ヤミヤミの桜   作:超高校級の切望

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空へ

「ケホ……ハァ、ハァ………」

「──っ、疲れた」

「海、軍って……こんな、修行してるの?」

「私達が知ってる海兵、駆け出しばかりだったんですのね」

 

 息を切らせ床に突っ伏す俺達4人。ケイローン…先生は朝はこれぐらいにしますか、と呟く。え、昼もやんの?

 取り敢えずどの程度戦えるかみましょう、そんなケイローンが取った訓練内容は、組み手。

 

「一番見込みがあるのはサクラですね。身体能力がずば抜けている」

 

 そりゃ未来の四皇だ。多少はね?

 しかし、この男俺達四人と一匹を同時に相手取り息一つ乱れてないとはどういう事だ、これが海兵育成係か。

 

「解りきっていた結末だ、恥に感じる必要はない」

 

 と、カルナ。たぶん「駆け出しの海賊と長年軍に所属していた男とではそもそも地力が違う、勝てないことを悔しいと思う必要はない、これから精進すればいい」的な事を言っているのだろう。

 

「ていうかなんなのこの人、離れれば矢、近づけば肉弾戦って、弱点とかないの?」

「私にだって弱点ぐらいありますよ。能力者なので泳げないんです」

「………それって、ウマウマとか?」

「詳しいですね。ウマウマの実、モデルケンタウロス。それが私の食べた悪魔の実ですよ」

 

 ケンタウロス……幻想種の悪魔の実か。ケンタウロスは弓矢や槍、棍棒を使うと言われているが、何処からともなく矢を取り出したのもその幻想(伝説)としての在り方だからなのかね?

 

「え、てことはこの海賊船の海賊、半分が泳げないんですの?」

「いや、ケイローン、シトナイ、サクラだけではない。俺も能力者だ」

「半分以上がカナヅチの海賊団……斬新」

 

 アンの言葉にカルナが自身も能力者であると伝え、メアリーが感心する。なんだこの海賊団、半分以上が泳げないって………。

 

 

 

 明日には島に着く。取り敢えず買っておく物をリストアップする。

 

「いっそ街で浮き輪も買いますか?」

「まあ海楼石を嵌められたならともかく、海に溺れただけならやりようはありますよ」

 

 そうなの?能力者って基本海に沈んだらアウトのイメージだけど。

 

「海楼石と違い、海の中に一部が浸かってるだけなら能力は使えますしね」

 

 そういやルフィ海の中でも伸びてたな。ロビンもたしか白海の中に手を伸ばしていた。体質が変化するルフィならともかく腕を生やすという発動系のロビンも力を使えたのだから、まあ能力は使えるのだろう。

 

「水を全部吸い込め、とか?」

「凍らせるとか?」

 

 凍らせる、か。シトナイはそういう方法があるからな。

 

「いえ、水面から空中に飛び出て後は月歩で飛んでください」

「その水面から出るのが大変なんじゃ」

「確かに我々能力者は浮力が少なく、海の中では力も入らない。ですが気合いで数秒は何とかなります」

「えっと……」

「まあ要するに月歩で直ぐに水から飛び出ると言うことですね。息が出来ず、力が抜ける状況下ですが水深10メートルまでなら何とかなります」

 

 そりゃまあ、ルフィだって海楼石に慣れてきたら馬鹿力や覇気も使ってたから純粋な身体技術は使えるのだろうが、それ水の中で直ぐに上下を把握しないとダメじゃ……。

 

「まあいきなり水の中に入れられてはパニックになりますからね。そこは鍛えて……」

「鍛えるって、どうやって?」

「─────」

 

 シトナイが首を傾げた時点でなんとなく嫌な予感がしたのでそっとその場から逃げようとして、ガシリと捕まる。そのまま海に向かって投げ捨てられた……。

 

 

 

 

「あ、あの人容赦ない───っ!」

「すいませんアン、メアリー、ご迷惑を………」

 

 あの後海に向かって投げられること10数回。このメンバーの中で泳げるアンとメアリーが救助班で、俺達が水面に手を伸ばせるようになるまで続いた。

 

