やはり俺達のボーダーでの生活はまちがっている。   作:シェイド

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2026/4/6 改稿


ボーダーでの奉仕部
雪ノ下隊⑤


 俺と小町が、両親を失ってから4年。

 また、雪ノ下隊がA級に上がってから1年が経とうとしていた。

 そんな今日は4月6日。高校2年生に進級した後の始業式である。

 始業式なんてのは、校長先生の長い眠たくなるような話を聞き、生徒会長やらなにやらの言葉も聞き、校歌を歌わされて帰らされる日だ。

 ただ、今のうちの生徒会長は、B級王子隊の射手である、蔵内先輩である為、去年みたいに退屈ではなかったけど。

 長い始業式を終えて、早速帰ろうと2-Fの教室から出ていこうとする。

 その時。

 

「待ってヒッキー!」

 

 振り返れば、ピンク髪のお団子頭娘が目の前にいた。

 由比ヶ浜結衣、同じ雪ノ下隊の銃手である。

 個人(ソロ)ポイントは、8000点(マスタークラス)にようやく届いているくらいだが、俺と同じで集団戦にとことん強い。あの怪物、二宮さんを奇襲で落としたことがあるくらいなのだ。

 雪ノ下とのコンビネーションも抜群であり、連携だけで言えば辻と犬飼先輩のコンビに引けを取らない。ボーダー随一と言えるだろう。

 相手を引き付けたりすることや戦闘状況を操ることなどは苦手としているが、小町のサポートを受け、相手への脅威になっていることは確かである。

 

「うおっと」

 

「あ、ごめんねヒッキー」

 

「気にすんな。ちょっと近くてびっくりしただけだから」

 

「うん。…あ!今からボーダー行くんでしょ?一緒に行こうよ!」

 

「行くというか、自分の家なんだよなぁ」

 

 俺と小町は、4年前に起きた近界民の大規模侵攻により、両親と家を失った。

 幸いにも、界境防衛機関(ボーダー)の前組織に両親が所属しており、俺もある程度は手ほどきを受けていた為、妹の小町と共に、ボーダーで生活を送りながら、B級隊員として活動をしていた。

 だが、ただの中学生が妹を養いながら任務に出て生活を送っていくなど、今思えば無理があった。防衛任務を入れられるだけ入れた上に、年齢を偽りバイトまでしていた時期もあった。周りの大人に止められても俺は止まらず、小町の注意も碌に耳には届かなかった。

 

 そんなある日、中学で部活を共にしていた雪ノ下と由比ヶ浜、生徒会長であった一色と妹の小町に諭され、今のまんまでは駄目だと目が覚めた俺は、奉仕部へ依頼という形で雪ノ下隊を結成。

 俺の隊務規律違反や雪ノ下のB級での全勝宣言などもあったせいか、当初の予定より大幅に遅れたA級昇格となったが、今では固定給のおかげで生活も落ち着き、学校にも楽に通えているのである。

 めでたしめでたし。

 

 

***

 

 

 由比ヶ浜と2人でボーダーに着き、雪ノ下隊の隊室へ向かう。

 隊室の中に入ると、既に先に学校が終わっていた小町がいた。

 

「あ、お兄ちゃんに結衣さん。学校お疲れです」

 

「やっはろー小町ちゃん。中学校の方はもう終わったの?」

 

「はい、結構早かったです!」

 

「小町ちゃん中3なんだから、ちゃんと勉強もしなさいよ」

 

「ふふふ、小町にはボーダー推薦なるものがあるのだ!わざわざ勉強なんてしなくても…」

 

「…太刀川さんみたいになるぞ」

 

「小町勉強大好き!雪乃さんにも教えてもらおっかな♪」

 

