やはり俺達のボーダーでの生活はまちがっている。 作:シェイド
ちなみにサマータイムレンダの自分の推しは、菱形朱鷺子であります。糸目キャラは至高。
1dayトーナメント。
不定期に開催されるイベントの1つであり、その時々に合わせ、様々な形態で開催される。
例えば、集まった人間でバラバラにチーム分けをし、総当たり戦で戦うこともあれば、今日みたいに1対1の個人ランク戦トーナメントだったりと、多岐多様な種類が存在している。
個人ポイントを増やすいい機会でもあり、順位次第では褒賞も用意されるという、ボーダー隊員にとっては楽しみの1つである。
「……負けたわ」
「お、おう、お疲れさん…」
「完敗よ。やはり、トップとの差は簡単に詰まるものではないわね。悪いけれど、先に隊室へ帰るわ…」
「ゆきのん…ど、どんまいだよ!また今度頑張ろっ!次は絶対勝てるし!」
「そ、そうですよ!次がありますから雪乃先輩!」
「ええ、そうよね。ありがとう2人とも、頑張って…」
いつもの覇気はどこへやら、ふらふらと隊室の方に向かう雪ノ下を、俺たち3人は同情も含めて見送った。
先程あった4回戦、早くも優勝候補同士の対戦となった太刀川さんVS雪ノ下の対決。
ステージ天候ランダムな5本勝負で、雪ノ下は絶対に勝つと意気込んでいたが、今日は太刀川さんが強すぎた。
そういや前唯我の依頼があった時、A級1位の強さを見せるとか何とか言ってたっけ。珍しいくらいに本気で倒しに行ってたな。あれは勝てないだろ。弧月二刀流はカッコよくて強い。流石である。
「それにしてもですよ!何で私たち全員参加なんですか!?私なんて本職
「たははっ…。でもでも、いろはちゃんなんだかんだ勝ち進んでるじゃん!」
「そりゃ相手が良かったのと、結構ラッキーもあったんでまぐれですって。次が…嫌だ―!棄権する!!」
「棄権したら、個人ポイント減らされるぞ。いいのか?今回結構稼げた分もおじゃんだぞ」
「…ちっ」
あらやだ、舌打ちしてるわこの子!可愛い顔が台無しよ!
俺たち雪ノ下隊は、今回に限って全員が参加している。基本的に1dayイベント等は自由参加なこともあり、腕試しや楽しそうという理由で参加の人間がほとんどだ。
そんな中で全員参加している理由は、改めてB級全勝昇格の部隊として、強さをアピールすること…らしい。
…ま、前回のA級ランク戦。B級で全勝した割に最終結果は最下位で終わったから、ちょっと疑心暗鬼になってる隊員もいるみたいな噂も聞いてるしな。A級の時点で全員精鋭(ただし唯我は除く)なんだから、負けてもおかしくないと思うわけだが…。俺たちが活躍することでそのような噂を払拭させ、A級がもっと強いことを見せたいのだろう、多分だけど。
『続いての対決は雪ノ下隊の一色いろはさんと、二宮隊の二宮匡貴さんです!!お2人は準備をお願いしま~す!』
武富の声が元気に響く。一色の顔が凄いことになってる。おいたわしや…。
優勝候補の2人にかなり早い段階で当たってしまった、雪ノ下と一色は運が悪かったとしか言いようがない。次があるって。
「じゃあ、死んできますね♪」
声の感じはいつもの一色だが、振り返って見せたその目が死んでいた。
俺の仕事終わりの腐りきった目とトントンだぞ…女の子がそんな表情はやめなさい。お嫁にいけないわよ。
「が、頑張っていろはちゃん!」
「…はーい、
まるで、死地に向かう戦士のような雰囲気を全身から醸し出してとぼとぼと歩いて行った一色は置いといて、さっき辻に勝ったから俺もそろそろ5回戦が……お、黒江か。
最近あんまり会う機会なかったし、戦うのも久々だ。前は確か、開発したての新トリガー『韋駄天』に対応したけど5勝5敗だったっけな……あれ?ワンチャン俺負ける?
