ゼロの使い魔×ポケットモンスター   作:蜜柑ブタ

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今回は、ガーディ(→ウィンディ)。


『ルイズが召喚したのが、ガーディだったら?』

 その犬は、よく吠えた。

 

 炎を彷彿とさせる、赤っぽい毛皮に黒い模様。フワフワとした黄色っぽい胸毛と頭と尻尾の毛。

 

 いや、実際にこの犬はただの犬ではなかった。炎を吐くのだ。

 

 ルイズがコントラクトサーヴァントの儀式を行おうとした際に、思いっきり顔面に炎を浴びせられたものだ。ルイズは、炎を操ることが得意なコルベールの助力も得て、なんとかコントラクトサーヴァントの儀式を成功させたが、せっかくの美しいピンクの髪の毛が焼けてチリチリになった。

 

 70センチと、大きすぎず小さすぎない体であるが、タバサの風竜を前にしても勇敢に立ち向かおうとする。勇気があるのか、無謀な性格なのか……。

 

 コントラクトサーヴァントの儀式の時のみ抵抗されたものの、コントラクトサーヴァントの儀式が成功してからは、すっかりとルイズに忠実になった。

 

 そこいらの犬より圧倒的に頭も良いらしく、教えればすぐ実行できるようになる。秘薬の材料となるモノを拾ってくるとかは、教えればできるだろうが、生憎とルイズには、秘薬の調合ができないため、まだしていない。

 

 しかしながら、その忠実さ故に、ルイズをゼロと蔑む目や、言葉に敏感で、そうした相手によく吠えた。その吠える声に、たいがいの使い魔達は臆して逃げていく。例え大きな体の竜でさえも。

 

 怒ってくれるのは嬉しいが、あまりうるさくされても困るので、そう教えると、しょんぼりと項垂れる。その姿に、ルイズは、ゼロでごめんね…っと涙ぐんだ。

 

 ある日、ガーディだ!っと言ったメイドがいた。

 

 シエスタというメイドが教えてくれたが、この犬は、ガーディという種類で、炎を操ることが出来る珍しい犬だそうだ。

 

 彼女の曾祖父が飼っていたのが、曾祖父亡き後、野生化してそのまま近隣の森に住み着いているらしく、一度主人と認めさせれば、実に忠実で心強い犬なのだそうだ。

 

 ある特殊な石を使うことで、ウィンディという大型の犬にも成長できるそうだが、その石については分からないと言われた。

 

 別に今のままでも十分すぎるほど可愛くて心強い使い魔なので、ルイズは別に気にしなかった。

 

 ギーシュのワルキューレを一瞬で蒸発させるほどの火力や、土くれのフーケの大きなゴーレムを丸焼きにした大の字の炎を見た時は、さすがにビビったが……。

 

 ある日、ルイズは、トリステインの城下町で鉱物の小物を買い、部屋に飾った。

 

 炎の形が模された石であるが、すごく安くて珍しくはないらしい。なので深く考えていなかった。

 

 ルイズが目を離した隙に、ギャインッ!という鳴き声が聞こえ、見ると、そこにはガーディではなく、ガーディを倍にしたようなモフモフの大型の犬がいた。

 

 たてがみのようにモフモフになった黄色っぽい頭の毛が、なんとなく獅子を彷彿させるほど大きく、2メートル近くある。急に成長したため、ウィンディはひっくり返り周りを壊し、落としたりもしていた。

 

 ウィンディを部屋の外に出して、片付けていると、あの炎を模したような石だけが無くなっていた。どうやら、あの石がガーディを進化させるための石だったらしい。

 

 大人ぐらい乗っても問題ないぐらい大きくなったウィンディは、ルイズを乗せて走れるようにもなった。

 

 最初こそ急に大きくなられてしまって困っていたルイズだったが、モフモフ感が増したことや、自分が乗って走られるようになったことが嬉しくて、広場をよくウィンディに乗って走り回った。城下町に用があるときも馬の代わりに乗って回った。

 

 ところがある日、ウィンディが姿を消した。懸命に探したが見つからず、泣いていると、やがてウィンディが卵を背中に乗せて帰ってきた。

 

 シエスタは、たぶん、繁殖期だったから、タルブ村近隣まで番を見つけに行ったのではないかと推測していた。

 

 ウィンディは、メスだったらしく、ルイズと共に卵を大事に育て、やがてガーディが生まれた。そのガーディにも同じルーンが刻まれていた。

 

 っていうか…犬って、卵から生まれるっけ?というツッコミは野暮だったかもしれない。

 

 




ウェールズの件で悩んでるので、大きなイベントもなく、淡々とした日常っぽく書いてみました。


ポケットモンスター世界の、進化の石類は、ハルケギニアでは、珍しくない鉱物として売られています。

姿が違うならともかく、姿が同じ、オスメスは、どこで判断してるんだろ?