「月歩を覚えるまでに今の感覚をマスターしておくこと。解りましたね?」

 

 ケイローン先生はニコニコしてる。この人に育てられた海兵が海軍にいると思うと、めっちゃ怖いんだけど。

 

「ねえサクラ、私生きてる?幽霊じゃない?」

「生きてますよ。これから天国に向かいますけど」

「天国かぁ………でもあの悪魔は付いてくるんだよね」

「シトナイ、この船には悪魔を宿した者が大半です」

 

 シトナイが現実逃避し始めたのでよしよしと頭を撫でる。動かす手に合わせてユラユラ力なく揺れるシトナイ。

 

「お疲れさまです。迷惑ではありませんよ」

「ん、僕たちは仲間だからね」

「………アン、メアリー………一緒に寝ましょう」

 

 何言ってんだ俺。駄目だ、相当疲れてる。

 

「いいよ…」

「仕方ありません、まとめて抱きしめて差し上げます。今夜はこのまま眠りましょう」

 

 マジですか。

 

 

 

 翌日。アンの抱擁ですっかり回復した俺だがケイローン先生の早朝訓練でまたバテた。

 

「うぅ、せっかくいい気分で起きたのに……ちょっと強気になってちょっと調子に乗ってちょっと対応を間違えただけなのに……」

「いえ、別にやる気に満ちていたから厳しくした、などではありませんよ?これからも同じようにやるつもりです」

「こんなのってないですぅ……」

 

 でもなぁ、強くなるにはこの人の教えは間違いなく役立つしな。

 

「ていうかサクラ本当に元気になってたよね。私の時も…何なの、可愛い女の子なら誰でも良いの?」

「いえ、愛する者達の添い寝なら別に誰でも良いですよ?」

 

 大好きなキャラの声が至近距離で聞けるのだ。添い寝ボイスとか生前は買わなかったけど結構良いものだな。

 

「というわけでシトナイ。今夜は一緒に寝ましょう」

「何がというわけ!?やだよ、どうせ女の子なら誰でも良いんでしょ!」

「断言しないでください!誰でもじゃありませんってば。愛する人たちだけですよ」

「余計やだよ!私にそっちの趣味はない!」

「私だって同性愛………は、あるかもしれませんが」

「聞きまして、メアリー。船長はそちらの気があるらしいですわ」

「大丈夫。僕もアンとよく……色々教えられる」

「生々しい!もうやだこの海賊船!」

 

 あー、まぁ、二人一緒に英霊になるほどの仲良しだしなぁ、そういうこともあるのだろう。しかし、色々………ゴクリ………いや、やめとこ。なんか女としての快楽知ったら色々戻れなくなりそう。

 快楽と言えば快楽天ビーストで検索すると最近あの人よく出るよね。

 

 

 

 さて、食料も買い終えいよいよ上に向かう。いちいち突き上げる海流を探す必要がないから楽だ。

 

「そういえば、今更だけど空島に向かう理由はなんなの?」

 

 と、シトナイ。確かにログを溜めるだけならジャヤで十分だ。

 

「資金集めです。特殊な貝や、黄金を集めに………そろそろ新しい船が欲しいですしね」

 

 なにせ地上にはない貝達。それだけで十分な価値があるし、空の主の腹の中には黄金がたっぷり………エネルは……どうしようかな。ぶっちゃけ、空島の戦いが誰かの成長になったり、とかは無かったような気がする。よく覚えてないな、アラバスタではゾロが成長してたけど……。

 それに、エネルの在り方をカルナが黙認するとは思えないし………。確かマクシムは黄金だらけの船………うーん、別に良いよね、貰っちゃっても。海賊だもの、早い者勝ち!

