ゼロの使い魔×ポケットモンスター   作:蜜柑ブタ

1 / 62
もしも、ルイズが召喚したのが、サイトではなく、ビードル(ポケモン)だったら?
というIF。


2019/05/19
感想蘭でのご指摘で、一部書き換え。

ビーちゃんの食事は、草にしました。ただし毒草ということで。


『ルイズが召喚したのが、ビードル(ポケモン)だったら?』

 

 何度目かの爆発の後。

 

 晴れていく煙の中に、小さな姿を見つけた。

 

 それは、一言で言えば芋虫だった。

 

 芋虫にしては大きく、けれど人ほど大きいわけじゃなく、たぶん大人の掌の上に乗れるぐらいの大きさだろうか。つぶらな二つの目に、丸い鼻なのか口なのか分からない部位、可愛らしい見た目に反する頭頂部に生えた大きな角のような針だけが嫌な予感をさせる。

 

 コルベールに促され、ルイズは、その芋虫に近づいた。

 

 芋虫がビクッと震え、ルイズの陰に覆われると、プルプルと涙目になっている。

 

 ルイズは、とてつもない罪悪感を感じるが、この儀式をしないと進級できないので心を鬼にする。

 

 そして芋虫の頭上に杖を掲げてコントラクトサーヴァントの呪文を唱え、芋虫を持ち上げて口らしき場所に口づけをしようとして……。

 

 ビーー!

 

 っと鳴いた芋虫が暴れて、チクッと頭の針がルイズの額に刺さった。

 

 途端ルイズは、パタリッと倒れる。

 

 倒れる拍子に遅れて落ちてきた芋虫の頭、特に口の部位がルイズに触れ、その結果、芋虫にルーンが付くことになった。

 

 次にルイズが目を覚ますと、そこは保健室だった。

 

 心配していたコルベールから聞くと、とてつもない毒であったらしいが、間一髪解毒できたそうなのだ。

 

 ふと見ると、ルイズが寝ているベッドの布団の上にあの芋虫がいた。

 

 ルーンが体に刻まれている芋虫は、ルイズが気がついたのことに気づいて、ビービーっと鳴き、スリスリっと懐いてきた。

 

 ルイズは、針を警戒したが、とても人懐っこい芋虫にだんだんと絆され、プニプニとした感触を楽しむように指でつついてやったりすると、またビービーと鳴きながら嬉しそうにする芋虫。

 

 コルベールは、おめでとうと賞賛してくれた。

 

 芋虫…、ビーちゃんと名付けたルイズは、自分の部屋に連れて帰った。

 

 まず、図鑑で虫を調べたが、ビーちゃんに該当する虫はいなかった。

 

 後日、図書室でも調べたが該当する虫はいなかった。

 

 生物に詳しい教員に聞いても分からず、新種か、未開拓の地域の新種かもしれないと言った。

 

 コントラクトサーヴァントをする際に刺されたのは、単に怯えていただけだと分かり、すっかりルイズに懐いてくれている今、毒針で刺されたことは許している。

 

 虫の幼虫のようだからと、葉っぱを食べさせようとしたが、ビーちゃんは食べてくれなかった。

 

 困ったなぁっと思いつつ、どうしても離れてくれないので仕方なく食堂に連れて行くと、シエスタというメイドが、ビードル!っと驚いていた。

 

 知っているのかと聞くと、とても大きな蜂の幼虫らしかった。なお、成長後の蜂の名前は、スピアーというらしい。

 

 詳しい生態は分からないそうだが、幼虫のうちは好物の葉っぱを匂いで判別しているそうなので、適当に森に行けばいいのでは?っという助言を貰い、学院近くの林の中にビーちゃんを連れて行くと、ルイズの肩から飛び降り、クンクンっと鼻らしき部分を動かして、ある種類の葉っぱだけを食べ始めた。

 

 それ以降、ルイズは、その植物を調べ、毒性があるものだと分かると、それだけを集めてくれと使用人に頼み集めさせたことで、ビーちゃんの食事問題は解決した。

 

 ルイズは、ビーちゃんをとても可愛がった。

 

 プニプニした感触も、つぶらな目も、本当に可愛くて可愛くて仕方なかった。毒針だけが難点であるが…。

 

 どれくらいかして、ビーちゃんは食事を摂らなくなり、やがて糸を吐いて、あっという間にサナギになってしまった。

 

 サナギになって何日目か……。ついにその時はきた。

 

