《不定期更新》男性アイドルは超満員の中音楽なしで一人歌うことができるだろうか 作:星燕
どうもこんばんは。星燕です。
沢山の人に読んでいただき、日刊ランキング12位。
感無量です。
それの記念、プラスお気に入り登録者二百人突破を記念して
アイドルの修羅場回だ(ゲス顔
あと、湊家と同じレベルで野宿させたい人がいて純粋に驚いてます。やはり啓斗は遅かれ早かれ脅迫文を送られていたのではなかろうか?
「えー…どうもこんにちは。はじめましてかな?どうもアイドルやってます、東郷啓斗です。今日は(事務所側が)作ったばっかりのチャンネルですが、弾き語っちゃおうかと。歌ってほしい曲があったらコメントでね。そんじゃ、ボチボチ歌いますかね。」
つまり、そういうことさ(薫さん風
え?わからない?生放送だよ。なんでこうなった?
いや、ね?別にチャンネル作るのはいいんだよ?でもさ、曲はカバーだけだし生放送はするし。
ぶっちゃけ、もう歌い手じゃね?
いやね、嬉しいですよ。自分がチャンネル作って音楽をアップしてそれが評価されるとか嬉しいですよ。
あ、閲覧者五千人突破。まだ始めて二、三分なのにな。
それでね?嬉しいんですけどね?急に弾き語りさせる事務所ってどうなんですかね。
てか、俺には弾き語らせればいい的な風潮なんなんですかね。
あー…ギター弾けるようになりたい。他作品の主人公みたいに楽器を弾きたいい…。
ん?俺は何言ってんだ…?はっはっは、俺ァ疲れちまってとうとう世界の深淵にでも触れちまったのか…。
「お、俺に初めて送られてきたリクエストはSEKAI NO OWARIさんのRAINですね。」
おっと、厨二じみた思考をしていたら普通にリクエストが来たぜ。
セカオワさんのRAINは大ヒットしたアニメ映画の主題歌である。ちなみにラジオで自分が歌ったRAINをセカオワさんに聞いてもらうという企画があり、意気込んで友達と予定を合わせて撮ろうとしたらそのうちの一人にマジレスされて撮ることもなく終わった人がいるらしいですよ。
WA・TA・SI・DA☆
「いいですよね、RAIN。俺もカラオケでめっちゃ歌ったなー。」
『魔法は--』
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「えー…いかがでしたか?うぇっ!視聴者数一万二千人。ほぇー。なら、気づいた人もいるだろう。俺の弾き語りはほぼほぼアカペラだ。って、うわ、たくさんリクエスト来てるね。」
画面を流れていく名曲たち。流石に全ては歌えないし、物理的に歌えない歌もある。
「んー…お、じゃあたくさんいるので妄想感傷代償連盟歌います。」
『言っちゃった、もう
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「ええ。お気付きでしょう。俺はギターが上手くないのだよ。ただねー…今知り合いのバンドやってる人に教えてもらってるんだけどね。まず用語が覚えられない。ダメですね。で、えーっと…さよならエレジー。うん、いいね。じゃあやろうかなぁ。」
あのなんでもやってる俳優さんは本当にすごいと思うんだよ。あー…俺も友達できたらご飯とか行きたいなー。
おっと、歌わなくては。
『僕は今--』
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「ふぃー。もう三曲かー。早いっ!時間が経つのが早いよ!ときめきを感じてないんやなって思います。…えー、コメント欄なんか荒れてるね。質問をしたい。なるほどね。」
ふむ…弾き語りをしろとしか言われていないが…まぁいいだろう。
「んー…じゃあ少しだけ休憩と箸休めがわりに質問受け付けよっかな。って、急にコメント多いね。俺の歌不評かな?」
これは…ちょっと本気でしょげるな。
「えー…『ギターは誰に教わっているんですか?』これね、双子さんなんですよ。お姉さんの方はきっちりかっちり教科書タイプの、あ、こっちの方が俺は分かりやすいし助かってるんですけどね。もう片方が天然?天才?タイプでね。ぎゅーん、ずばばーん、どがーん!って擬音で説明してきて。最終的にはるんっ!ってする!!を連呼し続けます。わからないこともないですけど時間がかかるっていうね。あ、教えてくれるのは大体擬音の方ですから。」
おっと、コメント欄で特定が始まった。流石におれがアイドルであるとはいえ女子と二人でレッスンという響きは流石に色々まずい。
いや、相手もアイドルだが?