 さすが小町。太刀川さんの駄目人間さをよく理解していらっしゃる。

 今期のA級1位、太刀川隊隊長の太刀川さんは、個人ランキングの攻撃手&総合で1位である戦闘の天才で、俺の兄弟子でもある。

 だがあの人、剣の腕以外は見習うところが餅を焼く技術ぐらいしかないからな。幼馴染である月見さんからは、剣以外の全てを見ない方がいいとまで言われたが…何も反論出来なかった。

 唯一、餅を焼くことだけに関して言えば、うちの隊長である雪ノ下であろうとも敵わない。前に雪ノ下の負けず嫌いが発動し、多くの隊員にどちらの焼いた餅が美味しいか勝負をしていたが、惨敗していた。由比ヶ浜が慰めてたな、トリオン体で爆食いしてたから、後で体重ヤバいことになってたらしいけど。

 確かその日に、雪ノ下が初めて太刀川さん相手で勝ち越せたんだったな。

 

 ちなみにだが、雪ノ下隊の隊室は、他の隊の隊室よりも倍ぐらいに広い。

 理由として、俺と小町の家も兼ねている、ということなんだが部屋が広いせいで溜まり場になってしまっている。昨日なんて、3馬鹿(弾、槍、迅)がゲーム持ち込んでいたからな。

 それに俺も加わり朝方まで騒ぎ倒してしまい、4人で雪ノ下に怒られたのは言うまでもないだろう。

 自分の部屋へ戻り、鞄やら貰った書類を整理してからリビングに戻ってくると、ソファーに見慣れた亜麻色髪の少女が座っていた。

 

「あ、先輩、ただいまでーす!今から狙撃手の練習会あるんですけど、先輩も来ませんか?」

 

 一色いろは。俺と雪ノ下、由比ヶ浜で中学の頃にやっていた奉仕部に依頼人としてきた人物で、以降勝手に奉仕部に居座るようになった。

 知らず知らずのうちに、雪ノ下や由比ヶ浜、小町と仲良くなり、一緒にボーダーに所属すると言ってきた。可愛い顔をしておきながら、戦闘では佐鳥のなんちゃってツインスナイプを、当たり前でしょみたいにガチでやっちゃう子である。1発目を躱した先に、時間差で狙撃を撃ち込んでくるとか嫌にもほどがある。仲間で良かったよ、相手にいて欲しくない。

 

「おう、なら行くか」

 

「お米ちゃーん、ちょっと先輩借りてくねー」

 

「だから小町はお米じゃないですって!!」

 

 いつもながらの掛け合いをしている2人を微笑ましく思いながら、俺と一色は狙撃手合同訓練へと向かうのだった。

 

 

***

 

 

 狙撃練習では7位という結果に終わったが、一色が3位でドヤ顔してきたのは頭にきた。

 今度、スコーピオンの練習とか口実つけてボコボコにしてやる。

 隊室へと戻ると、部屋をいい香りが包み込んでいた。

 

「あら比企谷君。合同訓練は終わったのかしら?」

 

「おう。一色が3位で、俺は7位だった。本職じゃないとはいえ、一色に負けたのはくるものがあるぜ…」

 

「鍛錬を積むしかないでしょう。スナイパーこそ、日々の鍛錬の積み重ねなのだから。器用に色々とこなして7位なら上出来よ」

 

「まあ、そう言われればそうなんだが…」

 

「…紅茶、いるかしら?」

 

「…いる」

 

 雪ノ下雪乃。

 A級9位の雪ノ下隊隊長であり、万能手である彼女はボーダーでもトップレベルの実力を誇っている。

 基本は、弧月の一刀流にアステロイドを使うスタイルだが、腕を切り落とされたらスコーピオンへと戦闘に対する切り替えや判断が早い。B級の頃は、弧月同士の対決で何とか俺が勝っていたが、途中から俺がメイン武器をスコーピオンに切り替えたこと、雪ノ下の成長速度により、今では剣だけだと全然勝てない存在だ。

 

「…どうぞ」

 

「おう」

 

「今年は交通事故にあわなかったようね。事故谷君としては順調な滑り出しだわ」

 

