やはり俺達のボーダーでの生活はまちがっている。   作:シェイド

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こっからどんどん時を飛ばしていきます。
修や遊真たちと会ってから、また日常回パートで時系列ごちゃごちゃにしそうですが、何よりもまずメインヒロイン早く出てきて欲しい。

そして問題しかない隊を組ませたいのです……いや、ルート分岐が先か。
大規模侵攻時に八幡のとる行動で2ルート作りたいところ。他は全部IFにしよう。

2026/4/8 改稿。


依頼者:忍田真史

『決まったー!最終スコア5-3-3で、雪ノ下隊の勝利です!』

 

「みんなお疲れー!やったねゆきのん!」

 

「ええ。これで遠征部隊に参加できるわね」

 

「最後の雪乃さんとお兄ちゃんの連携凄かったですー!!」

 

「そうですよ!いつの間にあんなコンビネーション出来るようになってたんですか!?」

 

「…比企谷君。どうして私たちはあんな連携が出来たのかしら?」

 

「…俺に聞くなよ」

 

 さっきまでの戦闘を思い出すと、本当に不思議なのだ。え、何でだ?

 最後のあの場面、風間さんと菊地原VS俺と雪ノ下の真っ向勝負。サイドエフェクトでバイパーもハウンドも全て躱してくる2人に対し、もう成す術ないと思った。

 俺と雪ノ下は、連携の練習などほぼしていないに等しい。それに対して、攻撃手の連携と言えば風間隊、と言われるほどの連携練度を誇る風間隊の2人。

 

 風間さんの怒涛の攻撃を防いでいる内に、背後から菊地原の隠密急襲を受け、菊地原を止めれば風間さんにやられる。1対1に持ち込んでも良かったが、俺と雪ノ下が菊地原に勝てたところで、風間さんにやられるのがオチだ。

 お互いの背を守りながら戦った方が勝てると踏んだが、手傷をどんどん負っていく。

 俺と雪ノ下の強みは、弾丸トリガーを使えること。それでも、カメレオンを使わせないことが精一杯だった。

 

「弧月とスコーピオン繋げるなんて、面白いことを考えたものね」

 

「あの場で咄嗟に思い付いただけだからな。致命傷とまでは行かなくとも、風間さんの虚を突きたかったんだよ」

 

 弧月で受け太刀して、体制崩れて剣を地面についたと思わせ、そこからモールクロー。

 風間さんから教わったモールクローは、足からどんな場面で使うと有効打に成り得るかってことだった。その時に言われたのが、使うときは相手の視線を自分の顔や他のものに集中させて、地面のひび割れを見られないようにすることだった。

 モールクローは、地面を経由して相手にスコーピオンを突き刺す技だが、足から発動する分、地面に罅が入ったりしやすい。全身から出せるスコーピオンを警戒する相手だと普通にバレるし、簡単に躱される。だから、どこで使うかの見極めを覚えろと言われた。

 

 だが、弧月を地面に突き刺したりすれば、地面が罅割れるのは普通だから、その先端からスコーピオン生やすとか気づかないもんだろ。

 菊地原自身なら躱されていただろうが、風間さんの虚を突くことが出来た。…それでも、半分は躱したの流石だったがな。

 普通、あれ躱すか?俺ならサイドエフェクトもあって躱せるかもだが、普通であれば食らっていると断言できるぞ。むしろ後手に回って負けるまである。

 

「ゆきのんとヒッキーのコンビ凄すぎだし!」

 

「流れるように互いに位置を入れ替えながら、攻撃、防御、援護射撃のタイミングも完璧すぎましたからね…」

 

「きくっちーのサイドエフェクトを風間さんと共有してからは…もう、死闘って言葉でしか言い表せないね!」

 

「なんだ由比ヶ浜、死闘って言葉知ってたのか。凄いな」

 

「ヒッキーはあたしを馬鹿にしすぎだし!最近覚えたの!」

 

(((最近なんだな…)))

