沢山の感想、評価、ありがとうございます。正直、三話でUAが5000越えるとは思っていませんでした。評価バーにも色が付いて、もう凝縮ものです。
それでは、第四話、響と声繋(初見さん読めます?)のデート、その前編をどうぞ! とにかく難産でした……。
月読調と暁切歌は、何かと一緒に行動することが多い。二人はかつて、共にある組織に引き取られた過去を持ち、その頃から一緒にいることが多かった。所謂、親友である。
そんな二人は今日も今日とて一緒にいる。響が街に出たタイミングから少し遅れて、二人も街に出ていた。今二人がいるのは、リディアン在学中の装者達がよく利用するファミレス。テーブルに座り、先程頼んだケーキを今か今かと待っている最中だ。その間、二人は楽しく談笑を―――
「…………はぁ……」
「…………デース……」
―――している訳でもなかった。
別に、ケーキの到着が遅れているとか、無理して高いケーキを頼んだことを後悔しているとか、そんな理由でため息を吐いている訳ではない。
二人が頭を悩ませているのは、先日、謎の爆発と共に現れた少年、『アーリーデウス』のことと、その少年に対する見解の違いによって生じた、響とS.O.N.Gの対立だった。
『アーリーデウス』を殲滅すべきと主張するS.O.N.G。
『アーリーデウス』と対話するべきだと言う響。
異なる意見を主張し合った結果、響は今回の事件に関与することを禁止され、事実上の除名扱いとなってしまった。
その決定には、勿論反対の声が上がった。これまでの事件で、響は幾度も勝利に貢献する活躍をしてきた。最後の最後で一番活躍してきた彼女が戦場を離れるのは、戦力の大幅ダウン以外の何物でもない。
だが、翼は「戦う気のない立花がいても、邪魔になるだけだ」と、弦十朗の意見に賛成。その言葉を受けた響は、それ以上何も口に出さず、ガングニールや通信機などを弦十朗に預け、その場を去った。
その一連の展開の中、調と切歌は何も言い出せなかった。今までに見たことがないような響と翼の迫力に気圧され、言葉を発することを躊躇ってしまった。もしかしたら、こんな状況を生み出さずに済んだかもしれないというのに。
少なくとも、二人は響の意見に賛成したかった。『アーリーデウス』―――あの少年の言葉と行動を信じたかった。響と共に翼に立ち向かっていれば、少なくとも響を一人にさせてしまうことはなかったかもしれない。
そう考えると、二人の胸には後悔の念がわだかまる。自分たちの心の弱さが響を一人にしてしまったのだとしたら、どう償えば良いのか。
「……どうしたら良いんだろう?」
胸中を溢したのは、調だった。
調は、かつて響のことを偽善者と蔑んでいた時期があった。しかし、響の優しさを目の当たりにしたことで、今となっては共に戦う仲間となり、学校の先輩後輩という関係にまでなった。
立花響という少女は、他者と手を繋ぐことを諦めない。かつて戦ってきた者達の中には、響の手を掴んだ者も少なからずいる。その多くは、何かしら辛い出来事に心を痛め、そんな時に響に手を差し伸ばされ、その手を掴んだ。調もその一人だ。
そんな彼女が、今また手を掴もうとする相手を見つけ、言葉を交わそうとしている。そんな響を、かつて彼女の手を掴んだ者の一人として、調は助けたいと思った。
それを口に出せなかった結果が、今の状況である。
そもそも、今回の響はどこかおかしかった。
これまで、言葉が通じる相手と戦わなければならない事態が発生した時、響はそれでも話し合うことに拘っていた。今回も、最初は話し合うことから始めようとして、実際にその約束を取り付けた。だが、その約束がS.O.N.Gによって取り消されそうになった時、響はかつてない怒りをS.O.N.Gにぶつけた。
そこが妙なのだ。響は周りが戦うことを選んだとしても、それに納得はせずとも憤慨することはなかった。その選択に一定の理解を示し、何より仲間と揉め事を起こすことを望まないから。
だが、昨日の響は、今までの彼女とは真逆の行動を取った。
仲間に怒りをぶつけた。響が手を繋ぎたいと望み、その結果得られた繋がりを、響自らが断ち切らんばかりに。
どうして響があそこまで怒りを抱いたのか、それは、当人ですらわかっていないだろう。調と切歌もそれを理解することは、未だできないでいた。
故に、わからないのだ。
どうすれば、響の助けになれるのか。
