ZERO 部隊名を背負う者 作:ハルト
硝煙の煙と匂いが立ち込める部屋。
ZERO 部隊の隊員達は倒れ付し、血を流して死んでいた。
静かな静粛の中、壁に持たれる様に力なく座っていた一人の隊員が目を覚まし、辺りを見渡すと隊長を含め、隊員全員が死んでいるのを目撃した。
隊員はゆっくりと起き上がると先ず無線を繋ぐ。
「此方、ZERO部隊・・・聞こえるか?」
《繋がったわ!繋がってるて事は貴方達、全員無事なのよね!》
「・・・隊長含め、俺以外に壊滅。ZERO部隊はもう俺一人だ」
《そんな・・・!?》
社長は信じられないとばかりの声でそう言うと、隊員は続ける。
「任務は続行不能。此より、工場からの脱出を開始します。社長、何か異論は?」
《・・・無いかな。お願い、貴方だけでも無事に帰って来てね》
「了解」
隊員はそう言って無線を切ると、武装を確認する。
メインウェポンのMP5 140発
サブウェポンのデザートイーグル 30発
手榴弾一発と閃光弾二発
接近戦用のコンバットナイフ
以上だ。
隊員は一人で進むにはかなり乏しい装備に不安を覚え、辺りを見渡して武器は無いか確認するが、他の隊員達の武器は破損していたり、行方不明だったらと散々な状態だった。
隊員は何故、此処まで酷い状況になったのか思い出せずにいた。
突如、銃声がなり奇襲を受けたと分かるとすぐに交戦したのは覚えている。
撃たれた隊員も運良くボディーアーマーが弾丸を止めていたが、見る限りすぐに運が尽きたのは分かった。
他の隊員の傷は銃に撃たれた後や鋭利な刃物の様な物で切り裂かれた様な傷が見受けられ、普通の人間ではないと隊員は導き出した時、置くから足音が聞こえ、咄嗟に物陰に隠れると奥から鉄血の製品である戦術人形リッパーと上級人形クラスの処刑人が現れた。
隊員は味方だと判断して処刑人の前に出ようとした時、処刑人は突如、隊員の死体に歪な腕で持つ刀で突き刺し始めた。
隊員はすぐに引っ込むと、処刑人は隊員の存在に気付かずに隊員の死体を突き刺す中、隊員はこの行為は一種の生死の確認だと悟った。
激しい戦闘の中、ZERO 部隊はターゲットが生きていないか確認するのと同時に生きていればトドメとしての役割を持つ様に死体に銃弾を撃ち込む行為をしていた。
処刑人のやる行動に隊員は一つの仮説を立て、結果を待っていると、処刑人は辺りを見渡した後、舌打ちしてリッパーに命じた
「おい!ZERO部隊が一人足りないぞ・・・一人だけ生きてやがる。探せ!そして見つけ次第、殺せ!」
リッパーは命令を受けると、走り出して行き、処刑人も立ち去った。
隊員はこの壊滅の原因が鉄血の戦術人形によって引き起こされたのは間違いないと確信し、鉄血の戦術人形を敵として認識した後、走り出した。