ゼロの使い魔×ポケットモンスター   作:蜜柑ブタ

6 / 62
今回は、ベロリンガ。


あんまり特徴がない(ような気がする)ので、結構苦労しました。


なお、進化はしません。

技だけ初代以降を出しています。


『ルイズが召喚したのが、ベロリンガだったら?』

 ベロ~っと、ソレは鳴いた。

 

 いや…鳴き声通りの外見なのだ。

 

 自身の体ほどもある長くて幅広い舌が口から出ている。体は全体的にピンク色で、目はつぶらで可愛い方で、顔つきはちょっと間抜けっぽい。後ろの尻尾も幅広く分厚く半分に折れている。

 

 見たこともない生き物が召喚されたことに、ルイズを揶揄していた声は、ザワザワヒソヒソに変わった。

 

 ルイズもさすがに、何コレ?って思っていると、コルベールがコントラクトサーヴァントの儀式を促した。

 

 ルイズは、気乗りしないが、進級のためだと我慢してその生き物に近づく。

 

 近づいてみると、結構大きい。1.2メートルぐらいだ。

 

 ルイズが近づくと、その生き物は首をゆっくりと傾げた。その様子はちょっと可愛いっと思った。

 

 大人しい気性らしいその生き物にルイズは、杖を掲げて呪文を唱える。

 

 呪文が終わった直後、あとはキスだけとなった時、その生き物の幅広く長い舌がルイズを下から上へと舐め上げた。

 

 たまらずルイズは、んぎゃあああ!っと悲鳴を上げ、ベトベトの唾液まみれになった。

 

 すると顔まで舐めたことでこの生き物の舌がルイズの唇に触れた結果、その生き物の体にルーンが刻まれ始めた。

 

 しかしルーンが刻まれる痛みと熱さを感じながら、なんとも間抜けに、ベロ~っと声を出すその生き物。

 

 やがてルーンが刻まれる工程が終わり、コルベールが唾液まみれになって騒いでいるルイズを心配しつつ、ルーンを確認し、ルイズにコントラクトサーヴァントの成功を伝えた。

 

 ハンカチで必死に顔に付いた唾液を拭っていると、ベロ~と鳴くその生き物が近づいてきて、また舌で舐めてきた。しかも連続で。

 

 ルイズの悲鳴などお構いなく、全身ベッタベタになるまで舐め回し、その舌から逃げるために後ずさったルイズがこけると、トコトコと接近し、ルイズに乗っかるように抱きついてきた。

 

 ルイズは、とうとう泣き出す。得体の知れない生き物に散々舐め回され、全身ベットベトにされて…。

 

 他の生徒達とコルベールがフライで飛んで学校に帰る中、体中ベトベトにされたルイズは、トボトボと歩く、その後ろをのんびりした足取りで舌の長い生き物がついてくる。

 

 学院に帰ってからすぐにルイズは、井戸に行って水を被った、冷たいのも気にせず。

 

 すると通りがかりのメイドが心配して声をかけてきた。

 

 そこへ、ベロ~っと、追いついたあの生き物。

 

 あっ、ベロリンガだ!っとそのメイドは言った。

 

 ビックリしたルイズが聞くと、シエスタというメイドは、知っている限りのことを教えてくれた。

 

 この生き物。名をベロリンガという。

 

 とてもマイペースで鈍感だが、それに反して舌がよく発達しており、自由自在に操ることで生活している生き物らしい。つまり、舌を攻撃にも使うので獲物を麻痺させることもあるそうだ。

 

 舌を自在に操るということ以外は、大きな特徴は無いらしい。しかし、その鈍感さ故に魔法が効きにくいという説もあるとか?

 

 ああ、だから手に指がないのかとルイズは納得したが、同時にガッカリもした。

 

 舌以外に大きな能力が無いこのベロリンガという生き物に。

 

 しかし、そのガッカリした気持ちは、後日打ち砕かれることになる。

 

 何度躾けてもついてくるので、仕方なく食堂まで連れて来た際に、ギーシュが持っていたモンモランシーの香水をベロリンガが拾い、キョロキョロと周りを見回して匂いでギーシュを探し当てて渡そうとしたがギーシュは青ざめて受け取らず、そうしてたら二股をしていたことが明らかになり、ギーシュが八つ当たりでベロリンガに決闘をふっかけた。

 

 ルイズが止める間もなく、ギーシュの友人達にレビテーションで浮かされ、ベロリンガは広場まで連れて行かれてしまった。

 