「えー…『好きな女性のタイプは?』ね。これみんな聞くよねー。ラジオでも少しお話ししたんですけどね。他の人のため、とか自分が決めた目標に向かって、とか。頑張ってる人が好きです。そういう人は応援したいし支えたいですね。もちろん、支えてくれたら頑張れますから、応援してくれる人も大好きですよ!」
女子なのか男子なのかわからないが、答えが決まっている質問をしてもらえて助かった。俺には応用力がないからな。ないからな!
「次はー『差し入れで嬉しいものは?』んーそうですね。俺はたくさん汗かいたり歌ったりした後には柑橘系のものを食べるんですよね。なので、柑橘類とか…この前もらって衝撃を受けたのはファンの皆さんからの応援の手紙をえっと…二千…三千?通くらいですかね。ダンボールに詰められてて。もちろん全部読みましたけどね。ファンの方の応援とか優しさとが伝わってきて、ウルッときちゃいましたね。」
はい、人生最大のインパクトでした。いや、ダンボール箱いっぱいに詰まった手紙を見たら絶対誰でも絶望する。中身を見たらそんなもんなくなったけどな!
「はい、次。『どうやったら歌が上手くなりますか?』んー…俺自身歌が上手いとは思ってなくて。ただ、他の人よりちょっとだけ感情的に歌っているんだと思うんですよね。なので、その曲を聴いて思ったことを思いっきり歌えばいいと思います!」
「あ、事務所から連絡来ましたね。今回はここまでみたいです。現在の視聴者は…七万人ですか。もうなにが来ても驚かないです。沢山の人に見ていただきありがとうございます。今週末から隔週でカバー曲を配信する予定なので、チャンネル登録お願いします。もしかしたら気まぐれに生放送するかも…?」
「なんてことだ…!!」
この場にいるのは総勢八名。俺、俺の母親、こころ、リサ、彩、千聖、美咲、友希那である。なんでこうなったか?決まってんだろ。
生放送見てた
知るかって?だよな。俺誰に語りかけてんのかな。本当に都合のいいような展開だな。このままあれだろ?この中の半分くらいヒロインに出来るように書いてくんだろ?
あれ?何言ってんだ俺。安易なメタ発言と闇落ちはやめとけって言われた気がする。
気のせいだな。
「お義母さん、美味しいです!」
「おいこらリサよ。お前の母親じゃねぇだろ?文字違うだろ?ん?」
「いやいや、おばさんなんて失礼だし。」
うるせぇそれが常識だ。なんならベタでも『啓斗くんのお姉さんですか?』ぐらいにしとけ。色々問題になるだろ。
「本当ね!とっても美味しいわ!また食べにきてもいいかしら?」
「あらあらまあまあ。啓斗がこんなに可愛い子に囲まれてるなんてねぇ。アンタもっと早く紹介しなさいよ!」
「可愛いだなんてそんな、おば様の方がお綺麗ですわ。」
「そのうえ礼儀正しいなんてまー!もう、これから連絡さえくれたら晩御飯一緒に食べましょ!」
「ちょ、勝手に決めないでくれって!」
親と友人たちの会話を静観していたが、そこは許容しかねる。無理だもん。毎晩誰かが晩飯とか色々無理だわ。精神がガリガリ削られる。
「え?私たちが来るの…嫌なの?」
「いや、嫌なわけでは無いけれども。」
「じゃあ来てもいいじゃん。」
「それことこれとは話が別で…」
「啓斗、私のこと…嫌い?」
「俺のこと困らせようとして笑いをこらえるリサはそんなに好きじゃ無いかな。」
真面目な顔で聞いているように見えるリサだが、口の端が震えているのを俺は知っているッ。こりゃイタズラするときの顔だ。ほんの少し、猫目が細まる。やったイタズラがバレたことが心底おかしそうなその顔は、実は好きだったりするのだが。
「…もういいよ。勝手にしてくれ。」
「「「「やった!」」」」
「敵の方が多いとか…」
もう無理だ。すでに俺のHPは振り切れてマイナスに入り込んでいる。現在も母親と友人の間で追撃が敢行されており、もうそろそろ骨も残らず消しとばされそうだ。
「なぁ、なんならギター教わってるお礼に氷川姉妹も呼びたいんだけど。」
瞬間、何か言いようのないプレッシャーを感じる。それも、一人や二人ではない。六人。そう、六人分だ。母よ。俺を助けてくれ。
あ?「あら、修羅場?昼ドラみたいね!」じゃねぇんだよ!
なに!?なんなの?みんな夕飯食べに来るって言うからいつもお世話になってる人も呼んでみようって言っただけじゃん!俺なんも悪いこと言ってないよ!?
