やはり俺達のボーダーでの生活はまちがっている。 作:シェイド
今日の依頼者は、出水公平。
A級1位に君臨する太刀川隊の射手で、弾バカとまで称されるほどの射手トリガーの使い手。最近の流行である合成弾の開発者であり、本人曰く「やってみたらなんかできた」らしい。
これだから天才は…はぁ、やれやれだぜ。
そんなイケメン弾バカ野郎は、一体どんな依頼をしにきたというのか。
「それで、依頼は何かしら?」
「ランク戦で敵となるお前らに頼むのは間違っているかもしれないが…唯我を強くしてくれないか!」
「なるほど」
A級1位の太刀川隊は、最近になってメンバーが変わったのだ。
万能手でトップレベルの使い手だった烏丸が、本部から玉狛支部へ移籍するにあたり太刀川隊から抜け、それと入れ替わるようにボーダーを支援する有力スポンサーの息子、唯我がコネで太刀川隊に加入した。
最初からスポンサーの息子であることを示し、自身が隊長になろうとした唯我だったが、出水にドロップキックを食らわされ強制的に模擬戦をさせられ、泣き叫んで謝り倒すほど太刀川さんに斬られ続けたらしい。
それで辞めていないのがこれまた凄いよなぁ。これまで大企業の息子としてしか接してこられなかった人生で、初めて唯我自身を見てくれる、分け隔てなく相手をしてくれる太刀川隊だからなのかもしれないが…本人に聞いたことないからわからんけど。なんとなくだが、そんな気がする。
「確か、唯我君はB級隊員のレベルにすら到達していないのよね?」
「おう。この前入ってきた黒江ちゃんとかなら、一瞬でボコボコにできるだろうな」
「…今はどこかの誰かさんが勝手をしてかなり鍛えてしまってるからか、異常なスピードで成長を続けているのはログを見ても明らか。更にボコボコにしそうね」
「えっと誰のことですかねぇ…?…いや、悪かったって。つーかお前ら、前回の依頼の時何してたんだよ?俺が加古さんの殺人炒飯で堤さんと太刀川さんと死んでる時間があったろ」
「太刀川さんも顔色悪かったけど、あれ殺人茶炒飯食べた後だったわけだな、納得だわ」
「黒江ちゃんを誘い出す為に使えると思って、好きそうなお菓子を買いに行っていたわ。最初から誘いを断っている人に対して、別の角度から仕掛けようって由比ヶ浜さんが言い出したのよね…女子会から始めよ!って言ってたわ」
「初対面なことと年齢考えたら、アウト判定じゃねえか。無知な子どもを誘い込む大きなお友達とか、ストーカーの手口だぞ」
「貴方みたいに気持ち悪くないから大丈夫よ。私、可愛いから」
「はいはい可愛い可愛い」
雪ノ下は自分の綺麗さや可愛さを自覚してる上で、容姿も利用する強かさを身に着けてきたからか、こういうことも言うことが増えてきた。実際めっちゃ可愛いから否定できねえ…。
「はぁ、全くこの男は…」
「比企谷…この朴念仁め、くたばれ」
雪ノ下はこめかみを抑える仕草をし(それも様になりすぎている)、出水は意味の分からないことを言ってくる。
俺何もしてねえだろ、おかしいな…何か気にすることがあったのか?
「さて、依頼の話に戻るけど、唯我くんが弱すぎるままでランク戦開始を迎えても、張り合いがなくて困るのだし、奉仕部の理念からは少し逸れるけれど…。いいわ、その依頼受けるわね」
「お、マジで?サンキュー!…しかしまあ、雪ノ下も言うようになったもんだな?どこがうちに勝てると?」
「あら、聞こえなかったのかしら。私は雪ノ下隊が太刀川隊相手に勝つ以外にない、と思っていたのだけど?」
「はんっ、上等だ!なんなら今からランク戦して白黒つけるか?」
「いいでしょう。今日こそ圧勝してあげる。じゃあ比企谷君、唯我君のことはよろしく頼むわね」
こいつら3年前の新人王を争ってからというもの、ライバル関係のままだからな。未だに勝率が五分とか負けず嫌いにもほどがある。
…って。
「いや…最近は俺、銃もう使ってないんだけど?由比ヶ浜にやらせろよ。同じ銃手だろうが」
「結衣は…参考にならないでしょう?」
「…それもそうだな、悪かった」
うちの銃手である由比ヶ浜結衣は、銃を持つと性格が変わるタイプだ。普段の誰にでも見せる優しさは、どこに捨ててきたんだと言わんばかりに笑顔で敵に銃撃を浴びせていくのである。
加えて、乱戦状態の中にバッグワーム状態での突っ込み奇襲
地味に近接戦になったら、レイガストで粘るから余計質が悪い。剣として使ってるとこ見たことねぇけど…。