「……ねぇ、切ちゃ―――」
「ブウウウウウゥゥゥゥーーーーーッッ!?」
何ということだろうか。
切歌の意見を聞いてみようと、調が声をかけるべく顔を上げた瞬間、切歌がメロンソーダを吹き出したではないか。それも、調の顔面に向けて。
「………………どうしたの?」
顔をメロンソーダ(切歌の唾液入り)で濡らした調は、持っていたハンカチで顔を拭きながら、何があったのかと切歌に問う。ほんの少し不機嫌になりながら。
当の切歌本人は、余程余裕がないのか調の顔を拭くことすら忘れて、あわあわと口を動かしながら、調の背後に震える人差し指を向けていた。
「あ、あああああれ! あれ見るデデデデデス!」
「アレ?」
顔の液体を全て拭き終えた調は、未だ僅かにベタつく顔を、その人差し指の方向へと向ける。
そこには、およそ一年の付き合いになる襟足が広がったボブカットヘアーの少女と、青銀色の髪と琥珀色の瞳を持つ、それ以外はどこにでもいそうな普通の少年が。
それらを視界に収めた調は、一度振り返り、
「なまらびっくり」
「何で北海道弁デス!?」
「言わなきゃいけない気がした」
調の謎の北海道弁はさておき。
少し落ち着いた二人は、今一度その方向に目を向ける。先程目にした二人は、調と切歌のいるテーブルからちょうど見やすい位置にあるテーブル席に、向かい合って座っていた。少女、というか立花響は、早速メニューに目を通しており、少年、というか『アーリーデウス』の方は、同じようにメニューを見ていた。
「……あれ、響先輩デスよね?」
「……うん。そして、あの男の人は『アーリーデウス』、だと思う」
「何でここにいるデス? て言うか、何で一緒にこんな所に?」
「……多分、昨日の約束だと思う。お話しようって」
「昨日の今日でデスか!? て言うか、あの人は約束を守るために、戦った相手の仲間と接触したって言うのデスか!?」
「声が大きいよ切ちゃん。後、『て言うか』言い過ぎ」
向こうに見つからないよう注意を払いながら、二人を観察する調と切歌。調は落ち着いているように話しているが、実のところ状況に付いて行けてないだけである。
何しろ、自分達の仲間が、自分達が昨日戦った相手とファミレスにいる、などという超状現象が発生しているのだ。こんなものを受け入れろと言われても蹴り飛ばしたい気分である。
とは言え、そういう訳にもいかない。目先五メートル程離れた位置で発生している現象は間違いなく現実。受け入れるより攻める方の調だが、今は攻めるべき時ではない。受け入れることに専念した。
「……で、どうするデス?」
「どうするって?」
切歌が事態の対処法を問うてくる。
「あの人はS.O.N.Gの殲滅対象デス。今から本部に連絡して、マリア達に来てもらうとか……」
「………………」
調は少し考える。
確かに、自分達の立場を考えれば、切歌の言う通りにするべきなのだろう。
だが。
「……切ちゃんは、そうしたい?」
「……したくないデス」
二人は、あの少年を信じてみたかった。
こちらから仕掛けたにも関わらず、こちらに怪我を負わせないように武装だけを破壊する戦い方を貫いた精神。
自分が負傷することを厭わず、響を守った勇姿。
そして、響との約束を果たすべく、また襲われる危険を省みず響に接触した誠実さ。
これらを併せ持つ少年を、自分達の大切な仲間達と戦わせることを、二人は選べなかった。
「「…………うん」」
二人のやるべきことは決まった。
潜入美人捜査官メガネを装着した二人は、未だメニューとにらめっこを続ける響とそれを待っている彼が座るテーブル席を、観察することにした。
二人の小さな捜査官達が自分達を観察していることを知らない響は、顔をめり込ませる勢いでメニュー表を見ていた。
響はそれなりに健啖で、普段から女子高生の平均摂取量を大幅に上回る食事をしている。とは言え、懐事情などは考えており、如何に低予算で大量の食事を取れるかを考え、メニューとにらめっこするのは恒例行事となっていた。
だから、響を観察する捜査官達は、今の響はいつもの恒例行事に耽っているだけだと思っていた。
しかし、実際は、
(デート? 男の子と? 同い年の男の子と? 未来や翼さんやクリスちゃん達じゃなくて男の子と? 昨日会ったばかりのすんごい力を持った男の子と? わたしみたいな男っ気のない残念女が男の子と?)