「比企谷先輩!」
「ん、黒江。久しぶりだな」
名前呼ばれた方を見ると、次の対戦相手である黒江双葉がこちらに駆け寄ってきていた。
「はい!今日は勝たせてもらいます!」
「お前も言うようになったな」
「も、もうくすぐったいですよ!」
弟子のような存在の成長を感じ、つい頭をわしゃわしゃしてしまった。可愛いなこいつ。
すると、それを見ていた周りからはひそひそ声が聞こえてくる。
「ねぇ、あれ犯罪のような絵図ね」「本当だ、危ない人に騙されそうになってる小学生みたいな」「見てあの顔!目が腐ってるわ!」「おいおい、ハッチのやつ、ロリコン疑惑がますます深まるんじゃないか?」「いろはすの奴が、二宮さんにボコボコにされてるのを見てすらいないぜ?同じ隊の可愛い子より中学生に成りたての子との交流とかよ。通報してよくない?」「うん、やっぱり比企谷君が犯罪に走る前にどうにかしないとね!」「ですね!」
酷い言われようである。
ロリコンと言われるのは毎度のことだし、正直もう慣れた。慣れていいものでもないが、俺も客観的に自分のことみたらそう言うだろうし。
あと言っとくけど、俺の目は元から腐ってるからな!覚えとけよ!特に新人と思われるお前!誰か分かんないけど!
名前が呼ばれ、黒江と指定部屋の前に向かいながら映像を見ると、一色が涙目でスコーピオン(改)を投げまくりながら逃げ、全てを破壊しながら悠然と距離を詰める二宮さんの姿が確認できた。
……あと2つ勝ったら風間さんで、その次はどうせ二宮さん。勝ったとしても決勝で太刀川さんか。
よし、風間さんに勝てるように頑張ろ。あとは知らん、ボコボコにされないことだけ考えておこう。
***
「また負けました。悔しいです…!」
「いや、かなりギリギリだっだぞ。めっちゃ強くなってて正直ビビった。やるな黒江」
黒江との試合は3ー2の接戦だったが何とか勝利を手にした。旋空と韋駄天の組み合わせに苦戦したが、今回用にトリガーセットを変更して、受け太刀できるように弧月入れてたのが良かったな。シールドは斬撃に対してはほぼ役に立たないこともあり、受け太刀出来てなければ結構危うかったと思う。サイドエフェクトを使用しすぎて、棄権も視野に入ったかもしれないし。
普通の動きから、韋駄天のスピード→韋駄天なし→韋駄天という緩急差で一度やられ、旋空からの韋駄天からの旋空でいきなり2本取られたものの、バイパーで追い詰めていき、スコーピオン(改)とスコーピオンでとどめを刺す、もしくはその逆といういつものパターンで2回勝ち、最後は黒江の足元に爆破スコーピオンをモールクローで出現させ、足を失いながらも回避に使用した、韋駄天後の体勢を崩したところを孤月で斬りつけて勝利した。
ちなみに、俺が2本取られた後、フロアは大いに盛り上がっていたらしい。黒江が勝ったら相当ポイント動いてただろうしな…まだまだ負けられんよ、お兄ちゃんは。
「ありがとうございます。でも、まだまだです。もっと強くなります!」
「今度またランク戦やろうぜ。連絡してくれたら時間作る」
「!……はい!」
やった!っと笑顔を見せる黒江から可愛い成分を摂取する。
よし、黒江に勝ったから次は雪丸か。レイガスト使いで強い奴は珍しいが、まだ負け越したことないし大丈夫だろ、知らんけど。
ランク戦大好きジャンキー達には爆破警戒されまくってるからな、大人しくいつも通りに基礎戦闘のみで追い込んでいけば、爆破スコーピオンのことが頭から抜けなくて有利取れるし。
問題は、その次の風間さんか。
玉狛支部に在籍している近界民であり、仮初の姿はカナダ人のクローニン本部エンジニアチーフのトリガー『
スコーピオン(改)は、風間さん相手に3ヶ月間10本勝負で最高2本までしか取れず、負け続けた俺が、雷蔵さん達の力も借りながら2徹して作り上げた結晶である。いつもの個人ランク戦と異なり、報酬があり他の隊員達の目があるこの状況下で、勝てなければスコーピオン(改)を作った意味がないのだ。
戦えていること自体がすごいと、たまに隊員達から言われることがある。
それでも、雪ノ下雪乃の部隊のエースとして、両親を取り返す為にあの黒トリガーをぶっ倒す為にも、もっと強くなければならない。
…別に最近、雪ノ下に負け気味だからってわけじゃないよ?ホントダヨ?ハウンド扱いが難しいんだよ…二宮さんが教えてくれるからまだ少しずつ形になってきているが…雪ノ下のあの勝ち誇った笑みマジでムカつくんだよな。絶対蜂の巣にしてやる…!
