ゼロの使い魔×ポケットモンスター   作:蜜柑ブタ

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今回は、ケンタロス。



なんか、前回のカイロス回と似たような展開になってしまいました。


『ルイズが召喚したのが、ケンタロスだったら?』

 

 ルイズは、景色が逆さまになる光景を初めて見た。

 

 自分が召喚した、尻尾が三本ある牛みたいな生き物に突撃され、ルイズの軽い体は宙を舞う。

 

 コルベールが、レビテーションを咄嗟に唱え、ルイズは地面に激突するのだけは防がれた。しかし、突撃されたときの体の受けた痛みが激しい。肋骨の何本かは折れたかも…っと、ルイズは、思いながら地面に倒れる。

 

 モー! ゥモー!っと牛が暴れる音と鳴き声が聞こえる。

 

 意識がもうろうとする中、キュルケがルイズを助け起こし、指差した。その先には、横に倒れているあの牛がいた。体中焼けていて、どうやらコルベールが動けなくさせたらしい。

 

 今のうちにコントラクトサーヴァントの儀式をっと促され、ルイズは、痛みを押して牛にコントラクトサーヴァントの儀式を行った。

 

 全身火傷した牛は苦しげに息をしており、そこに追い打ちをかけてきたルーンが刻まれる痛みに暴れ、ルーンが刻まれ終わると気絶した。

 

 その後、牛は水の魔法で治療され、大型使い魔を入れておく舎に移された。もちろんルイズも保健室で治療を受けた。

 

 治療が終わり、保健室から出ようと思った時、外が大騒ぎになっていた。

 

 走って行くと、広場であの牛が生徒や教師達を追い回して無差別に突撃して吹っ飛ばしていた。

 

 ルイズがやめなさい!っと叫ぶと、牛は方向転換し、ルイズに向かって突撃してきた。

 

 横からキュルケに庇われ、一緒に転がった後、牛がさっきまでルイズがいた場所を走り抜けた。しかし、キュッ!クルンッ!と急ブレーキかつ方向転換をして、再びルイズを狙う。

 

 その牛の上から、タバサの風竜が飛びかかり、押さえつけた。

 

 キュルケが、ルイズに、どうするの?っと聞いた。

 

 ルイズは、とんでもない使い魔を呼んでしまったと、思った。

 

 タバサの風竜に押さえつけられながら、ルイズは、牛に言い聞かせた。自分が主人だと。だから暴れるのはやめろと。

 

 しかし牛は、フンフン!っと鼻息荒く、上に乗っている風竜を押しのけてでも暴れようとする。

 

 すると、そこへ、ケンタロスだ!っと驚いている声が聞こえたので、見ると、一人のメイドが驚いた顔をしていた。

 

 捕まえて話を聞くと、どうやらこの牛のような生き物のことを知っているようだったので聞いた。

 

 この牛の名は、ケンタロス。

 

 群れで生活し、三本の尻尾で闘志を高めることで、仲間同士で、あるいは大木に体当たりして強さを高める暴れん坊な珍しい牛なのだそうだ。

 

 性格は、非常に荒っぽく、狙った獲物に激突できるまで突進してくるのだそうだ。

 

 躾けられないのかと聞くと、シエスタというメイドは、自分の曾祖父が飼育していたことがあったと話した。

 

 前例があるなら…ルイズにだって躾けられるはずだと、ルイズは、ケンタロスを見た。ケンタロスは、いまだ暴れている。

 

 キュルケが、容易なことじゃないわよ?っと言ってきたが、ルイズは、鼻息をふんっと漏らして、私が躾ける!っと意気込んだ。

 

 その日から、ケンタロスとの戦いが始まり、体当たりされる日々。

 

 保健室の常連となったが、ルイズは、諦めない。

 

 その諦めない気持ちが通じたのか、ケンタロスは、徐々にだが、無差別に人を轢くようなことはしなくなった。

 

 しかし一方で、暴れたりないのか、学院内にある木々や壁に角を突き出して体当たりをするため、木は倒れ、壁に穴は空くなどの被害が出た。

 

 そこで、ルイズは、闘牛の訓練用の大木をヴァリエール領から発注し、持ってこさせた。ケンタウロスは、それがお気に召したらしく、そればかりに体当たりをかまし、他に木や壁には興味を示さなくなった。

 

 そんなある日、闘牛の大会が行われることになり、牛と牛とを戦わせる試合の受付に各地の牛を持つ貴族が参加した。ルイズもケンタロスを出場させようと受付を済ませた。

 

