ゼロの使い魔×ポケットモンスター   作:蜜柑ブタ

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今回は、コンパン(→モルフォン)。



コンパン、モルフォンは結構好きなんですよね。


『ルイズが召喚したのが、コンパンだったら?』

 その生き物に、コントラクトサーヴァントの儀式を行った直後、ルイズは、倒れた。毒で。

 

 ずんぐりもっふりした紫色の体に、虫の触角と短い手足。目は大きく、複眼になっている。どうやら虫の一種らしいと、コルベールは分析していた。

 

 しかもどうやら全身に毒を纏っていたらしく、それでルイズはやられて倒れたのだった。そういえば、唇がヒリヒリ腫れている。もしかしたら全身の毛は、毛虫のように毒針の塊だったのかもしれない。一見可愛い感じの見た目で、なんて恐ろしい……。

 

 そんなんだから、短い足でピョンピョンと跳ねるように移動してきて懐いてきてもルイズは、逃げた。ルイズに避けられると、その生き物はシュンッと落ち込む。その姿にルイズは、罪悪感を感じた。

 

 ある日、コンパンだ!っという驚いた声をあげたメイドがいた。

 

 シエスタとメイドで、知っていることを教えて欲しいと頼むと話してくれた。

 

 この生き物の名は、コンパン。

 

 タルブ村の近隣の森に住む、珍しい虫の一種なのだそうだ。

 

 目がとてもよく、小さな虫を食べて生活しているらしい。そして、成長すると、モルフォンという美しいが、強力な毒を持つチョウのような蛾になるそうだ。

 

 どうあっても毒なのか…っとルイズは、がっくりと項垂れた。

 

 そんなルイズに、シエスタが、曾祖父が飼っていたモルフォンやコンパンは、毒を与えないようにしてくれてたらしいからだいじょうぶだって励ましてくれた。

 

 そう言われて、ルイズは、コンパンを見る。コンパンは、ジーッと大きな目でこちらを見ている。

 

 しゃがんでから、……おいでっと声をかけると、見るからに喜んで飛びついてきた。すると、毛が硬いことが分かった。フワフワしてるのかと思ったが、細かくて硬い毛で覆われていることが分かった。毒は貰わなかった。

 

 毒にやられないと分かれば、自分を慕ってくれるのは、素直に嬉しい。ピョンピョン跳ねるように移動する仕草も可愛い。

 

 意外なのは、念力という技を使って、手を使わず物を浮かばせて動かせることだった。その力を使い、洗濯物を率先して運んで行く。なんて賢い子なんだと、ルイズは、ますますコンパンが好きになった。

 

 そんなある日、土くれのフーケによる事件が発生し、学院の本塔近くに現れた巨大な土のゴーレムを、コンパンが目からビームを放って破壊した。ところが、ビームは強力すぎて土のゴーレムを貫通して、本塔の壁を破壊してしまった。それにより本塔内の宝物庫の宝が盗まれ、責任を感じたルイズは、使い魔の責任は主人の責任だからと、宝を取り返すと言って杖を掲げた。

 

 キュルケとタバサも協力してくれ、オスマンの秘書のロングビルの案内で土くれのフーケが潜伏していると思われる山小屋に来た。

 

 山小屋の中には、確かに宝があった。すると、コンパンがそれを頭に被り、スイッチを押した。マジックアイテムが輝き、やがて光が消える。そして、外から地響きが来て、土くれのフーケの土のゴーレムが現れた。

 

 コンパンが振り下ろされる土のゴーレムの腕を念力で折り曲げて防ぐ。このとき、ルイズがもうゼロだと言われるのがイヤで無謀にも土のゴーレムに挑んでしまい、振り下ろされる足からコンパンがルイズを突き飛ばして踏まれる事態になった。

 

 ルイズが悲鳴を上げた。すると、凄まじい光が足の下にいたコンパンから放たれ、土のゴーレムの足が破壊されて、コンパンは脱出した。

 

