ゼロの使い魔×ポケットモンスター   作:蜜柑ブタ

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今回は、ベトベター(→ベトベトン)です。


マイナーポケモンばっかなのは、初代縛りで書いてみるからです。


『ルイズが召喚したのが、ベトベターだったら?』

 もう何度目かの爆発。

 

 ルイズを揶揄していた生徒達もいい加減飽きてきていた。

 

 しかし、ふいに吹いた強い風によって煙が晴れると同時に風下にいた生徒達は、その悪臭に、うぇ!っとなった。

 

 するとベトーという鳴き声のような声が聞こえた。

 

 爆発で空いた穴から紫色のヘドロのようなモノが出てきた。それには手の形があり、口があり、そして目がある。

 

 一目で生き物だと分かるが、風に乗ってくる、その悪臭にルイズもコルベールも思わず鼻を押さえた。

 

 生きたヘドロがまたベト~っと鳴くと、コルベールがハッとして、ルイズにコントラクトサーヴァントを促した。

 

 ルイズは、ギョッとしてコルベールにやりたくない!っと訴えた。

 

 しかしコルベールも教師としてルイズを進級させてやりたい。だから早くやりなさいと促した。

 

 ルイズは、眉間にしわを寄せて、チラリッとヘドロのような生き物を見る。ヘドロのような生き物は、ジーッとルイズを見ている。案外大人しいらしい。臭ささえなければ。

 

 ルイズは、一生懸命息を止め、ヘドロのような生き物にコントラクトサーヴァントを行った。

 

 キスをした途端、体を駆け回る毒成分。たちまちルイズは倒れ、コルベールが慌てた。

 

 次に目を覚ましたルイズは、自室にいた。

 

 夢か…っと思ったが、自室に充満するあの悪臭に、顔を歪めた。

 

 まさか!っと思い床を見ると、あのヘドロのような生き物がいた。まるでルイズを心配するようにベッドに手を乗せている。

 

 大慌てで窓を開け換気する。しかし匂いがなくならない。そして気づく、キスをした時の唇に匂いがついていたことに。

 

 ルイズは、部屋を飛び出し、井戸に向かった。そして石けんと井戸水で必死に唇を洗った。

 

 すると遠くから、ベト~っという鳴き声が聞こえ、ズルズルっと近寄ってくる音が聞こえた。どうやらルイズを追ってきたらしい。

 

 ルイズが来るな!っと叫ぶと、ヘドロのような生き物は、ビクッと止まり、しょんぼりっと項垂れた。

 

 ルーンは刻まれていて、それで懐いてくれるらしいが、どうにもこの匂いが我慢ならない。

 

 どうしたものかとため息を吐いていると、洗濯籠を落としたメイドがいた。途端、ベトベター!っと言って驚いていた。

 

 逃げようとするので捕まえて話を聞くと、あのヘドロのような生き物は、ベトベターといい、月の光を浴びたヘドロから生まれたとされる生き物だという言い伝えたがあるそうだ。

 

 また、汚いところを好み、しかし一方で汚染された水や土壌、どんなゴミでも食べてしまうため、汚い場所を逆に綺麗にする一面もあるとか。

 

 そして成長するとベトベトンという更に大きな体になり、そうなると毒性が一気に上がり、触るのも危険なのだそうだ。

 

 もっともそれは野生の場合らしい。

 

 なぜ野生に限っての話なのかというと、シエスタの曾祖父が飼っていたベトベターとベトベトンが、汚染されて作物も育たなかったタルブ村の土壌や水を浄化したという逸話が残っており、お年寄りの一部は、近隣の廃墟に希に現れるベトベターやベトベトンを神聖視しているらしい。

 

 曾祖父にまつわる話だと、躾ければ悪臭は抑えられるようになるらしいので、根気です!っと励まされた。

 

 その話を聞くと、なんだか急にベトベターに興味が湧いてきたルイズ。

 

 まずは、悪臭のコントロールだ!っと、やる気を出して躾けたところ、一日、二日ほどで匂いは抑えられた。おかげで学院内での悪臭の苦情はなくなった。

 