以下、いつも詳しく書いてもらっているミッキィさんの説明文。

●ガーディ
▪️元祖犬ポケモン。

▪️対となるポケモンは『ロコン』。ガーディは♂️が多く、ロコンは♀️が多い。

▪️野生のガーディは大抵強制的に戦闘を終了させる『ほえる』を覚えている。捕獲する時は気を付けよう。

▪️嗅覚に優れ、主人にも忠実であるためか番犬や警察犬としても役立っているようであり、おまわりさんやジュンサーさんが所持していることが多い。
見知らぬ者や縄張りを侵すには吠えたてて威嚇したり噛みついたりする。更に自分のトレーナーにうっかり近づいた者を激しく吠えたてて街の外へ追い払おうとする程。

▪️人間との付き合いは石器時代にまで遡り、遺跡からは骨が出土しているほど人と助け合って生きてきたポケモンである(リアルでも犬と人間は1万年以上の付き合いらしい)。

▪️同じ犬ポケモンの『イワンコ』とは縄張り争いを繰り広げる程仲が悪い。


●ウィンディ
▪️伝説ではないが、分類が伝説のポケモン。
これは立派なタテガミや威風堂々としたその佇まいに古くから魅了される人々が多く、『大昔にとある武将と共に戦い国を治めた』等の言い伝えを数多く残した事によるもの。
しかし、ウルトラムーンの図鑑説明で『多くの 言い伝えが 残っており 伝説の ポケモンと 呼ばれるが 意外と 見つかる 数は 多い。』と書かれてしまっている。

▪️モデルは恐らく『狛犬』『シーサー』。対になるキュウコンで『稲荷』と『狛犬』の関係になるんだとか。

▪️『ウィンディ×』『ウ“イ”ンディ◎』

▪️犬なのでトレーナーには甘えん坊な一面を見せたりする。愛情表現も飛び付き舐めであるが大きさ(1.9m・155kg)的に事故になりかねないので、しつける必要がある。

▪️『ピカブイ』で乗れるポケモンの中では『ペルシアン』『ギャロップ』と共に最速となり、ピカブイでは無い自転車の代わりとなる。『イーブイ版』では、クチバシティでベンチに座っている大人のお姉さんに『ニャースを5匹捕まえた』状態で話しかけると『ウインディ』が貰える(ピカチュウ版だとペルシアン)。中々便利なのですぐ貰う事をおすすめする。

▪️原作ゲームでは、ジムリーダーのカツラ、DPptのチャンピオンロード(殿堂入り後別ルート)で同行してくれるマイ、USUMではアーカラ島のキャプテン・カキが所持。
初代ライバル・グリーンの場合は、主人公がヒトカゲ・ゼニガメを選んだ場合にガーディ・ウインディが手持ちに加わり、以降の金銀HGSS・BW2・SMUSUMではウインディが手持ちに入っている(ピカチュウ版だとキュウコン・ピカブイだとリザードンがいる為か入っていない)。


●[アニメ]
▪️元祖犬ポケモンである事から、大体が『ジュンサーさんの相棒』としてガーディ、まれにウインディが登場する。他にも番犬だったり、モブが連れ歩いたりしている。

◾コジロウのガーちゃん(ガーディ♂️)
CV 小形満
無印47話・DP153話に登場。
コジロウが幼少期から所持しているポケモン。コジロウの実家におり、コテージ同然の小屋を持っている。
大金持ち故に習い事だらけの自由の無い生活や許嫁のルミカのきつい性格から、幼少時代のコジロウにとってガーディのガーちゃんは当時の『唯一の相談相手でもあり友達』であった。なお許嫁のルミカはガーディが嫌いであり、代わりにエネコを飼うようコジロウに言い、彼女の我儘さからコジロウがルミカを嫌う要因にもなっている。
ルミカのラフレシアを撃退する等、ポケモンとしての実力はかなりのものがある。
実家から脱出したコジロウに付いて行くことはなく、その代わりに家のことを頼まれた。
DP153話で再登場した時は、変装していたコジロウを1発で見破っている。

