ゼロの使い魔×ポケットモンスター   作:蜜柑ブタ

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今回は、ニョロモ(→ニョロゾ→ニョロボン)。




どう考えてもルイズに避けられる光景しか思い浮かばず……。
ルイズだけがバッドエンドな感じなりました。


注意!!


『ルイズが召喚したのが、ニョロモだったら?』

 ルイズは、青ざめた。

 

 目の前に現れた、その生き物を見て、ダクッと汗をかいた。

 

 嫌いだから分かる。というか嫌いだからこそその生態を知ったのだ。避けるために。

 

 ツルッとした表面の丸みのある身体は、首はなく、けれど小さな足があり、腹の部分には渦巻き模様、そしてヒレのような尻尾がある。

 

 何の生き物か例えるなら……、オタマジャクシ。カエルの幼体。の、デカいやつだ。

 

 ルイズは、言われずとも聞かずとも悟った。これは、自分が大っ嫌いなカエルの幼体だと。

 

 足が自然と震えるルイズに、気づいてないコルベールがコントラクトサーヴァントの儀式を促した。

 

 ビクッとなったルイズは、速攻でイヤです!と叫んだ。

 

 しかしこの儀式を成功させないと留年だぞと言われ、ルイズの中で天秤が浮かんだ。

 

 進級を取るか、大っ嫌いなカエルの幼体(?)を使い魔にするか。

 

 チラリッと、でっかいオタマジャクシ(?)を見ると、その場で動かず、ジーッと可愛い目でルイズを見つめていた。

 

 ルイズの脳内で、凄まじ勢いで走馬灯のように様々なことが駆け巡る。

 

 そしてルイズは……、進級を選んだのだった。

 

 その後、ルイズは、死んだように部屋のベッドに倒れ込み、水棲使い魔を飼育するための池に、でっかいオタマジャクシ(?)を置いておいてそのまま寝たのだった。

 

 それからというもの、ルイズは、一向に使い魔に会いに行かず、教師からも指摘されても黙っていた。

 

 あんまりにも放っておいているので、見かねたシュヴルーズが使い魔の飼育もメイジの務めですと怒り、水棲使い魔を飼育するための池に行かせた。

 

 渋々池に来たルイズが見たのは、あの大きなオタマジャクシ(?)みたいな使い魔に餌を与えている一人のメイドだった。

 

 ルイズの存在に気づくと、メイドは慌てて頭を下げてきた。

 

 話を聞くと、死にかけていたので勝手に世話をしていたのだそうだ。

 

 世話を出来るということは、知っているということだ。このオタマジャクシ(?)みたいな生き物のことを。

 

 この生き物の名は、ニョロモ。

 

 タルブ近隣の森の中の水辺でたまに見られる珍しい水棲生物だという。

 

 二段階成長する特性があり、ニョロゾ、ニョロボンと形態が変わるそうだ。

 

 やはり、カエルなのかと聞くと、はい、二本足で歩くカエルですよっと、答えられてしまい、ルイズは、フゥっと意識を飛ばした。

 

 それからルイズは、ニョロモの世話をメイドのシエスタに任せっきりにした。

 

 そんなある日、シエスタがギーシュに難癖付けられていた。

 

 そんな彼女の仲裁に入ろうとすると、紺色の見覚えがある色が飛び出し来てシエスタの前に勇敢に立った。

 

 それは、ニョロゾへと進化したルイズのニョロモだった。カエルと言っても、ルイズが知っているカエルとはほど遠いフォルムだった。

 

 そして決闘沙汰になると、新たに生えた両腕でギーシュのワルキューレを倒し、ギーシュを降参させた。

 

 ニョロゾは、様子を見ていたルイズではなく、祈るように手を組んでいたシエスタの方へ駆け寄って行った。シエスタは、わんわん泣き、ニョロゾが慰めていた。

 

 ルイズは、それが不満だったが、後ろからキュルケにポンッと頭を叩かれ。

 

 あんたが、ちゃんと接しないからよ。っと言われ、がっくりしたのだった。

 

 この一件で、学院の平民達から称えられたニョロゾに、コック長のマルトーが、これが似合いそうだなっと言って、水滴の形をした石をニョロゾにプレゼントした。

 

 その瞬間、ニョロゾが光り輝き、ニョロボンへと進化を遂げた。

 

