NINJA   作:マグナム7013

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 とある友からのリクエスト?作品で、はじめての完全オリジナルストーリー


木下豊実、助けられる

ーー最近、常識を超越した犯罪が増えている。

 

 

 

 大阪明頼大学に通う学生、木下豊実は新聞を眺め、そう感じていた。彼女のもつ新聞には拘束された殺人鬼の犯行内容とその手口が事細かに記されており、そこに補足するように常識が通用しないことが淡々と証明されていた。その補足は常識を超越した事件内容ではだいたいのものにあり、彼女どころか世間一般でも見慣れたものである。彼女もそういったニュースを見慣れていた故に好きであってももう飽き飽きとしていた。そんな彼女を魅了するものがいた。

 

 

 

【正体不明のヒーローNINJAまたもお手柄!連日ニュースに他国首脳も興味津々?】

 

 

 

 そういう見出しで全面を飾っているNINJAと呼称されている黒い男、それが彼女を魅了している人物だ。魅了といっても恋愛的ではない。好奇心的な意味での魅了である。彼女は人一倍好奇心旺盛な故に彼を調べることに没頭していた。調べたことは数知れず。だが、本当に貴重で信憑性なものは1%にも満たないだろう。それが、彼女の好奇心に拍車を掛けていた。

 

 

 

 

 

 彼女が新聞の他の欄を眺めていると未解決の誘拐殺人事件の欄が目に入った。その殺害対象は高校生から大学生までの女子で、内容としては未知の方法で対象を連れ去り、殺害、その遺体を犯行の手口を記した紙と共に遺族の前に置いていくと言うものであった。何と言う残虐なやり方なのだ。と怒りの感情も出たが、そのつぎに書いてあった物に目をやると、一つだけ、命を懸けた賭けを思い付いてしまった。

 

 

 

 それは自分を囮にそのヒーローと犯罪者を誘きだそうと言うものであった。

 

 

 

 

 

 ある日の深夜、私はは京都市内の路地で時間を潰していた。時刻はもう12時を迎えようとしている。確実に来るという確証は無い。だが、京都市内の犯行で、被害者が自分とほぼ同い年となれば遭遇する確率は格段に増加するだろう。そう言った確信が、私の中にはあった。

 

 

 

「でも、一時間二時間まっても現れる気配が無いのよねぇ。」

 

 

 

 スマホの示す時刻を見て、ため息を吐いた。現に私は二時間弱は路地裏をウロウロと徘徊し、その時を今か今かと待ちわびていたのだが、その時が来る気配は一向に無かった。勿論人には誰にでも気力だの体力だの限界があるわけで、私のそれらは既に限界が近かった。

 

 

 

「疲れたし、帰ろ。」

 

 

 

 余りにも成果が無い故に彼女が帰ろうと踵をかえした直後のことだった。

 

 

 

「あぶなぁいよぉ…。」

 

 

 

 耳元で何かが囁いた。抑揚のあまりない低音の男性の声だ。余りにも突然の出来事に身が凍ったように動かなくなる。まさかこいつが犯人?なら助けを呼ばなきゃ…!と頭では理解していても依然として彼女の体は固まったままであった。声も出ず、体も動かない。しかし表通りはもう見えているのだ。この距離さえ走ることができれば彼女は助かる。そう確信していた。だが、何時まで経ってもどれだけ意識しても体が動く気配はなかった。

 

 

 

「逃げようとしても無駄ぁだよぉ。僕のぉ能力だからぁ。」

 

 

 

 やはりこの男も能力者であった。これで今までに犠牲になった人達が何故無抵抗のまま殺されてしまったのかが、自分の中でわかった気がした。だが、今のままではその仲間入りをしてしまう。私はこんなキモい男に殺されるために来たのではないのだ。私はNINJAを誘き寄せるために来たのだ。

 

 

 

「僕は人肉食も好きなんだよねぇ。」

 

 

 

 背筋が凍った。男が異様に長い爪で私の背筋をなぞる。助けて。と心の中で精一杯叫んだ。

 

 

 

 

 

「待てい!!」

 

 

 

 何処からか声が聞こえたかと思うと突然、男が私から引き剥がされた。ぐげぇと間抜けな声を出して男は地面に倒れ混む。未だに体の自由が奪われたままであったために、私は座り込んだ。そして男との間にもう一人、割り込むように何者かが現れた。

