十香「皆! 今回は二話構成? というものらしいぞ!」
折紙「前回の続きが読みたい人は、これの一つ前のストーリーから読んでほしい」
琴里「ややこしいことしたかもしれないけど、大事なことだからね」
四糸乃「お願い……します」
よしのん『間違ってこっちから読んだりしたら、よしのんパンチが猛威を振るうことになるからねー!』
狂三「それでもという方は、私が食べてしまっても良いですわよ?」
耶倶矢「加え、今の世は悪菌が蔓延しておる」
夕弦「注意。不要不急の外出は避けるようにしてください」
美九「どーしてもお外に出たいならぁ、私がぎゅーって抱きしめてでも止めますよー! だーりんと女の子限定で!」
七罪「……そういう訳だから、本当に外に出ない方が良いわよ。二重の意味で」
二亜「にゃはは! 漫画家にとっちゃ、そんなの大して関係ないけどねー!」
六喰「外出する者は、マスクを忘れてはならぬ。帰った時は、うがいと手洗いを忘れぬようにの」
士道「それじゃ、言うことも言ったし、第一章エピローグを楽しんでくれよな!」
声繋は、まだ地面に突っ伏していた。
他の装者達は、翼に呼ばれて二人から少し離れた場所にいる。本部に連絡を着けているのだろう。
「声繋」
響が呼び掛けると、声繋は仰向けになり、上半身を起こして響の方を向いた。
「響……その……」
「ありがとう」
声繋が気まずそうに何かを言おうとしたのを遮り、響を礼を述べた。
「わたし達の為に頑張ってくれたんだよね。わたし、すごく嬉しいよ」
「そんな……。俺はただ、響の思いに応えただけだよ」
「それでも、ありがとう。声繋のおかげで、翼さんと仲直りできたから……」
「……まぁ、俺が何かしなくても、その内仲直りできたと思うぞ」
「え、どういうこと?」
「翼さん達を洗脳して、喧嘩のことを聞き出した時、翼さんが響の気持ちを教えてくれたんだ。俺が昔の響に似てるって」
「翼さんが?」
響は驚いた。
確かに、響は声繋に昔の自分を重ねていた。しかし、それを誰かに伝えた訳でもない、ましてや響の言葉を真っ向から否定した翼が、それを理解していたことに驚きを禁じ得なかった。
「でも、それって声繋に洗脳されてたからじゃ……」
「〈破軍歌姫ガブリエル〉の洗脳は、あくまで俺を最優先にさせるだけで、他は何も変わらないんだ。もちろん、それまで抱いていた他の人への認識もな」
「それじゃ……」
「ああ。翼さんは、響の気持ちをちゃんと分かってたんだ。だから、俺がこんなことをしなくても、いつかは仲直りできたはずだぜ」
「……そっか。そうなんだ……」
それを知って、響の心が暖かくなった。同時に、申し訳ない気持ちも込み上げてくる。
翼は、響の気持ちを分かっていた。それなのに、響は翼に散々非難するようなことを言ってしまった。結果としては響が正しかった訳だが、これでは翼に譲られたような気がして、何だか自分は駄々を捏ねただけのように思えてしまう。
「……まぁ、本人は気付いてないみたいだったし、そもそもそれが本心なら、こんなことにはなってなかっただろ」
「それもそうだね」
そんな気持ちは一瞬で晴れた。結局のところ、自分の気持ちに正直になった者が勝つのである。翼はそれをしなかった。ただそれだけだ。
「それで、声繋はこれからどうするの?」
「そうだな……。なぁ、響の組織は俺を受け入れてくれると思うか?」
「うーん……。一応、S.O.N.Gは国連直轄の組織だし、声繋は世界中から狙われてるから、S.O.N.Gの一存で声繋を保護するのは…………って、S.O.N.Gに入ってくれるの!?」
声繋の問いから大分遅れて、響は声繋の質問の意味を悟った。
「ちょっとそうしないといけない状況になってるんだよ。それで、どうなんだ?」
「もっちろん! 師匠……あ、私達の司令も声繋を受け入れるつもりだし、他のみんなも大丈夫!」
「でも、そのS.O.N.Gって組織は国連直轄で、世界中から狙われてる俺を保護したら色々ヤバいんだよな?」
「うっ……」
