鉄血工造はイレギュラーなハイエンドモデルのせいで暴走を免れたようです。   作:村雨 晶

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妄想を爆発させた結果ドリーマーが誰だこいつ的な感じになってしまった・・・まあ、よし!

深層映写は全クリ諦めました・・・。練度が全体的に低すぎてE3-3クリアできないんだもの


デストロイヤーはドリーマーの役に立ちたいようです。

「・・・・・・」

 

 

じっと机の上の物を睨みつける。

そこにあるのは、指輪。I.O.Pのペルシカリアという科学者から鉄血へ贈られた誓約システムを搭載したあの指輪だ。

贈られたのはいいものの、上層部が扱いに困った結果、流れに流れて私のもとへ来たというわけだ。

 

箱からつまみ上げ、いろいろな方向から眺める。

台座に取り付けられた宝石は人工ダイヤのため、天然物のものと比べればいささか劣るが、しかし美しい輝きを放っている。

 

 

「こんなもの、どうしろっていうのよ」

 

 

グリフィンの人形であれば、この指輪を持つ意味は大きい。

指揮官から人形への愛の告白であることはもちろん、文字通りその人形の持ち主であることを表し、なによりリミッターを外された人形は更なる力を振るうことができるようになる。

しかし、鉄血の人形にとってはどうだろう。

鉄血の人形、特にハイエンドモデルはそもそも人間の指揮官がいなくとも行動できるように製作されている。

だから鉄血の指揮官など片手で数えられるほどに少ないし、そもそも人間の指揮官が受け持つのはドラグーンやリッパーなどの下級人形だ。ハイエンドモデルは自立行動が可能なため指揮官という存在が不要なのだから。

 

もし、この指輪をハイエンドモデルが受け取るということは、それはつまり――

 

 

「その人形を愛している、という告白に他ならない、ということね」

 

 

頭にあの顔がちらつく。

感情モジュールが反応し、メンタルモデルが乱れる。

顔は赤くなって息が少し早くなった。

 

 

(もし。もし私がこれを渡すなら。それはきっと・・・・・・)

 

「ドリーマー?いるー?総務部から書類持ってきたんだけどー?」

 

「・・・っ!?」

 

 

思い描いていた人物の声に慌てて指輪を取り落とす。

手から零れ落ちたそれをなんとかチャッチし、安堵の息を吐いた。

今度は慎重に箱に戻し、引き出しの中に隠した。

 

 

「ええ、入っていいわよ、デストロイヤー」

 

「あ、やっぱりいたんじゃない。・・・はいこれ、来週までにお願いだって」

 

 

書類の山を抱えたデストロイヤーを招き入れる。

デストロイヤーは書類を私の机に置くと、その有様を見て眉をひそめた。

 

 

「ちょっと、ドリーマー?仕事抱えすぎなんじゃないの?前見た時より書類が増えてる気がするんだけど」

 

「ええ、やることが多くてね。この手の事務仕事が得意なのは私くらいだし」

 

「なら私も手伝う!ドリーマーは無理しすぎなのよ!」

 

 

乱暴に机の上の紙を拾い、目を通すデストロイヤー。

でもすぐに表情が崩れ、難しいものになる。

 

 

「う、うう・・・。全くわかんない・・・」

 

「その書類が理解できるのは私か代理人、救護者くらいかしらね。救護者は戦場を飛び回ってるし、代理人は今身動きができない状態になってるからやれるのは私だけなのよ」

 

 

うつむくデストロイヤーの頭を撫で、その手から紙を取り上げる。

 

無理しているのは承知しているが、できる人材がいないのだから仕方がない。

 

 

「うっ・・・ぐすっ」

 

「もう、なんであなたが泣くのよ」

 

「だってぇ・・・。私、ドリーマーの役に立ちたいのにぃ・・・」

 

 

泣き始めてしまったデストロイヤーを抱きしめ、備え付けのソファーへ座る。

グスグスと私の胸でなく彼女をあやすように背中をポンポンと叩く。

 

 

「十分あなたは役に立ってるわ。仕事だって手伝ってくれてるでしょう?」

 

「でも、こんなの誰でもできるし・・・。私は隣に立ちたいのに・・・」

 

 

またメンタルモデルが乱れる。

胸がギューっとして彼女を抱きしめたいと思い、そして抱きしめた。

 

ああ、もう!何この子可愛い!!

 

 

「ド、ドリーマー?苦しいよう」

 

「あ、ええ、ごめんなさい。つい」

 

 

デストロイヤーの声に我に返る。

力を入れてしまっていた腕を緩め、彼女を解放する。

 

 

「あ、その、えっと。わ、私そろそろ行くね!あ、あとこれ救護者からお弁当!お昼に食べて!」

 

「え、ちょっと、デストロイヤー!」

 

 

泣いてしまったのが恥ずかしかったのか、涙をぬぐうと赤くなった顔を隠しながらデストロイヤーは走り去ってしまった。

 

残されたのは手を伸ばした私と彼女が置いていった可愛い柄の弁当箱。

小腹がすいていた私は蓋を開け、卵焼きをつまむ。

 

 

「あ、おいしい」

 

 

甘さが控えめなそれは私の好みの味だった。

 

 




「はい、これで定期検診は終了です。お疲れ様でした」

「ねえ、これ戦術人形の私達がやる必要ある?」

「当然です、人間であれ人形であれ、無理をすればそのツケはいずれ来ます。それを防ぐためには必須です。・・・特にあなたには無理をさせていますから」

「あ、自覚はあるんだ」

「誰かがやらなければいけないとはいえ、背負わせてしまっていますから。それはそれとして無理をさせ過ぎているのがデストロイヤーからの報告で分かりましたので上層部へ『直談判』しておきました。これからはマシになるでしょう」

(『直談判』ね、光景が目に浮かぶわ)「ええ、ありがとう。仕事が減るのは助かるわ。・・・ところで救護者、この前のお弁当ありがとう。おいしかったわよ」

「お弁当?何のことです」

「デストロイヤーに持たせたお弁当よ。あなたが作ってくれたんでしょう?」

「いえ、そんな覚えはありません。そもそもそんな遠回りに手助けをするくらいなら殴って気絶させて無理やり休ませたほうが早いので」

「あ、あなたらしいわね・・・。ん?じゃあ誰が・・・」

「ふむ。・・・私には分かりませんが、デストロイヤーが最近キッチンで何かをしていたのを見かけました。礼をするなら彼女にするべきでしょう。・・・どうしました?突然うずくまって。腹痛ですか?」

「本当あの子可愛い・・・。本気で指輪を渡しそうになるじゃない・・・」
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