 悪臭さえなんとかなれば、大人しくて、学院で出るあらゆるゴミを食べて学院を綺麗にし、プルプルブルルンっとした感触も楽しい。

 

 しかし、ギーシュのワルキューレを一撃で溶かすような溶解液を放ったときは、さすがにビビったし、土くれのフーケのゴーレムを腐らせてついでに毒で死ぬ寸前に追い詰め、更に裏切った婚約者のワルドを進化してベトベトンになり、その猛毒でもって制裁した、なんともたくましく、頼りになる使い魔となったのだった。

 

 なお……、ベトベターは、自分が歩いた後、つまり自己分裂をして増えるというのを後で聞いたときには、同じルーンが刻まれたベトベターとベトベトンが大量発生していて、ゲルマニアに嫁ぐ予定だったアンリエッタが、くっさいトリスティンは勘弁と言われて結婚が破棄されたとか?

 

 

 

 




ここでのベトベターの設定は、シリーズの図鑑の説明を色々と混ぜこぜしたものです。

アニポケじゃ、大停電事件を起こすような迷惑ポケモンみたいに描かれてるが。
アローラ設定だと、ゴミ処理のために連れてこられたと書かれてたので、ゴミを食べ、汚染を除去する性質をがあるということにしました。
あと、タルブ村が昔汚染されていた土地だったというのも捏造ですので。
あと、ウルトラサン、ムーンでは、工場の廃棄水が綺麗になってきているのでそのうち絶滅…なんて書かれてますので、タルブ村付近に住むベトベターやベトベトンも非常に数が少ないです。



以下、いつも詳しく書いてもらっているミッキィさんの説明文。


今回はベトベター・ベトベトン。

◼️【ベトベター・ベトベトン+アローラ】

●月からのエックス線をあびたヘドロが変化したのがベトベターとして変化したといわれ、汚染された海等で増殖したといわれる。ベトベター同士がくっつくと新たなベトベターが生まれる。

●工場が垂れ流す廃液や汚いものをエサとする。清潔な場所だとバイ菌が増やせずバイ菌が減ると死にいたる。タマムシシティの水辺ではベトベターが出現する為、いかに汚いか分かるだろう。

●ベトベトンは普段は地面に混ざっているらしい。猛毒である為、うっかり触れると触れた者が熱を出してぶっ倒れるし、通った場所は草木は枯れて3年たっても生えないし、1滴のヘドロでプールが汚れる。とにかく悪臭が酷い、『だがそこがいい!』とベトベトンマニアがいる。

●環境が良くなった事と病原菌を撒き散らすという理由で駆除し続けた結果、近年では数が減ってきてる為、『じきに絶滅する』危機に迫られている。絶滅を防ぐために『人工のヘドロ池』が作られている。

●アローラのゴミ問題を解決する為にベトベターを持ち込んだ所、ゴミを摂取しているうちにいつの間にかこんなカラフルに。ゴミ処分場では100匹前後が棲み、ゴミをうまそうに食べてたいらげてくれる。また、サンムーンでは清掃員が連れ歩いている。

●アローラベトベトンは意外とおとなしくて懐きやすい。しかし、体内に命の源となる100種類の毒と毒の化学反応がある為に触れると危険。エサのゴミをあげないと家具を壊しまくって食いまくる。

●ルビサファ等では野生のベトベターはたまに『きんのたま』が取れる(今では『くろいヘドロ』。同じようなのにイッシュ地方でダストダスが『でかいきんのたま』がたまに取れる)。『千と千尋の神隠し』で千がゴミとヘドロまみれでオクサレ様と化していた名のある河の神を助けた直後にヘドロから砂金とかが出てきたからそこら辺のオマージュがあるとか?(千と千尋の神隠しが2001、ルビサファが2002だからあり得ない事はなさそう)。


