残念ながら、ルリリは、出しませんでした……。
かっわい~~~!っと、ルイズは、その生き物を見てまずそう思った。
大きさは、40センチと小さく。
雷状に凹凸がある黒い尻尾の先端に丸い大きなものがついていて、身体は青く、腹の部分は白く、手足は短い。耳はネズミみたいに丸くて大きい。
目も黒くてつぶらで、実に愛らしい見た目だ。
可愛い可愛い!っとルイズが興奮していると、コルベールがコントラクトサーヴァントの儀式をと、促した。
他の生徒達が、可愛い生き物をゼロのルイズが召喚したと悔しそうにしているのを、後目に、フフンッとルイズは得意げに笑い、そして儀式を始めた。
ルイズが目の前に来ると、キョロキョロと周りを見回していたその青い生き物が、ビクッと震え上がり、口からブーっと水を吹いてルイズの顔に当てた。
突然のことと、その水圧にルイズは、ひっくり返り、青い生き物は短い足に似合わぬ速さで背中を向けて逃げ出した。
コルベールが火を放ち、その退路を断つ。
ひっくり返っていたルイズは、慌てて起き上がり、コルベールの炎に退路を断たれて立ち往生しているその生き物を捕まえ、素早くコントラクトサーヴァントの呪文を唱え、キスをした。
ルーンが刻まれる痛みに、リルーリルーっと変わった鳴き声をあげ泣き叫ぶその生き物。
ルイズがだいじょうぶ、だいじょうぶよっと声をかけながら押さえつけるように抱きしめていると、ゴウッと尻尾が振られ、水を纏ったそれがルイズの頭を殴打してルイズをノックアウトさせた。
ルイズが次に目を覚ましたのは、保健室だった。
コルベールがだいじょうぶかと声をかけてきたが、ルイズは、あの生き物は?っと聞き返した。
コルベールが、ルイズを案内し、水棲の使い魔を飼育するプールに連れて行くと、他の水棲生物に混じって、あの青い生き物がスイスイと水面を泳いでいた。
あの尻尾を浮かせている様子からするに、あれが浮き袋の代わりと見られた。
その生き物は、ルイズの存在に気づいて固まる。
ルイズがおいでっと言うと、またブーッと水を吐いてルイズに浴びせた。
水辺だからか水の威力が上がっており、ルイズはひっくり返って後頭部を強打した。
コルベールが助け起こし、ルーンが刻まれているのだが、あの通り人間を警戒していて、近づいてこないと言った。
ルイズは、後頭部を摩りながら、そんなぁ…っとショックを受けた。
餌で少しずつ懐かせて行かせればいいのでは?っとコルベールが提案したが、そもそも餌が分からない。
草食性かもしれないし、雑食性かもしれない。
ルイズが困りながら、とりあえず、肉と草、一般的に使い魔の餌にしている物をどちらも持ってプールに行くと、ひとりのメイドがルイズの使い魔と交流している姿があった。
だが、使い魔はルイズを見るとすぐに水の中に逃げていった。
メイドは、ハッとして、申し訳ありません!っと頭を下げてきた。
ルイズは、それよりなぜあの可愛い生き物と交流できたのか知りたかった。
なので話を聞くと、お腹をすかせて食料庫に紛れ込んでいたのを見つけ、餌を与えていたのだそうだ。
シエスタというメイドが言うには、あの生き物の名は、マリル。
シエスタの故郷の近隣の水辺で見られる、珍しい生き物のなのだとか。
雑食性で、小魚や水草なども食べるそうだ。
なぜ自分に懐かず、見ず知らずのメイドなんかに…っとブツブツとルイズは文句を言う。シエスタは恐縮してしまう。
故郷のマリルは人懐っこいそうだが、何か酷いことをしませんでしたか?っと聞かれ、ルイズは、もしかしてルーンを刻まれたときか…っと思い当たった。
だいじょうぶです!がんばりましょうっとシエスタに励まされ、その日からマリルを懐かせるため、ルイズは奮闘した。
最初は、シエスタからしか餌を受け取らず、ルイズを見るとすぐ逃げていた。それが数週間後、やっとルイズがこれ以上危害を加えてこないと分かったらしく、手から餌を受け取るようなった。だが餌を受け取るとすぐ水の中に逃げた。
うっかりや誤解で、ギーシュと決闘騒ぎになってしまった時、マリルが自ら盾となるように現れ、水を纏った尻尾による攻撃でギーシュのワルキューレを破壊しギーシュを倒したりもした。
極めつけは、巷を騒がせている土くれのフーケが学院を襲撃した際、マリルリというウサギのような耳の形態に進化を遂げて、土くれのフーケの巨大ゴーレムをプールに誘って、そこでプールの水を利用して、大水流を放ち、土のゴーレムを破壊して、土くれのフーケを撃破した。
その夜の舞踏会を抜けたルイズが、プールに近づくと、すぐにヒョコリッと顔を出してくれるようになり、ルイズは、マリルリ(マリル)との絆が築けたことが嬉しかった。
マリルが雑食性というのは、捏造です。