 

 

 

 絵巻物に描かれるような忍者の姿に、黒い籠手を付け、その頭部には鋼鉄の簡易的な鎧が装着されている。その身に纏う装備は布と言うよりかは、アメコミヒーローのスーツの方が近いであろう。少し西洋感が出ているのだが、それを補うと言わんばかりに額には金色の菊を模した装飾は、闇夜である筈なのに輝いて見える。

 

 

 

「貴様が女子供を自らの欲求を満たすが為に殺める悪党か?」

 

「お前誰だぁ!!?」

 

「我こそはNINJA、貴様らのような悪行働く者を成敗する者也。」

 

「くそっ。この時代遅れがぁ!」

 

「喧しい。悪党。」

 

 

 

 私が引かれて止まない人物、NINJAは、懐から短剣を取りだし、前屈みな姿勢を取った。

 

 

 

 

 

 

 

 NINJAは少し前傾姿勢になり、右足を下げると、駆け出す体勢となった。対して引き剥がされた男はそのクラゲの足のようにうねる髪を振り回しながら憤慨している。狭い路地ゆえにさまざまな物が髪に打たれ、倒れ、傷ついて行く。

 

 

 

「勝負!」

 

 

 

 NINJAのシルエットがゆらりと動いた。短剣を前に構え、蛇行気味に男に向かって突っ込んだ。男の振り回す髪の来ないタイミングを見計らっての突撃であった。男が頭を振り上げ、その空いた首もとに刃を立てた。

 

 

 

「あまぁい!」

 

 

 

 男がつき出された腕を掴んだ。それとほぼ同時にNINJAの動きが止まる。その動かない姿を見て、男は甲高く、だが、静かに笑った。

 

 

 

「僕の能力の麻痺だよぉ。動けないでしょ?」

 

 

 

 男が余裕の笑みを見せ、NINJAに近寄った。そして勝ったと言わんばかりにNINJAの首もとへ手をやった瞬間、その顔に拳が叩き込まれた。痛々しい骨の割れる音と共に男の体が宙を舞い、ぼろ雑巾の如く地面に落ちた。

 

 

 

「その程度の拘束で我を止めれると思うな。うつけ。」

 

 

 

 NINJAは何事も無かったかの様に男に歩み寄り、その髪を掴んだ。触手の様な髪がギチギチと嫌な音をたてる。流石に痛覚があるのかいだだだだと男が暴れた。だが、彼はそれを気にも留めずに顔にもう一発打ち込んだ。鼻から血が吹き出し歯が飛んだ。コンクリートに血が広がる。

 

 

 

「貴様のようなやつは引き渡すときに暴れるからな。三途の川の手前まで言って貰おう。」

 

 

 

 3発目、4発目と次々に拳は男に降りかかった。最初は抵抗する素振りを見せていたが、脳震盪のような症状が現れたからか次第にその勢いは衰え、ぐったりとしていた。

 

 

 

「正直漫画の如くこれは◯◯の分!だとかやりたいところではあるが、それをやっているとこやつ死にそうだな。」

 

 

 

 そう言ってぐたぁと魂の抜けた様に動かない男を放った。木下は自分の目前に飛んできたので、驚いてた後ずさりをしたが、既に男の意識は無く。まるで人形の様に倒れてしまっている。爪先で二三度つついて漸く確信が持てたからか、彼女は安堵の息を吐いた。

 

 

 

「お主、名は?」

 

「私ですか?」

 

「他に居るまい。」

 

「木下豊実…です。」

 

「良い名だ。覚えておこう。」

 

「えっあっ。」

 

 

 

 彼女が待ってと声をかけるのより早く、NINJAの姿は夜の町に消えていった。その場に残ったのは気を失った男と彼女のみである。ハッとして動けることを確認した彼女は徐に携帯電話を取り出した。

 

 

 

「警察。呼ばなくちゃ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの事件から、一夜が明けた。私は事件関係者として事情聴取を受け、その無謀さ加減を怒られた。世間では号外でNINJAの活躍が報道され、ブームの勢いをつけた。目的は達成した筈なのにどうも解せない。あれだけ接近しても得られた情報はとても少ない。だが、一つだけ大きな収穫はあった。彼が拳を撃ち込む際に懐からピアスのような物が落ちたのだ。銀色で輪っかだけではあるが、美しい装飾がされたリングの内側には高級ブランド店とfというイニシャルが刻まれている。

