英雄伝説 異能の軌跡   作:ボルトメン

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軌跡の新シリーズが始まるらしいですね。


依頼②

南セントアーク街道に蹄の音が軽快に響く。

 

「いやっほーっ!」

 

「ほらクルト君、もっと飛ばして飛ばしてー!」

 

「はしゃぎすぎだ……頼むから手を離さないでくれよ」

 

「いやっほーう」

 

「いや、無理してテンション上げなくていいからな」

 

「………………」

 

(キリコはブレないな)

 

Ⅶ組はあっという間に演習地についた。

 

 

 

午後 12:50

 

演習地に残っていたトワとランドルフに人形兵器の件も含めセントアーク市周辺の報告をし、列車事故についての情報交換を行った。

 

「チッ、まさか本当に人形兵器がうろついていたとはな。しかもその中年オヤジ、ただ者じゃねぇだろ」

 

「ええ、飄々としてましたけど、逆に底しれないっていうか……人形兵器を倒したってことは結社関係じゃなさそうですけど」

 

「そうか……キリコは猟兵って考えているんだな?」

 

「強い気配を持ちながらそれを隠す術に長けている。軍人にしては動作がキビキビとしていない。遊撃士にしては馴れ馴れしすぎる。そんなやつは猟兵しかいない」

 

『…………』

 

「?」

 

全員がポカンとする。

 

「……大した観察眼だな」

 

「え、ええ……」

 

(洞察力、機械の扱いに機甲兵戦術、冷静沈着さ、反応速度、そして戦闘力、分校長がやたらと目をかける理由がわかるな)

 

 

 

ランドルフはトワの方を向いた。

 

「1年半前の内戦で放たれた可能性もあるんだよな?」

 

「ええ……今までも何件か各地で報告されていますね。その意味で結社の関与を決めつけるのも早計ですが……」

 

「……パルム方面にも2件似たような報告が上がっています。警戒するに越した事はないでしょう」

 

「だな……」

 

ここでアルティナはミハイルの姿がないことに気づいた。

 

トワはミハイルが脱線事故の様子を見に行ったことを告げた。

 

なお、事故の原因は落石によるものでけが人はほとんどいないことも伝えた。

 

「そうですか……良かった」

 

「……脱線事故と聞くと前にクロスベルでもありましたね」

 

「そうだな……ありゃ、重傷者が何人も出たが。──しかしまあ、特務科も頑張ってるみたいじゃねぇか?」

 

「ふふっ、そうですね。教官に頼りきりにならずにみんな頑張ってるみたいだし」

 

「えへへ……そうですか?」

 

「まあ、それほどでも」

 

「まあ、まだ半分です。あまり誉めると気が緩みそうですし程々にしておいてください」

 

ユウナとアルティナの顔が緩むがリィンが緩みすぎないように締める。

 

「って、何ですかその子供扱いみたいなコメントは!」

 

「不本意ですね。油断などしません」

 

(そう言うやつほど早死にする。何度も見てきたな……)

 

「──教官の評価はともかく」

 

クルトが口火を切った。

 

「Ⅶ組に特務活動──どういう背景で設立されたか何となく見えてきた気がします」

 

「ええっ……!?」

 

「へえ……!?」

 

「……………」

 

「哨戒だの、現地貢献だのもっともらしい理由が最初に説明されていましたが……」

 

「要は《遊撃士協会》と同じことをさせているんでしょう?」

 

「ああっ!?い、言われてみれば……」

 

ユウナはクルトの言葉に、大きく反応する。

 

「《遊撃士協会》──大陸全土に支部がある民間の治安維持・調査組織ですね。帝国にも存在しますが、現在、活動が制限されているという」

 

「あはは……鋭いねぇ、クルト君」

 

「うーん、聞いた時から既視感があったんだが」

 

「はは……俺たちの時は《特別実習》という名前だったがちょうど同じことに気づいたよ。いきなり気づくとはずいぶん鋭いじゃないか?」

 

「別に……心当たりがあっただけです。──察するにこのⅦ組を提案したのはオリヴァルト・ライゼ・アルノール殿下……皇位継承権を放棄された第一皇子その人なんでしょう」

 

(聞いた事がある。たしか、"放蕩皇子"だったか)

 

「そこまで……」

 

「そういや、ヴァンダールってたしか皇子の護衛をしてた……」

 

「ランドルフ教官もご存知ですか。それは自分の兄、ミュラーの事でしょう」

 

「──皇子殿下が以前より遊撃士協会と懇意にされているのは自分も聞き及んでいます。伝統あるトールズがあのような形に生まれ変わって……理事長を退かれた皇子殿下がせめてもの"想い"を託された。違いますか?」

 

「うん……そうだね」

 

「はっきりと聞いたわけじゃないが多分、間違いないだろう」

 

「なるほど……そういう背景でしたか」

 

「オリヴァルト皇子……そんな人が帝国にはいるんだ」

 