何喰うのかは知らない……。
けど、尻尾を木の枝に引っかけて餌を見つけるとあったので、小魚かな?って思ったり。
水棲ポケモンは、どうしてもその特性上、陸地での活動が限定されるから、苦労するんですよね。
マリルは、まだ水陸両用そうでだいじょうぶだろうけど、他の魚系が…。
以下、いつも詳しく書いてもらっているミッキィさんの説明文。
●【マリル】
▪️XYから進化系全員にフェアリータイプが追加された。
▪️弾力があって伸びるしっぽは油が詰まっている為、浮き輪のかわりになり、激しい流れでも溺れない。流れの速い川でエサを取る際には尻尾を木の幹に巻きつける。
また、全身の体毛は水を弾く性質を持つ。
▪️川底の水草が好物。しかし、進化すると...(後述のマリルリ参照)
▪️金銀が出始めた頃はレア度が高く、その可愛らしさ故にゲットしたい女性プレイヤーが多かったようで、攻略本に『マリルの生息地教えます』という宣伝にも使われた。
▪️HGSSでは、コトネ/ヒビキがいつも連れ歩いてるポケモンとして登場。
コトネ『マリルの においを かいだら ぞうきん みたいな においがしたの ちょっと ショックよねー』(ポケギアでの会話)
▪️ポケダン時闇空では、身体の弱い母親のためにお手伝いをする優しい兄弟の兄として登場する。
●【マリルリ】
▪️主に川や湖に住み、基本的には水中で生活する。極稀に水辺に浮かび上がってくることもある。
▪️長い耳はセンサーとなっており、 耳を 澄ませば流れの激しい川でも底にいる獲物の種類がわかる。身体の色と模様で水の中でカモフラージュする事ができ、見つかりにくくなる。
▪️空気の風船を作り出す事ができ、ポケモンがおぼれていると空気玉を出して呼吸ようにしてあげている。空気をたっぷり吸い込んで貯めておける為、1日中、水中で過ごせる事が可能。実際ゲーム内でも、マリルが水場周辺の草むらや川や水たまりのある洞窟等で出現するのに対し、マリルリは水上に出現する。
▪️マリルの頃は水草を好むが、マリルリになると『水中の獲物』も狙うようになる。隠れ特性は『そうしょく』だが、食生活は『雑食』のようだ。
▪️図鑑には書かれていないが、実は力をこめるとしっぽが青く発光する。
▪️ルビサファORASでは、冒険の最初にオダマキ博士がポケモンの紹介をする際にモンスターボールからマリルリを出す(エメラルドではハスボー)。
▪️ポケダン赤・青救助隊では『トラウマメーカー』として君臨。理由として、レベル1の状態で『うんめいのとう』に出現するマリルリ達は...
・高層の敵と同じ周りの敵よりも二回り強いステータス。
・加えてHPが何と125もある。周りは70とか80とかなのに。
・遠距離技『バブルこうせん』、連続技『ころがる』でどこにいても追い詰めてくる。
・『特性:ちからもち』が本編と異なり『攻撃した瞬間に確率で自分のこうげきステータスを1.5倍に引き上げる』という効果(ポケダンは諸々の倍率が控え目に設定されているため、1.5倍は強力を通り越して凶悪)。
・『特性:ちからもち』が不確定要素な為に、しっかり準備しても無駄無駄無駄
その為、多くのラッキー目当てのプレイヤーが葬られ、カクレオンを操作していたとある実況者によりマリルリ数列(『ころがる』のダメージが1→1→2→3→『160』だった為)なるものが誕生した。
マグナゲートでは、パラダイスのポケモンで、依頼カウンターの管理人である。
●【ルリリ】
▪️3世代から登場したベイビィポケモン。
▪️成長に必要な栄養がたっぷり詰まったしっぽは非常に弾力があり、尻尾に乗って弾むと地上では速く移動できる。投げ縄の要領で尻尾を振り回し投げた時の力で飛んでいき、最高10メートル飛んだ記録がある。よくしっぽにのっかって遊ぶ。
▪️水辺で暮らしており、晴れた日には水辺に集まって水遊びをしている。
▪️XYで出現するものは『3V』保証である。
▪️性転換問題
5世代までに起きた出来事である。
ルリリの♂と♀の比率は『1:3』である。
しかし、進化系であるマリル、マリルリは『1:1』であるため、♀のルリリが進化してマリルになった際、『♂に性転換する』ことがあった。
このような事例はこのポケモンでしか見られない。逆に、♂のルリリが♀のマリルになる事例はない。
▪️ポケダン時闇空では、身体の弱い母親のためにお手伝いをする優しい兄弟の弟として登場。おたずね者のスリープに騙されて連れ去られるが、危ないところを主人公達に助けられた。しかし、その後も色々な事件の被害者になっている。
●【アニメ】
◾ピカチュウのなつやすみ
▪️マリル
CV.かないみか(らくがきプリンと同じ人)