 試合当日、筋肉隆々の大柄の牛が並ぶ中、ケンタロスの存在は目立った。なにせ尻尾は三本あるし、牛といっても種類が違う。

 

 試合ルールは、戦意喪失か、息絶えるか…。

 

 そして試合が開始されると、ケンタロスは、順当に勝ち上がった。

 

 そして最後に、ケンタロスよりも大きな牛が出てきた。ケンタロスより一回りは大きいだろうか。本当に牛なのかって言いたいぐらいだ。

 

 そして試合開始。相手の牛が鼻息荒くゆっくりとした歩で迫ってくると、ケンタロスは、小回りを利かせた走りで迫り、横へ回り込み、その角を相手の牛の脇腹に突き立て、大きさの差を感じさせないパワーで持ち上げ、そのまま試合会場の壁へと突撃し、相手の牛を壁にめり込ませた。

 

 相手の牛は、血を吐き、息絶えた。

 

 牛の持ち主である相手貴族がズルをしたと猛抗議してきたが、魔法で調べたが何のズルも見つからず、恥をかいただけに終わり、それどころか、試合に出場させた牛にこそ禁止されている禁薬によるドーピングを大量に行っていたことが明らかになり、逮捕されるという事件となった。

 

 ルイズは、ケンタロスと共に表彰台に上がり、見に来ていた両親に褒められ、自分のケンタロスを誇らしく思ったのだった。

 

 




ケンタロスが、どのシリーズでも、……アローラは別として、凶暴なポケモンとして説明されているので、どう躾けるか悩みました。


そろそろ、金銀クリスタルシリーズ行こうかな?




以下、いつも詳しく書いてもらっているミッキィさんの説明文。


【ゲーム】
▪️初代にて、非伝説最強ポケモン。97年の大会で決勝進出者の15人のうち12人が所持、98年の大会では決勝進出者所持率100%。
初代では伝説より捕獲が難しい為、青版でペルシアンと交換できる為、『ぎゅうた』がよく使われてたとか。
はかいこうせん▪️ふぶきorれいとうビーム ▪️じしん ▪️のしかかりor10まんボルトorかみなり が鉄板構成だった模様

さすがに99年度では禁止された。


▪️世界各地にケンタロスに乗って生活してきた歴史はアローラ地方が起源。アローラ地方のは気候により少し穏やか。

▪️XYの群れバトルでは、ミルタンクが紛れてる事がある。


【アニポケ】
◆サトシのケンタロス×30
無印35話(海外では銃器の使用の描写から放送されていない)のサファリ回で、サトシがサファリボールを投げる度にケンタロスの群れが横切った為、30個全部ケンタロスが入ってしまった(タケシも一匹捕獲している)。
オーキド博士の研究所で絶賛暴走中。サトシが戻ってくると嬉しさのあまり全員で突進してくる(サンムーンではサトシが星になった)。

・オレンジリーグでは、カビゴンの代りで器用。ゲンガーのあやしいひかりを受けつつもフシギバナを倒し、後のカイリューを弱らせる等と大健闘。

・ジョウトのケンタロスの大会では見事優勝を果たす。交換の申し出が大量に来るも、サトシは交換に出す気は無いと断る。(軽い気持ちで交換に出してしまった前例があるからね)

・シロガネ大会にも参戦するも、シゲルのニドクインに敗北した。

「普段から走り回っているのでトレーニングしてなくてもそこそこ強い」との事。じしんやじわれを覚えているが、お察しのとおり『大人の事情』で使えない。

※「現在サトシが何体ポケモンを持っているか」という問いの答えとしては、ケンタロスは1頭として数えられる。


▪️サンムーンでは、第一話でマオが乗っているケンタロスに【轢かれて(しかも踏まれてる)】しまうも、サトシいわく『ケンタロスには馴れてる』らしく、笑顔で何事もなく立ち上がっている。さすがスーパーマサラ人...





【ポケスペ】
▪️ロケット団の中隊長である『ケン』の手持ちとして登場。ミュウ捕獲に必要なディスクを盗んだブルーに攻撃しようとするも、レッドに妨害されてしまう。
野生時代に群れのリーダーであった為、尻尾を鳴らすことで複数のポケモンを操ることができる。

◆パールのタロヒコ
7章主人公の1人であるパールの手持ち。
マキシとの稽古にて捕獲したポケモンで、ギンガ団との戦闘でベトベターを除いた相手を撃退したり、ギンガトバリビルや忘れ物保管庫の扉を突き破るといった活躍をする。


▪️他にも14章主人公のサンのライドポケモンとしても登場。運び屋であるサンはケンタロスに乗って配達に回っている。

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