「おい、事故谷とか言うんじゃない。事故起こしまくってるヤバい奴みたいになっちゃうから。違うからね?俺は不可抗力だからね?」

 

「…自分から猫を助けた癖に何を言っているのかしら」

 

「…返す言葉がありません」

 

 中学の頃は、由比ヶ浜の家の犬を助けようとして雪ノ下の家の車に轢かれたが…高校1年の入学式の日、今度は猫を助けようとして、信号無視をしたトラックに轢かれてしまった。

 信号無視なんてすると思わなかったってのもあるが、即座に反射でトリガーを起動しようとも思った時頭に浮かんだのは規定違反だ。

 そりゃあ、死にそうな時はした方がいいだろうけども、A級に上がったばかりかつ、前回の昇格後、すぐ規定違反をしB級に逆戻りになったことを思い出して、トリガーから手を離してしまった。

 結局、悪いのは俺っていうことになるのか。いや、信号無視したおっさんが悪いな。俺は悪くない。

 

「私達だけでランク戦には挑んだけれど、A級の壁は予想よりも高かったわ。一時は4位まで上がれたけれど…」

 

「単純に相手からしたら対戦したことないようなチームだっただけで、途中からは慣れてきたのか負け続きだったものな」

 

「…今度は上を狙うわ」

 

 負けという言葉に反応したのか、雪ノ下は強く気持ちのこもった声を出す。多分、悔しいのはみんな同じだ。

 俺は約2ヶ月の入院生活に加え、トリガーの勘を取り戻すまで思っていたよりも手間取ってしまった。最後の方は頑張れば出られたが、雪ノ下に却下されたことで、A級ランク戦は次のシーズンが初めてとなる。

 

「目標は?」

 

「1位、と言いたいけれど9位の現状から考えると3位を目指すのが現実的ではないかしら。ボーナスポイントもない私たちはより多くのポイントを必要とするもの。無謀なことはしなくていいわ」

 

「…珍しいな。お前なら『何を言っているのかしら比企谷君、1位以外にあり得るわけないでしょう』くらい言いそうなものなのに」

 

「その気持ち悪い声は私の真似かしら?前にも言ったけれど、不愉快だからやめてもらえる?」

 

「すいませんでした」

 

 流石に気持ち悪いか。けど、声真似ってちょっと楽しくてついやってしまうんだよね。

 その後、雪ノ下とお互いに無言で本を読んでいると、隊室に人が入ってきた。

 

「あ、やっはろーゆきのん!」

 

 早速と言わんばかりに由比ヶ浜が雪ノ下に抱きつき、雪ノ下は困ったような表情になる。

 

「結衣、あまり近い距離は…」

 

「えっ…」

 

「い、いえ、大丈夫よ」

 

「ゆきのーん!」

 

 相変わらず百合百合してることで。目の保養です。

 

「あ、ヒッキーも戻ってたんだね」

 

「俺はついでなのかよ。まあ、気持ちは分かるけどな」

 

「分かるんだ!?」

 

「それよりなんだ、一色に小町まで戻ってきて」

 

「ふっふーん、先輩より順位の上だったいろはちゃんですよ~」

 

「いろは先輩うるさいです。邪魔です」

 

「な!お米ちゃん酷いこと言うね!」

 

「お米じゃなくて小町です!雪乃さん、依頼者がきました」

 

「そう。中へ通してくれるかしら」

 

 雪ノ下はそう言いながら、紅茶を客用のカップに注ぎ、小町が依頼者を中に入れる。

 俺たちも雪ノ下側に集まったところで…

 

「ようこそ奉仕部へ。早速だけれど、どんな依頼かしら?」

 

 これは、雪ノ下隊兼奉仕部inボーダーの少し変わった青春物語である。

 

 

***

 

 

人物紹介。

 

A級9位雪ノ下隊。

 