***
「よっ、比企谷。お疲れさん」
「太刀川さん、優勝おめでとうございます」
「当たり前だろ?何だって1位だからな!いやー今日は最高に楽しかったぜ」
「……ちっ」
「あっ!二宮お前、今舌打ちしただろ!」
「してない。聞き間違いだ」
「いいやしたね!そうかよ、俺に負けて悔しいんだな!」
わっはっはと笑う太刀川さん。その後ろで、忌々しげな表情を浮かべ再度舌打ちをする二宮さん。
今日のトーナメントは太刀川さんの優勝、二宮さんの準優勝、俺の3位という結果で幕を下ろした。ちなみに4位には由比ヶ浜。
俺は辻を始め、黒江や雪丸、風間さんを破ったことにより改めて注目され、由比ヶ浜も木虎や弓場さんに勝ったことにより、ピンクの悪魔の異名は更に轟いていくことになりそうである。
試合から時間が経った今でも、勝った喜びが湧き上がってくる…!今日はどうやら、眠れそうにないな。
置き玉に時間差射撃、爆破マンティスに爆破モールクロー、爆破スコーピオン投げ等…俺の今の全部を出して、本当に僅かな差で風間さんに3ー2での勝利だった。
風間さんから試合後、「強くなったな比企谷。今度リベンジさせろ」って言われたのはかなり嬉しかった。この後もランク戦ブースに行く気満々なくらいには。
ま、そのあとの準決勝で二宮さんにボコボコにされたがな。
いや、正直風間さんに勝つために『強化神経』の力を使いすぎた。結果的に1ー4で敗北し、3位決定戦に回ることに。
同じく由比ヶ浜も1ー4で太刀川さんに負けていたから、同隊同士での対決になったが、流石にというか俺が勝った。
由比ヶ浜の強みは、サイドエフェクトによるバッグワームの無効化と雪ノ下と練習して身に着けた連携、物怖じしない突撃力だ。近距離の不意打ち封じと
結果として3位。こういう形式の戦いで3位になれるとは思っていなかったが、トーナメントの組み合わせ的に俺も由比ヶ浜も良かったからな。
次は1回戦で太刀川さんとかありそうだ。そうなったら『強化神経』をフルに使うことになるだろうし、それでも勝てないか、勝ったとしてもその後ズタボロにされるとかになりそう。
ちなみに3位の特別報酬が、何故かパンさんがボーダーの隊服着てる限定ぬいぐるみだったので、落ち込んでる雪ノ下にやったら無言でもふもふしていた。ちょっと不憫可愛いさを感じたな。
太刀川さん相手にボロ負けした傷は、相当深かったようである。それだけ落ち込めるのも、一種の才能を感じるけどな。以前、焼き餅対決後に雪ノ下が勝ち越した時より、太刀川さんも負けないように頑張ってると聞いてたし。
小南や風間さん相手にガンガン戦ってたみたいだから。それだけ認められてるってことだ、雪ノ下雪乃という才能はな。
…雪ノ下さん(姉)が、ボーダーに興味を示し続けており、入隊するかもしれないってことは黙っておこう。そうなった時は…色々カオスになりそうである。
すぐに考えられるような未来に霹靂としつつも、1dayトーナメントは大盛況で終了したのだった。
リクエストあれば、出来る限り書きますのでぜひ。
いつになるかは分からないけど、ワートリも俺ガイルも大好きなので。
原作キャラ像を壊しすぎないように、自分の書きたいものを書いていきます。