やはり俺達のボーダーでの生活はまちがっている。   作:シェイド

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シェイドです。
最近、勉強がつらくなり現実逃避気味にスマホからこの小説を打ち込んでいる次第です。
なのでちょっとクオリティが下がるとは思いますが、毎日一話。これは徹底したい(受験勉強本格化してスマホ没収の時まで)。

ではどうぞ。


ボーダー入隊日

 三門市。人口28万人の街。

 ある日この街に異世界からの門が開いた。

 『近界民』

 後にそう呼ばれる異次元からの侵略者が門付近の地域を蹂躙。

 街は瞬く間に恐怖に包まれた。

 ()()()の世界とは異なる技術を持つ近界民には地球上の兵器は効果が薄く、誰もが都市の壊滅は時間の問題と思いはじめた、その時。

 突如現れた謎の一団が、近界民を撃退しこう言った。

 

「こいつらのことは任せてほしい」

「我々はこの日のためにずっと備えてきた」

 

 近界民の技術を独自に研究し、「こちら側」の世界を守るために戦う組織。

 界境防衛機関『ボーダー』

 彼らはわずかな期間で巨大な基地を作り上げ、近界民に対する防衛体制を整えた。

 そして、その近界民による大規模侵攻から約半年。

 ボーダーは防衛隊員を欲していた。

 表立つ前から人がいたと言っても数十人という小さな規模。もしも、また同じような大規模侵攻が起きれば次は全滅だってありえる。その時までに民間の被害者がゼロになるように備えられる、戦える人員が足りていないためだ。

 訓練施設や階級制度、防衛任務の回し方にランク戦など、さまざまなルールを作ってきたボーダーではあるが、いかんせん人がいなければルールなど意味をなさないのだ。

 そして今日。

 ボーダーは第三回目の新米隊員の入隊日を迎えていた。

 

 

***

 

 

 入隊日に特別にすることと言えばオリエンテーションのみ。

 すでに所属隊員となっている俺に参加義務はないが雪ノ下達が参加するため付き添いという形でボーダー内の体育館にいた。

 特に雪ノ下は方向音痴が酷すぎるのはすでに今までの付き合いでわかっていることだ。全く同じような道に見えるボーダー基地内では付き添いがいなければ迷ってしまうだろうとの懸念も踏まえている。

 

「……なにか私に対して不愉快なことを考えなかったかしら?」

 

「……ねーよ」

 

 ……怖いわ!なんでわかるんだよ……そういうサイドエフェクト持ちとかいないよね?いたら鬼畜にもほどがあるだろ。

 しばらく四人で談笑していると、ステージに明かりがつき始める。どうやら始まりのようだ。

 新規隊員がステージに注目していると、ステージ横から忍田本部長が現れ挨拶を始めた。

 

「私はボーダー本部長忍田真史だ。君たちの入隊を歓迎する。君たちは本日C級隊員……つまり訓練生として入隊するが、三門市の、そして人類の未来は君たちの双肩に掛かっている。日々研鑽し正隊員を目指してほしい。君たちとともに戦える日を待っている」

 

 そう言い切り、忍田本部長は敬礼の格好をとった。

 それを機に周りの新米隊員からは拍手が送られる。

 拍手が鳴り終わると、忍田本部長は話を続ける。

 

「さて、このあとはオリエンテーションとなるわけだが、スナイパー希望の訓練生は君たちの後ろにいる東隊員について行ってくれ。スナイパーはアタッカーやガンナーとは違う形式の訓練を行っているため訓練場所も別になっている」

 

 後ろを見ると最初のスナイパーで現No.1スナイパーの東春秋さんがいた。

 

「おお、比企谷じゃないか。どうしたんだこんなところで」

 

「東さんこんにちは。俺は彼女らの付き添いですよ」

 

「そうなのか。ということは彼女らと隊を組むのかい?」

 

 この人は相変わらず鋭い。すぐに推測してくるあたりが頭の回転が早い証明だろう。

 

「はい。ちょっと色々あったんで……」

 

「……なら楽しみにしているよ。早く上がって俺たちとランク戦しようじゃないか」

 

「もちろんです。んじゃ、一色、お前は東さんについていけ」

 

「了解です!」

 

 わざわざかしこまポーズでウインクしてくる一色。相変わらずあざとい。

 というか待って、かしこまポーズって小町の十八番みたいなものじゃなかったっけ?