この状況に対して、動揺しまくっているだけであった。
自己紹介で述べた通り、立花響に恋人がいた経験はない。更に言えば、異性に恋心を抱いた記憶もない。そして、身の回りに恋愛経験を持つ人物はいない。
そんな、三拍子揃った恋愛から隔離されたような生活を送ってきた響が、同い年の男子とデートをしている。恋愛偏差値皆無の彼女にとって、この状況は未知も未知。未知で満ちた未知の領域なのだ。動揺しない道理がない。
(あぁ~~! 何で昨日、『君に興味がある』なんて言ったんだろ? あんなのデートに誘ってると思われるに決まってるじゃん!)
今更ながら、先日の自分の失言を悔いる響。あながち嘘でもない分、余計に質の悪い発言をしてしまったものだ。
彼女にとってのデートとは、言ってしまえば友達と出かける程度のものでしかなかった。親友とのお出かけも、デートに分類されるのである。そんな考えを持ってしまったのは、一重に同年代の男性との接触率の低さが原因である。
というか、今まで普通に接してきたが、響は男性との接触に関して欠陥を抱えていた。
彼女の知り合いの男性は、なんと年上の成人男性のみ。内二人は、戦闘に秀でた超人。残りの内一人は、そもそもろくな会話とよべる会話をした記憶がない。最後の一人は父親で、何というか、『男性』というよりも『父親』という印象が大きい為、当てにはできなかった。
年上というだけでも厄介なのに、まともな男性の知識を得られる相手がいないという。これほど徹底した男性隔離があるのだろうか。
「響」
「ひゃい!」
気が動転しているところにその原因から声をかけられて、響は変な声を上げた。
「こっちは注文決まったけど、響は?」
「あ、わ、わたしも決まったよ! 頼もっか!」
動揺していることを悟られないように、響はメニューから適当に料理を選び、近くの店員に注文する。
ちなみに、今回のデートで発生する費用は全額響持ちである。理由としては、単に声繋が無一文だからである。
「なんか、悪いな。結果的に催促するような形になっちゃって……」
「ううん、そんなことないよ。わたし、このお店の料理コンプリートしちゃってるから、どんな時にどんな料理を食べれば良いかわかってるんだ!」
「本当か? それってなんかスゲーな。だったら俺のも響に選んでもらえば良かったな」
「じゃあ、今度来た時に選んであげる! 絶対に良かったっておもわせるから!」
「なら、その時は俺が払うよ。男が女の子に奢ってもらうなんて、格好付かないからな」
……などと。
緊張とは裏腹に、響と声繋の会話は、友達同士のそれと同じように広がっていった。
元々、響はコミュニケーション能力が高い。どんな相手でも物怖じせず、真っ直ぐな心で接しようとする。今回は状況が状況なだけに動揺してしまったが、響が元から持っているその力は、いつ如何なる時でも発揮されるのだ。
しばらくして、料理が運ばれて来る。ウェイターが運んできた料理がテーブルの上に並べられ、その美味しそうな見た目が二人の胃袋を刺激した。
胃袋が目の前の料理達を求めている。その欲望を叶えるべく、響は「いただきます!」と行儀が良いんだか悪いんだかわからない勢いで言ってから、料理に手を付けた。
「う~ん……! ハンバーグとこのオリジナルソースが絡み合ってできる味が最高なんだよね~! これと一緒にご飯も食べたら究極!」
「ハンバーグとコーンスープにフライドポテト、更にはライス、か。響って結構食べる方なんだな」
「うん! 好きなものはご飯&ご飯だから……」
そこまで言って、響は気付いた。
自分は今、同い年の男子の前で、お世辞にも品があるとは言えない食事をしていることに。
「…………っ!」
それを自覚した途端、響を羞恥心が襲った。
いつもは気心の知れた女友達と一緒にいるから、遠慮なく大量に食べる響だが、同い年の男子と二人きりという状況で、普段通りの大食らいができるほど図太い精神は持ち合わせていなかった。加えて、声繋が注文したのは平均的サイズのオムライスのみ。響が頼んだもの達と比べれば、常識過ぎる量である。
やってしまった。街の案内と信頼を得ることを目的としているのに、それ以前に女性としては見せたくない一面を見せてしまった。
