響トリオの魔界村大冒険   作:Dr.クロ

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巨大な魔物の体内に入ってしまう響達、無事に抜け出せるのか……


第五話~1-43つ首の蛇~

魔物の体内に入ってしまった響達。

 

うごめく壁に音響はうわぁ…となる。

 

音響「凄いところだね此処…」

 

猫響「気持ち悪くなるね……」

 

R了子「まぁ、ここを通らんといけないからな…」

 

うわぁ……と声を漏らす音響と顔を顰める猫響のにR了子はそう返す。

 

翼「此処ではどんなのが出てくるのだ?」

 

ミューチェ「えっと、確か……」

 

確認する翼にミューチェが言おうとした時、少し前から斧を持った……中途半端に消化された魔物が蛇行しながら浮遊していた。

 

R了子「ああ、あれだな」

 

ロック響「うわ、グロイ」

 

音響「中途半端に消化されてるよッ!?」

 

猫響「ホントにあんな感じになりたくないね」

 

それに3人はゾッとしながら進む。

 

R了子「雰囲気的にそろそろか…」

 

ミューチェ「そろそろって…?」

 

周りを見ながら呟いたR了子のにミューチェは聞く。

 

R了子「あれだ。ゲームでもあった回転」

 

ミューチェ「確か、刺が沢山出て来てからするんだったわね」

 

それで足場は…とミューチェは前を見る。

 

ミューチェ「あ、あの宙に浮いてるのじゃないかしら」

 

翼「少し距離があるな」

 

空中に浮かんだ物体を見つけ、翼は奇妙だなと思いながら呟く。

 

浮かんだそれに3人は走って飛び移り…

 

音響「うわわわ!?」

 

猫響「せ、狭くて落ちそう…!」

 

飛び乗ったが狭さに3人はお互いに抱き着きあうと周りがトゲトゲが生えて、回転する様に動き出す。

 

ロック響「これはまた…」

 

翼「一体どうなっているんだろうな此処は…」

 

その様子に思わず呆れる翼のに誰もが思ったが回転はまだ続く。

 

R了子「しかし、改めて私達は飛べるから良いが、響達だけじゃあ間に合わなかった場合を考えるとモデルHとの合流を早くしたいもんだな」

 

ミューチェ「モデルHはどんなことできるんだったかしら?」

 

回っていく風景を見ながら呟いたR了子のにミューチェは聞く。

 

R了子「モデルHはライブメタルの中で唯一空中戦を得意とする奴でな……風を司っているが雷の力も秘めている。使えば空を自由に飛べる双剣使いになる」

 

翼「なるほど。それなら確かにこのステージで使えるな」

 

猫響「楽になりそうだけど、ロックの私の両手が塞がるから私達が攻撃しないといけないね」

 

説明を聞いて納得する翼の後に猫響は指摘する。

 

音響「あ、そうだね!」

 

ミューチェ「あら、回転が終わったみたいね」

 

その問題はどうしようかと思っていると回転が止まり、歩ける道を見つけて歩く。

 

しばらくすると宝箱を見つける。

 

猫響「宝箱だ」

 

翼「何やら声が聞こえるな」

 

何が入ってるのやらと猫響が思っていると翼がそう呟く。

 

言われて見て耳を澄ませる。

 

ーく、気持ち悪い。は、早く、誰か…-

 

モデルF「あ、この声、あいつだな」

 

モデルZ「奴だな」

 

聞こえてきた声にロック響は早速開けて中を見る。

 

そこには弱った緑色のライブメタルが転がっていた。

 

モデルX「えっと、大丈夫かいモデルH;」

 

モデルH「え、エックス様…た、助かりました…この中だと上手く動けなかったので…しかも何度か良く回転して…気持ち悪い…」

 

R了子「ライブメタルも酔うんだな」

 

ミューチェ「そうみたいね…」

 

心配して声をかけるモデルXにモデルHは返事をしながら弱くよろつく様に浮遊しながらロック響の手に収まる。

 

その様子を見てR了子とミューチェは思わず感心した。

 

ロック響「けど、これで自由に飛べる。了子さん。後半はどうなの?」

 

R了子「自動で動くリフトに乗って進む強制スクロールだな…そこまではモデルHでの飛行を使って行った方が良いかもな」

 

音響「後半はそうなっているんだ!」

 

猫響「それまでの間、飛びつつあの狭い足場に乗らないといけない訳?」

 

そうだなと猫響のにR了子は頷く。

 