◾シゲルのウインディ
(CV小西克幸→三木眞一郎)
無印62話から登場。
オレンジ諸島編のOPを見るに、ガーディから育て上げた可能性が高い。
トキワジムでのサカキとの戦いで相性の悪いキングラーを倒した。しかし、ニドキングと共に鎧をまとったミュウツーに立ち向かったが、エスパー技により手も足も出ず倒される(このシーンは『ミュウツーの逆襲』にも使われている)。
ジョウトリーグのサトシ戦でも使用、『ほのおのうず』を繰り出すが、カビゴンが渦の中から『はかいこうせん』を放ち一撃で敗れる。

◾セイジのウインディ
無印76話に登場。セキエイリーグ3回戦のサトシの相手、セイジのポケモン。
相性不利のキングラーに意表をつき、『りゅうのいかり』で大ダメージを与え退かせる。『だいもんじ』でフィールド全体の氷を解かし足場をなくさせるフィールド利用を見せた。しかし自らの足場もなくしたためにピカチュウの『10まんボルト』を避けられず倒される。

◾ハルカ(ヒロインじゃない方)のウインディ
◾ユタカのウインディ
無印190話に登場。
ウインディ使いの姉弟のウインディ達。
姉弟はウインディを使って『炎の石』を届けたりする仕事をしている。
崖から落ちそうになったサトシ達を助ける。
アサギシティ近くの街で開かれるほのおタイプの祭典に賞品のほのおのいしを届ける途中であったが、ほのおのいしはロケット団によって奪われてしまう。
サトシ達との協力でロケット団を発見し、ウインディ2匹はほのおのうずを使ってロケット団の気球を地面に墜落させた。姉弟はほのおのいしを取り戻し、無事大会開催委員に届けることができた。
ちなみに姉のハルカは、AGのヒロインと同じ名前でありながら、声優は『豊口めぐみ』...そう、この話の6年後に放送されたDPのヒロイン・ヒカリの声優である。

◾野生のウインディとガーディ
AG139話から登場。
サトシ達がケーキ屋に立ち寄っていた所を、野生のウインディに遭遇。ハルカとシュウがウインディをゲットしようと争うが、実はこのウインディは子供のガーディがいる母親であり、子供に与える食べ物を探していたことが判明。ロケット団に子供のガーディを捕らえられるが、ハルカとシュウによって助け出される。子供の存在を知ったハルカとシュウはウインディをゲットしない事を決めたのであった。

◾ヒースのウインディ(CV 佐藤智恵)
AG153話に登場。
フロンティアブレーンの1人、バトルドームのスーパースター・ヒースのポケモンで、ラグラージと共に登場。
サトシのオオスバメよりも素早く、『しんそく』や『つばめがえし』といった素早さが高い技を使う。『かえんほうしゃ』を『だいもんじ』に変化させることができる。
しかし、『だいもんじ』に『バブルこうせん』を当てることにより発生した水蒸気で視界とコンビネーションを封じられ、更には2体同時に動くというコンビネーションの欠点を突かれ、サトシのヘイガニの『クラブハンマー』で倒れた。

▪️DP168話では原作ゲームと同様にウインディ(CV阪口大助)がマイの手持ちとして登場する。


◼️『BW2』のPVでは、男主人公・キョウヘイの手持ちとして映っている。


●[ポケスペ]
◽クリスタルのウインぴょん(ウインディ♂️)
クリスの長距離の移動要員。クリスの手持ちの証である『星の目印』は首輪。
幼いクリスがスリバチやまで捕獲の修行をしていた頃に遭遇。右目にヨーギラスに昔つけられた傷があり、その傷の痛みが原因で野生の頃は気性が荒く暴れん坊で、エビぴょん(エビワラー)達とも敵対していた。クリスが怪我に気づき、仕返しにきたポケモンから守ってくれた事がきっかけで手持ちに加わった。
クリスの主力として活躍する。
余談だが、当時のポケモンのニックネームは5文字であった為に6文字のウインぴょんは再現できなかった。しかし、7世代で6文字が解禁になった為、再現可能になった。

◼️グリーンのウインディ
グリーンの控えポケモン。
3章でサイドン・ナッシー・フーディンと共にトキワジムを襲撃した所を捕獲される。グリーンの手腕によって、ポケモンだけでジム戦が行える程、きっちり育てられている。

▪️カツラのガーディ
カツラが頼りにしているポケモン。よく利く鼻を利用して、行方不明のレッドがおつきみやまを訪れたことを突き止めた。スオウ島では松明に明かりをつけている。

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