「ああ、とても尊敬できる方だ」

 

「───もっとも、この件については自己満足にしか思えないが」

 

「えっ……」

 

クルトの発言にトワが戸惑う。

 

「ちょっ、それって遊撃士を見習うことがってこと?帝国じゃ知らないけどギルドは正義の味方として──」

 

「当然知っているさ。……多分君と同じくらいは」

 

ユウナの反論を受け止めつつ、クルトは続ける。

 

「だが、理想と現実は違う。現に帝国のギルド支部のほとんどが政府の命令で封鎖されたまま再開されていない。彼らに共感し、協力しようとしていたオリヴァルト殿下や《光の剣匠》、そして───志を共にした者たちも今の帝国では無力な存在だ。そんな流れにあるのが特務活動でⅦ組なのだとしたら……

 

"自己満足"以外の何者でもないと思わないか?」

 

「……っ…………」

 

「………………………」

 

「クルト君……」

 

「……ふむ………」

 

「大した慧眼だが、クルト……一つ忘れていることはないか?」

 

「? ……何です?」

 

「殿下の希望とは関係なく───

 

 

Ⅶ組の活動が第Ⅱ分校の正式なカリキュラムとして各方面から認められていることだ」

 

「……!」

 

リィンの指摘に今度はクルトが二の句を継げなくなる。リィンはさらに続ける。

 

「分校長やシュミット博士、何より帝国政府の思惑も確実に絡んでいるだろう。おそらく俺たち一人一人を駒として見込んでいるのかもしれない」

 

「殿下の希望はきっかけに過ぎないはずだ」

 

「そ、それは……

 

もっとタチが悪いということじゃないですか!?」

 

「物事には両面がある……決めつけるなところことさ」

 

激昂するクルトをリィンが窘める。

 

「君はずいぶん頭が切れるがどうも考えすぎる傾向がある。今日、半日かけてやったことをどうして否定的な側面だけで判断しようとするんだ?」

 

「……っ………」

 

リィンの正論の前に、クルトは黙るしかなかった。

 

その時、

 

「その、あたしも同感っていうか……やりがいはあったし、重要な情報もゲットできたから無駄なんかじゃないと思うよ?」

 

「お前の言うように皇子の自己満足だとしても俺たちには関係ない」

 

「まあ、総合的な結論を出すには早いのではないかと」

 

Ⅶ組がリィンに続く。

 

「みんな……」

 

「……納得はしていませんが詮ない愚痴はやめておきます」

 

クルトは渋々納得すると、リィンに向き直って、

 

「いずれにせよ、務めである以上、第Ⅱ分校の生徒として──ヴァンダールに連なる者として全力で当たるだけです」と宣言する。

 

「ああ、今はそれでいい。俺に言われたくないだろうがその先は自分で見つけてみてくれ」

 

「っ…………了解です……!」

 

 

(Ⅶ組か……ユウ坊が入るっていうのはちょっとばかり心配だったが、やっぱ教官も含めてなかなか面白そうじゃねぇの)

 

(ふふっ、そうでしょう?)

 

 

 

「───報告も済んだし特務活動を再開するか。みんな、準備はいいな?」

 

「……ええ!」

 

「言わずもがな、です!」

 

「いつでも出発できる」

 

「では、パルムに向かうとしましょうか」

 

「おお、そういや忘れてたぜ」

 

ランドルフがⅦ組を引き止める。

 

「何ですか、ランディ先輩?」

 

「なんかフレディが呼んでたぞ。依頼がどうとか……」

 

その瞬間、Ⅶ組のテンションが下がる。

 

「忘れていたな」

 

「忘れようとしていた、の間違いでは?」

 

「い、一応、フレディ君の探してるのは集まったけど……」

 

(これを食うのか……)

 

「えっと……何があったの……?」

 

 

 

回想 [ユウナ side]

 

それはあたしたちがイストミア大森林の帰り。

 

何とか森の出口についたはいいけど、昆虫型の魔獣と鉢合わせちゃったの。

 

数では上だけど質はこっちが上だから戦闘は早く終わった。終わったんだけど……

 

「ううう……何でこんなこと………」

 

そう、フレディ君の依頼はムカゴっていう植物とハチノコ、つまり蜂の幼虫!!昆虫型の魔獣が落としたんだけど……

 

 

 

触りたくない!!

 

 

 

うねうねと蠢いているし、変な色してるし。

 

アルティナに至ってはものすごく離れているし!