 ゼロのルイズが召喚した、間抜けな使い魔というレッテルを貼られていたベロリンガは、たちまち野次馬達に馬鹿にされていた。

 

 ギーシュとしては、頭が冷えてきた今、そこまで酷いことをする気はなかったようだが、一体のワルキューレで小突くつもりで向かわせた途端、フッとワルキューレが消えた。

 

 はっ?という空気が場を支配する。直後、天空から吹っ飛ばされたワルキューレが落ちてきて、地面に激突してグシャグシャになった。

 

 ベロリンガは、ベロ~っと舌を振り回す。どうやら舌の力だけで吹っ飛ばしたらしい。その速度たるや…残像が見える。

 

 これにはさすがにベロリンガを馬鹿にしていた者達は青ざめた。そしてギーシュは焦り、数体のワルキューレを錬成して向かわせた。

 

 たちまち向かってきたワルキューレは、順番にベロリンガの舌でバシーン、ベシーンっと吹っ飛ばされ野次馬にぶつけられる。ワルキューレを舌でなぎ払いながら、ベロリンガは、ゆっくりとギーシュに接近した。

 

 ギーシュは、焦り、最後の力を振り絞って最後のワルキューレを錬成して壁にした。

 

 するとベロリンガは、舌を使わず、指のない手で…コツンっとワルキューレを殴る。

 

 その瞬間、爆発するようにワルキューレが砕け散った。

 

 それは、岩砕きという、秘伝マシンという機械で覚えられる技だったのだが、この世界の住人達が知るはずがない。

 

 ワルキューレがたいした力もかけずに破壊されたのを見て、目の前に迫ってきていたベロリンガに、ギーシュは、杖を落として降参だと必死に土下座したのだった。

 

 ベロリンガの武勇に、我を忘れていたルイズは、慌てて間に入り、ベロリンガを止めた。

 

 ベロリンガは、ベロ~っと間抜けな鳴き声を変わらず出し、ルイズに抱きついた。

 

 まるで褒めてくれと言わんばかりだ。

 

 ルイズは、それを理解し、ベロリンガの頭を撫でてやった。喜んだベロリンガは、舌と尻尾をブンブンと振ったのだった。

 

 ルイズは、ヤレヤレと思いつつ、今までベロリンガを舌しか使えない無能だと馬鹿にしていた自分を恥じたのだった。

 




岩砕きを覚えているので、もしかしたら、トレーナーに育てられた個体かも。



以下、いつも詳しく書いてもらっているミッキィさんの説明文。


◼️【ベロリンガ・ベロベルト】
▪️『オオサンショウオのような容姿』となんか書かれてるから、モデルはオオサンショウオだろうか?

▪️長い『舌』は身長の2倍ある。1mくらい舌を垂らしているが、残りは口の中に収納している。陰などに隠れて、強力な粘着力の唾液で覆われた舌を器用に伸ばし巻き付いて捕まえ、舐め回して痺れさせて獲物を丸呑みにする。普段は大人しいが、この時の素早さは相当なものらしい。他にも舌で自分をきれいにしたり、相手を記憶したり、舌の先まで神経が発達しているのでさまざまな使い方ができる。『すっぱいもの』が苦手とされているが、ゲームでは『すっぱいポロックやポフィン』は食べる。
BWで、舌を伸ばすと尻尾が震えたり、尻尾が縮んだりすることが判明し、つながっている可能性があることがわかった。

▪️初代は通信交換でしか手に入らない貴重なポケモン。ニックネームは『なめぞう』。金銀から野生で出現するようになる。

▪️リッシ湖で大量出現する・なみのりを覚える事から、水中の獲物も食べるのでは?とされている。

▪️ベロベルトに進化すると目の前にいるものを『獲物』として見る為、舐め回して丸飲みにする事がある。更に唾液に『なんでも溶かす溶解成分』が追加されており、麻痺の能力も強化されており、喉の奥に唾液を溜める場所がある事から『丸呑みにした獲物をそこで舐め溶かしている』と思われる。その為『非常に危険なポケモン』とされている。
トレーナーに対しての愛情表現も舐め回しなので、服が溶けたり麻痺したりするので、しつける必要がある。

▪️貴重なタイプ一致『だいばくはつ』の使い手、その威力はなんと『375』。タイプ一致でだいばくはつを覚えるのはベロベルト・シルヴァディ・スケッチでだいばくはつを覚えたドーブルだけである。

▪️野生のベロリンガは、BW2で2番道路でレベル『58』、XYのチャンピオンロードでレベル『59』が出現する。XYでは群れバトルでも出現するが、こちらはレベル『30』。更にUSUMでポニのけんろではなんとレベル『61』が出現する。