「あ、あの。なんですか?」
「へー。紗夜も呼ぶんだ。」
「リサさん、?」
「それに、日菜ちゃんも。ね?千聖ちゃん。」
「えぇ、そうね。」
「彩さん?千聖さん…?怖いんですけど?」
「いいえ、今度からは私が啓斗を晩御飯に招待するわ!」
「…そうだね。それがいいと思うよ。」
「あの、美咲さん?こころさんを止めてくださいませんか?」
あ、オワタ。いつもふわふわしていてもこもこしてる彩がこうなった時点でなんとなく察してはいたが。
何よりもしんどいのは美咲がアクセルを踏んだことかな。崖までのスピードが三倍くらいになったね。うん。当社比ですが。
ふざけている場合ではない。どうすればいいんだ!?
俺は…どうしたらいい?
イキ○トさん、今だけでいいからその知恵を貸してください。もう二度と頼ることはないだろうから。
「…逆に聞くけど、俺が招きたい人は招けなくてなんでお前らは勝手に上り込む予定なんだ?ああ、これはお前らが悪いってわけじゃない。単純な疑問だ。」
結局あの人に頼ることはなかった。時代は平和的解決。疑問であるとする事で相手から本音を聞き出す。メンタリストの力が火をふくぜっ!!
「直々に呼ばれるなんて羨ましいわ。」
「私も啓斗くんに呼ばれたいー」
「共演者と打ち上げにもいかないとかどうかと思っていたのだけれど。」
「…啓斗にご飯食べて欲しいの!」
「私は別に…あ、やっぱダメ。どっかご飯いこ。」
「啓斗が私の家に来たら、きっと笑顔が増えると思うの!」
上から順に友希那、彩、千聖、リサ、美咲、こころである。
なるほどなー。
つまりみんなは俺と一緒にご飯なり外出なりがしたいと。
なぜ陰キャボッチ歌い手もどきと出掛けたいなんて思考になるんだ?
いや、待て待て啓斗。落ち着け。
どうしたんだい右手くん。
これは俺たちの純情が弄ばれているだけなんじゃないか?考え直そう。
たしかに…そんな気もするけれど。
そんな事ないわ!
どうしたんだい左手ちゃん。
きっとあの子達はあなたの事が好きなのよ!いいじゃない、自分が好きな子と好きなだけ出かければ!
えー…いやいや、あんな美少女の巣窟にいるドS級美少女がちょっと歌が好きなだけの道端の石に感情を動かすだろうか。否。断じて否である。
今の思考は中学生から高校生の男子に見られる『思春期症候群』だろう。あの、『あれ?あの子もしかして俺の事…、?』ってやつである。はた迷惑なシンドロームだ。
「とりあえずわかった。お前らの要望には答えるし晩飯も食いにくりゃいい。けど、もし俺が招いた人がいても文句は言わない。いいかい?」
『はーい。』
「はい、じゃあ決定。晩飯食ったら解散!以上で閉廷!!」
食器を重ね小さくご馳走さまと呟きそそくさと部屋に戻る。
正直リビングにいるだけで精神が削られていく。女の子っていい匂いするなぁ…あれ?俺って匂いフェチ?
リトさんはこんな状況でよく理性が働くもんだ。純粋に尊敬するぜ。俺はなざーさんに名前呼びされたら熱いパトスが抑えきれなくなって革命を起こす気がするぜ。
なに言ってんだ俺。
今日は自分を見つめ直す日になった気がするな。こんな苦行もうこりごりだ。
-追記-
あれから毎日誰かしらが晩御飯にいます。この前なんかパスパレ全員集合してました。その次の日にはロゼリアも全員集合でした。
あこちゃんの「はるとおにーちゃん」の破壊力が核兵器の数倍に上ったことをここに記す
ええ。なにも言い残すことはありません。ただ美咲とリサさんの嫉妬とこころのわざと天然(矛盾)の誘導を書きたかっただけだったんや
拙い文章に評価をつけてくださった
トム猫ですさん
ぼるてるさん
ありがとうございます。
こんな修羅場いいんじゃね?もっとこうして追い詰めようぜ!なアイデア、感想、評価、アンケート、アドバイス、こんな日常回が見たい
、ラジオでこんな質問したい…etcお待ちしております!
ヒロイン総選挙in令和元年・夏
-
千聖こそ正妻
-
リサ姉まじ天使・RMT
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蘭のツンデレ最高
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紗夜さん愛してます
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その他(感想欄にて受け付けます。)