ペルソナ3とかなんとか   作:ZEROxZERO

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岩戸台分寮ロビー

『とことこ』という擬音がまさしく当てはまるように 山岸風花(やまぎしふうか)はこちらに優しく歩み寄る。

 

「いや、山岸の声が綺麗だなって話を…ウルゴフゥッ!」

 

唐突に脇腹から内臓にかけて鋭い痛みがはしる。

息も絶え絶えになんとか横を向くと

 

「んな話は微塵もしてないでしょ?」

 

などとピンクの悪魔が満面の笑み(邪悪)でのたまわく。

 

「…アタシにはそんなコトいっかいも言ってくんないのにさ…」

 

ボソボソと ピンク(あくま)がナニか言っているが今の俺はそれどころではない。

岳羽のいい左が俺のボディを貫いた(イメージです)ことにより意識が混濁してきた。

 

……そういえばいつだったか教室でクラスメートどもが

 

『岳羽さんってホント天使みたいだよなぁ~』

『てか、小悪魔的じゃね?』

『なるほど、それもわかるっ!』

 

とか、言ってたがこいつら解ってねぇ。コイツの正体は大悪魔だ!まさしくサタンとかベルゼブブ的なっ!そんなくだらない走馬灯を観ながら俺の意識は暗闇に落ちていった。

 

 ……あぁ、これが本当の走馬灯だったら嫌だなぁ…。

 

 

 

───暖かい光を感じる。

 

心地よさを感じながら目を開けるとそこには女神様、もしくは中世ヨーロッパにいるような王様やお姫様が……いなかった。

むさ苦しい感じのヒゲ帽子とピンクの魔王はいたけれども。

 

「おお、ゆうしゃよっ!しんでしまうとはなにごとかっ!」

 

「起きたそうそうウルサいぞ、順平」

 

んな、イマドキの高校生がわからんようなネタを引っ張り出してきて。

まあ、俺はわかるけどね!生粋のレトロゲーマーだから!

…ん?コレ順平から借りたゲームだったっけ?

 

そんなどうでもいいことを考えながら岳羽の方を向くと心配そうな顔で後ろから女神様を出していた。

あ、違った。ペルソナだ。

 

ペルソナとはもうひとりの自分で、そのひとの仮面とも呼ばれる存在だ。色々な異能の力を使えたりする。

 

もちろん誰でも出せる訳ではなく、この岩戸台分寮に集められたメンバーしか出せない。……例外はいるけど、ね。

 

そして岳羽の 仮面(ペルソナ)は《イオ》。

主に風を操ったり治癒などをしてくれる。つまり目覚める前の暖かい光はイオのディアラマ(治癒術)だ。

 

「え?なに?今、俺わりと瀕死だったの?ここでペルソナ使うぐらい!?」

あたふたと狼狽しながら現状を確認する。うん、カッコ悪いw

 

「えーと、まあ、そうなるかな」

 

心配そうな顔から一転、アハハと苦笑いを浮かべながら答える ピンク(大悪魔)

 

ペルソナは基本AM0:00の間にある一般人が認識しえない通称《影時間》と呼ばれる時にしか使わない。

 

影時間にはシャドウと呼ばれる怪物が現れるからだ。

シャドウ達は人間を襲う。いや、厳密には影時間を認識出来る人間だけを。

それらに対抗出来る力、それが 仮面(ペルソナ)だ。

 

……そんな力を使ったということは…、わかるな?カタカタカタ…

 

 

そんなこんなで今居る場所を確認するとどうやら我が岩戸台分寮のロビーにあるソファーで寝かせられていたらしい。

しかも、今気づいたのだが岳羽の柔らか…い?太ももに膝枕をされていたようだ。ん?コイツの太もも柔らかい?っつーか、ゴツゴ「なにか?」…ゲフンゲフン。

 

岳羽の寒気のするような笑顔から目を逸らし、これが風花だったらなぁ…などと妄想する。岳羽は細身で運動部系だからわりとエフンエフンしているが風花はなかなか肉づきがいい方である。もちろん男好きするくらいの。

顔は好みじゃないけど声と身体はいいんだよなあ、などとゴミのようなことを考えていると件の風花が視界の端に見えた。

どうやらなにか持ってきてくれたようだ。

 

「大丈夫? (みなと)君?」

 

優しい声で俺をいたわってくれる声天使。

いいんだよ、君は声だけで癒されるから。

 

「岳羽にクリティカルを貰ったがディアラマのおかげでなんとか生きている」

あれ?これ飴と鞭じゃね?

 

「良かった~、ゆかりちゃんやり過ぎだよ~」

「ハンセイシテマス、ゴメンナサイ」

あんまり心がこもってないような謝罪の言葉を聞きながら以後気をつけるようにと岳羽をたしなめる。

 

よしよしと2人のやりとりに納得した風花は

「じゃあ、話が落ち着いところで湊君が良くなるようにじゃっじゃ~ん♪」

と、効果音付きで暗黒物質を取り出した。暗黒物質を。

あ、大事なことだからね?二回いっとかないとね。

 

 

……そうなんです。この子の致命的にダメなところがココ。料理が壊滅的にヘタ!おそらくアレンジャー(レシピ通りに作らず勝手にアレンジするひとの総称。たぶん料理下手の9割がコレ!俺調べ。)なんでしょうね。

 

「こ、これは…」

と、恐れおののく順平と岳羽。

 

「風花、さすがにこれは…」

なにか気のきいた回避言動でも言えれば良かったのだが普通に苦い顔をするダメな俺。

 

「え、…食べてくれないの?湊く「よし!食べましょう!」

聖ボイス&ウルウル瞳で頼まれれば断る男なぞ居まい。

ええ即答ですよ。即答。

 

「良かった~、おかわりもあるからね☆」

 

 

 ……ここが俺の死に場所か……

 

 

 

遺書書かなかったな~なんてことを思いながら枝?のような物が生えた暗黒物質に手をつけようとすると「山岸!また食材を無駄遣いしやがったな!」と、台所の方からドスドスと救いの神が降臨しなされた。

 

 

 

深く被ったニット帽で目つきが鋭く、レッツパーリーとか言いそうなイケボ。

荒垣真次郎(あらがきしんじろう)先輩。その人である。

 

 

「無駄になんかしてないです!これから湊君が食べてくれるんです!」

小動物がライオンにくってかかるように抗議する風花。(ほのぼの

 

「んなもん食わしたら二度と目覚めんわ!今からなんか作ってやっからちょっと待ってろ」

ヒョイッと俺の前から殺人食を取り上げて台所に向かう荒垣さん。マジイケメン。

 

態度は悪いが俺たちの食生活なんかを気にかけて、たまに料理を作ってくれたり、不良に絡まれてるところを助けてくれたりするいい先輩だ。

 

「お母さん…」

自分の死亡フラグをへし折ってくれた神々しい後ろ姿に瞳を潤ませながらおもわずそう呟くと

「誰がお母さんか!」

聞こえてたw

 

 

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