 

そんなあたしたちを見かねたクルト君たちは、

 

「えっと……無理しなくていいから」

 

「ここは俺たちがやっておくから、ユウナとアルティナはそっちのムカゴを回収してくれ」

 

「…………………」

 

と言ってくれた。

 

後、ぱっと見はわからないけど、キリコ君は嫌そうな顔してたけど文句も言わずにハチノコを回収してくれた。

 

教官はともかく、クルト君とキリコ君、ごめんね。

 

回想終了 [ユウナ side out]

 

 

 

「そんなことがあったんだ……」

 

ユウナの回想にトワも同情する。

 

「とにかく、フレディからの依頼は一応こなしてはいるんだ。フレディに届けよう」

 

「そうですね」

 

「仕方ない……ですね……」

 

リィンたちは諦めともつかない顔で食堂へと向かった。

 

「だ、大丈夫でしょうか?」

 

「まあ、大丈夫だろ。昆虫食ってのは俺もあるが、好きなやつは好きらしいぜ?」

 

「フォローになってない気が……」

 

ランドルフの言葉にトワは本日何度目かのため息をつく。

 

 

 

食堂ではリィンがフレディに依頼の品を渡した。

 

「おおおっ───これぞまさしく自分が望んだ品!少々お待ちを、さっそく調理させていただきます!」

 

フレディの調理が始まった。

 

だがフレディの調理工程はなかなかのものだった。

 

「へえ、こうして見てるとずいぶん鮮やかな手つきというか」

 

「料理研究部に所属しているだけはあるな」

 

リィンとユウナが感心する一方、

 

「あれで食材がまともだったら………」

 

「ああ、まったくだな」

 

「……………………」

 

アルティナたちの評価は芳しくなかった。

 

「そ、そういえばフレディの得物は三叉槍だったか。故郷が海か湖に近かったりするのか?」

 

リィンは話題を変えるようにフレディの得物について聞いた。

 

「? 何で海や湖が出てくるんですか?」

 

「三叉槍は武器というより漁で使われることが多いんだ」

 

「たしかに槍というより銛に見えますね」

 

「ええ、実は自分の故郷はこのサザーラントの辺境にあるのですが、そこは山と川の両方に恵まれていて、昔から常に自然と共にありましたね」

 

「なるほど……」

 

「フフ、そうこうしている内に完成です」

 

フレディは両手を広げ、高らかに料理を披露する。

 

「演習地にて味わう、フレディスペシャル・その①───『ハチノコとムカゴをふんだんに使った、サバイバルチャウダー』です。どうかご賞味あれ」

 

「あ、ああ……」

 

(うーん、ハチノコは何をしてもハチノコね……)

 

(……これを食すにはかなり勇気が要りそうだな)

 

(見た目、香り、共に独特ですね……)

 

(……砂モグラがマシに思えてきたな。シャッコ、改めてお前を尊敬する……)

 

Ⅶ組はハチノコの独特のクセの前に尻込みしており、キリコも前世の戦友に尊敬の念を抱いた。

 

(せっかく作ってくれたんだ。とにかく食べるしかないな)

 

リィンは恐る恐るフレディのサバイバルチャウダーを口に運んだ。

 

(い、行った──?)

 

(……行きましたね)

 

「フフ……いかがでしょう」

 

「あ、ああ……これは……」

 

リィンはゆっくりと咀嚼する。

 

「多少クセはあるが、意外と悪くないというか……苦味の奥に感じられる旨味が何とも言えない絶妙さだな」

 

「フハハ、何が意外なのかはよくわかりませんが、満足して頂けたようで何よりです」

 

(そ、そうなのか……?)

 

(うーん……少しは興味出たかも?)

 

(ふむ、試してみる価値はありそうですね)

 

(そうだな、試さないことにはな……)

 

キリコたちもサバイバルチャウダーを口に運ぶ。

 

「こ、これは……」

 

「クセはあるんだけど……」

 

「食べられないことはないですね」

 

(味は悪くないが……)

 

結局、Ⅶ組はサバイバルチャウダーを完食した。

 

「今日はご馳走になった。本当にありがとうな」

 

「フハハ、礼には及びません!教官たちの成功をお祈りします」

 

 

 

フレディの料理を食べ、Ⅶ組はパルムを目指す。

 

「さて、パルムへ行くにはここから南下するんだったな」

 

「ええ、セントアークまでより距離はありますが、途中、鉄道に掛かる橋を越えればすぐに見えてくるはずです」

 

「鉄道といえば……例の脱線事故ってどうなったのかな?」

 

「あれから1時間は経過しています。何かしら進展はありそうですが」

 

「様子を見に行きますか?」

 

「ああ、キリコの言うとおり様子を見に行った方がいいかもしれないな。それじゃあ出発しよう」

 

 

 

列車を出て、クルトは先ほどのリィンや仲間たちとのやり取りを思い出した。

 

(それにしても……僕もまだまだだな。本当に中途半端というか……)

 

(ここからは出し惜しみはなしだ。改めて気合いを入れ直さないとな!」

 

 

 

クルトはSクラフト 『ラグナストライク』が使えるようになった。

 

 

 

「クルトく~ん、何してるの~?」

 

「ああ、今行くよ!」

 

 

 

Ⅶ組は馬で南セントアーク街道を南下し、脱線事故の現場に到着した。

 

