カルデア海賊団は二手に分かれる。船を島の外に出し、近くに待機させておく班と黄金探索班だ。
船に残ったのは怪我で動けないガン・フォールとガン・フォールの様子を見るのと船の操作のためにシトナイ。ガン・フォールの護衛のワルキューレ三人組に新しく仲間になったベオウルフ、そしてガン・フォールの鳥ピエールだ。
「そうか、シュラを倒してくれていたのか」
「おお、大して強くなかったがな」
ガン・フォールの言葉に肉を喰いながらガハハ、と笑うベオウルフ。
あのサクラがわざわざ仲間にした男なのだ。それはつまり、それだけの実力者という事。
……………いや、もしかして単純に強い男が好きなのだろうか?サクラ、あの見た目で有り得ないほどの膂力を持ってるし、自称四皇の一人の顔に傷を残せる身体能力らしいし……。
だから自分より強い男に会えず女に走ったとか?なら、明らかに強いカルナなケイローンをどう思っているのだろうか。いや、でも寝所に誘われるのは女だけだし、安心か?いや、安心じゃない……。
「ていうか何で私サクラの交際関係気にしてるの!?」
絆レベルさ、と三頭身の目をかっぴらいた赤毛の女の子みたいな物体が一瞬見えた気がした。
突然叫んだシトナイを訝しむ一同。冷静になったシトナイは顔を赤くしてシロウの毛皮に顔を押し付ける。
「船長殿か………彼女は
「さあ、サクラがどこで知識を得たかなんて私達は知らないし、興味もないから。私は海に憧れてて、サクラが私を誘って、私がついて行くって決めた。それだけの関係だもん」
改めて、自分は本当に彼女を知らないのだと思わされる。
初めて会った時から何となく好意を向けられていたような気はする。女の子が好きみたいだし、見た目が好みなのかと思えばタイプの違うアンまで対象だったし。
そんな、彼女について考えているシトナイ。その頃のサクラと言えば………
「ジュララ~♪ジュラジュラジュ~ラ~ラ♪」
と、歌う蛇の頭にいた。こんな光景を見ればシトナイはさらに混乱することだろう。
遡ること20分。
黄金を探しに森を歩くサクラ、アン、メアリー、ケイローン、カルナ、ダ・ヴィンチ。
不意にカルナが振り返る。
「カルナ?どうしました?」
サクラが尋ねると、カルナはいや、と向き直る。
「70名程人がこの地に入り込んだようだ」
「ん?そんなのカルナ君の覇気でちゃちゃっと始末してくれたまえよ」
始末って、別に死ぬわけじゃなかろに………。まあそれですむなら楽で良いのだが。
「それは出来ない…」
「?何故ですの?」
「やりたくないからな」
「そんな理由?」
アンとメアリーが何とも言えない顔をする。恐らくだが、今回の敵はホワイトベレーと違い全員己の行いに恥を持たず実行する
「では何手かに分かれましょう。敵の狙いをわかりやすくする理由もないですからね」
さて、そんなこんなで仲間と別れたサクラは絶滅種持ちのワイパーにあいたいなぁ、と思っているとメキメキと枝が折れる音がした。
「ジュララ───!!」
「あ、ノラ」
「………ジュラ?」
襲ってきた巨大な蛇に対処しようとしたサクラだがつい口から出た言葉。その言葉に、蟒蛇の動きが止まり首を傾げる。
そのままジーっとサクラを見つめる。見覚えがない、が……目の前の獲物は、確かに自分の名を呼んだ。
「あれ、止まった………どうしたんですか?」
「………ジュラァ、ジュラララ」
「…………もしかして、覇王色に目覚めた?いえ、仮にも空の主が目覚めたての覇気に驚くなんて…………あ、もしかしてですけど、ノラって名前ですか?」
「ジュラララ」
コクコク頷く空の主こと大蛇のノラ。サクラはジーと眺め続けすぐそばに来たノラの顔に触れる。
「私は色々知ってますよ。黄金の鐘の、貴方が大好きなあの音の鳴らし方も」
「ジュラ?ジュララァ!」
サクラの言葉を理解するだけの知能があるらしい。嬉しそうになくノラはサクラに甘えようと鼻先を押し付ける。海王類もかくやというサイズのノラだ。押しつぶされそうになるも、頭に移動し
「メ〜〜! 空の主を従えるとは面妖な! しかし、隙だらけぶぅ!?」
飛び出してきた神兵がノラの尻尾で吹き飛ばされる。
「よしよし、いい子ですねノラは。目指すは黄金の船……黄金は丸ごと頂いて、船は改造して私達の船にでもしましょうか」
「ジュラァ♪」
頭を撫でられ上機嫌のノラと共に、サクラは黄金を目指した。
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