鉄血工造はイレギュラーなハイエンドモデルのせいで暴走を免れたようです。 作:村雨 晶
今回は前編。明日後編をあげます。
あの魅力的なキャラたちをきちんと表現できてるか少しドキドキ。
「すいません、代理人。買出しに付き合わせてしまって」
「構いません。空いた時間をどうしようか考えていたところですから。ウロボロスもたまには外に出ないと滅入るでしょうし」
「お姉様といれば滅入ることなどないさ。ま、久しぶりの外は気分がいいがな」
街を歩く三つの人影。
代理人、救護者、幼い代理人を模したボディのウロボロス。
彼女達は備品の買い出しの帰路についていた。
――リィーン――
談笑しながら歩いていた三人だったが、不思議な鐘の音を聞いて立ち止まる。
「今の音は…」
「綺麗な音でしたね、どこからでしょうか」
「ふむ…。あっちだ!」
ウロボロスが二人の手を引き、路地裏へ飛び込む。
そこには扉があり、看板には「喫茶 鉄血」と書かれていた。
「喫茶店のようですね。さっきのはドアベルの音だったのでしょうか」
「…こんな場所に喫茶店?新しく開いたお店でしょうか。ちょうどいいです。お茶にしましょう。買出しに付き合って頂いたお返しに御馳走しますよ」
「む?そうか?ならば私はケーキがいい!」
三人が扉を開け、中に入ると落ち着いた雰囲気の店内が出迎える。
中にはそれなりに人がいて、ざわめいていたものの、三人が入った瞬間、何故か一気に無音になった。
「カウンターが空いていますね、あそこにしましょう」
「ええ。荷物を預かりますよ、代理人。…ん?彼女は…」
カウンター席に座ろうとした救護者は店内にいた戦術人形に気付いて近づいていく。
G11。かつて救護者が快眠プログラムの実験台として協力してもらったことがあった。
顔見知りであるはずの彼女は何故か口を大きく開け、信じられないようなものを見たような表情を浮かべていた。
「代理人がかっこいい系の美女と自分の子供を連れてきたあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!??????」
G11の絶叫が店中に響き渡った。
一気に騒然とする店内。
G11の叫びを聞いて何事かと駆けつけたDやマヌスクリプトたちがやはり三人を見て驚愕の表情を浮かべる。
「えーっと、代理人?その、美人さんは、誰かな?」
震える声で救護者を指さすG11。
そんな彼女に代理人は首をかしげて答える。
「誰、とは。救護者ですよ。貴女も会ったことがあるでしょう」
「え!?また鉄血は新しいハイエンドモデルを作ったの!?」
「私は代理人と同時期に製造された初期からいるハイエンドモデルですが…?」
噛み合わない会話に顔を合わせて首をかしげる救護者と代理人。
そんな折、『この店のマスターである』代理人が現れた。
「すいません、D。留守番をさせてしまって。何か変わったことはありませんでしたか?」
「えーっと…今すぐそこで変わったことが起こってる、かな」
Dの言葉に店内へ目を向けた代理人はもう一人の自分と、見覚えのない女性、そして「ケーキはまだか?」と放心しているマヌスクリプトを揺さぶっている幼い自分というカオスな光景を目にすることになった。
今回は救護者の狂気度抑えめだけど次話はどうしようかな…