 俺が変なことに思考を巡らせている間に少し話が進んだようだ。

 

「君たちは訓練生だ。B級に昇格して正隊員にならなければ防衛任務には就けない。じゃあどうすれば正隊員になれるのかを説明しよう」

 

 忍田さんの言葉に合わせて壇上の天井からモニターが降りてきた。

 

「各自、自分の左手の甲を見てくれ」

 

 忍田さんの言葉に合わせて雪ノ下達も自分の手の甲を見る。俺もつられて見ると6084と示されていた。 ……雪ノ下達にランク戦のこと話したって馬鹿正直に幹部会議後に言っちゃったからな……5000くらい引かれたんだっけか。

 

「君たちが今起動させているトリガーホルダーには各自の適正に合わせた戦闘用トリガーがひとつだけ入っている。その左手の数字は君たちがどれくらいトリガーを使いこなしているかを表す数字と思ってくれ。そして、その数字を4000まで上げることがB級昇格の条件だ」

 

 もちろん雪ノ下、由比ヶ浜、一色は全員1000。他の隊員達も同様に1000だ。

 

「ポイントを上げる方法は二つ。一つは週二回行なっている訓練生だけの合同訓練でいい結果を残すこと。もう一つは個人のランク戦でポイントを奪い合うかだ。では、これにてオリエンテーションを終了する。みんなが正隊員になり活躍することを願っている。頑張ってくれ」

 

 忍田本部長がそう言ってオリエンテーションは終了となった。オリエンテーションが終わるとまず最初の合同訓練が始まる。ボーダーに勤めている一般の職員が先導して訓練室に行くようだ。

 流石にそこまではついていけないため、三人と別れた俺は個人ランク戦のブースに向かった。

 防衛任務は14時からで、今は11時。だいぶ暇だ。

 

「誰かいないもんかね……」

 

 正直柿崎さんや嵐山さんを別とすれば新しくB級隊員になったやつに興味はない。どうせ戦っても勝つ、というか勝たないとダメなんだが、最悪そいつの心を折ることにつながりかねず、それはボーダーの戦力ダウンにもつながる。なのである程度の実力を持つ俺は相手も選ばなければならないのである。

 ……なんか俺って強いんじゃね?とか思ってしまうがそんなことはない。敵わない人だって割といる。例えば……。

 

「ん?比企谷じゃねーか。暇か?よし暇だな。ランク戦するぞ!」

 

 この人とかな。

 太刀川慶。

 高校一年の先輩で半年前のボーダーができたばっかりの頃に入隊してきた人で、先ほどの忍田本部長の弟子である。ちなみに俺も弟子と言えば弟子。全然習ってないし最近は書類整理とかでしか接点がないが。

 忍田本部長は俺の両親よりも前から旧ボーダーで活動を続けてきており、黒トリガーを除いたボーダーのトリガー使いとしては最強に位置している人だ。何度も戦ったことがあるがまだ数本しかとったことがない。それもまぐれがほとんど。まともにとれたのは一つぐらいだろうか。

 そんな俺に比べ太刀川さんはすでに数十本はとっている。そりゃまあ自分から弟子入りして数え切れないほど戦っているのもあるが、戦闘センスがズバ抜けている。

 

「いいっすよ。本当に暇なんで」

 

「よし、じゃあ俺は101に入るからな」

 

「俺は103ですね」

 

 ランク戦のブースに入り、対戦相手の中から孤月:13685を選び、申請する。

 承諾の意が画面に表示され、転送が開始される。

 ステージは市街地A、10本勝負だ。

 

 

***

 

 

 あまり距離が離れていなかったためお互い視認できる位置まですぐに近づいた。

 

「よっしゃ、一丁斬りあおうぜ!!」

 

「はあっ!!」

 

 お互いの弧月がぶつかり合い軽く火花を散らしたかと思えば、太刀川さんは俺の弧月を抑え込みにかかる。力と剣の技術では完全に差があるためこのままでは不利だ。

 