「わっ、ホントに脱線してる!」

 

「ミハイル少佐もいるな…声をかけてみるか」

 

「あっ、リィン君たち!」

 

見ると、カメラを構えたヴィヴィがいた。

 

「あ、ヴィヴィさん!」

 

「来ていたんですね」

 

(さすがは帝国時報の記者。大したフットワークだな)

 

「フフン、技師の人に相乗りさせてもらってね!」

 

ヴィヴィは得意気にピースサインをする。

 

「しかし、ここからでは見づらいと思うが……」

 

「そうなのよ!聞いてよ!」

 

突然ヴィヴィが頬を膨らませる。

 

「あのオジサンが通してくれないのよ。折角のスクープだっていうのに~!」

 

「やれやれ、まあ無茶はしないようにな」

 

リィンはヴィヴィに効いたかわからない釘を刺すと、事故現場に入る。

 

「あれか……」

 

「確かに脱線しているが……」

 

「整備車両も来ていますし被害も軽微みたいですね」

 

「……なんだ、来たのか」

 

Ⅶ組に気づいたミハイルが声をかける。

 

「ええ、パルムに向かう途中ですが」

 

「さすがに気になったので現場を確かめにきました」

 

「一応、事故の状況を教えてもらえませんか?」

 

「いいだろう、降りてくるがいい」

 

ミハイルに許可をもらい、事故現場に降りる。

 

 

 

「本日11:52──落石が原因の脱線事故が発生。幸い、落石も大きくはなく直後に砕けたことで先頭車両の損傷も軽微。負傷者も少数で全員軽傷、先ほど手当ても終わっている」

 

「現場検証を行ったが爆発物などの不審物は無し。運転手の証言もあるし、自然崩落による落石とみて概ねいいだろう」

 

(自然崩落……本当にそうなのか?)

 

キリコは辺りを見回しながらそう考える。

 

「概ね……曖昧ですね?」

 

「何か気になる点でも?」

 

「言葉の綾だ。落石が見事に砕けたため崩落直前の状況が不明なくらいだ。だが、先頭車両の整備も完了した。そろそろ運行も再開できるだろう」

 

「なるほど……このタイミングっていうのは気になるけど」

 

「被害が軽微であるならただの偶然かもしれません」

 

「……ちなみに列車以外の金属片などが落ちてもいなかったんですよね?」

 

「フン、話は聞いている。人形兵器が現れたらしいな?」

 

「脱線事故に人形兵器が絡んでいた可能性などは?」

 

「部下に周辺を探らせたがそれらしき痕跡は残っていない。可能性があるとしたら───」

 

「人為的なもの……ですか」

 

「何?」

 

キリコの言葉にミハイルはいぶかしむ。

 

「それはどういう意味かな?キュービィー候補生?」

 

「教官」

 

「ああ……ミハイル教官、実は……」

 

リィンは午前中の出来事と謎の男について報告した。

 

「………………」

 

「以上が午前中の内容です」

 

「猟兵による犯行……いや、しかし……」

 

その時、ミハイルのARCUSⅡの着信音が鳴る。

 

「こちらミハイル──なんだ、リーヴェルトか」

 

「え、クレア教官!?」

 

それはクレア少佐からの通信だった。

 

「いや、ちょうどシュバイツァーたちが………ええい、仕方ない」

 

ミハイルはリィンたちにARCUSⅡの画面が見えるように向ける。

 

「映像通信か……」

 

少しして、クレア少佐の顔が映る。

 

『お疲れ様です、皆さん。──どうやら本当に人形兵器が現れたようですね』

 

「はい、そうなんです!」

 

「最新の機体ではないので現時点における結社の関与は不明ですが」

 

「いずれにせよ、他の2件もこの後調査するつもりです」

 

『ええ、兆候が現れた以上、くれぐれも気をつけてください。列車事故も起きたそうですし、念のため私もそちらに──』

 

「──その必要はない」

 

ミハイルが待ったをかける。

 

『え………』

 

「現状、想定の範囲内だ。君まで残る必要はなかろう。情報局のバックアップもある。予定通り帝都に戻るがいい」

 

『で、ですが……』

「弁えろと言っている。鉄道憲兵隊員としてもそうだが閣下の帰投命令が出ているのだろう」

 

『……っ………』

 

「か、閣下……?」

 

「……まさか………」

 

(鉄道憲兵隊が閣下と呼ぶもの……やつか……)

 

「…………………」

 

ユウナはわからなかったようだが、クルトとキリコとリィンは確信する。

 

『……了解しました。後はお願いします、少佐。リィンさん、ユウナさん、キリコさん、アルティナちゃんにクルトさんもどうかお気をつけて。第Ⅱ分校の初演習、そして特務活動の成功をお祈りしています』

 

クレア少佐は通信を切る。

 

「……ありがとうございます。少佐もどうかお気をつけて」

 

「どうやら他にも任務があるみたいですね」

 

「ああ……それも不穏な兆候のある現場を離れるほどの任務みたいだ」

 

「フン、あくまでTMPでの優先順位の問題というだけだ」

 

「…………………」

 

(キリコ?)

