昔は虐められっ子だったナルトも今ではアカデミーでサスケと並ぶ天才と言われるまでに成長。たまに悪戯してくるけどそれは構って欲しいサインなので構い倒す。構って構ってギャン泣きするまで解放してあげない。その時サスケは我先に逃げているので賢い子だと後で存分に褒めてあげる(普段よりもビシバシ扱く)ことにしている。
さて、いつもの修行場でのことである。カカシ先生からのいつもの五倍の任務をこなし終わった後、早いけど中忍試験受けてみる?と提案を受けたが面倒くさいので蹴とばした。
「下忍の方が好都合なんで別にいいです」
「なんで」
「だって中忍になったらもっと忙しくなるじゃないですか!?サスケとの時間が取れなくなっちゃう!」
「ブラコンくのいち」
「褒め言葉と受け取っておきましょう!じゃ失礼します」
印カット瞬身の術でさっさとお暇しました。そしてアカデミー帰りのサスケとナルトと合流。三人で修行場まで競争し、ビリケツな人は影分身で里中のゴミ拾いを実行してもらうことにした。結果、私、サスケ、ナルトの順でナルトが清掃係に。
「やった!」
「当たり前だな」
「そんなー!」
少しは里でのイメージアップに繋がればいいけどナルトは私の心配りなど知らずに嫌そうにゲェと顔を歪めた。ボソッと呟いた。
「ナルト、アンタ明日から決まった時間を影分身で過ごしなさい。毎日一体ずつ増やしていくの。最終目標は千人よ」
「無理だってばよそんなのっ!今でさえ百人もいけてないのに」
「無理じゃなくてやる。や・れ。大丈夫。チャクラは多いんだから死にやしないわ。別にそれで修行しろって言ってるわけじゃないんだから。勿論アカデミーで勉強してる間もよ」
「ヒカリねーちゃんの鬼!」
「褒め言葉と受け取っておくわ!」
「………」(ビリケツにならなくて良かった)
◇◇◇
いつもの修行を終えて帰宅しようかという時、優秀なはずのナルトが変な術を取得したと教えてくれた。
お色気の術というらしい。嬉々として私に術の披露をしてくれた。
サスケは露骨に顔を顰めて機嫌が悪い。
「ヒカリねーちゃん、見てってばよ!」
「おい、姉ちゃんに変なの見せるなよ」
「サスケだって最初は鼻血出て」
「バカッ!言うなっ!」
慌ててナルトの口を抑えようとするけどもう遅い。お姉ちゃんの耳は地獄耳なのです。
「……大丈夫、お姉ちゃんサスケが鼻血出してエッチな妄想してたとしても大好きだから」
「姉ちゃん違うからっ!?」
サスケの必死の弁解に胸ときめかせながら頷いてサラッと流す。
「それでお色気の術って綺麗なおねーさんに変身するとか?」
「え!なんで分かるんだよ、ヒカリねーちゃん」
「術の名前からして予想してみただけよ。とりあえず見せて」
「よし!見てろよ。お色気の術!」
得意げに印を組んで術を発動させたナルトはあっという間に煙に巻かれる。そしてその煙と共に現れたのはツインテールの裸のナイスバディな女性。
「じゃーん!どうだ!」
得意げに胸を張る痴女。そう痴女で十分だ。あんなの。なんであのサイズなの?
まな板でいいじゃん。たいらでいいじゃん。
ポヨヨンとムカツクほど大きい胸が揺れ動くのを私は冷たい視線で見る。
「………」(潰すか)
あれは私の敵か。敵だよな。敵認定しようそうしよう。
あの胸はもぎ取って燃やしてやろうか。うんそうしようそうしよう。火遁・豪火球の術で跡形もなく燃やしてしまおう。
「ね、ねーちゃん?目が据わってるしなんか写輪眼出てるってばよ」
「気のせいよ、ナルト」
と返しつつ、印を組んでいく。丁寧に省略化せず威力を高めて組む。
ナルトはお色気の術を解いて悲鳴を上げ後ずさる。私が何の術を組んでいるか分かったようだ。うん、修行の成果だね。ご褒美あげよう。
「気の所為じゃないって!!」
「ナルトっ!逃げろっ」
ちゃっかり安全な私の後方に逃げているサスケがそう指示を飛ばした。ナルトは恐怖に全身を震え上がらせても逃げて見せるという意識はあるらしい。印を組み始めた。だが逃がさない。私は肺に息を思いっきり吸い込む。
「火遁・豪火球の術!」
「風遁・突破の術!」
なんとナルトが使ったのは口から竜巻のような勢いの風を吹き出す風遁・突破。
私の術とナルトの術が合わさって豪火球の進路が代わり上空へ押し出されるように巨大な火柱が目の前に上がる。ごうごうと燃え上がる太い火柱は空に穴を開けそうな勢いで上がり続ける。ナルトと私、どちらかが術を解けばその炎の勢いは自分を殺しにかかる。引くに引けない状況が出来上がってしまった。
「ウスラトンカチがっ!水遁・随身取水の術!」
この事態に機転を効かせたサスケが素早く印を構え水遁・随身取水の術を発動させる。
丁度水場ということもありそこから大量の水柱が火柱目がけて突っ込んでくる。ジュウジュウと冷やされる音と水蒸気が発生し、周囲は煙で充満していく。お互いに調節しあいながら徐々に消火されていくのを汗を垂らしながら見守り、完全に鎮火し終わった頃には私とナルトは互いに緊張感から腰を抜かしてしまった。
「……マジ死ぬかと思ったわ」
「……俺も……」
精神的に疲労を感じている私とナルトにサスケは厳しい眼差しでズバリ欠点を指摘してくる。
「姉ちゃんは短気すぎる。それとナルト、アカデミーで習ったばっかだろ。お前属性ぐらい頭に叩き込んどけ!」
「だって殺されるかと思ったんだぞ!そんなの頭からぬけてるって」
ナルトの言い訳もサスケの前じゃ意味がない。腕を組んで鼻先であしらわれる。
「忍者失格だな」
「なっ!」
絶句して言葉を失うナルト。けど言い返せないのは私も同じだ。ゆっくりとその場に立ち上がってナルトとサスケに頭を下げて謝った。
「私も悪かったわ。御免なさい、ついあのナルトの胸を見たら潰さなきゃって思ってしまったから」
「ヒカリねぇーちゃん真顔で言うなよ」
「次に私の前でお色気の術を使う時はバストAでお願い。私の中の殺戮衝動はCから反応するから」
「細かすぎっ!」
ナルトの声がツッコみが修行場に木霊した。
この一件、やはりカカシ先生の耳に入っており翌日こってりと絞られた。だけど私も今回は反省しており説教を粛々と受け止めた。そして肝心の戦いの発端となった理由を尋ねられ素直に打ち明ければ遠慮なしに叩かれた。
「馬鹿なの!?本当は優秀な振りして馬鹿なんじゃない!」
「馬鹿じゃないもん!だったら先生が私の胸育ててくれるの!?そんなこというんだったら責任もって揉んで育ててよっ!Dカップにしてよ!」
「昼間っからそんな事大声で叫ぶんじゃありません――!」
二回目の叩きはコントのようにパシーンといい音がした。