R了子「飛び続けて何が起こるかわからないからな。しっかりと足場に乗った方が良いだろうな…良かったな相方いなくて、おしくら饅頭になってたら絶対に鼻血を流して大惨事になってただろうな…」

 

モデルL「否定できないわね」

 

モデルP「同意」

 

モデルA「ありえそうだもんね」

 

ミューチェ「絶対なっていたわね」

 

そう言ったR了子のに思わず納得しちゃう猫組以外であった。

 

翼「(こちらの小日向ではそうならないだろうな…)」

 

猫響「(うちの未来は大丈夫かな…)」

 

そして猫組は自分達の未来を心配していた。

 

 

 

 

ロック未来「ホント響に抱き着かれると落ち着くんだよね~」

 

音未来「うんうん、分かる分かる」

 

猫未来「あ、このお肉もうすぐ焼けるよ」

 

一方の囚われ組は…焼肉をしながら談話していた。

 

しかも未来達は凄くよさそうなのと思っているが高級肉なのだから当然である。

 

なんと言うか、緊張感がホント正反対である。

 

 

 

 

とにかくモデルHへと変え、2人の腕を掴んで飛ぶロック響の変わりに2人の響が槍と短剣を駆使して向かって来る悪魔、イーグラーや壁、天井からも伸びてくる髑髏の頭に炎のようなボディを持つモンスター、スカルフラワー・マルチを倒しつつ、進んで行く。

 

ロック響「2人とも、辛くはない?」

 

音響「大丈夫大丈夫!平気だよ」

 

猫響「こっちも、けど、本当に楽になったね」

 

確認するロック響に音響はそう返し、猫響も倒しながらそう返す。

 

R了子「そろそろ後半のに近づいてる筈だ」

 

ミューチェ「なら飛べるのはここまでね」

 

そう会話してると小さい足場を見かけなくなり、ロック響は2人を下ろしてからモデルAになる。

 

ロック響「ここからが自動で動くリストか…」

 

R了子「そうだ。噴き出す煙にも気を付けろ。あれも確かミスの原因になる」

 

音響「煙に当たるだけでも駄目なんだ!?」

 

翼「かなり厳しいな」

 

それには音響や翼は驚く。

 

R了子「どうしてミスになるかは消化する為の胃酸を含んでいるからじゃないかと思うが…」

 

ミューチェ「まあ当たったらヤバいってのは確かね」

 

リアル的なのを考察するR了子に誰もが頷く。

 

とにかく目的のリストが見えて3人が乗ると動き出した。

 

音響「うわととと!」

 

猫響「すごい動きするね」

 

乗り込んだ後に揺れる様に動くリストに落ちない様に気を付ける。

 

その後に噴き出す煙に気づく。

 

モデルF「あれが問題の煙か」

 

モデルL「普通そうだけど気を付けないといけないわね」

 

翼「だがそれだけに気をとられていると危険だぞ」

 

呟いたライブメタル達の後に翼が先を見て言う。

 

そこには青い球のようなのが蠢いていた。

 

R了子「確かあれは…ローズバッドの色違いで名前は消滅細胞…早めに倒さないと破裂して破片を撒き散らすぞ」

 

音響「それなら遠距離攻撃で…!」

 

猫響「破裂させる前に倒す!」

 

思い出して解説するR了子の音響と猫響は短剣と槍で潰して行く。

 

R了子「あ、後、思い出したがこのリフトで後半全てを進むんじゃなく、途中で足場があるからそれで上まで進んで、リフトに乗ってになる」

 

翼「途中で乗り換えがあるのか」

 

ミューチェ「その途中でも小さい子悪魔な悪魔が出て来るから気を付けないといけないわ」

 

思い出して言うR了子のに翼は呟き、ミューチェが補足する。

 

ロック響「上に向かうと言う事は…」

 

モデルX「もしかすれば口から出る事になるかもしれないね」

 

音響「口で良かった…!」

 

猫響「ホントにね」

 

3人は喜んだ後に気合を入れて足場やリフトを乗り移ってんで行く。

 

R了子「このままいけば穴が見えてくるだろう。その穴に飛び込めばボスのヒュードラが待つ空間に辿り着くな」

 

翼「どんなボスなのだ?」

 

ミューチェ「三つ首のドラゴンよ。ステージとなってる魔物の本体でもあってね。火炎弾を吐いたり、ナーガに似た竜人に分裂して体当たりしてくるわ。弱点は首よ」

 