 

 由比ヶ浜の言う通り、まさに死闘と言うべき戦いだった。

 元々A級ランク戦は、生存点が加算されることが少ない。全員が強者揃いということもあるが、それよりもタイムアップになることがほとんどだからだ。

 今回も終了5分前に決着がついたから、かなり際どかった。実際逃げられたりしてタイムアップ切れを狙われていたら俺たちが2位に上がることはなかったし。…風間さんらしいな。

 

 A級ランク戦ラウンド16、最終戦は風間隊VS雪ノ下隊VS草壁隊の三つ巴だった。

 2つ前くらいのランク戦では、草壁隊と風間隊に敗北していたこともあり、かなり緻密な連携を練習していた俺たちであったが(もちろん俺は1人行動が決められていた)、運が悪く無得点のまま最終決戦に突入した。

 菊地原と風間さんという厳しい相手だったが、何故か負ける気がしなかった。

 

「お兄ちゃんと雪乃さんは、所謂ゾーンってやつに入ってたんじゃないですか?」

 

「極限まで練習を積み重ねたごく一部のアスリートしか経験出来ない、極地と言われる領域のことね」

 

「なんかカッコいいね!」

 

「ゾーンですか。でも、それなら納得です。お互いの位置を視認し合ってないのに分かってるように動いてましたからね…」

 

 小町が少しそっぽを向いてるから、雪ノ下の言葉を聞いてそんな凄いことだったの!?とか思ってそうだが…そうか、ゾーンに入ってたのかもな。

 アスリートでなくても、戦争中にゾーンに入って死線を潜り抜けたって人の話を何かの本で読んだ覚えがある。極限の集中状態であるゾーン状態に入った感覚は、今思えばあったかもしれない。

 前に一度だけ、弓場さんと5本勝負をしたときに同じような感覚になった覚えがある。あの時は攻撃の手段も冴えてたし、自分でも相当うまく出来た感触があり、サイドエフェクトを1st(ファースト)のままで4-1で勝ったのだ。まぐれだと思っていたが…いや、ゾーンに入ったのは今回もまぐれなんだろうけどね?

 

「…とりあえず解説聞こうぜ。今日の解説は二宮さんと加古さんに東さんだし」

 

 二宮さんからは辛辣な評価をもらいそうだな。最初、かなり動き悪かったことには絶対口出しされるだろう。

 つーか、あの3人を解説に呼べる武富はどんな胆力してるんだ?誰も言わないが、アイツが一番尊敬されるべき人間だと秘かに俺は思っていたりする。

 

『それでは!時間もあまりないので、簡単に総評をお願いします!』

 

『今回は雪ノ下隊の劇的な逆転勝ちだったけれど、どの部隊もいい動きをしていたと思うわ。草壁隊は里見君の技あり時間差射撃で由比ヶ浜さんを早めに落とせたし、緑川君も佐伯君もいい動きをしてた。ただ、宇見君が風間隊に早く捕まったのが悔やまれるわね。もし最後の対決の時に宇見君が残っていれば、草壁隊が搔っ攫う可能性もあったと思うわね。』

 

『風間隊は歌川が単独で動いて一色を落としましたが、風間と菊地原と合流出来なかったのが痛かったですね。攻撃手3人が揃えば近距離は無敵と言っても過言ではないですし、風間隊がかなり有利にことを進められたと思います。風間と菊地原も宇見を落とす前に合流した方が良かったかもしれませんが、狙撃手を落とすのは近接連携が武器の風間隊からすれば必須事項ですから、今回は仕方がない部分もありました。最後の2対2も、無理に戦わずに下がりながら引いていれば、前掛かりに来たところを隙をついたり、タイムアップで逃げ切りも可能だったと思います。まあ風間なら、そんな戦い方はしないで正々堂々戦うでしょうし、実際、力量的には風間隊が押していた。ですが、今回ばかりは比企谷と雪ノ下の連携が見事の一言につきましたね』

 

『…雪ノ下隊は最初の一色の転送位置が悪かったのもあるが、一色の本職は狙撃手だろ。逃げると見せかけて反撃して歌川を落としたかったんだろうが、白兵戦においては実力差が明確に存在する相手に挑むのはただの馬鹿だ』

 

 流れから完全に二宮さんがうちの総評をするだろうなとは思ったが、東さんの顔的にこれワザとだな。加古さんと二宮さんの間に入るように座っているから位置的にもそうなるかもしれないが。

 いや、最初からこれが狙いで?