「ち、違うの! 実は今日、朝御飯食べてなくて、すっごくお腹空いちゃってて……」
何とか弁明しようとする響だが、自己紹介で好きなものはご飯&ご飯と言った時点で、朝御飯抜きなどと言ったところで説得力は無いに等しい。現に、声繋は何かを悟ったような目をしている。
「気にするなよ。響は響の食べたいように食べれば良いさ」
「で、でも……」
「言っとくけど、俺の信頼を得たいなら自分を偽るのは止めておけよ。俺、他人の秘密を見破るのは得意な方だからさ」
「…………はぁ」
聞こえるか聞こえないかくらいの音量でため息を吐いてから、響はちびちびと料理を口にしていった。
今の一連の出来事で、響は声繋のことが少しだけわかった。
彼は、女性の扱いがそんなに上手くない。仮にも女性とデートをしているのだから、気を遣う方法が『相手の目的成就に関することでアドバイスする』といのは、正直適切とは思えない。
「それに、さ」
「……?」
彼をデリカシーのない人間と断定しようとした時、声繋はこう付け加えた。
「俺、結構料理好きだからさ。変に行儀良く食べるより、元気に食べるような人の方が、俺は好きだな」
「……っ!」
響は思った。
落として上げるのはズルいと。
自分の顔は、今やイチイバルの三倍は赤くなっているだろうと。
食べることが大好きな響を食事中に黙らせるとは。響の友人が知ったら、声繋は恐ろしい男だと断定されることだろう。
「……声繋」
ここまでされて、流石に黙っていることはできない。
響は一口サイズに切り分けたハンバーグをフォークに刺してから、声繋を呼んだ。
「ん? な―――」
「あーーーん!」
「んんっ!?」
声繋が呑気に口を開けた瞬間を見計らい、響はその口目掛けてフォークを突き出した。
『我流・不意討ちあーん』
「お返しだよ!」
「…………」
フォークを引っこ抜き、それを顔の横にかざして可愛らしい笑顔を浮かべる響。
『我流・不意討ちあーん』。相手が口を開けている時、そこに食べ物を突っ込む響の必殺技。普段から友人達に食らわせ続けてきたこの技は、日を増す毎に進化し続けており、初見でかわすことは不可能とされている。因みに、笑顔については完全に素で行っている。
などと、響はただの仕返しのつもりで行ったのだが、自分がかなり恥ずかしいことをしてしまったことに気付いたのは、声繋がほんの少し頬を赤らめ、次の言葉を発した時だった。
「……響って、結構恥ずかしいことするよな」
「…………あ」
言われて、響はイチイバルの三倍赤くなった顔を見られないようにと、顔をうつむかせた。
(ああああぁぁ~~~~~~ッッ!! わたしのバカ! 何でやった後に後悔するようなことばっかりするの!?)
「それじゃこっちも……」
(どうしよう……。わたしが男の子とデートするなんて無理だったのかな? そもそも、わたし、モテた試しなんてないのに……)
「響、あーん」
己の所業に後悔し、自信を喪失しそうになっていた時、響の目の前にそれはやって来た。あまりに突然のこと過ぎて、響にはそれを拒もうとする意思は存在しなかった。
目の前にスプーンに乗せられたオムライスがある。ただそれだけを認識して、オムライスが乗ったスプーンに口を近付けていき……、
「あーん……」
それを口に含んだ。
「……ッッッ!!??」
瞬間、響の口内が幸せで満ちた。
卵のふわふわ、米のもちもち、そして鶏肉の適度な歯ごたえ。
悲しいことに、今の響にはこのオムライスの美味さを表現できるだけのボキャブラリーはない。だから、これだけを口にした。
「美味しい~!」
何とも単純な感想である。
「お返しのお返しだ。……って言うか、俺は何を返されたんだ?」
「さあ……? でも良いじゃん!」
「返したのは響なんだが…………まあ、いっか」
そう片付けて、二人は皿の上の料理を口に運んで行った。
気が付けば、オムライスの幸せを与える柔らかい食感が、響の胸中に蟠っていた不安や後悔は薄れていた。
立花響という少女は、何とも単純なのである。
一方。
「見たデスか!? 見たデスか調!? あれが巷で噂の『食べさせ合いっこ』デスよ!」
