ゼロの使い魔×ポケットモンスター   作:蜜柑ブタ

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今回は、プリン(→プクリン)。


これも結構苦労しました。


『ルイズが召喚したのが、プリンだったら?』

 

 あっ! 可愛い!と、その生き物を見て、ルイズはまずそう思った。

 

 薄ピンク色の丸い体に、大きな青い瞳のある目。短い手足と、猫のように尖った耳がぬいぐるみを彷彿とさせた。

 

 クラスの女子達が羨ましがる中、ルイズは、コントラクトサーヴァントの儀式に入った。

 

 あとは、キスだけとなった時、プー!っと怒ったその生き物が何かをした。その瞬間、ルイズの中で何かが封じられた感覚があった。

 

 ?っと思いつつ、丸い体を持ち上げ、ジタバタ暴れるのも構わずキスをした。

 

 だが……、コントラクトサーヴァントは、一向に成功しなかった。

 

 失敗? と思ったルイズは、その生き物を降ろして再び杖を手にして呪文唱える。

 

 そして再びキスをしようと持ち上げようとすると、その生き物の小さな手が、バシンッとルイズの手を弾いた。その小ささからは想像も出来ない力だ。

 

 ムカッとしたルイズだが、落ち着けと自分に言い聞かせてコントラクトサーヴァントの儀式を行う。だが成功しない。

 

 やがて授業が始まる時間になってしまい、コルベールが他の生徒達に先に帰るよう指示した。

 

 ルイズは、焦って何度もコントラクトサーヴァントの儀式を行う。その都度、不思議なその生き物の小さな手で叩かれ、空気を吸って倍以上に膨らむということもされて、捕まえられず苦労もしていた。

 

 コルベールは直感で何かを感じて、ルイズの状態を調べる魔法を使った。

 

 すると……、ルイズの魔法が封じられた状態であることが分かった。

 

 驚いたコルベールは、ルイズに何かされなかったかと尋ねた。ルイズは、自分の中の何かが封じられた感覚があったと答えた。

 

 コルベールは、ルイズの魔法をここにいるぬいぐるみのような生き物が封じたのだと直感した。

 

 このままでは、いくらやってもコントラクトサーヴァントの儀式は成立しない。問題を解決させるまで保留を言い渡そうとしたが、ルイズは最後だと言ってコントラクトサーヴァントの儀式を行った。その時には、一時的な封じでしかなかったかなしばりという技が解けていて、ルイズの魔法の力が解放され、コントラクトサーヴァントの儀式が成功した。

 

 プープー!っとルーンが刻まれる痛みにのたうつその生き物。

 

 散々叩かれてきたルイズは、ちょっとざまぁっと思った。

 

 やがてルーンが刻まれ終わり、涙目のその生き物がぷうっと膨れて、キッとルイズを見る。

 

 コルベールはその様子を見て、これは…懐かせるのに時間がかかりそうだと思いつつも、ルイズにコントラクトサーヴァントの儀式の成功を言った。

 

 その後もその生き物は、触ろうとするルイズの手を小さな手で叩くのだった。

 

 まともに触らせてくれたのは約1週間後ぐらいで、膨らみやすいその体はフワフワしていて、とても触り心地が良い。ぬいぐるみなんて目じゃない。

 

 その生き物の名は、プリン。

 

 シエスタというメイドが教えてくれた。

 

 歌うことを得意とし。その歌声は聞くモノを眠らせるそうだ。

 

 それを聞いてから一度、プリンに歌を聴かせてくれと言って聴いたら、丸一日、どれだけ揺すられても叩かれても起きないほどの深い眠りに落ちたという事態となった。なので、それ以降は聞いてない。

 

 プリンの生態を知っているため、好みの食べ物をくれるせいかシエスタにも懐き、シエスタがギーシュに難癖付けられていた時には、果敢にもギーシュに喧嘩を売り、決闘騒ぎになった。

 

 そしてプリンが、大きく膨らんで歌声を披露。結果、ギーシュどころか、野次馬達さえ全員を眠らせてしまい、騒ぎになった。

 

 土くれのフーケが盗みに入った際には、月の石と呼ばれる宝を取り返しに行ったとき、土くれのフーケが作った土のゴーレムに、かなしばりをかけて土に戻してしまった。そして焦ったロングビルこと、フーケが何度も土のゴーレムを作ろうと必死になっていたところを、歌声で眠らせて捕まえた。

 

 月の石に触れたプリンは、進化した。

 

 シエスタに聞くと、プクリンという形態で……、その毛皮は非常に珍しくてそのあまりの素晴らしい肌触りから超々高級品として希に売り出される、という話が出てしまった。

 

 その話がどこからか漏れて、学院の貧乏貴族がプクリンの毛皮を狙うようになり、ルイズの爆発の魔法の精度がメチャクチャ上がった。

 