 

「さて、それではいきましょうか、空島へ………天輪」

 

 闇で形成された天輪が船の頭上に浮かび上がる。それは周囲の空気や、水を吸い寄せ始め、やがては船を浮かべる。

 

「全てを引きずり込む闇が、使い方次第で俺たちを天へと導くか」

「発想力は武器ですよ。貴方のような自然(ロギア)は特に………」

 

 カルナとケイローン先生の賛辞………賛辞?賛辞だよな。賛辞を受け暫く上り、雲に到達する。ここから先は一応海の中なんだよな。確か海楼石に含まれるなんちゃらって成分を含んだ………。

 

「カルナ、ここから先は海なので、穴空けてくれませんか?」

「了解した、船長……」

 

 え?とシトナイ達が首を傾げる中、カルナは上を向く。

 

「真の英雄は眼で殺す!」

 

 カッ!とカルナの瞳から光線が発射され、それは雲に吸い込まれる。即座に雲に巨大な穴が空いた。

 

「「「えぇ!?」」」

「グオゥ!?」

 

 シトナイ、アン、メアリーが目を見開く。シロウの口があんぐり開く。穴が閉じる前に、船を一気に雲海の上まで引き上げた。

 

 

「………ほ、本当に船が雲の上に………これ、サクラの力ではないのですよね?」

「私の力は引き寄せるだけですからね。浮かせるには上に闇を作る必要がありますよ」

 

 話に聞いていてもやはり実際見ると信じられないのか唖然と周りを眺めるアン。シトナイは雲の上に船が浮かぶというある種メルヘンな光景に目を輝かせている。ケイローン先生は空魚を速攻で仕留めて捌きだした。

 

「ん?見て、なんかまた来た」

「あら本当、雲の上を滑ってますわ。空の国の水馬かしら?」

 

 アメンボ?メアリーとアンの言葉に振り向くと確かに何か向かってくる。よく見るとアフリカ部族みたいな大きな仮面を付けた男だ。

 バズーカ持ってる。そして、飛び上がり───

 パァン!と炸裂音が響く。アンがなんの躊躇も戸惑いもなく発砲した。男はのけぞり仮面が砕ける。

 

「───フッ!」

「チィ!」

 

 雲海に着水した男に向かってメアリーがカトラスを振るう。片手には縄。男がかわすと振り子のように勢いそのまま進み船の上に戻ってきた。

 

「敵で良いの?」

「確認せずに撃ったの!?」

「まあ、敵でしょう。殺気向けてきてましたし」

「敵だろうな。だが、良い闘志だ。奴は戦士だ、生半可な思いで相手するのは推奨しない」

 

 要するに敵で、覚悟を持った奴だから全力で当たれって事だよな?何かこの言い方だとお前達は中途半端だ、彼には勝てない、何て言われてる気がする。

 まあ良い。あれ、ワイパーだよな?取り敢えず倒して、彼奴等と協力関係結ぶか……。と、闇を溢れさせたその時だった……

 光が雲海を貫く。ワイパーは横に避けかわす。光は上から降ってきた。上を向けば、翼を広げた影が見えた。

 

「そこまでですワイパー。我が神の名の下に、それ以上の狼藉は認めません」

「チッ、前神の飼い犬か───!」

 

 ワイパーは忌々しげな顔をする。そして、アンがやはり何の躊躇もせず発砲。ワイパーが目を見開きバズーカを咄嗟に盾にして、翼の生やした女も目を見開いて固まっていた。

 

「くそ──!」

 

 と、何かを雲海に投げるワイパー。ボフ!と爆発し雲海がそのまま煙幕になる。煙が晴れるとワイパーの姿はなかった。

 残るはあの翼の少女。アンが銃口を向けると手に持っていた槍を構えるも、直ぐに構えを解く。敵意はなさそうだ。俺はアンを手で制する。

 

「はじめまして清海の方々。私はワルキューレ、オルトリンデと申します」

「私達の仲間になってくれませんか!?」

「………へ?」

「やっぱり可愛い女の子なら誰でも良いんじゃない!」

「違いますシトナイ。この子達も、私にとって愛する者です」

「へ?あ、愛……?あの………」

「この変態!もう添い寝してあげないんだからね!」




というわけでオルトリンデちゃんも登場。

皆さん海賊団アンケートありがとうございます。募集は何時までも……しかし、特にルールを決めてないのにfateキャラだけなるとは
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