 硬いサナギの殻を破り、立派な蜂になったビーちゃんが現れた。

 

 両手部分に大きな針を持つ、大きな蜂。

 

 けれど、変わらずルイズに懐いてくれる。

 

 トラブルがあって、ギーシュと決闘になった際も凄まじいスピードと攻撃力でギーシュのワルキューレを倒し、トロル鬼も毒針の一撃で屠り、どこからか番を見つけてきたのか、本塔に巣を作り、同じルーンが刻まれたたくさんの子供達をルイズにもたらし、ルイズは、ビーちゃんにたくさん感謝した。

 

 群れとなったビーちゃんの家族は、その後起こる戦争で大活躍し、レコン・キスタの軍勢を退け、トリステインに平和をもたらした。

 

 ビーちゃん自身が寿命を迎えた時、ルイズはいっぱい泣いた。泣き尽くすほど泣いた。

 

 その後、ビーちゃんの子孫達がルイズの生涯を支える使い魔としていてくれた。

 

 ルイズ自身が寿命を迎えるとき、ルイズの遺言でビーちゃんと同じ種類が住むと言われる森の中に墓を作ってもらい、ビーちゃんの子孫達も森に帰り、ルイズの墓を守り続けたという言い伝えが残ることとなった……。

 

 

 




なんのルーンかは不明のままにしています。ガンダールヴじゃ無理だしね……。


pixivで見かけたビードル漫画が可愛くて面白かったので書いてみた。

ビードルの食性って、肉食?なのかは捏造です。雑食だったらすみません……。
もしスズメバチ系なら肉食なのでそうしました。


2019/05/19
ご指摘ありがとうございます。
スズメバチ系かと勝手に思い込んでたので、全然図鑑を見てませんでしたね……。申し訳ないです。
毒草にしたのは、体に毒を持つ生物は、毒を生成するために毒のあるものを食べるなどする生態があるから、そうしました。
チョウチョなんかでも、芋虫のうちに毒を取り込んで毒を体に蓄えるタイプもいるみたいですし。




以下、いつも詳しく書いてもらっているミッキィさんの説明文。


◼️【ビードル系統】
●食料の葉が豊富な森や草地などに多く生息しており、自分の重さ(3.2kg)と同じくらい食べる。好物の葉を匂いで嗅ぎ分けるほどの嗅覚を持つ。むしとり大会でLv18が出現する。

●実はコクーンは攻撃・素早さなどの能力が進化したのにも関わらず低くなる。

●スピアーは群れで巣を作って生活しており、縄張り意識が強く、近寄るだけでもかなり危険。尻の針が一番毒性を持つ。
メガシンカすると足にも毒針がつき、即効性の毒で敵の動きを止め、更により強力になった尻の毒針で止めを刺す。

●『ポケダン超』ではミツハニー達と共にボスとして登場。スピアーとミツハニーは蜜集めで気が立っていた為に誤解から具合が悪いロゼリアママの為にハチミツを貰いに来た幼いスボミーに襲いかかり、間一髪駆けつけた主人公達と対峙し、敗北。女王のビークインによって誤解していた事に気づく。

●[アニメ]
▪️ビードルは無印4話でサトシが捕獲しようとしたが、サムライの邪魔が入った為に逃げられた。同話でスピアーの群れ(群れの中にはコクーンから進化した個体もいる)がサトシたちを襲いかかる。最終的にサトシのトランセルがたいあたりを決めて撃退し、逃げていった。
▪️XY編でもサトシたちを襲った回がある。しかし、70話ではロケット団の飛行機から落下したヌメルゴン、フラージェス、サトシを助ける活躍を見せている。
▪️無印118話でサトシがスピアーを捕獲し、同話でナナコに引き渡されていた。
▪️外伝『ライコウ雷の伝説』では、ケンタの手持ちとして登場し、ライコウやバクフーンに匹敵する活躍を見せる。

●[ポケスペ] 
▪️サカキのスピアー
地面タイプを扱うサカキだが、同じトキワの出身である事から特別なポケモンとして手持ちに入れている。2章ラスボスであるワタルを追い詰める活躍を見せる。敵勢力の手持ちポケモンの中では最高位の人気を誇る。13章ではメガシンカを修得した。

▪️他にもツクシの手持ちにコクーンが2体いたり、ブルーが1章でイエローの叔父のヒデノリにヒデノリのバタフリーをビードルと交換させようと持ちかけた事がある(レッドに阻止された)。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。