そう言ったR了子に翼は質問してミューチェが変わりに答える。

 

R了子「ミューチェが解説した通り、首が弱点だ。貫通するからパワーアップしたクロスソードがあれば楽だが…ないものねだりだからパワーアップした短剣を使って戦え」

 

音響「はい!わかりました!」

 

猫響「あ、見えてきたよ」

 

ロック響「それじゃあ2人とも、行こう」

 

そう会話した後に一同は穴へと飛び込んだ。

 

その後に着地した感覚を感じた後に周りを見ると自分達に威嚇する三つ首のドラゴンに気づく。

 

モデルZ「あれがヒュードラか…名前から感じていたが蛇の様な龍だな」

 

翼「確かにそうだな。…む?あっちに見えるのは心臓か」

 

ミューチェ「と言うことは此処は胸辺りかしらね」

 

そんなヒュードラの外見を見て呟くモデルZに翼は同意した後にヒュードラの後ろで鼓動してるのに気づいて呟き、ミューチェが大体の場所を予測する。

 

R了子「とにかく奴を倒さないと出れないからな。気張れお前達」

 

ロック響「了解」

 

音響「頑張ります!」

 

猫響「来るよ…!」

 

その言葉と共にヒュードラは響達へと向けて火炎弾を放つ。

 

それを3人は避けた後にロック響は銃撃、音響は短剣を使い、猫響は近づいて横から松明を投げて攻撃を仕掛ける。

 

ヒュードラ「!!」

 

音響「たぁあ!」

 

猫響へと噛み付こうとするヒュードラに音響は短剣を投げて怯ませて、その間に猫響は距離を取る。

 

後ずさったヒュードラは体を輝かせた後に3体の足が蛇な竜人になる。

 

R了子「あの状態では攻撃してもダメージはないから回避に専念しろ」

 

ロック響「分かった」

 

猫響「了解」

 

指示に3人は頷くとヒュードラ達は口から火炎弾を放ち、3人は慌てて避ける。

 

R了子「ゲームと違う感じのか…やはりレッドアリーマー同様に他の魔物も似た感じか」

 

ミューチェ「まあゲーム通りじゃすぐ攻略されちゃうから仕方ないわね」

 

翼「だが基本は同じ。2人が言った様にまた1つになるみたいだ」

 

それを見て呟くR了子にミューチェは肩を竦めて言う中でヒュードラは翼の言った様に元の3つ首に戻る。

 

ロック響「むぅ…黄金の鎧じゃないから必殺技が使えないのがもどかしい…」

 

モデルX「俺達の大体の必殺技も魔法と同じ扱いみたいだからね」

 

猫響「じゃあ次はロックの私が優先して鎧強化していく?私はあとでいいからさ」

 

ありがとうと返しながらヒュードラの火炎弾を避ける。

 

すると攻撃を受け続けていたヒュードラの3つ首の1つが消滅する。

 

R了子「奴らの体力も終わりみたいだな。決めろ」

 

音響「はいッ!」

 

その言葉と共にロック響と音響が同時に攻撃を仕掛け、残っていた2つ首に炸裂するとヒュードラは断末魔を上げて消滅する。

 

その後に揺れが起こった後に突然の突風が吹いて6人は吹き飛ばされる。

 

 

 

 

巨大な魔物の口から出て来る響達の様子を見て魔王は口を歪める。

 

魔王「チッ、クリアされたか」

 

舌打ちした後に魔王は着地している響達を見てまあいいと呟く。

 

魔王「次のステージで氷像にしてやる」

 

そう呟いた魔王に控えていたレッドアリーマーが声をかける。

 

レッドアリーマー「魔王様、不躾な質問をさせて貰っても宜しいでしょうか?」

 

魔王「ん?なんだ?」

 

突然そう言われて魔王は怪訝となる中でレッドアリーマーは言葉を選ぶ様にしながら問う。

 

レッドアリーマー「その、今の魔王様を見てると…その、奴らが進んで行く事を…楽しんでみてる様に私めには見えたので…あの者達がどう攻略するかを楽しんでませんか?」

 

魔王「ッ!?」

 

言われた事に魔王は目を見開く中で無礼な事を言いまして申し訳ございませんとレッドアリーマーは首を垂れる。

 

魔王「楽しんでいるだと…我が…!?」

 

レッドアリーマー「気分を害する事を言ってしまいました」

 

画面を見て呟く魔王にレッドアリーマーは首を垂れたまま言う。

 

