《不定期更新》男性アイドルは超満員の中音楽なしで一人歌うことができるだろうか 作:星燕
あれぇ…日常回で…女の子と絡ませたいのに…あるぇ?
おかしいゾォ…
だれか、教えてください。
日常会の始め方を教えてください…。
「歌うま中高生発掘!街角調査ぁ!!」
「なんで…なんでこうなったぁぁぁぁぁ!」
彼がなぜ発狂二歩手前にいるのか。
それは今から1時間ほど前まで遡る。
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「ねぇまだ?まだ着かないの瀧本さん。」
「まだ着きませんよ。五分前にも言いましたよね?」
「ふーん…ねぇ瀧本さんま「まだです。」そう…。」
私と啓斗くん、パスパレの五人は同じ車に乗ってテレビ局へと向かっていた。
かれこれ20分ほど彼と私とさっきみたいな会話を続けている。
正直、ここまで食いついてくると思っていなかったから罪悪感すらある。
そして、あえて言わせてもらおう。セカオワさんはパーソナリティではないしそもそもこのバラエティーに出ていない。
そう、いないのだ。私は嘘をついた。
だってしょうがないじゃん。彼をアイドルにするためだし。
まぁ、本番までは隠し通せればいい。あとはそれなりになるはずだ。
「いやーでも楽しみだよね!今回パーソナリティって芸人の○○さんでしょ!?」
「ちょ、彩さん!?」
「ナニ言ってるの彩ちゃん?」
「ほう…詳しく聞かせてもらおうか?」
その会話を聞いた私は本番までもたないことを悟り、静かにアクセルを踏み込んだ。
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「セカオワさんはいなくて、そこにあるのは新人発掘オーディション。俺だけのためにできたバラエティーではもちろんないしなんなら俺はカットされるかもしれない、と。」
俺は、丸山さんと大和さんからもたらされた情報を整理し、本人達に確認を取る。
「「すみません…」」
返事は謝罪で行われた。
「おし、とりあえず丸山さん?」
「ひゃ、ひゃいっ!?」
「ちょっと俺と
「…はい。」
運悪く俺の標的となった丸山さんはその子犬のような印象をより強くして俺と一緒に部屋から出た。
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「…彩さん大丈夫っスかね?」
「無理だと思う。」
「無理だよねー!」
「ハラキリです!」
「ごめん彩ちゃんごめん。」
そんな会話をしている私たちの元に彩ちゃんが戻ってきました。
「…あら、お久しぶりですね皆さん。」
「「「「へ?」」」」
「丸山彩、改め丸山彩です。」
「変わってないやんケェ…」
「あ!ハルトさん!何したんですか!?」
「何って…お話だけど?みんなもする?」
いい笑顔で聞いてくる彼に私たちは揃って拒否しました。
笑顔で。
高速で、顔を横に振りながら。
丸山彩は生贄だったのだ。
「東郷啓斗さん!!スタンバイをお願いします!」
「あ、はーい!」
そんな茶番をしている間に彼の出番だ。
彼が歌うところを生で見られる時間を楽しもう。
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「いやぁ、みなさん高レベルですね!」
パーソナリティが場をつないでいく。
「次の人は今○○事務所が売り出し中の新人アイドル!YouTubeで話題沸騰中のイケメンです!」
「いやー!楽しみですね。」
「それでは登場してもらいましょう!」
『東郷啓斗さんです!』
「あ、どーも。」
「気が抜けてない?緊張とかしないの?」
「いや、状況に追いつけないというか。」
「君ほんとにアイドル?芸人になろうよ!」
「いやいや、トーク力ないですし、こう見えて人見知りなんで。」
「君面白いねぇ!今度うちおいで!」
「遠慮なく丁重にお願いします。」
「日本語おかしいよ!」
ハハハハハ!!
会場から笑いが起こる。
「とりあえずね、時間押してるんで!歌ってもらっていいですか!?」
「いいとも!!あれ、これあってます?」
「番組違うかなぁ!」
「すみません…」
「では、今回歌う曲は?」
「世界の終わりさんの青い太陽です。」
「それじゃあ!スタンバイお願いします。」
滞りなく進む企画。
しかしここで暗雲が立ち込める。
「すみません、なんか機材が動かなくて。アカペラでお願いできませんか?」
「は、いや…え?」
「おぉ、こんなことあるんだね。」
「いや、あの、」
「それでは歌ってもらいましょう!青い太陽です!!」
「なんでだぁぁぁぁぁ!!」
ここで、冒頭に至るのである。
やばいね、時間なかったね。
次回絶対一万字超えるんで許してください。
なんでもしますから(なんでもするとは言ってない)
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