 

「少佐、完了しました」

 

「───運行再開だ!私はこのまま演習地に戻る!」

 

「お前たちはとっととパルムに向かうがいい!Ⅶ組特務科!」

 

ミハイルはさっさと演習地に戻って行った。

 

 

 

「ああもう……!なんなのよ、あの石頭教官は!あたしたちに対してもだけどクレア教官にも失礼だったし!」

 

「まあ、軍人としては珍しくもない態度だろうが………それでも色々と不自然なやり取りだったな」

 

「全くよ!せっかくあたしたちが手に入れた情報をろくに調べもしないで!」

 

「まあ、それはこれから演習地に持ち帰って精査するんだろう。それよりミハイル教官が言っていた情報局のバックアップ……君のことじゃなさそうだな?」

 

「はい、この件に関しては。ですが状況からみても色々と動いていそうですね」

 

「なるほど……まあ、そうだろうな」

 

「よし、パルムに向かおう。少なくとも残り2件の調査を済ませるぞ!」

 

「了解……!」

 

「行きましょう!」

 

Ⅶ組はさらに南下し、パルムを目指す。

 

 

 

「フフン……大事な時期に面倒な連中が来ましたわね」

 

Ⅶ組が出発する様子を騎士装束の娘と赤毛の娘が見つめていた。

 

「1年半ぶりですか──黒兎もそうですが随分と変わりましたね。あの年齢の男子ならば珍しくはないのでしょうが……まあ、まだまだ未熟でしょう」

 

「あはは、なんか嬉しそうじゃん」

 

「う、嬉しそうになんてしていませんっ!」

 

赤毛の娘の言葉に騎士装束の娘は真っ赤になって否定する。

 

「ふふっさっき街で話した時も思ったけど……噂で聞いていたよりも更に腕が立ちそうじゃん。ランディ兄とどっちが上かな?ちょっと愉しみかも」

 

「《赤い死神》ですか……なかなかの腕前でしたけど」

 

「いずれにせよ、"彼女"も含めてわたくし達の敵ではありませんね。せいぜい今回の実験の"目眩まし"として役に立ってもらいましょう」

 

「それはいいんだけどさー。

 

 

 

ちょっと味見するくらいは構わないと思わない……?」

 

 

 

「っ……」

 

赤毛の娘の放つ殺気に騎士装束の娘に冷や汗が流れる。

 

「まったく貴女たちナンバー持ちと来たら……」

 

「いいですか!我らにとって待ち望んでいた"大いなる計画"の再開です!貴女も第Ⅲ柱の意向を受けているという話ですし、少しは面目というものを──!?」

 

いつの間にか背後に赤毛の娘に回り込まれる。

 

「まーまー、折角だから……お互い目いっぱい愉しもうよ♪」

 

「ちょ、何を……きゃああっ!」

 

赤毛の娘は騎士装束の娘の胸をまさぐる。

 

「うーん、小ぶりに見せかけてあのベルお嬢さんくらいはあるよね~」

 

「お仲間の二人と比べたら控えめかもしれないけどこれはこれで好きだなぁ♥️」

 

「ちょ、ちょっと……!シャレになってないですわよ!?」

 

「いい加減に──いやああっ!!?」

 

過剰なスキンシップから解放された騎士装束の娘がすすり泣く横で、赤毛の娘はⅦ組のいる方角を見つめる。

 

「う~~ん………」

 

「ううっ……グスッ……ヒグッ……どうしましたの?」

 

「ん、べっつに~」

 

(あの青髪の彼……軍人っていうよりあたしたちに近いカンジ。それに強いやつ独特の気配を持ってるし……あはっ、ちょっと待ちきれないかも♪)

 

「それに"サプライズゲスト"も期待できそうだしね♪」

 

 

 

午後 2:00

 

Ⅶ組は紡績町パルムに到着した。

 

「うわ~っ……綺麗な町ねぇ……!」

 

「紡績町パルム──帝国最南端の町ですか」

 

(Ⅶ組のB班が最初に訪ねた町でもあるんだよな……あの二人が噛み合わなくて落第寸前だったらしいけど……)

 

「……………」

 

「ふふっ、10歳くらいまでここで暮らしてたんだっけ?やっぱり懐かしい?」

 

「……まあね。知り合いも少しはいるし。それより、すぐにでも魔獣の調査に向かいますか?」

 

「いや、要請も出ているしいったん町を回ってみよう。人形兵器や脱線事故などの情報も得られるかもしれない。クルト、案内を頼めるか?」

 

「ええ……それはまあ」

 

「? 妙によそよそしいが?」

 

「あはは、久しぶりに知り合いと会うのが恥ずかしかったり?」

 

