《不定期更新》男性アイドルは超満員の中音楽なしで一人歌うことができるだろうか   作:星燕

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うわぁ、私の好きな作品入ってるわ流石すぎ大好き

ランキング》十三位:男性アイドルは超満員の中音楽なしで一人歌うことができるだろうか

わぁ、


今回はヤンデレムーヴを起こして話題の蘭さんです。
彼女の武器はこれから拳かシャーペンかギター(物理)です。

さて、調子に乗って書き続けた結果。千聖と蘭があんなことに…
はわわわ…らめぇ!

…はい。ごめんなさい。それでは本編どうぞ。


『χ』は勉強が手につかない

どうにか二日間、計十六組を招待したプレオープンを乗り切りーー俺の本業はアイドルであるはずなのだがーー俺は…いや、訂正しよう。()()は、俺の家で勉強をしていた。

理由?彼女たち(あいつら)は勉強ができない。それだけだ。

 

「いや、なんでだよ!」

 

「なに、急に。いきなり大声出さないでくれる。」

 

蘭がジトっとした目で見つめてくる。こんな顔でも可愛い顔であr

 

「あぁぁおうぉぇあ、チッガァァァァア!」

 

「ひうっ!?」

 

「なに?啓斗くんはなんで自分を殴ってるの!?ちょ、止ま、止まれぇぇ!!」

 

違う!俺は、断じて、こいつらを、意識、してなんか、してなんか、いない!いない!!いないったらいない!

 

 

ふぅ…ここらで本音を言わせてもらおうか。

 

意識しまくりだわ!なにあいつら。個性的でネジぶっ飛んでる奴も多いのにみんな美少女で…そこにプラス距離感測れないヤツばっかりでこんな立場にいてなんも感じねぇのはゲイとブス専だけだと思う。

 

ん?

 

…ひう?え?「ひう」?なに今の?え?誰の口から出た音?

え?蘭?そマ?

 

「蘭?今の変な声って蘭?」

 

「なっ、ちがっ、違う!」

 

「蘭ちゃん、大きな声が怖かったなら素直にそう言えばいいじゃない。」

 

「なっ、怖がってない…です!」

 

「だ、そうですよチサトさん。」

 

「試してくださいよハルトさん。」

 

ヒソヒソと俺と千聖が話し合う。ちなみに紗夜は問題文を読んで唸っている。真面目だ。ところで、こういう時の千聖の悪ノリはやられると最悪だ。

つまり、相手にやるのは最高だ。話し合いの結果?最初から決まっているだろ?

 

「わっ!」

 

「ひゃっ!」

 

「「「……。」」」

 

「落ち着け、蘭。話せばわかる。な?だからとりあえずその逆手に持ったシャーペンを机に置こう。な?な!!」

 

「…コロス。」

 

「展開が早いよ!もうちょっとなにかクッション的な会話が欲しい!」

 

ゆらゆらと何か黒いオーラを出してくる蘭から逃げる為に焦りながら周りに助けを乞う。

 

「紗夜!なんとか!なんとかしてくれ!」

 

俺の切羽詰まった声に本日初めて紗夜がテキストから顔を上げる。

 

「自業自得です。あ、そういえば先日のレストランでいただいたポテトはとても美味しかったです。」

 

「なに?たべたいの!?」

 

これ見よがしに溜息を吐きながらそんなことをのたまう。誰だ!紗夜をこんな不真面目にしたのは!

 

「千聖!お前なら…」

 

「この動画、事務所に送ったら楽しいことになりそうね?あ、そうそう。この前のレストランとても美味しかったわ。花音やパスパレのみんなとまた行きたいって話してたのだけれど…あそこは高いからもう行けないかもしれないわね。」

 

「そうですね、私も日菜やつぐみさん、それにロゼリアのみんなとあの料理を食べたいです。」

 

招待しろと?そういうことですか?さいですかさいですか。

いや、無理です。お金が。そんなことしたら一ヶ月分の給料が吹き飛びます。そもそも今度みなさんをサプライズで招待するのにもう一ヶ月分使いそうなのでもう無理なんです。僕の財布のHPはとっくにマイナスに振り切れかけてるんです。

 

「なぁ蘭、いっときの気の迷いだったんだ。な?あるだろ?相手の苦手なものをぶつけたくなる気持ちが湧き上がる時。」

 

「…否定はできないけどお前は許さん。」

 

「なぁ知ってるか?俺って一応先輩なんだぜ?」

 

「えっ、そうなの?」

 

「えっ、知らなかったの?」

 

なんだこいつ。オレァひさしぶりにキレちまいそうだぜ…。

なんて言ってる場合じゃあない。

 

「じゃあ逆に聞くけどなんで俺が紗夜と千聖に勉強教えてんだよ。」

 

「…あっ。」

 

「あっ、じゃねぇわ。」

 

「ぷふっ…あなた、子供っぽいものね…クスクス…」

 

イラっ

 

「なぁ、千聖。今度の仕事のことでちょっと聞きたいところあんだよなー。」

 

「え?今度っていつ…」

 

相手の話を右から左に聞き流し見事に違和感なく千聖を外に連れ出すことに成功した。さあ、調きょ…オハナシの時間だ。

 

___________________________

 

啓斗がチサトさんを連れて行った。なんの話だかわからないけれど、あちらの職業柄仕事の話と言われては踏み込めない。

 

ガタガタという大きな音の後に少し荒目の息遣いが聞こえてきた。

 

『少し荒目の息遣い』?

