教室に入ると、前のクラスメイト同士で話してる人が多く、話し声が飛びかっていた。とりあえず自分の席を確認しにいく。俺の席は後ろから2番目の窓際から3列目だった。荷物を置き、周りの席の人を確認すると
「席、隣なのね」
と友希那の声が窓際から飛んできた。無関心なのか気持ちが読み取れない。他の席は名前の知らない人や、知っているけどあまり話たことがない人が多い。と思っていたら
「お、蒼人じゃーん今年もよろしく」
と声をかけられた。あんまり人付き合いをしない俺に、こんなに明るく挨拶してくる人は数える人しかいない。声の主の方を向くと、案の定見覚えのある顔があった。
「一樹か。今年も同じクラスなんだな」
坂本一樹。高校1年、2年両方おなじクラスの男子、明るく誰とも話すことが出来る。小学からの友達でもあるため仲は非常にいい。時々遊ぶが、本人は運動部であるため、忙しかったりする
「どうした?反応が薄いぞ」
「朝に弱いんだよ」
「知ってるけど」
「んじゃ、なんで聞いたんだよ!」
などといった会話をしていると、予鈴とともに先生が入ってきた。
怒られるのが面倒くさいようで、クラス中が静かになる。
「諸君おはよう。これから、始業式と新任式があるから西体育館に集まってくれ」
先生が教室を出るとほぼ同時に、また騒がしくなった教室。中からは「今年は誰先生かな?」などといった声がよく聞こえる。ぶっちゃけ誰でもいいやと思っていると、一樹が
「今年は青木先生じゃないといいね」
と聞いてきた。青木先生は、2年間俺らの担任だった40代の男の先生で、数学を教えている。教え方は中の上だが、怒らせると怖い先生のうちの一人で、授業中にもかかわらず飛んでくる怒声は、他の授業中の先生の声を打ち消す程だ。俺自身、青木先生のことは嫌いではないが、あまり関わりたくはない。
「そうだな。去年みたいな思いはもうこりごりだな」
「蒼人が授業中寝たのが悪いんだよ」
「あれはたまたま目をつぶっただけだ」
などと、過去の話をしているとチャイムがなった。周りは、続々と集まって移動し始めている。
「じゃ、行くか」
俺らも遅れないように西体育館に向かった。
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どうでもいい始業式と新任式を聞き流して、教室に帰ってきた。
今年は青木先生ではなく、ほっとした。
あとは特に何事もなく、係委員会を決めたあとお昼休みになった。学年が上がったばっかりであるため、去年のグループで食べる人が多く、他クラスから人が沢山来ていた。ここでは落ち着いて食べられないと思い、人のいなさそうな屋上に行くことにした。屋上の人気はあまりないため、ゆっくり過ごすのはもってこいだ。弁当を持って屋上へ向かう。屋上に繋がる扉を開けると、そこには先客がいた。
「蒼人〜 やっぱり来たね〜」
「リサ、当たってたわね」
「まぁ、いると思っていたよ」
「一緒に弁当食べよ〜」
「一応聞くけど、拒否権は?」
「ないわよ」
「ハイハイ」
断ってもまた迫ってくるのは目に見えている。折れた方が賢明だと過去の俺の言うことに従い、一緒食べることにした。
「友希那と蒼人ってさ〜 クラスの席どうなったの〜?」
「隣よ」
「おめでと〜 良かったね〜」
「「別に」」
「ほら〜 ハモっちゃって〜」
「特に何も無いよ」
「そっか」
そう言うと、リサは珍しく簡単にその話から引いてくれた。なんでだろうと思っていると、待っていたかのようにすぐにチャイムがなり、解散となった。
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午後も大したことは無くSHRを終え放課後になると、リサが教室にやってきた。
「蒼人〜 この週末のRoseliaのライブ来る〜?」
友希那とリサはRoseliaという有名なガールズバンドの一員で、去年もよく放課後練習してるって聞いた。去年誘われてはいたが、学習を理由を付けて行かなかった。どうしても、あの記憶が蘇りそうで行くとは言えなかった。誰にも言えないあの記憶が…
「今週も学習するからやめとく」
「そっか〜 残念、 気が向いたら言ってね〜」
「そう言えば友希那は?」
「友希那なら、もう練習しに行ったよ〜」
「練習熱心なんだな。お父さんの影響かな?」
「多分そうだと思うよ〜 あの事件以来、音楽以外に関心持たなくなっちゃったから…」
一瞬リサの表情が曇り、トーンも低かったが、いつものトーンと表情に戻り
「もう時間だから、蒼人また明日〜」
校門から出ていくリサを見送り、俺は帰路に着くのであった。
恋愛とかタグにありながらまだ来てねーじゃんって思う方、すみませんm(_ _)m 次回から、物語が動き出すので… 誤字脱字ありましたらお願いします。