「そういえば、クルトさんの実家の剣術道場もあるとか」

 

「いや……パルムの道場は去年の暮れに閉鎖されたんだ。誰かいるかもしれないから挨拶くらいはしておきたいけど」

 

「あ、そうなんだ……」

 

「閉鎖、ですか」

「……とりあえず、クルト。町の案内は任せるから押さえておくべき場所を教えてもらえるか?」

 

「ええ、それでは──」

 

クルトは二つの店舗を指さした。

 

「すぐそこの仕立て屋と宿酒場には、一応寄った方がいいかもしれない。腕のいい職人がいたはずだし、情報が集まる可能性もありそうだ」

 

「オッケー。で、クルト君ちの道場の場所は?」

 

「ああ、あちらの水路を越えた、旧道に出る手前かな。まあ、多分誰もいないだろうから後回しでもいいかもね」

 

「一応、忘れないようメモします」

 

「クルト、要請にある元締め宅というのは?」

 

「ああ、道場とは反対側のパルム間道に出る手前にあるんだ。ここも後回しでいいと思う」

 

「よし、それじゃ行くか」

 

 

 

[キリコ side] [染料の原料調達]

 

俺たちはまず宿酒場で情報を集めることにした。

 

宿酒場《白の小道亭》の主人ベルトランによると、チグハグな格好をした二人組の旅行者が来たとか。

 

しかもその内の一人は俺たちがセントアーク市で会った女らしい。

 

「………………」

 

「……教官?」

 

「いや……まあ一応気をつけておくとしようか。ヴィヴィからの情報もあることだしな」

 

ユウナたちは本当に気づいていなかったようだがリィン教官は思うところがあるらしい。

 

お人好しなのか鋭いのかよくわからん。

 

次に雑貨・仕立て屋《ジェローム》で聞き込みをした。

 

こちらにはなにやら危なっかしい見習い技師が来ているらしい。

 

しかも行き倒れだとか。

 

その見習い技師は教会にいるそうだが、何か妙なものを街道でみかけたらしいので情報を得に教会に行くことになった。

 

 

 

「ああっ、クルト兄ちゃんだ!!」

 

「ほんものだ───っ! クルトおにいちゃん~!!」

 

二人の子どもが大声でクルトに寄ってくる。どうやらクルトの知り合いらしい。

 

「わーっ、すごーい!!キレイになったねーっ!!」

 

「や、やあ二人とも、2年ぶりくらいかな。というか会うたびにキレイって言うのはやめてほしいんだけど……」

 

だが二人はそんなことはお構い無しにクルトに遊ぶようせがむ。

 

なんとか落ち着かせると、二人は駆け出して行った。

 

「まさに元気の塊、ですね」

 

「ああ……パルムには道場の関係でたまに来ているんだが、いつもこの調子でね」

 

「あはは、そうなんだ……」

 

 

 

俺たちはパルムの礼拝堂についた。

 

俺は礼拝堂や教会などには自分からは行かない。

 

神などとっくに死んでいる。

 

もし神が存在し額面通りならば、戦争など起きるはずがないからな。

 

そんなことを考えていると、何かを叩く音が聞こえた。

 

音のした方へ行ってみると、椅子の背もたれに立って作業をする背の低い女がいた。

 

どうやらあれが危なっかしい見習い技師のようだが。

 

「あ……もしかしてミントじゃないか?」

 

「あれ~っ、リィン君っ!?」

 

教官の知り合いらしい。

 

すると、バランスを崩して転んだ。

 

「はは……そそっかしいのは相変わらずみたいだな」

 

「えっと……」

 

「知り合いの方ですか?」

 

「ああ、かつての同級生さ。クラスは違ったけどね」

 

危なっかしい見習い技師──ミントによると、アグリア旧道で作業をしていたら見たことのない3つの影が高台に飛んで行ったそうだ。

 

詳しくはよそ見をしていたせいでわからないらしい。

 

 

 

「……今の話、どう思う?」

 

「飛翔する正体不明の影……か。なんとなく君のクラウ=ソラスを連想してしまうが」

 

「いえ、3つの影という時点でおそらく戦術殻とは違うかと。それにミリアムさんがこちらに来ているという連絡もありませんし」

 

「ああ、おそらく何らかの別の存在と考えるべきだろうな」

 

「よ、よくわかりませんけど……とにかく、有力な手掛かりには間違いないみたいね」

 

「ああ、アグリア旧道……やはり調べた方がよさそうだ」

 

「その前に要請を終わらせるぞ」

 

「うん、そうね。ここまできたら全部やんないとね」

 

「僕も異存はない」

 

「わたしもありません」

 

「よし、魔獣の調査は要請を終えた後にするぞ」

 

 

 

俺たちはアグリア旧道に出る前に要請を優先することになった。

 

依頼人のロジーからの依頼は、染料の原料となる3つの素材を探してくることだ。

 

