鉄血工造はイレギュラーなハイエンドモデルのせいで暴走を免れたようです。   作:村雨 晶

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今回の話は「喫茶鉄血」のフリー素材、「マイスター」の皆さんをお借りしました。

いろいろさんありがとうございます。


処刑人たちは人類人権団体と遭遇するようです。

 

 

鉄血工造の廊下を不機嫌な処刑人とそれを宥めているハンターが歩いていた。

 

 

「ちっ。久しぶりに暴れられるかと思ったのによ」

 

「そう荒れるな。仕方ないだろう、標的だった人間人権団体の連中が突然撤退したのだから」

 

「そうだけどよー。でもやっぱ不完全燃焼だぜ…。ん?あれは…」

 

 

愚痴をこぼす処刑人が前方に見たのはリッパー。

仕事に従事していたらしい彼女は身なりのいい男達に囲まれていた。

なにか男達がリッパーに頼んでいるようだが、彼女はそれを拒否しているようだ。

 

 

「おい、男が女囲んで迫ってんのはどうなんだ?離れろよ」

 

「む?…おお!あなたは処刑人さんですな!お噂はかねがね…。あなたのサインも頂いてよろしいですかな!?」

 

「うお!?なんだこのおっさん!?離せ…って力強いな!?」

 

 

処刑人が一人の男の肩をつかんでウロボロスから離そうとすると、男は処刑人の両肩をつかんで興奮気味に迫った。

突然顔が近くなって処刑人がのけぞるとハンターが処刑人を男から引きはがした。

 

 

「処刑人は私のだ。手を出すな」

 

「なっ、なっ、何言ってんだよお前ええ!?」

 

 

ハンターの私の物発言に処刑人が思わず顔を赤くする。

男はそれをぽかんと見ていたが、我に返り、二人に名刺を差し出した。

 

 

「申し訳ない、紹介が遅れましたな。私達はこういう者です」

 

 

男が出した名刺には『人類人権団体 マイスターの会 会長』の文字が。

 

 

「人類人権団体だあ?なんでそんな奴らがこんな所に・・・」

 

「いえ、実は・・・」

 

「ここにおられましたか。準備ができましたのでこちらへ」

 

 

男が処刑人の疑問に答えようとした時、救護者が現れ男へ声をかける。

 

 

「おお、助かります。ではみんな、行こうか」

 

 

男は他の男達を連れ廊下の奥へと消えていった。

 

 

「・・・おい、救護者。人類人権団体がなんでここにいやがる!奴らは敵だろうが!」

 

「マイスターの会は穏健派筆頭ですよ、処刑人。彼らは人間の権利こそ訴えていますが、人形の排斥運動などをしたことはありません」

 

「だけどよ・・・!」

 

「よせ、処刑人。彼らが敵対行動をとってない以上私達から突っかかるわけにもいかないだろう」

 

「・・・ふむ。では処刑人、ハンター。一つ仕事を任せてもいいでしょうか」

 

「あ?何だよ」

 

「応接室に代理人がいます。彼女と共に待機してもらってもいいでしょうか」

 

「うん?まあ構わないぞ。先程任務が中止になって時間が空いてしまったからな」

 

「俺もそれでいいぜ」

 

「では任せました。・・・処刑人には慣れない仕事でしょうから暴れないように見張っててくださいね、ハンター」

 

「? よくわからないが・・・了解した」

 

 

こうして処刑人とハンターの二人は応接室へ向かうのだった

 

 

 

♢♦♢♦

 

 

 

「・・・って!なんだこりゃあ!」

 

「おっ、処刑人さん今の表情いいですね!」

 

「落ち着け処刑人。私も恥ずかしいんだ」

 

「・・・///」

 

 

そして二人は何故か代理人と共に撮影会に参加していた。

喚く処刑人に宥めるハンター。赤面する代理人にそれらを笑顔で撮る男達。

なかなかにカオスな光景だった。

 

 

「処刑人さん、大剣をこっちに切っ先を向けて!不敵な笑みを!・・・いいですねえ!」

 

「ハンターさん、二丁拳銃の銃口をこっちに向けて・・・そう!クールな表情で!」

 

「代理人さんは挨拶するメイドみたいにスカートをつまんで・・・そう!その少し恥ずかし気な表情最高!」

 

 

男達は三人へ要望を出し、それを撮っていく。

彼らを人類人権団体と言って誰が信じるだろうか。まるでコスプレイヤーを取るオタクな連中にしか見えない。

 

 

「皆様、そろそろ時間です」

 

「む、もうそんな時間か」

 

「楽しい時間は一瞬ですな!」

 

「いやはや全く。・・・ところで救護者さん、あなたも一枚撮らせていただいても?」

 

「いいですよ。・・・こうでしょうか」

 

「パシャリ、と。ありがとうございました」

 

「いえ、業務命令ですので」

 

 

無表情ダブルピースを撮影させた救護者は男達を出口へ案内するために部屋を出る。

その入れ替わりにドリーマーが入室してきた。

 

 

「随分お疲れみたいね?」

 

「当たり前だ、こんなことやったことねえし・・・」

 

「これなら戦場で敵を殺すほうが幾分楽だ・・・」

 

「うう、また私の恥ずかしい姿が衆目に・・・」

 

 

ぐったりしている三人に飲み物を渡すドリーマー。

水分を取って少しは回復したのか処刑人が上半身を起こした。

 

 

「結局何だったんだこれ?」

 

「人間人権団体の運動が最近活発化していてね。上も頭を悩ましていたんだけど、そこに穏健派筆頭の彼らが自分たちに任せてほしいって売り込んできたのよね。で、報酬にハイエンドモデルの写真が欲しい、と。特に代理人のね」

 

「なんで人間人権団体のお偉いさんが俺らの写真なんか・・・」

 

「彼ら、人形愛好会のメンバーよ?あと代理人ファンクラブの創設者でもあるわ。まあぶっちゃけ、人間人権団体を名乗ってるのも人形と触れ合いたいからでしょうねえ。鉄血のハイエンドモデルともなると会う機会すら一般人には稀でしょうし」

 

「なんだそりゃ・・・」

 

「まあ、人間のお偉いさんにも彼らみたいな変わり者がいるってことよ。これからも何度か来るでしょうから仲良くしてあげなさいな」

 

「マジかよ・・・」

 

 

ニマニマと笑うドリーマーに、三人は重い溜息を吐いて慣れない疲労を癒すしかなかった。

 




平和な世界ならではな話でした。
あ、ほかの人間人権団体はド畜生の集まりですが救護者が「精神治療」を施してるので数は減ってます。

そして皆さんにお聞きしたいのですが、グリフィンの人形を登場させるとしたらどの人形がいいですかね?

最初に出すグリフィンの人形は何がいい?

  • AR小隊
  • 404小隊
  • その他(この場合は作者の独断になります)
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