 

『由比ヶ浜も仕掛けるとするなら、草壁隊の2人が他の隊員と邂逅した瞬間や戦闘中にするべきだった。上位でランク戦を終える為に点が欲しいのも理解できるが、攻めた結果敵に点をやってしまえば、尚更その後の展開で無理をしなければならなくなる。その辺りはまだまだ改善すべきだろうな』

 

 確かに最初、一色も由比ヶ浜も今期こそ遠征部隊入りする為に、かなり無理に攻め出て返り討ちにあっていた。2人が本気で点を取りに行きたいってことで雪ノ下も許可を出したが、今後はもっと冷静に考えて動くべきだろう。

 …次は俺と雪ノ下か。

 

『雪ノ下は佐伯と緑川相手に引きながら戦い、うまく風間隊とぶつけて比企谷とも合流した。あれは見事な動きだっただろう。もしあそこで1人仕掛けていれば、雪ノ下隊の逆転勝ちにはならなかった可能性が高かった。良い判断と言える。比企谷も、風間隊と草壁隊の戦場にうまく絡んで点をもぎ取ったが、無理はしていない。サイドエフェクトを調整すればアイツは誰にだって勝ち筋を見出せるが、反動を考えればあまり使いたくないだろうからな。そして最後の対決だが…中々悪くない。風間隊の高速連携に対し、即座に2人で対応出来ていた。射撃用トリガーを持っている強みを生かしつつ、不意を衝く技を使って相手を動かす。最後まで悪くない試合運びだった』

 

 お、おぉ…かなりの高評価だった。悪いところを指摘されるものだと思っていたが、悪くないって2回も言われたのは初めてだ。二宮さんの悪くないって言葉は良かったって意味だから、少し、いやかなり嬉しい。

 だが、二宮さん。隣でニヤニヤしながら聞いてる2人がいることに気づかないのか?

 

 

***

 

 

 今季のランク戦は昨日で終了した。

 雪ノ下隊は2位だから、ほとんど遠征部隊確定のようなものだ。

 もちろん遠征に向けての訓練次第で変更もあり…由比ヶ浜がある意味心配でもあるのだが。

 

「比企谷。改めてだが2位おめでとう。飲み物くらい奢るよ。いつものMAXコーヒーでいいか?」

 

「うっす、ありがとうございます。うちの隊としてもようやくって感じなんで、2位で終えれたことは嬉しいです。ただ…」

 

「ただ?」

 

 俺の言葉に、村上先輩が反応する。

 村上先輩とはさっきまで個人ランク戦をしており、今は自販機近くの休憩スペースで一旦休憩をとっている。

 驚かれるかもしれないが、俺は村上先輩とランク戦をするのが一番好きだったりする。

 大体の人からしたら、村上先輩のサイドエフェクトから苦手意識を持つのだろうけど、俺はむしろ自分自身の成長になると感じているのだ。

 

 村上先輩には同じ手が基本的に通用しない為、攻略するには意識の外から攻める力か、発想力、それに加えて基礎能力向上が常に求められる。自分自身の成長度を測るいい指標、と言ってはよくないかもしれないが、実力アップに繋がってることは確かなのである。

 孤月とレイガストの攻防一体の戦闘が、戦士みたいで好きってのもあるんだけども。

 

「昨日の解説、東さんと加古さん、二宮さんだったんですよね」

 