●[アニメ]
◽サトシのベトベトン
無印30話で、海から大量発生し、発電所に現れて海水の取り込み口を塞いでいたために街を停電させたベトベター達の親玉。
ピカチュウやコイル達の電撃にも粘り強く耐えたが、最後はサトシが直接ゲットした(ベトベター達はレアコイル達に退治される)。しかし、ゲットしてもヘドロの臭いは漏れ出していた為、手持ちの6匹目に関わらずオーキド博士に押し付ける。
実は人懐こく、オーキド博士やサトシ等に愛情表現で抱きつくのはもはやお約束。
バトルの面でも実力は本物で、第74話でサトシのフシギダネとピカチュウを倒したカオルコのマダツボミをのしかかりで仕留め、シロガネ大会ではシゲルのハッサム、カメックスと戦った。
サンムーンにも久々に登場を果たしており、カントー回ではサトシと再会に喜び、メルタン騒動の回ではオーキド博士と共にメルタンのデータを見ている。


▪️ベトベターは他にもエリカの回想や、操られたポケモンの一匹等で登場している。また、懐くと悪臭は無くなるという設定はアニメからである。

▪️他のベトベトンは、
ダイパで水辺を占領しコダック達を困らせていた♂️のベトベトン達が登場、サトシ達の活躍で吹っ飛ばされるが、吹っ飛ばされた先の水辺に♀️のベトベトン達がいた為、仲良く過ごしましたとさ。

▪️オーキド博士の解説によると、ヘドロの中でも生きられるため、学界でも注目されている。また『海の中のゴミを吸収するので環境浄化にも役立っている』という説もあると言っていたが、まさにサンムーンでそうなったといっても過言ではない。

▪️アローラベトベターは、モテ期が来てた頃のスカル団のしたっぱ・タッパの手持ちとして登場していた。

▪️アニメでのアローラベトベトンは、SM13話で登場、メレメレ島恒例のパンケーキレースで、脱落した選手の落としたパンケーキを回収して食べており、これも毎年恒例の事らしい。
SM81話では卑劣な手段を使うリベンジャーズのポケモンとして登場。ニョロボン・アローラゴローニャと共に特別マッチに乱入し、ロイヤルマスクのガオガエンを取り囲んで一斉攻撃。またリング外からガオガエンを妨害した。
SM113話で『クイズ ポケモンdeアローラ』の出場ポケモンの一匹としてもアローラベトベトンが登場している。

●[ポケスペ]
◽ムーンのアローラベトベトン(♂️)
・リーリエの代わりとして急遽出場するゼンリョクバトルに備えて捕まえたポケモンで、グラジオ戦で初登場。
・身体がカラフルな所がムーンのお気に入りで『も~サイコ~♥️』と語っている(それを見たサンからは『毒女』と言われてる。そしてこのシーンにより、やはり彼女もまともでは無かった事も判明してしまった...ブルータスお前もか)。
・ムーンはアローラ地方に来て日が浅く、『リージョンフォーム』を知らなかった為、悪タイプを持っているとは知らずに相手のエスパー技を警戒させていた。 そのことをグラジオに教えてもらい反撃に出たものの、ポリゴンのゼロ距離『ほうでん』を受けて敗北。
・ 体で相手を包み込み、中で『どくガス』を吐いて毒状態にする戦法を使う。
・ムーンが『ウルトラスペース』での半年間でベトベトンに進化していた。

その他(カントーのすがた)
▪️キョウの手持ちに両方登場。ベトベターはシルフカンパニーでの戦いでキョウの肩を守る鎧になっており、ストライクの刃を止めた事がある。ベトベトンはキクコに一瞬で倒されるが、鍾乳洞の地盤崩壊から地盤に呑まれそうになるキョウを『ベトベとんの術』で救った。

▪️7章でギンガ団のSHITAPPAのポケモンにベトベターが登場する。

▪️11章で『新生プラズマ団』、七賢人のリョクシとスムラの配下のポケモンとして複数体登場する。 ラクツたちを襲うが返り討ちにされ、ファイツのダケちゃん(タマゲタケ)の『クリアスモッグ』によって倒され、したっぱ達に置き去りにされた。

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