「アステロイド!」

 

「おっと」

 

 一旦距離を取るために通常弾のアステロイドを放ち太刀川さんから離れる。

 弾の着弾で煙が起きて太刀川さんの姿が見えないためレーダー頼りで位置を確認しつつ距離を取る。

 通常弾とは言えども当たればトリオン体を蜂の巣にできる威力があり、かなり至近距離であったが、どうやら太刀川さんはシールドを展開していたらしく、右肩から少しだけトリオンが漏れ出しているだけで大したダメージは与えられていなかった。

 まあ、最初の目的である離れることができたのだから良しとしよう。

 

「相変わらず判断が早いな。サイドエフェクトのおかげか?」

 

「それでもダメージ全然与えられませんけど」

 

「そりゃあ、この程度ならな。お前だって同じ状況なら俺と変わらないだろ?」

 

「……それもそうですが」

 

 この程度で終わりならボーダー隊員を続けていくのは厳しいものがあるだろう。近界民とは違い対人戦だとは言っても戦闘に変わりはないのだから。

 

「んじゃ続きと行くぞ!」

 

 そう言って太刀川さんは弧月を光らせてこちらに遠隔斬撃を放ってくる。

 旋空だ。

 弧月のオプショントリガーで瞬間的に攻撃を拡張するトリガー。

 太刀川さんの旋空は正直頭おかしい威力をしており、一度距離を誤り回避が遅れれば即真っ二つになってしまうのだ。何それ怖い。

 なんとか旋空を回避して距離を詰める。

 

「バイパー」

 

 俺が変化弾で四方八方から攻撃を仕掛けるもシールドで防ぎながら近づいてくる太刀川さん。

 

「旋空弧月」

 

 さすがにバイパーではどうすることもできず旋空を放つ、が、全く同じ軌道に旋空を撃たれ俺の旋空は霧散してしまった。

 おいおい同じ軌道って変態かよ?俺できないよ?

 

「よしよし、悪くないな。それじゃそろそろ決めさせてもらうぜ!」

 

 太刀川さんが旋空を放ちながら弧月を手に走ってくる。

 俺は旋空をかわしながら距離を取りつつアステロイドやバイパーを放つが、どれもかわされるかシールドで受け止められる。だめだ、これ勝ち目なくね?

 ならば相打ち覚悟だ。

 

「旋空弧月」

 

「旋空弧月!」

 

 太刀川さんが打った瞬間に俺も旋空を放つ。

 旋空を打つ瞬間は誰しもが無防状態。シールドも展開できなくは無いのだが、いかんせん旋空の威力の方が高いためほぼ意味をなさない。よって互いの身体能力によっての回避しかない。

 が、俺は先ほど旋空を撃ってしまった直後に太刀川さんの旋空が到達したため防ぐ手段がなかった。よって真っ二つになる俺。

 

『活動限界、ベイルアウト』

 

 飛ぶ前に俺の旋空がどうなったか知りたかったため太刀川さんの方を見ると右手がなくなっていた。

 相打ち覚悟で行ってもこれかよ………。

 

 

***

 

 

 結果、対戦は8ー2で太刀川さんに負けた。

 未だに勝ち越したことがないが、強い人とランク戦をすればその分自分も強くなれるためかなりの回数戦闘をしている。

 いつの日か、太刀川さんも隊を組んでくるはずだ。その時までには俺が互角以上になっていなければうちの隊は太刀川隊に勝てない。多分。もっと努力しないとな。

 

「比企谷、前より強くなってるな。それでも、次も俺が勝つけどな!」

 

「いえ、次は勝ち越しますよ」

 

「言うじゃねえか。またやろうぜ」

 

「はい」

 

 こうして俺は太刀川さんとランク戦をした後オリエンテーションを終えた雪ノ下たちと合流し、後ほどサイゼで落ち合うことを決めたあと、一人で防衛任務へと向かったのだった。

 今日も金稼ぎの時間、スタートだせ!

 




うーん最後らへん頭働いてないの丸わかりやーん。
誤字脱字とありましたらよろしくお願いします。

また明日!

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