 アルビオンでは、本性を現わしたワルドがプクリンの毛皮の相場を調べたらしく、レコン・キスタ軍への資金になるとプクリンまで殺そうとしたので、怒りを爆発させたルイズが渾身の爆発魔法を使い、さらにプクリンがかなしばりを使ってワルドの魔法を封じたため、ワルドは為す術もなく撃退されたのだった。

 

 ウェールズは死ぬわ、婚約者には裏切られるわで、散々なルイズを、プクリンがその素晴らしい毛皮でフワフワさせて慰めた。

 

 ルイズは、その毛皮に癒やされ、涙を拭いたのだった。

 




プクリンの毛皮が高額で取引されるというのは、図鑑でも書かれています。確か初代だったかな?

見た目の可愛らしさと、歌声以外に大きな特徴がないような気がするので、かなしばりの技をハルケギニアでは、魔法を封じるにしました。ただし一定時間だけ。

実は、ルイズの実家が何かしらの事情で金欠になり、エレオノール辺りがプクリンの毛皮を取るための牧場を作ろうとするなんて、流れも考えましたが、さすがにそりゃなしだと思ったのでやめました。






以下、いつも詳しく書いてもらっているミッキィさんの説明文。

◼️プリン
▪️初代では有名なポケモン。「風船ポケモン」の分類通り、その身体は柔らかく弾力に富み、大きく息を吸って体を膨らませるとふわふわと風に乗って空中に浮かぶ事が出来る。

▪️丸く大きくつぶらな瞳で相手を見つめる事で誘い込み、不思議で心地よい子守歌を聴かせて眠らせてしまう。 声の波長を自在に変える声帯を持っており、12オクターブを超えるその声域で、相手が一番眠くなる波長の歌を歌う事が出来る。

▪️歌を得意とする種族であるが、上手いかどうかはそれぞれのプリンの努力次第で、生まれた時から自在に歌えるという訳では無い模様。歌の種類は棲む地方によって全然違う様で、中にはシャウトするようなものまであるとか。 歌う時は一度も息継ぎをしないので、中々眠らない敵を相手にした時は自らも命がけで、苦しそうな様子を見せる。
寝具コーナーではプリンの歌を収録したCDが売られている。

▪️ニビシティのポケセンでプリンに話しかけると歌が聴ける。

▪️夢特性で自分以外の味方のダメージを減らす効果がある強力な『フレンドガード』があるが、進化すると『おみとおし』になるので気を付けよう。

▪️『スマブラ』では初代の隠しキャラ以降から登場しているファイター。元々はカービィのモデルを流用していた。初代スマブラメンバーの中で唯一『英語版と日本語版で呼び名が違うファイター』でもある。

◼️プクリン
▪️『つきのいし』で進化する。6世代からは『フェアリー』が追加された。
毛並みは極上の肌触りで、体のふわふわとした弾力を伴って大変気持ちが良いらしい。
▪️初代のグラフィックは遠近感を出そうとしたのが裏目に出たのか、左右の目の大きさが異なっており、かなり不気味である。

◆【おやかたさま】
▪️『ポケダン時闇空』のギルドのおやかたさま。一人称は『ぼく』で性別は♂️。「ともだち、ともだち~♪」や「たあーーーーーーーっ!」が口癖。
▪️彼のギルドには多くの弟子がおり、慕われている。主人公やパートナーは彼のもとにお世話になる。
▪️大変わがままで好物である『セカイイチ(りんごの事)』がないと大変な大声で泣き叫ぶ(部屋が爆発するほど)など、子供っぽい面が目立つものの、時折思慮深い一面を見せることもある。特技は目を開けたまま寝ること。
▪️一番弟子のペラップ曰く「ようせいのようなおかた」(当時はフェアリーも無い4世代。予言かな?)で、とても強そうに見えないが、奇襲されても反撃して倒したりなど、見かけによらず強い。
▪️宝物はププリンの時に『ししょー』と共に最初に見つけた『まもりのオーブ』。
▪️前作『救助隊』では「ともだち、ともだち~♪」という割に高額物件を売りつけてくるともだちエリアの不動産屋として登場していた。
▪️ポケダンのアニメではCV小林ゆう

◼️ププリン
▪️2世代から登場。よくピィと一緒に登場する。
▪️この時から歌の練習をしているが、喉を痛めてしまわないように注意が必要。
▪️図鑑説明を見るとバウンドに定評があるらしい。
▪️ポケダン空では、スペシャルエピソードの主人公でおやかたさまの幼少期という形で登場。この時からありえない破壊力と探検隊としての高い才能があった。