今しがた自分が言った言葉で返され、響は言葉に詰まる。
S.O.N.Gが声繋を受け入れるつもりだとしても、声繋が世界中のトップから狙われている状況は何も変わらない。それをどうにかしない限り、声繋が安心できる時間も場所も存在しないのだ。
「ど、どうしよう……」
「……なぁ。一つ提案なんだけど」
不出来な頭で打開策を考え出そうとしていると、声繋が遠慮がちに提案する。
「その……俺を狙っている人やその関係者。その人達の俺に関する記憶を封じるってのはダメか……?」
「それだ!」
「えぇ!?」
提案したことが採用されたにも関わらず、声繋はそれが意外であったかのような反応を見せた。
「何で驚くの?」
「何でってこっちのセリフだよ! 記憶操作だぞ!? 普通に悪行じゃねぇか! 何で意気揚々と受け入れてんだよ!?」
「だって、怪我させる訳じゃないし、それで声繋が安心できるなら良いじゃん。師匠もそれくらい許してくれるよ。ダメなら説得する」
「えー……。響って、意外と不真面目なんだな」
「ふふん! 嘗めてもらっちゃ困るよ声繋。わたしはね、授業中に居眠りは当然、宿題なんて自主的にはほとんどやらない、テストも赤点がほとんど、三拍子揃った不真面目ちゃんなんだよ!」
「自慢気に堂々と言うな! ただの問題児じゃねぇか!」
あまりにもダメダメな自分を堂々と語るものだから、声繋はツッコまずにはいられない。
「そもそも、その人達から声繋の記憶が消えて困ること、ある?」
「無いな。むしろ好都合しか生まれない」
そこだけは同意だった。
「……あれ? でもそれなら、声繋を怖がってた人達の記憶も消せば良かったんじゃ……?」
「それじゃ意味なかったんだよ。どの道助けることは変わらなかったから。後、消すんじゃなくて封じるだけだからな。言ってしまえぱ思い出せなくするだけだからな。消すとか止めろ怖い」
突如として発生した響の疑問を解消したところで、話を本題に戻す。
「まぁ、一先ずはそれが有効案としておくとするか。……ん?」
「どうしたの?」
声繋が響の方を見て、何かに気付いたような反応をする。
「そのヘアピン……」
「え? ……あ」
言われて、響はいつも髪の左右に付けているN字型の赤いヘアピンに触れる。すると、左側に付けているヘアピンから、僅かに尖った感触があった。
「少しじっとしてろ」
「あ……うん」
声繋が響の髪に触れ、左側のヘアピンをそっと動かす。その間、声繋の顔が近くにあり、少し心臓がうるさくなったが。
大して時間をかけず慎重に抜き取ったヘアピンを見ると、端の方から中央にかけて欠けているのが確認できた。
「瓦礫がぶつかった時だな。怪我をする前に気付いて良かったよ」
「う、うん……」
「……もしかして、気に入ってたか?」
「ううん! 別にそんなんじゃないよ!」
慌てて響が否定する。実際、このヘアピンは安物で、高くもなんともないごく普通のヘアピンだ。
ただ、シンフォギアを纏った時もずっと響の髪にあり、何だかんだで長い付き合いになるそれが壊れてしまったのは、正直ショックだった。
「…………よし」
と、声繋は少し考える素振りを見せた後、割れたヘアピンを両手で包んだ。
「何してるの?」
「良いから、見てろよ~……」
何やら興味を引く物言いの声繋。言われた通りに見ていると、声繋はわざとらしく唸り声を上げ、ヘアピンを包む両手に力を籠める。
「んんんん~~……ほいっ!」
そんな、今時手品師でもやらない妙な掛け声と共に、声繋は両手を開いた。
「わぁ……!」
だが、そんな不恰好さも気にならないほど、響は声繋の手のひらの上にある物に夢中になっていた。
それは、響がよく知るN字型の赤いヘアピンではなかった。
流れ星をイメージした、元のヘアピンと同サイズのきらびやかなヘアアクセサリー。流れ星の軌跡である青いアーチは、マジョーラ塗装のように見る角度によって色が変わるようになっている。
「綺麗……。これ、どうしたの?」