 

 

 

「このイニシャルとブランドの名前からあぶり出してやる。」

 

 

 

 

 

 大学の講義を受け、その後、キャンパス内で探索を始めた。こんな所にいるとは思えないが探して探して灯台もと暗しでしたなんてことにはしたくもない。だからここで探すのだ。

 

 

 

 

 

 まぁ直ぐに見つかるわけもない。大学内でもお洒落な人達を探してはこれは君のじゃない?と聞いていた訳だが、そのピアスは持ってないだとか他のブランドの物を愛用してるだので該当はしていなかった。やはり外部だろう。そうなればもう見つけることは不可能である。

 

 

 

 

 

「どうした?そんな思い詰めた顔して。」

 

「あぁ、愛斗。ちょっとね。」

 

 

 

 大学内にある喫茶店でリングを眺めていた私の横に青年が来た。彼の名前は霧島愛斗、同じ大学に通う幼なじみだ。実際茶髪で体格の良い彼だが、性格は実に温厚で、周りからは好かれる人物である。人気があるにも関わらず私ばかりに構うのはまるで人気があるけど飼い主ばかりに反応する犬のようである。

 

 

 

「もしかしてあの忍者?の話?」

 

「そうなの。」

 

「そのリングは?」

 

「NINJAが落として…あれ?」

 

 

 

 愛斗の右耳辺りで何かがキラリと輝いた。少しと待ってといった後に彼の耳に少しだけ掛かっていた髪の毛を退かした。すると右耳に装着されたピアスが姿を現した。NINJAの物と同じで銀色で同じブランド、そして装飾である。

 

 

 

「これって…。」

 

「あれま。偶然やなぁ。あはは。」

 

 

 

 愛斗は少し気まずそうに頬を掻いた。焦っているからか額には冷や汗のような物が確認できる。まさか灯台もと暗しにも程があるのではないか?と思ってしまった。

 

 

 

「もしかして…。」

 

「ぐ、偶然やって。だってそれのイニシャルもfやろ?僕のイニシャルはkやから。」

 

 

 

 それもそうね。と一人で納得した。ここで彼が本当にNINJAでもどうしようか迷うだろう。だが、一応彼も候補の中に入れておかねばいけない。万一の場合である。

 

 

 

「でもイメージと違ったわ。」

 

「何が?」

 

「もっとアメコミヒーロー感溢れる人かと思ったらバリバリの忍者だったの。」

 

「まあNINJAって呼ばれてるのも海外の人が馴染みやすいようにするためやからな。」

 

 

 

 じゃあ僕は行くわ。と愛斗は喫茶店を出ていった。何時もなら今日あったことを片っ端から話してくるのだが、今日は何時もとは違って引きが早かった。それは私と喧嘩した翌日か、バレては不味いとに愛斗が無意識にしてしまうことだ。やはり、彼がNINJAなのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 愛斗は喫茶店を出るとそのまま電車に乗り、彼の家に向かった。家の最寄り駅から出て徒歩五分ほどにある少し古いマンションの二階に、彼の家はある。殆どコンクリートの打ち付けのままな殺風景な廊下を歩き、鉄の扉を開け、家に入った。彼は上着をリビングに脱ぎ散らかすと、そのままベランダまで行き、置いてあった椅子に腰を降ろした。

 

 

 

 

 

「バレてないよな…。ワンチャン。」

 

 

 

 ポツリと声が出る。そう、彼こそが世間を湧かせるヒーローNINJAの正体なのである。彼は温厚で、親しき人々を危険にさらす真似はしたくなかった。だからこそ彼は一人秘密裏にヒーローとして活躍してるのだ。

 

 

 

 これはヒーローNINJAが日本を脅かす者達を成敗する物語である。




 どうでしたか?まだまだ至らないところもありますが、精進していきますのでよろしくお願いいたします。感想で批評、アドバイス等を頂けると大変嬉しいです。どんどんと学業の合間に書こうと思いますのでよろしくお願いします。
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