1つ目は黄土石という岩石でアグリア旧道で取れるらしい。

 

2つ目はニジアカネという植物。希少らしく大きな食材店なら扱っているとのこと。

 

クルトの助言でセントアークに戻ることに。

 

3つ目は地水火風のセピスを50個ずつ。これは問題ない。

 

話し合いの結果、セントアーク、アグリア旧道の順で行動することになった。

 

 

 

セントアークの百貨店の食材店でニジアカネを購入した。

 

ちなみにニジアカネは止血や解熱効果のある生薬として利用されているらしい。

 

そういえば俺が熱を出した時、シスターがわざわざ教会から取り寄せてきたことがあったな。

 

 

 

アグリア旧道へ出るため道場の前を通ったら中から剣戟の音と掛け声が聞こえてきた。

 

「……すみません。少し覗いてもいいですか?」

 

「ああ、もちろん。折角だし挨拶していこう」

 

中に入るとそこは活気に満ちていた。

 

「わぁ……!ここが剣術道場……!」

 

「門下生も少ないなりに熱心みたいですね」

「ああ……やる気が漲っている感じだな」

 

「……どうなってるんだ?」

 

クルトは道場が賑やかなのが不思議らしい。

 

「おおっ、誰かと思えば……!クルト坊っちゃんではないですか!?」

 

「あ……お久しぶりです、ウォルトンさん。って坊っちゃんはやめていただけると」

 

「ははっ、これは失礼!」

 

クルトの知り合いらしいウォルトンという男はクルトととりとめのない話の後こちらを見る。

 

自己紹介を終えた後、クルトなぜ道場が賑やかなのかをウォルトンに聞いた。

 

ウォルトンによると、クルトの父親マテウスの紹介で臨時の師範代に来てもらっているらしい。

 

その後クルトは顔馴染みと久闊を叙し、俺たちもお茶をご馳走になった後、また顔を出すことを約束してから稽古を再開する彼らに別れを告げた。

 

 

「さて、情報収集はこんなところか。いくつか有益な情報が得られたが、どうする?」

 

「うーん、やっぱり気になるのはミントさんって人の情報ですね」

 

「空飛ぶ3つの影……調査の優先度は高めかと」

 

「町の東、アグリア旧道の高台───あまり人も通らない場所だ」

 

「次の調査ポイントはそこか……」

 

「ああ、俺も異論はない。ただし何が待ち受けているかまだわからない状況だ。万全の準備をしてから向かうぞ」

 

「ええ、もちろん」

 

「では急ぐ必要があるな」

 

「えっ?どうして?」

 

「まだ要請が終わっていない」

 

「それがあったか……」

 

「とにかく一度、旧道に出てみましょう」

 

 

 

結論からいえば、黄土石はあっさりと見つかった。

 

俺たちはその足でパルムのロジーの元へと戻り、頼まれた素材を全て渡した。

 

ユウナとアルティナは染色作業を見たがっていたが、染色作りだけで3日以上かかるためそれは叶わなかった。

 

教官曰く、パルムの伝統的なやり方らしい。

 

とにかくこれで要請は達成した。

 

[染色の原料調達] 達成

 

[キリコ side out]

 

 

 

「改めて、旧道の調査を開始します」

 

「ミントが謎の影を目撃したのは高台らしいが……」

 

「おそらく、少し進んで左手に入った辺りだと思います」

 

「ここら辺は魔獣をやり過ごす場所はなさそうだな」

 

「注意して進まないとね」

 

 

 

Ⅶ組は襲ってくる魔獣を撃退しながら、高台までやって来た。

 

周辺の索敵をしていると、ユウナが妙なものを発見した。

 

「これって……」

 

「大昔の石碑、でしょうか。似たような雰囲気のものは他の土地でも見たことがありますね」

 

「ああ、たぶん精霊信仰の遺構だろう」

 

「精霊信仰?」

 

「どういうものなの?」

 

「たしか七曜教会とは違うものだと聞きましたが」

 

「どういうものと言われても……説明するのは難しいな。女神の信仰が広まる前から帝国にあった信仰みたいだけど」

 

「ああ、民間信仰だな」

 

リィンがクルトの説明を引き継ぐ。

 

(土着の信仰というわけか……ヌルゲラントを思い出すな)

 

「今では廃れているが、昔話や習俗の形で残っていて教会の教えにも取り込まれている。夏至祭や収穫祭が代表的だな」

 

「そのあたりはいずれ、歴史学でも教えるとして……念のため、この周辺も───

 

……!?」

 

リィンは突然胸を押さえ込んだ。

 

「教官……?」

 

「ど、どうしたんですか?ていうか、大森林でもちょっと変でしたけど……」

 

「総員、警戒態勢!」

 

リィンは刀に手をかけ、命令する。

 

すると目の前に二体の人形兵器が顕れた。

 

「くっ……!」

 

「こ、これって……!」

 

「内戦で見たことがあるな」

 

「拠点防衛型の人形兵器、《ゼフィランサス》─!」

 

「午前中に戦ったものよりはるかに厄介なタイプだ。全力で撃破するぞ!」

 

「イエス・サー!」

 

「ヴァンダールが双剣、参る!」

 

 

 

ゼフィランサスはほとんど動かないが、遠距離からの攻撃が厄介な機体である。

 

ユウナたちはなんとか接近戦に持ち込むが、拠点防衛型だけあって、なかなか硬い。

 

その時、クルトが前に出る。

 

「クルト君!?」

 

(何をする気だ?)