「俺の力の源、〈霊結晶セフィラ〉は結晶でさ。一部を霊力として放出して、ヘアピンに纏わせる形で再結晶化したんだ」
「凄い! そんなこともできるんだ!」
初めてやったんだけどな、と力なく言う声繋。
「……もしかして、わたしに?」
「じゃなきゃお前のヘアピン使って作るかよ。それに今日のデート、俺はもらいっぱなしだったからさ。何かお返しがしたかったんだ」
「声繋……」
正直、申し訳ない気持ちで一杯になる。初めての異性とのデートで勝手が分からず、あまり時間もなかったというのに、声繋はこんな素敵なプレゼントを用意してくれた。
「……良いの? こんな良い物もらっちゃって」
「当たり前だろ。楽しいデートをありがとうな、響」
「……うん!」
その一言だけで、迷いを晴らすには充分だった。
声繋は響の髪に手を伸ばすと、流れ星のヘアアクセサリーを、右側のヘアピンと対になる位置に差した。
「どう? 似合ってる?」
「もちろん。世界一だ」
そんなお決まりのやり取りをしながら、二人はどちらからともなく笑い合った。
しかし、一通り笑い終えると、声繋は何かに押されるようにして、力なく響の胸に頭を預けた。
「声繋……?」
「流石に……疲れた……」
と、眠気に抗う子供のように言う声繋。
今日、声繋は火災現場での救助活動に加え、翼とマリアとの戦闘時と、天使の力を遠慮無く使っていた。片方は回避の為だが。
ましてや、彼が目覚めたのは昨日。それも、昨日はほとんど力を使うことなく隣界へと戻っていった。今日の声繋は、謂わば寝起き状態であれだけのことをやってのけたのだ。体力はともかく、精神はもう限界に近かったに違いない。
そんな状態で手作りアクセサリーを作ったのが、トドメとなったのだろう。そう言えば、翼からは声繋を労ってやれと言われていたのだった。最初はそのつもりだったのに、話に夢中になっていた為、すっかり忘れていた。
今がその時だ。
「……うん、疲れたね。だから、もう休んで良いんだよ」
「…………」
幼子をあやすように、優しく頭を撫でると。
声繋は瞼を閉じ、響の胸の中で、規則正しい寝息を立て始めた。
「おやすみ、声繋」
作者「痛!? こ、ここは……?」
一同「作者さん! お誕生日おめでとー!」
作者「うえ!? な、何!? 何なの!?」
声繋「作者さん、今日が誕生日だろ? せっかくだから、みんなで祝おうと思ってさ。ついでに、みんなも言いたいことがあるんだって」
響「作者さん! わたしと声繋を出会わせてくれてありがとう! 声繋と出会えて、すっごく幸せだよ!」
翼「作者さん。私はこの第一章、あまり良い役割ではありませんでしたが、彼の立場を引き立てる役として、重要な役を任されたと感じております。ありがとうございました」
クリス「作者。その……なんだ。あたしに新しい友達をくれて……ありがとな!」
マリア「作者さん。私はあまり目立った活躍はできなかったけど、次章の伏線役を任せてくれてありがとう。次章での私の活躍、期待してるわよ」
調「作者さん。私と切ちゃんも、次章で活躍したいです」
切歌「デスデース! アタシと調のコンビなら、あんな活躍やこんな活躍もやったるデース!」
未来「作者さん。私はほとんど登場できなかったけど、この小説の内容で、響を支える役にしてくれてありがとうございます」
奏「作者。あたしはこの小説に登場しないけどさ、あとがきトークで七罪と組んだ時は結構楽しかったぜ。ありがとな」
セレナ「私も、狂三さんみたいな人と触れ合えたのは新鮮で、とても良い経験でした」
作者「みんな……」
声繋「俺も、作者さんに感謝してる。俺を生んで、こんな良い人達と出会わせてくれて、凄く幸せだよ」
響「わたし達、これからもハッピーエンド目指して頑張ります!」
一同「これからも、よろしくお願いします!」
作者「もちろん! 絶対にこの小説を良いものにしてみせる! だから、こちらこそよろしく!」
声繋「よーし! それじゃ作者さんの誕生日と、第一章完結を祝して、かんぱーい!」
全員「かんぱーい!」