ゼロの使い魔×ポケットモンスター   作:蜜柑ブタ

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今回は、ガルーラ。


パターンひとつ目。

悲しいと言うよりは、胸くそ悪い感じかも……。



注意!!


『ルイズが召喚したのが、ガルーラだったら?』  悲しい版

 

 その生き物は、腹の袋の中に、自身の子供を入れていた。

 

 2メートル以上と大きく、コントラクトサーヴァントの儀式でキスをするのが大変だった。

 

 子供を育てているだけに、恐ろしく力強く、大型使い魔を飼育するための舎の出入り口を破壊して、学院の隣にある森に勝手に行くこともあった。

 

 ガルーラだぁ!っと驚いたメイドがおり、知っているのかと聞いた。

 

 シエスタというメイドが言うには、この生き物名はガルーラといい、子供をお腹の袋で育てる生き物だそうだ。

 

 子供を守るためならどれほど傷ついても戦いを辞めないと言われており、子供にさえ危害を加えなければそれほど凶暴ではないそうだ。

 

 森に行くのは、きっと子供を遊ばせるためだろうと言っていた。

 

 いくら躾けても舎を破壊するため、ガルーラ用に森の近くに小屋が作られるに至った。

 

 数日後だろうか。ルイズを警戒して子供に一切触らせなかったガルーラが、ルイズに子供を触らせた。ルイズは、それが素直に嬉しかった。

 

 しかし……、悲劇は、突然起こる。

 

 ルイズは、無事に進級できて油断していた。失念していた。自身がこの学び舎でどういう立場に置かれているのかを。

 

 ある日の夜、寝ていたルイズの部屋の戸が激しく叩かれた。

 

 渋々起きて開けると、教師が大変だ!っと焦って、ルイズの手を掴んで引っ張っていった。

 

 外に出るまでの間に聞こえていた。悲しく、大声で鳴く、ガルーラの…叫び声が。

 

 ルイズが駆けつけた時、夜風に乗って血なまぐさい匂いがし、教師達に包囲されている状態で暴れ話回る傷だらけのガルーラ。

 

 

 しかし……、その腹のポケットは無残にも引き裂かれたようなっていて、……子供はいなかった。

 

 

 何があったの?っと、震えながら聞くと、コルベールが首を振り、それから語り出した。

 

 ルイズをよく思わない学院の生徒が、ガルーラの小屋に来て、ガルーラの子を殺したのだ。犯人達は、一人を残して怒り狂ったガルーラに叩き潰され、死亡したという。

 

 唯一生き残った共謀者の生徒が教員に取り押さえられて、喚いていた。

 

 やれ、なぜゼロの使い魔を殺したぐらいでこんな目にあわなきゃいけないんだとか、そんなことを喚いていた。

 

 それを聞き、そしてガルーラの泣き叫ぶような鳴き声を耳にしながら、ルイズは、その場で意識を失った。

 

 ……夢を見た。ヨチヨチ歩きでルイズに向かって歩いてくる、ガルーラの子供。ガルーラは、それを微笑ましそうに見つめている、そして自分はヨチヨチ歩いてきたガルーラの子を抱き上げた。そんな…幸せなだった夢。

 

 ルイズが目を覚ますと、傍にシエスタがいた。

 

 お悔やみ申し上げます…っと泣き顔で言われた。それでハッとしたルイズは、ガルーラは!?っと聞くと、シエスタは首を横に振った。

 

 着替えもせずガルーラの小屋に行くと、小屋はすでに取り壊されていた。

 

 それが意味することを理解したルイズは、力無くペタリとその場に崩れ落ちて泣いた。ゼロでゴメンナサイ…っと何度も何度も懺悔した。

 

 そして泣きはらした後、フラフラ状態で部屋に戻った。その後教師に呼び出され、使い魔の再召喚を言い渡された。

 

 ルイズは、死人のように力無く再召喚を行った。

 

 そして召喚されたのは……、全身傷だらけ、火傷だらけの自分のガルーラだった。ルーンは消えている。だが自分のガルーラだと分かった。

 

 ギョッとするコルベールを置いて、ルイズは泣きながらガルーラに駆け寄った。

 

 しかし、ガルーラに抱きついたとき気づかなかった。自分に向かって振り下ろされようとしている拳も、怒りと喪失によって正気という光を失ったガルーラの目にも……。

 

 




原作でのルイズの扱いと、貴族でないとはいえサイトへの仕打ちを考えると……、こんな展開もあり得るかも…と。

ガルーラが複数のメイジにやられたのは、見知らぬ土地で肉体的にも精神的にも疲れが溜まっていたからです。
また複数のメイジに攻撃手段の手を封じられたら、さすがにね……。

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