 すると、コンパンの体が輝きだし、脱皮した。そして、チョウのような蛾へとなり、宙へ舞い上がった。

 

 再生した土のゴーレムに向かい、カッと全身を輝かせて、めざめるパワーという技マシンで覚えた技を放って、土のゴーレムを破壊した。

 

 ルイズ達がそれを見てぼう然としていると、ルイズが背後からロングビルに捕まった。ロングビルは、自らこそが土くれのフーケだと名乗り、山小屋に残してきた宝物庫から奪ってきたコンパンが使ったマジックアイテムである技マシンを持ってこいと脅迫してきた。

 

 宙を舞っていたモルフォンが、バサッと羽を羽ばたかせた。すると風に乗って薄い鱗粉がフーケの顔にかかる。途端、フーケは、喉を押さえ、痙攣して倒れた。

 

 あとで聞いたが、モルフォンの鱗粉は、薄いと麻痺、濃いと毒なのだそうだ。麻痺させられたフーケは、そのまま逮捕となった。

 

 なお、コンパンが使った技マシンなるマジックアイテムは、使い捨てだったことが判明し、使い物にならないことが分かって、使い方を知ろうとしていたフーケは色んな意味で損をしたのだった。

 

 

 

 




コンパンの初代の説明で、目からビームって書いてあったけど、後半のシリーズでは書いてないんですよね。なんでだろ?

ふさふさ、もふもふしてそうに見えて、本当は硬いのね…、コンパン。毛虫か?

モルフォン(コンパン)に、どうやってでっかい土のゴーレムを倒させるか考えて、技マシンでめざめるパワーを覚えさせました。もちろん、サイコキネシスや、サイケ光線でもよかったんですけどね。




以下、いつも詳しく書いてもらっているミッキィさんの説明文。


【コンパン・モルフォン】
▪️アニメではジムリーダーのキョウとその妹のアヤがコンパンを手持ちにしているが、キョウの個体は出してすぐにモルフォンに進化した。タケシ『変わり身の術か!?』カスミ『進化したんでしょ(呆れ)』。
なお、ゲーム本編でキョウの娘であるアンズがモルフォンを手持ちにしてるので、セキチクジムリーダー一家では大事にされてるポケモンの一種なのだろう。

オレンジ諸島編では ケンジの手持ちにおり、目がレーダーの役割を持ち、隠れてるポケモンの位置を探す事が可能。

▪️ゲーム本編では、BWでのモルフォンのモーションが荒ぶっている。凄まじく荒ぶっている。ゆめの跡地でレベル50が襲撃してくる怖い。

▪️ポケダン救助隊ではモルフォンは『みんなのトラウマ』のひとつ。最難関クラスのダンジョンに出てくる他に、見えない遠くの位置から部屋全体を攻撃する技を使ってくるわ、近付けば状態異常にしてくるわで、虐殺されたプレイヤーは何人になるのやら。やめてください死んでしまいます(トラウマ)。

▪️ポケスペではグリーンがトキワの森でガルーラを探していた最中に倒される(ちなみにこの時が記念すべきポケモン図鑑が使用された)。
その後も別個体がレッドの前に出現するもピカに倒されるという不憫枠。

▪️よく考えたら『たかさ150cmの蛾』が猛毒のりんぷん振りまきながら凄いアグレッシブな動きで襲ってくるのは怖い。

▪️コンパンの目からビームはピカブイの図鑑にも乗ってたので、まだ設定はありました。

ゲームフリークの人たちや初代からポケモンと関わっているポケスペの作者の世代(Twitterの考察から)が『ウルトラマン』等だからか、怪獣・怪人系の要素があるのでしょう。(企画段階だとタイトルが『カプセルモンスター』)

噂によると『ウルトラビースト』も田尻さんが初代からやりたかったネタという(これも噂だが、ハイパーボールは当初ウルトラボールにしたかったらしい)。

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