 確かに言われればカエルだが、二本足で仁王立ちし、たくましい腕を持つ姿は、ルイズが嫌悪していたカエルとは違う。

 

 なので、ルイズは、ニョロボンに接近したが、ニョロボンがそれに気づくと、シエスタの方へ行ってしまった。それに怒ってムチを出すと、ペシンッ!と手でたたき落とされた。

 

 キーキー怒るルイズに、キュルケがやってきて襟首を掴んで引っ張って行き、あんたの自業自得よっと説教したのだった。

 

 使い魔に見放されたメイジ。っというレッテルを張られ、せっかく進級できたのに、ルイズは、肩身が狭い思いを味わうこととなったのだった。

 

 




原作読んで、あれだけカエル嫌いだと、きっとカエルの生態も知ってると思ったので、ニョロモの段階でカエルの幼体だと見抜く。
結果、餌やりもしなかったため死にかけ、シエスタに世話を任せっきりにしてしまったため、ニョロモ(ニョロゾ→ニョロボン)からは、完全に見放されたっという流れにしてしまいました。

シエスタを通して命じれば、多少は言うことを聞くとは思うけど、ルイズへの忠誠心はゼロです。

ニョロボン強いから、そう簡単には死なないので、次の使い魔も当分の間呼べず、ルイズだけがバッドエンドです。



以下、いつも詳しく書いてもらっているミッキィさんの説明文。

▪️ポケモンシリーズの生みの親、田尻さんのお気に入りがニョロモである。

▪️お腹の模様は実はリアルのおたまじゃくし同様に内臓である。ニョロゾはこれを相手に見せて催眠術をかけて逃げる。

▪️ポケスペでは主人公レッドの一番最初のポケモンで幼なじみの【ニョロ】がおり、第1話からニョロゾとして登場。レッドが昔溺れかけた際にニョロゾへと進化し、現在はニョロボンに進化した際もレッドが海に落ちた時であった。

ポケスペ主人公ズの幼なじみ・一番最初のポケモンは強いのが多いのだが、ニョロはどうしても出落ちなどで勝率が悪く、ネタになってる。


ゴールドが生まれた時から一緒であるポケモンの一匹で手持ちである【ニョたろう】がいる。当初はロケット団のせいで離ればなれになったが無事に合流。シルバーの機転でニョロトノに進化したが、ゴールドはニョロゾの進化がニョロボンだけだと思っていた。
6章でニョロとニョたろうのコンビネーションが見れる。



▪️アニメではオレンジ諸島編からのカスミの手持ちとして登場。ニョロトノに進化しているが、

・偶然「おうじゃのしるし」を持った状態でモンスターボールに入れられた

・ポケモンセンターに一時的に預けられる

・そこから転送された後ボールから出された際に「おうじゃのしるし」をかぶっていたために偶然進化した。
という経緯。



▪️『ポケダン超』でニョロボンリバーというトラウマダンジョンがあり、奥地でニョロボン三兄弟と戦闘になる。途中で遭遇するエレザード含めてかなりの強敵である。


【おまけ】

今回のニョロモに対してのルイズが毛嫌いしたように、ポケモン世界にも誤解や偏見が多く…

▪️幼虫系…カスミや女の子のポケモンが気持ち悪いと毛嫌いされている。しかし、原作ゲームでは、アローラのミニスカートが家族同然にキャタピーを可愛がっている。

▪️ベトベトンやヤブクロン等…ご存知悪臭やゴミを拾ってくる事でアニメで騒動になっていた。なつけばなんら問題ないのだが、やはり理解されなければ騒動になってしまうのだろう。

▪️アブソル…災いを察知できる能力を持つが、誤解から災いを呼ぶポケモンと忌み嫌われてしまった。が、ウルトラサンムーンの時代では忌み嫌ってるのは老人だけとなってるようだ。


ポケスペでは…

・ブルーがホウオウに拉致られた為、鳥ポケモンが苦手(その為、飛行手段がポケモン鳥じゃない)。3章以降から現在は克服している。

・ルビーがキモリかミズゴロウを選ぶ際に『緑よりはマシ』と言ってミズゴロウを選ぶ。約8カ月後…ジュカインになって復讐された。

・アローラベトベターを最高とまで言うムーンを、『毒女』と若干変な目で見られてる。アローラベトベターかわいいけどなぁ

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