魔王は深く深呼吸した後に気分を落ち着かせていく中で考える。

 

魔王「(奴らがステージクリアするのが楽しい……何故だ?何故そう思って……。ああ、そうか。あの時と同じなんだ…)」

 

考えていくうちに思い出す。

 

大切な人との人時を…

 

その後にすぐさま頭を振る。

 

魔王「(何を考えているんだ我は!我の目的は奴等を殺すこと!そうだ!我が楽しむなどあってはならない!あっては…!)」

 

仮面越しに顔を抑える魔王にレッドアリーマーは不安そうに見守る。

 

レッドアリーマー「(魔王様…やはり話に聞く奥様方をお亡くなりになったのを気にしなされて…言うべきではなかったか…)魔王様、少しお休みになられてはどうでしょうか?気休めですが寝れば少しは安らぐかと」

 

魔王「…それもそうだな。ではしばし我は寝る。その間、任せたぞ」

 

自分の配慮の足りなさに後悔した後に進言するレッドアリーマーに魔王は頷いて寝室に向かう。

 

レッドアリーマー「(………魔王様、部下としてはこう願うのは間違いだと思われるが…あの者達に救われて欲しいと願ってしまうこれも間違いだろうか…)」

 

そんな寝室の扉を見ながらレッドアリーマーは一礼して外に出る。

 

 

 

 

ロック響「あー…出れた…」

 

音響「なんとか口から出れて良かったねー」

 

ぐ~~~~~~

 

誰もが安堵すると音が響き渡り、それが音響のお腹からで出した本人は顔を赤くする。

 

音響「ご、ごめんなさい///」

 

ミューチェ「まあ、仕方ないわね。ここまで何も食べてなかったし…しかも昼を食べてなかったわね」

 

ロック響「そう言われると…空腹感が来るね」

 

翼「猫の立花は大丈夫か?」

 

猫響「…少しお腹減ったかな?」

 

思い出して言うミューチェにロック響もお腹を摩り、翼も声をかけて猫響はそう返す。

 

見ていたR了子はふうむと顎を摩った後に…鼻をヒクヒクさせる。

 

R了子「この匂い…食い物か?」

 

音響「あっちから匂いがするよ!」

 

呟いた直後に音響は駆けだし、他のメンバーも慌てて続く。

 

しばらくすると…テーブルの上に大量のご飯と豪華に焼かれたお肉が置かれていた。

 

音響「ご飯&肉だぁああああああ!!」

 

ミューチェ「ちょ、響ッ!?」

 

ロック響&猫響「…ご飯…!」

 

それに音響は真っ先に飛びつき、ミューチェも慌てて続く中でロック響と猫響は目を輝かせ、猫響にいたっては耳はピクピク動き、尻尾も興奮してるのを示す様に揺れている。

 

R了子「全く、こらえ性のない奴だな(涎ダラー)」

 

翼「涎出てますよ桜井女史」

 

それを見て呆れてる感じに言うR了子だが翼が口の端から涎が垂れてるのを指摘する。

 

R了子「違うぞ。これは私の心の師匠である人のごちそうを目にした時の癖であって、一緒にいた事による条件反射だ」

 

モデルX「いや、その言い訳は苦しいと思うよ了子;」

 

モデルF「しかし、ホント食事を見ると俺的に羨ましい限りだぜ」

 

翼「そう言えば食べれないのか…いや、確かにその見た目では食べれないか」

 

言い訳する了子にモデルXがツッコミを入れてる隣で言ったモデルFのに翼は見た後に呟く。

 

モデルH「我々には不要だからな…」

 

モデルA「けど、気分としたらゴクリとなるのは分かるでしょ」

 

ミューチェ「あー確かに分かる。私も幽霊になってから食べれなかったから…」

 

その言葉にミューチェも出会う切っ掛けの奴のでもう1度食べられた時の感動を思い出しながらしみじみと同意する。

 

音響「美味しいー!」

 

猫響「…美味しい」

 

ロック響「うまうま…」

 

早速食べ始めてる3人にミューチェはちょっと残しといてよね!とミューチェが飛び、翼とR了子も続く。

 

 

 

 

ロック未来「食べてる時の響はホントにホッコリするね~」

 

猫未来「そうだね」

 

音未来「あの笑顔を見ると嬉しくなるよね」

 

そんな3人を見ながらこちらはほっこりしつつ食べていた。

 

無事に魔物の体内から脱出した響達、次に待ち受けているステージは…


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