「鈴鳴支部で観てたよ。珍しく二宮さんが褒めてたのが印象に残ってる」

 

「そう、それですよ」

 

 昨日のランク戦終了後だ。二宮さんは、東さんと加古さんにニヤニヤされた分を俺で発散しようとしてきたのだ。

 チームランク戦後に個人ランク戦をしに行く俺もどうかしているのかもしれないが、二宮さんのは完全にとばっちりだったし、蜂の巣にされたなぁ。

 バイパーとハウンドで頑張ったが、アステロイドで蜂の巣にされ続けた。あとハウンドがえげつなさすぎる。ハウンドは追い込み用にしか使ってこなかったのに、絶対にアステロイド当てられるんだもの。そんなのB級でやったら大人気ないなって思っちゃうレベルだった。

 サイドエフェクトも使う気が起きなかったから、なおのことボコボコである。

 ちなみにだが、俺のトリガー構成は現在メインに孤月、スコーピオン(改ニ)、シールド、ハウンドを。サブにスコーピオン、バイパー、シールド、バッグワームとなっている。

 で、ハウンドを本格的に使い始めたのは前シーズンのB級ランク戦時だったのだが、うまく使いこなせなかった為、加古さんと二宮さんに弟子入りして鍛えてもらったのだ。

 もちろん、2人とも自分だけが教えていると思っていたことにより、タイミングが被ったある時、地獄を見たが…まあ、それは置いとくとしよう。

 

「二宮さんにボコボコにされまして」

 

「ああなるほど。それは仕方ないな。弟子ってこともあって、多少は鬱憤ぶつけても大丈夫だと思われてるんじゃないか?」

 

「ちょっと弟子入りしたの後悔してきたんですが」

 

 その後も村上先輩と談笑を続けた後、もう10本やり終えて別れ、隊室に戻ろうと歩みを進めていた最中。

 電話が鳴り、呼び出しを受けた為に俺は本部長室へと向かった。

 

 

***

 

 

「比企谷。先日のランク戦は見事だった。また1つ、腕を上げたようだな」

 

「正直、なんであんな連携できたいたかは未だに謎なんですけどね。とりあえずは2位に入ったんで安心できました」

 

「しかし、まだまだ剣の腕が慶にも届いてないな。どれ、今度時間がある時に久々孤月の訓練をしようか」

 

「ウッ…うっす」

 

 呼ばれた先の本部長室で、忍田さんから何を言われるかと思ったら死刑宣告だった件。長文タイトルでこんな小説ありそう。…いやねーわ。

 たしかに、俺は忍田さんにも弟子入りしている。と言っても、太刀川さんが忍田さんに弟子入りした際に、『ちょうどいいから比企谷もやれ』って言われての弟子入りだからなんちゃって弟子なのだ。実際、孤月の稽古よりも書類整理や補佐での顔合わせの方が数十倍多いし。

 なのに何故あまり乗り気じゃないのかといえば、この人、二宮さんより厳しいのだ。

 負けるたびに「これで仲間が1人死んだな」って言われるの、ほんとに精神的にくるものがあるんだよな。おかげで毎回気合い入りすぎて、サイドエフェクトもガンガン使用し、翌日ぼーっとしてしまうのだ。あと大体吐いてる。

 

「さて、そんな君に1つ依頼を出したいと思って招集した。いや、正確には()()()になるのだが」

 

「奉仕部に対しての依頼ってことですか?」

 

「そうだ。君たち雪ノ下隊に、広報活動へ協力をしてもらいたい」

 

「それって別にA級の任務に入りませんか?わざわざ奉仕部に依頼する必要なさそうですけどね」

 

「具体的に言うなら、ボーダーに入りたい人間にきっかけを与えてもらいたいということになるな。いつもの広報活動とはまた違う形だ」

 

「…何かするんですか?」

 

「君たちには、嵐山隊と共に林間学校のスタッフをやってもらう」

 

 林間学校、だと…!?




ようやくここまで改稿できたぁ。
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