こちらは、響と『アーリーデウス』がカップルなら行う定番中の定番である『食べさせ合いっこ』を目の当たりにして、興奮している切歌の感想。
「……切ちゃん、声を抑えて。二人に気付かれちゃう」
「おぉっと、ごめんデース……」
調に注意され、声を小さくした切歌。
しかし、調も切歌の気持ちがわからないでもない。向こうで共に食事をしている響と『アーリーデウス』の姿は、調の目から見ても恋人同士に見える。これまで、恋愛とは無縁の人生を歩んで来た二人にとって、そういった類いの話は興味を引かれる対象。それが自分達と親しい間柄である響であれば、余計に引かれてしまうのだ。
やがて、二人は食事を終えた。それから少し会話を挟んだ後、会計を行って店を出て行った。
「追いかけよう」
「合点デース」
響達を追って、調と切歌も店を出る。会計の際、財布に手痛いダメージを負ったことを後悔し、二度と無理して高いケーキは頼まないと誓いながら。
響達は、ファミレスからそんなに離れてはいなかった。二人共、辺りをキョロキョロしながら、ゆっくりとした足取りで街を歩いている。
「……どうしたんだろう?」
「きっとあれデス。響先輩はあの人に街を案内しようとしたデスけど、男の子が行きそうな場所がわからなくて迷っているんデス」
「そうなのかな……?」
「そうデス! 考えてみれば、あの響先輩が男の人とデートしたことがあるように見えるデスか?」
「見えない」
即答である。
「いくら響先輩でも、殆ど初対面の男の子とのデートは厳しいんデス。『アーリーデウス』さんも、それは同じはずデス」
「どうしてわかるの?」
「如何にも彼女いない歴イコール年齢って顔をしてるからデス!」
なんて失礼なことを
「このままじゃ、響先輩の初デートは苦い思い出として、『こんなこともあったなー』って笑い話になるまで、響先輩の心の中にトラウマとして残り続けることになるデス!」
「……それで、どうするの?」
何やら、切歌が『このままじゃいけない! 何とかしないと!』的な雰囲気になっていたので、調は自分達がどうするべきかについて問う。
調の勘は当たっていた。
切歌は、「ズバリ!」と言って告げる。
「アタシ達で、響先輩のデートをサポートするデス!」
「サポートって、私達もデートの経験なんてないのに?」
切歌の提案に最もな疑問を持つ調。
だが、切歌は不敵に笑うと、スマホを取り出した。
「フッフッフッ、誰がアタシ達二人と言ったデス?」
「え……?」
疑問符を浮かべる調を余所に、切歌は自分が選んだ相手それぞれに向けて、次の内容のメールを送信した。
『響先輩が男の人(同い年くらい)とデートしてるデース! 皆でサポートするデース! 尚、クリス先輩には内緒デース!』
―――三十秒後。
切歌のスマホに、『詳しく聞かせて』と言った内容のメールが四件送られてきた。
琴里「戦姫絶唱シンフォギアD第四話、読んでくれてありがとう。デート・ア・ライブヒロインの一人、五河琴里よ」
クリス「戦姫絶唱シンフォギアの雪音クリスだ。同じ赤とかツインテールとか指摘されないアホ毛とか、変に似てるところが多いからって理由であたしらが組まされた訳だが……」
琴里「は? 似てる? どこが? こんな胸だけ大きい似非チビ女と一緒にしないでくれる?」
クリス「……おい、言葉には気を付けろよ。あたしお前より年上なんだぞ? お前より背ェ高ぇんだぞ?」
琴里「原作でもろくに年上扱いされてないのに何言ってんだか。そもそも、貴女と私の年齢差は現在四つよ? そんな相手と身長を比べて恥ずかしいと思わないわけ?」
クリス「よーしわかった戦争だな鉛弾の痛みを教えてやるよそこに直れこのチンチクリン司令官がぁッ!!」
琴里「やってみなさいよ。言っとくけど、私は頭を射たれようが心臓を射たれようが死なないから。どれだけ射っても無駄弾にしかならないから」
クリス「上等ッ! 風穴の開け甲斐があるってもんだッ!!」
琴里「なら掛かって来なさい。この付いててもどうせ使い道の無い無駄な脂肪の塊を持つ弾丸小娘! 鉛弾ごとき溶かしてやるわ!」
クリス「やれるモンならやってみろ! 持ってけ全部乗せだァァああああーーーーッッ!!」
声繋「……こいつら、頭良いはずなのに、何でこんなに短気なんだ……?」