●[アニメ]
▪️ムサシのベロリンガ
52話にて、ひな祭りコンテストのカスミとの決勝戦にてムサシの切り札として登場(話の時系列の関係で既に49話からいる)。
いつもお腹を空かせており、外見とは裏腹に気が弱く臆病な性格。
ムサシがオヒナタウンに立ち寄った際、サカキへのプレゼントとして買い込んだ食べ物を全て食べてしまい、更にムサシの買った服を食べて吐き出したことで激怒したムサシにボールをぶつけられた事で捕獲された。
持ち前の長い舌で相手を舐め回して痺れさせる『したでなめる』攻撃が得意であり、捕獲時にはアーボックを麻痺させている他、サトシのピカチュウとフシギダネ、タケシのロコンを舌で舐めることで痺れさせて戦闘不能にしている(ニャースいわく『味見』だった)。しかし、いくら舐めてもコダックには通じなかった。愛情表現として舐める事があるが、唾液まみれにする為、ムサシに怒られる。

146話でコイキング売りのオヤジを捕まえようとして追いかけた際、ぶつかったはずみでポケットからモンスターボールが飛び出て交換マシーンにセットされてしまい、テルの『ソーナンス』と強制的に交換されムサシの手元から離れ、テルのポケモンとなり自動的にロケット団からも離脱した。
これがロケット団と『ソーナンス』の長い付き合いの始まりであった。


▪️アルベルト男爵とベロベルト
映画『ディアルガVSパルキアVSダークライ』にて、ゲストヒロインであるアリスに度々口説く男であるアルベルト男爵の手持ちとして登場。アルベルト男爵はロケット団から『ベロベルト男爵』と呼ばれてしまってるため、この度に『私はアルベルトだ!』と突っ込んでいる。しかし、ダークライの『ダークホール』により、『ポケモン達の悪夢が実体化する』という怪現象が発生し、このときベロベルトが見ていた悪夢の影響でアルベルト男爵がベロベルトになってしまう。

▪️DP98話にて、ズイタウンの育て屋の娘・アオイが両親の留守中に世話を任されていたベロリンガを誤ってベロベルトに進化させてしまう(ベロベルトのトレーナーは早く進化させたかったとの事だったので結果オーライだった)。

▪️DP182話でコウヘイがシンオウリーグでの手持ちとしてベロベルトが登場する。

▪️サンムーンにて、マオの兄であるウルの手持ちとしてベロリンガがいる。
性格は温厚で、友好のしるしに相手を舐めまわす。大きな舌は味覚に鋭く、一度食べた味は忘れない。この特技を活かし、『ウブの実』の甘いものと酸っぱいものの判別ができた。なお、ウブの実は『甘いもの』と『強烈に酸っぱいもの』があり、見た目では判別できない。

▪️他にもロイヤルマスク回では観客のポケモンとしてベロリンガが登場する。


●[ポケスペ]
◽ダイヤモンドのりー(ベロベルト♂️)
▪️7章メイン主人公であるダイヤモンドの手持ち。リッシ湖で大量発生していたベロリンガの内の一匹で、『ころがる』を覚えていた為ダイヤが捕まえる途中でベロベルトに進化した。ポケッチの機能を利用したダイヤによって捕獲される。実はダイヤが初めて、唯一自力で捕獲したポケモンである。
▪️自分をからかったポケッチカンパニーの社長を追ってコトブキシティまでやって来て、人の物を盗りまわって困らせていたが、捕獲された後で『タウリナーΩのオモチャ』を除いてダイヤと一緒に元の持ち主に返した(騒動の元凶である社長は社員と住民にタコ殴りにされた)。
▪️物を集めるのが好きで、個性は物を散らかすのが好き。
▪️体に似合わず、長い舌を使って俊敏に行動できるため、セバスチャン(ベルリッツ家の執事)から『動ける巨体』と評される。
▪️シンジ湖での戦いでエムリットを助けようとするが失敗してシンジ湖に落ち、ナナカマド博士の助手のハマナ、セバスチャン、ダイヤが一時メリッサから借りたフワライドによって救出される。パール・ペラヒコ(ペラップ)の手を経てダイヤの元に戻る。
▪️ダイヤモンドはベロリンガの『リ』から取って『りー』とニックネームをつけたが、ニックネームつけた時には既にベロベルトに進化してた後だったので、ポケッチカンパニーの社長からツッコまれてた。

◽他にも、3章でベロリンガの大群が登場する。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。