万能手 雪ノ下雪乃(隊長)

 

年齢:16歳 高校2年生

誕生日:1月3日

かぎ座 B型

座右の銘「目には目を、歯には歯を」

 

 トリオン:7

   攻撃:10

防御・援護:8

   機動:6

   技術:9

   射程:4

   指揮:9

   特殊:1

 トータル:54

 

メイン:弧月(改)、旋空、シールド、スコーピオン

 サブ:アステロイド(改)、ハウンド、シールド、バッグワーム

 

個人ポイント

弧月:11430

アステロイド:7610

スコーピオン:8106

ハウンド:6574

 

 

 

完璧万能手 比企谷八幡

 

年齢:16歳 高校2年生

誕生日:8月8日

ぺんぎん座 A型

座右の銘「押してだめなら諦めろ」

 

  トリオン:12

    攻撃:11

 防御・援護:6

    機動:6

    技術:11

    射程:8

    指揮:3

    特殊:1

  トータル:58

 

メイン:スコーピオン(改)、バイパー、シールド、バッグワーム

 サブ:スコーピオン、バイパー、シールド、ライトニング

 

サイドエフェクト:『強化神経』

 

個人ポイント

スコーピオン:8162(規律違反により-10000)

弧月:6923(規律違反によりー10000)

バイパー:11472(規律違反によりー5000)

アステロイド:7710(規律違反によりー5000)

メテオラ:8098

ハウンド:6066

アイビス:8501

ライトニング:7219

 

 

 

 

銃手 由比ヶ浜結衣

 

年齢:16歳 高校2年生

誕生日:6月18日

うさぎ座 O型

座右の銘「命短し恋せよ乙女」

 

  トリオン:6

    攻撃:9

 防御・援護:11

    機動:6

    技術:6

    射程:4

    指揮:1

    特殊:2

  トータル:45

 

メイン:アステロイド(突撃銃)、メテオラ(突撃銃)、シールド、バッグワーム

 サブ:徹甲弾(突撃銃)、シールド、レイガスト

 

サイドエフェクト:『感情識別体質』

 

個人ポイント

アステロイド:8374

メテオラ:8257

レイガスト:4089

 

 

 

狙撃手 一色いろは

 

年齢:15歳 高校1年生

誕生日:4月16日

はやぶさ座 B型

 

  トリオン:6

    攻撃:8

 防御・援護:8

    機動:5

    技術:8

    射程:9

    指揮:3

    特殊:1

  トータル:48

 

メイン:イーグレット、シールド、バッグワーム、スコーピオン(改)

 サブ:イーグレット、アイビス、シールド、ハウンド(改)

 

個人ポイント

イーグレット:9907

アイビス:7941

スコーピオン:4409

ハウンド:5380

 

 

 

オペレーター 比企谷小町

 

年齢:14歳 中学3年生

誕生日:3月3日

みつばち座 O型

座右の銘「使えるものは兄でも使う」

 

  トリオン:2

  機器操作:7

  情報分析:7

  並列処理:7

    戦術:6

    指揮:6

  トータル:35




設定上、多少強くされていますが、個人として黒トリガーに勝ってしまうことはありません。今後に期待。
チームだったら、相性良ければワンチャンかな?遊真には勝てなさそう。

八幡自体の戦闘力としては、1対1より集団戦の中で、ポイントをかっさらっていくスタイルが強いので、人数が多ければ多いほど厭らしさを発揮する感じですかね。

個人戦だと、太刀川さんに二宮さん、弓場さん辺りにランク戦に連れていかれてはバトってるみたいです。最近入った新人隊員たちには「なんだあの腐り目」と不気味に思われているようです。
三馬鹿とは好敵手感あるけど、歴の長さ的には勝ち越してて欲しいところ。
木崎さんや鳥丸、小南辺りには勝ち越せないぐらいですかね…状況次第で変わるんでしょうけど。

気が向いたら更新していきたい。
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