●[アニメ]
★落書きプリン(CV:かないみか)
・無印44話で初登場してから無印の準レギュラー的な立ち位置。
・当初歌が歌えず、努力嫌いだった。タケシが見つけた『のどによく効くきのみ』を食べて歌えるようになる。歌う→周囲が眠ってしまう→怒ってマジックで顔に落書きするのがパターン。
・AG編39話では、アキナのゴニョニョだけは『特性:ぼうおん』だった為、楽しそうに歌を聴いてくれた事に喜んで仲良くなるが、元から疲れて眠っていたのを『自分の歌を聴いて眠った』と勘違いし、結局は怒って落書きする。
・BW編4期ED『みてみて☆こっちっち』でも登場している。
・SM編42話カントー編で『14年ぶり』に登場(オーキド博士の研究所の庭で居候していた模様)。 プリンの可愛さに興奮する女性陣するが、やはり眠らされ以下略。
続く43話で飛行機の尾翼に乗ってアローラへと上陸する。56話ではあのやたらスペックが高すぎるキテルグマを眠らせて初敗北を与えた。最初から眠っているネッコアラには通用せず、落書きしようとしてもことごとくかわされたが、逆に落書きされたことで仲良くなった。
実はプリンの歌は『聴いた者の心を穏やかにする力』を持つ。プリンの歌は原作ゲームで聴けるもののアレンジ。『みんなの前で眠られずに最後まで歌を聴いてもらいたい』という夢がある。


▪️別個体のプリン
外伝作品『ライコウ 雷の伝説』ではマリナの手持ちポケモンとして『ピンクちゃん』が登場。ケンタとのバトルでは『うたう』でスピアーを眠らせようとするも通じず、『ミサイルばり』に耐えきれず敗れた。自ら膨らんで空へ飛ぶことが出来る。

またCM前後のシルエットクイズでは『上からみたプリン』というひっかけがある。

▪️無印66話 
テレビやドラマで活躍中のアイドルポケモンとしてプクリンが登場。
性格に問題があり自らを馬鹿にしたり気に入らないことにはすぐ『おうふくビンタ』の制裁を与える。タケシ「おうふくビンタも一味違うな」。この性格ゆえにもともとの相手役だったケーシィはテレポートで逃げてしまったらしい。しかし相手役に決まったカスミのコダックには一度も攻撃せず、ロケット団に捕まった際にはコダックに何度も声をかけた。よほどほれ込んだか撮影終了後もコダックに寄り添っていた。

▪️無印245話
チヒロのププラン・ププルン
熱狂的な親衛隊がいる歌のお姉さん・チヒロのパートナーである双子のププリン。
例の落書きプリンに虐められたり、ロケット団にコンサートを妨害された上に奪われたりと大変な目にあうのであった。
ちなみにこの回はロケット団が『モー娘。』関係の衣装来てたり、ロケット団からププリン達を取り返すまでの時間稼ぎとしてタケシが『タケシのパラダイス』を披露したりする。

▪️XYシリーズ
カロス地方ではジョーイさんのアシスタントポケモンとして大抜擢された。『大量発生したフライゴンをプクリンがたった一匹で一掃した』という伝説が元らしい。


●[ポケスペ]
◼️ブルーのぷりり(プクリン♀️)
ブルーの幼なじみのポケモンで『マスク・ド・チルドレン(仮面の子供達)』時代に共に修行した。プリン時代は身体を風船のように膨らませることで飛行手段にも使用していた。第5章でニドちゃん(ニドクイン)と共にプクリンへと進化する。
当初ブルーはマスク・ド・チルドレン時代にニックネームをつけようとしたところを仮面の男から殴られた為、トラウマからニックネームで呼ぶ事ができなかった。しかし、ブルーがレッド達と出会った事でニックネームで呼べるようになった。

◼️ブルーのリリリ(プリン♀️)
第13章での新しい手持ち。ぷりりと同じく、身体を風船のように膨らませて飛行手段に使用されている。

▪️アカネのププたん(ププリン♀️)
ジムリーダー・アカネの手持ちポケモン。ピィたん(ピィ)とのダブル攻撃を得意としており、チョウジジムで氷のスイクンとのバトルでは2匹同時で『てんしのキッス』でこんらん状態にさせ、リニア内での戦闘ではロケット団残党相手に『メロメロ』をお見舞いさせた。



◼️『ポケットモンスターPiPiPi☆アドベンチャー』では、ピカチュウ・ピッピの進化前時からの幼馴染として登場。
他のポケモンとは違って人の言葉を喋れずピッピが通訳していることが多い。(例外として、マロンだけはなんとなくわかるらしい)
性格はマイペースで性別は♀️。
料理が好きだが爆発するほどまずく、食べてくれなかったら怒る。実家は金持ちだが一人暮らしが好きなので離れて生活している。

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