記念すべきマリルの初登場。ブルー、カラカラ、ライチュウと仲良し。
ピカチュウをはじめとするサトシのポケモン達がぐずっていたトゲピーをなんとか泣き止ませて寝かしつけていたところで、他の3匹と賑やかにおしゃべりしていたせいでトゲピーが目を覚ましてしまい、腹を立てたピカチュウ達と争いになる。
ゼニガメと水泳勝負となり、途中でスターミーに当たってスタート地点まで戻るハプニングになるものの、ゼニガメもトサキントの上に乗り上がってスタート地点に戻る同じ目にあった為、勝利する。
しかしその後、サトシのリザードン救出がきっかけで、他の3匹同様にピカチュウ達と仲良しになった。
◾ケンジのマリル
CV.かないみか
88話から登場。
コンパン同様、ケンジが最初から持っていたポケモン。金銀編に入る前に登場していたが、どの地方でゲットしたかは不明。
優れた聴覚による集音能力を持っており、コンパンでもサーチ出来なかったポケモンの居場所を遠くから聴こえる微かな鳴き声から割り出す。泳ぎも得意で、水中での探索でも活躍する。
カスミのトゲピーをしっぽであやすなど優しい性格で、『みずでっぽう』で消火活動をするといった活躍も見せている。ただし、やや泣き虫な所がある。
無印編225話等では、オーキド研究所の庭に住むマリルのリーダー格になっている様子。
◾カスミのルリリ
CV.林原めぐみ
AG132話から登場。トゲピー(トゲチック)に代わりカスミに抱えられる。
ケンジから貰ったタマゴから生まれたらしいが、ケンジのマリルの子どもであるかどうかは不明。
◾無印155話
▪️ヒバリのマリルリ
ポケモン演芸団として巡業の旅をしているヒバリのポケモン。しっぽの黒い部分にピンク色のリボンを付けている、ポケモン演芸団の花形スター。
ゴルダックに惚れているような描写があり、ゴルダックが来てからはきまぐれでわがままになり、演芸の練習をサボりがちになってしまっている。
川辺で歌っていたところをサトシのワニノコが一目惚れし、ワニノコから一方的に求愛されるが、迷惑そうにしていた。その後もワニノコのアピールにそっぽを向いていたが、突如現れたロケット団に捕らわれる。その途中でしっぽのリボンが外れるが、ワニノコが取り戻し返している。
ロケット団撃退後、好きだったゴルダックへの気持ちにやっと素直になり、抱擁を交わした。
なお、フラレたワニノコは懲りる様子もなく今度はすぐそばにいたヌオーに一目惚れしている。
◾AG2話
▪️野生のルリリ
CV:津村まこと
コトキタウン道中で見つけた野生のルリリ。
ハルカがアチャモを使ってルリリを捕まえようとするが、逃げ回って回避し続け、仲間のマリル達との『みずでっぽう』でアチャモを返り討ちにする。
▪️野生のマリル・マリルリ
近くの水辺に生息する、ルリリの仲間。ピカチュウの『10まんボルト』で退散した。
◾コトネのマリル
CV.西村ちなみ
ジョウトフェスタ~スイレンタウンまでサトシ達と同行したコトネのポケモン。
サトシ達がマリルを助けた事がコトネと出会うきっかけとなった。
◾その他にもタケシの母親であるミズホのポケモンだったり、ちょいちょいモブとして登場しており、近年のサンムーンにも登場している。
●【ポケスペ】
◾マリル
▪️3章で仮面の男の戦いの際に、ヒワダタウンのポケモンセンターから送られてきた。
また、オーキド博士によるトレーナーの説明の際に一例としてマリルが取り上げられた。
▪️7章では、ノモセ大湿原のポケモンとして登場。プラチナがサファリボールを投げるも、ボールをお腹で跳ね返し、余裕の笑顔で逃げてしまった。
◾マリルリ
▪️ウシオのマリルリ
アクア団SSSのウシオのポケモン。悪者のポケモンである為か異様に目付きが鋭く、顔が恐ろしい。
えんとつ山のロープウェイで、サファイアとアスナを閉じこめて、マリルリの『ハイドロポンプ』による水でゴンドラの中を水を貯めてサファイアとアスナを溺れさせようとし、2人を溺れている様子を高笑いしながら見ていた。一方でウシオはマリルリが作った空気の風船で顔をおおって呼吸を確保している。
▪️ミレイのマリルリ
クリスタルのママ・ミレイのポケモン。9章から登場し、放し飼いにされている。
ちなみにミレイはマリルドール(雑巾のかおり)を抱いている。
◾ルリリ
早くも3章から登場。
仮面の男に操られたホウオウとルギアを解放する為、ジョウトのトレーナー達が送り届けたポケモンの一匹。ルギアの顔のあたりまで一番乗りでよじのぼっている。
-追記-
◾その他
『PiPiPi★アドベンチャー』では、天才忍者・小梅の師匠であるマリルリとその娘の忍者のマリル・マリ丸が登場している。