、やがてその動きを止めた。

 

 

「これは、一体…」

 

 

ハンターたちが呆然と周りを見渡すとヘリから落下してきた人影が近くへと着地した。

救護者だ。

 

 

「無事ですか?三人とも」

 

「あ、ああ…。それより、これは…」

 

「これですか?これはE.L.I.Dの特効薬…の試作品です」

 

 

ハンターの問いに簡潔に答えると救護者は近くのネズミをつかみ上げる。

そのネズミは完全に事切れており、救護者の手の中でだらんと力なく体を預けていた。

 

 

「ですが…失敗作だったようです」

 

「ああ?あっという間に奴らが死んだっていうのにか?成功だろ、()()()はよ」

 

()()()、ですよエクスキューソナー。最近E.L.I.Dに関する有効な情報を手に入れたので試作してみたのですが…。これでは失敗です。E.L.I.Dは治っていますが、治る過程で死んでしまうのでは薬としては使えないでしょうね」

 

「え?…うわ、本当だ。こっちの母体だったネズミのE.L.I.Dも治ってただの大きいネズミになってる!」

 

「…とんでもない薬を作ったな、救護者。世界がひっくり返る発明だぞ、これは」

 

「世界などどうでもいいのですよ、私は。ただ病を治したいだけなのですから」

 

「とはいえな…。軍が放っておかないだろう、これは」

 

「ではしばらく情報を規制しましょう。あの戦争狂いどもに兵器に転用されては本末転倒です」

 

 

サンプルに、と大きなズダ袋にネズミたちをぽいぽい入れていく救護者を微妙な目で見る三人。

 

 

やがてこの特効薬をもとにE.L.I.Dの治療薬が作られることとなるのだが、それはずっと先の話。

 




アイテム

救護者製の特効薬(試作品)

作者がE.L.I.Dって細胞が変異を起こした結果なったものじゃね?と独自解釈した結果生まれたもの。
ようはコープラップスで異常に変質した細胞を正常な細胞に治す薬。
しかし、治る過程で細胞が変質する結果、E.L.I.Dは治るものの、対象は死亡する特攻薬になってしまった。
それだけでもE.L.I.Dに対する対抗手段なのでとんでもない発明なのだが、救護者はこれでは失敗作だと封印してしまった。
フリー素材。
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