 

え?話をするだけで荒目の息遣いになることなんかある?

 

ガチャっ

 

「ふぅ。さっ、千聖。勉強しような。」

 

「ハッハッハ、、フッ、フゥ…え、ええ。」

 

明らかに顔が火照り息が上がっている。なにやら時折艶めかしい息遣いが聞こえるたびにこちらが恥ずかしくなってくる。

 

「千聖、ここの公式はこっちの式をΧに代入して…」

 

「え、ええ。んっ…そう、じゃあこっちは?」

 

「あー、そこはさっきの応用で〜」

 

そして何やら距離が近い。いや、別にあの二人が近づいたって私には何も関係ないことだが、こんな状態では勉強が手につかない。そう、勉強のためだ。これは、勉強のため。なにが起こったのかを聞かなければ。

 

「ち、さとさん…さっき外で、その、なにがあったんですか?」

 

「へ?あ、ああ…その、ちょっと、ね。」

 

気まずげに目を逸らし変にはぐらかされる。モヤモヤをうやむやにされてムカムカする。いけない、ビートを刻んでしまったYO。

 

「え、えっと…具体的になにがあったのか、とか。」

 

「…なんなら、自分で体験した方がいいんじゃないかしら。ね?()()()。」

 

ん?蒼くん?それはたしかあの男の担当するアニメのキャラクターの名前では?

 

「蘭さん」

 

瞬間、この場の三人以外の声が聞こえた。あの男よりも少し低く気持ちゆっくりとしたその声。それが聞こえたと同時に後ろから目隠しをされた。

 

「蘭さん、誰かを傷つけるのは良くないことだよね?さあ、そのペンをしまって。」

 

耳元で囁かれるその声に背筋にぞわぞわとしたなにかが蠢きだす。

普段決して感じることのないそれらを、私は未知への恐怖で無理やり抑え込む。

 

「そんなに肩に力を入れちゃダメだ。ゆっくり、息を吐いて。そう。」

 

肩と言わず体中から力が抜ける感覚に怯える一瞬。そのあとは、まあ。おそらくチサトさんと同じ展開だろう。

 

「ほらね?こんなにキモチイイでしょ?」

 

何度も言うようだがこの声は耳元で囁くだけだ。私の体に指一本触れてない。

不思議だ。人体の不思議だ。

 

___________________________

 

「ふぅ。」

 

「…。蘭さん?」

 

「今日は許してやんよ。」

 

「えぇ…なぜ上から?」

 

明らかに死へのカウントダウンが始まった瞬間から早二時間と少し。よくここまで生き延びた、と自分を褒めつつ現状を冷静に見てみる。

 

まず千聖はどうだろう。

一番最初に俺に教えを請うたのが彼女で俺を最初に裏切ったのもおそらく彼女だ。アレで痛みを隠し涙を見せずな鉄仮面と言われるが俺の前だと割と愚痴をこぼす。魔性の女だ。ちなみに本日ほとんど勉強はしてない。

 

次に蘭。

こりゃもうダメだ。ツンデレ生まれのヤンデレ育ち。ツンケンしては殴ってくるしヤンデレムーヴをかましてくる。反骨の赤メッシュと名高い彼女だがもうそろそろその二つ名を再考する必要がありそうだ。勉強はまったくしていない。

 

最後に紗夜。

近年稀に見る常識人ーー俺目線の常識は今日日、もはや常識ではないことをここに記しておこう。ーーでまじめな風紀委員長。これに少し迫るとどうなるのかと考えが止まないがマジレスされそうだし引かれそう。なおかつ自分の立場を踏まえて未だ実行に移す機会はなさそうだ。めちゃくちゃ勉強してた。でも三割くらいしかあってなかった。

 

ちなみに三人とも美少女。

鋼の理性で(ナニを)押さえ込み平等で公正でなおかつ楽しい家庭教師。

欲望に負けてアイドルor赤メッシュorギタリストに手を出す変態性犯罪者。

俺の未来はどっちだ。

 

 

拝啓、お父様お母様。

お元気ですか?僕はもう死にそうです。

それもこれも全部あの女の子たちのせいです。

タスケテ。




評価をつけてくださった

バンドリガチ勢さん
戦刃 rimさん
病み美少女の操り人形さん
コガラスさん
MinorNoviceさん
カラシスパさん

そして、感想を下さった皆さん
本当にありがとうございます。
大好きだ。

ヒロイン総選挙in令和元年・夏

  • 千聖こそ正妻
  • リサ姉まじ天使・RMT
  • 蘭のツンデレ最高
  • 紗夜さん愛してます
  • その他(感想欄にて受け付けます。)

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