 

クルトは剣を構えた。

 

 

「ヴァンダールが双剣、とくと味わえ!行くぞっ!うおおおっ!止めだっ!ラグナストライク!!」

 

 

 

ゼフィランサスはクルトのSクラフトをくらい、行動を停止するが、同時に自爆した。

 

「くっ……自爆までするなんて……」

 

「今のも結社の……とんでもない戦闘力だな」

 

「ふう……内戦時、私が使役したのと同じタイプみたいですね」

 

「相変わらずサラッととんでもないことを言うな……」

 

「って……あんた本当に内戦で何してたのよ……?」

 

「教官も黙ってないで───って、教官……?」

 

リィンはいまだ構えを解かなかった。

 

「気を抜くな……聞いた情報を思い出すんだ。俺の同窓生は幾つの影を見たと言った?」

 

「3つの影───」

 

「まさかもう一体……!」

 

「ッ……!後ろだ!」

 

キリコが銃を構えた先で空間が歪み、そこに最後のゼフィランサスが顕れた。

 

キリコが発砲するが、ゼフィランサスをぐらつかせるには至らなかった。

 

ゼフィランサスの砲口がひかりだす。

 

「ぁ……」

 

「くっ……!」

 

「クラウ──(間に合わない……?」

 

その時………

 

 

 

「オオオオオオオオッ……!」

 

 

 

「!?」

 

「な──」

 

何かがキリコたちを通り過ぎ、ゼフィランサスを一刀両断する。

 

それは髪が白くなっていたリィンだった。

 

「……はあはあ……………」

 

「す、凄い……」

 

「い、今のは……」

 

(先ほどよりもはるかに速い。どうやら髪が白くなったことと関係はありそうだが……)

 

「リィンさん……!」

 

ユウナたちが言葉をなくしていると、アルティナがリィンに慌ててかけよる。

 

「……大丈夫だ。一瞬、解放しただけだから。とっくに戻っているだろう?」

 

「だ、だからといって……またあの時のようになったらどうするんですか……!?」

 

(あの時?)

 

「他に手は無かった……だが、心配をかけてすまない」

 

「ハハ、生徒に心配かけるようじゃ教官失格かもしれないな」

 

リィンは苦笑いを浮かべるが、それはアルティナに油を注ぐ結果となった。

 

「笑いごとではありません!どうして貴方は───」

 

「リィン、教官……」

 

「…………………」

 

「はは……」

 

ユウナたちの複雑な表情にまた苦笑いを浮かべたリィンはようやく立ち上がる。

 

「まあ、病気とは違うがちょっと特殊な体質でね。気味悪いかもしれないが……極力、見せるつもりはないからどうか我慢してもらえないか?」

 

「が、我慢って……!そんな話じゃないでしょう!?今のだって、あたしたちを助けるためじゃないですか……!」

 

「……危ない所をありがとうございました」

 

「今のがオリエンテーリングで博士が言っていた奥の手ですか?」

 

「まあ、それは置いておいて、4人とも対応が甘かったな」

 

「きちんと情報を聞いていれば残敵を見逃すこともなかったはずだ。キリコは即座に反応したようだが、もう少し残弾に気を配るべきだった。初日だから仕方ないが次には是非、活かしてもらおうか」

 

「くっ、この人は~……!」

 

「……今回に関してはまったく言い返せないけどね」

 

「やむを得ないか……」

 

「まあ、次の課題としましょう」

 

その後、Ⅶ組全員で付近を捜索したが人形兵器や午前中に会った怪しげな人物にも遭遇しなかったのでリィンはアグリア旧道での探索を終了したと告げた。

 

「セントアーク方面に続いてこんな場所まで……どう考えてもおかしくない?」

 

「ああ、しかも拠点防衛型の重量タイプ……だったか」

 

「内戦時に放たれたというにはいささか不自然ですね」

 

「何者かが裏で糸を引いてると考えるしかないな」

 

「ああ、こうなると南のパルム間道も怪しいと言わざるを得ないだろう」

 

「特務活動もまだ初日だ。夕方までには終わらせたい。幸い要請は全て終わっている。パルムで準備を済ませたら間道方面に出るとしよう」

 

Ⅶ組特務科は出発した。

 




次回は彼女が初登場します
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