んで、雪ノ下が到着したら、レイガストを捨てて援護に回る。2人のコンビネーションはボーダーでも屈指だし。二宮さんとこの、
雪ノ下と出水はランク戦をしに出て行った。由比ヶ浜は今日、学校の友達と遊びに行っていると聞いたし、一色と小町はオペレーターたちと女子会中だ。
結局1人なのね…最近1人対応の依頼多いな…なんでだ…って言いながらも他の業務に重ねてちゃんと動くあたり、両親の社畜ぶりを受け継いでしまっている。社畜精神、ここに極まれりだ。
太刀川隊の隊室は、同じA級ということもあり、案外近くにあるのでさほど苦労せずに辿り着く。
「お邪魔しまーす」
「おや…このA級1位!のチームに、何の用だね?」
うわぁ……。中に通してもらって入った瞬間から、玄関になんかいたんだけど。
コイツが件の御曹司、唯我尊か。めっちゃ偉そうだな。
「おっ、比企谷じゃねーか。なんだ?ランク戦の誘いか?」
「違います。出水がうちに依頼で、唯我を鍛えてくれと伝えてきたのでその件で来ました」
声がした方を向くと、奥の方から太刀川さんの姿が見えていた。あれ?確か大学のレポートの件で風間さんが探していたが…まぁ、俺の関与するところじゃないな。いつも怒られるのは太刀川さんだし。
「唯我を?必要なくね?」
「はっはっは!やはり私の素晴らしい実力に…!」
「半人前どころか、人の10分の1もない強さだぞ今。そっからやっても意味なくね?」
「容赦のないフェイント!!辛辣!!」
太刀川さんの辛辣な言葉に、ダメージを受けたのか地面へ崩れる唯我。
でもまぁ、実際その通りだしな…。
出水に唯我の戦闘記録を見せてもらったが、あれは戦闘とかの問題じゃない。最初から負けに行ってる。相手にどうぞ勝ってくださいと言っているようなもんだ。
「そうかもしれないっすけど、一応依頼なんでちゃんとしますよ。うちの隊長が、張り合いがないのは困るって言って受けちゃいましたから」
「ほーん?雪ノ下は異常な負けず嫌いな性格してるし、だからってのもあるんだろうがよ。唯我1人くらい、ハンデでちょうどいいくらいじゃねーか。今度の1対1の1dayトーナメントで、雪ノ下にそれを思い知らせてやってもいいか?いいよな」
笑いながら、太刀川さんが闘志をむき出しにしている…雪ノ下、頑張れ!多分、ご愁傷さまだ!
未だ、地面に這いつくばっている唯我は、現時点で確かにお荷物だろう。しかし、前に鳥丸がいた在籍していた時の太刀川隊は、ほんと意味わかんないぐらい強かった。初代東隊並みにチートだと、B級ランク戦で良かったと心底思っていたくらいだし。
近接最強の太刀川さんに、天才射手の出水、絶妙に手の届かないところにサポートを入れ、自身も十分な攻撃力を持ち点を取れる鳥丸。一体誰が勝てるんだって話だ。
現在は鳩原さんの一件でB級に落とされた二宮隊だが、昨シーズンまではA級にいた。しかし、射手最強である二宮さんが率い、
初代東隊であれば、勝てていたかもしれないが…どうかな、他の条件次第では負けるかもしれない?勝ったり負けたりで凄い戦闘になるのは間違いない。
そういえば1回、隊務規定違反しすぎだと、B級だったのにA級同士の部隊対決時に個人で突っ込まれた時あったな…あれお灸据えるとはいえ、フルボッコにされたぞ。しかも部隊変えて5回もしやがって…初めてボーダー辞めるか考えたぞ。まあ、そのおかげでA級隊員達の動きは大体掴めたし、各部隊、誰を爆破させるかの優先順位が確定したがな。
そんな太刀川隊は半年前、鳥丸の脱退により戦力を低下させ、更には唯我というお荷物を抱えた。だが、それでも勝ち筋が見えない。唯我を落として時間切れまで逃げ回った方がいいかもしれないぐらいには、太刀川さんと出水だけで過剰な戦力だ。そうやって唯我だけを落として撤退するような部隊がA級にいないからこそ、全員がお互い、力をつけることができているとも言えるが。
「あれですか。参加したくなかったんですけど…うちの隊、全員強制的に参加させられたんですが」
「そりゃお前ら、かなり強いからな。正直なとこを言えば、お前が昨シーズンに雪ノ下隊にいて参戦出来ていたら、どうなってたか分からない」
「…だとしても、太刀川隊と二宮隊には勝てなかったと思いますよ。風間隊も微妙なとこですし」
「それでもだ。少なくとも順位は変わってたって。つーか他には勝てるって思ってんのかよ、草壁あたりに聞かれたらまた説教されるぞ」
今季のスタートはA級9位である雪ノ下隊だが、前々回シーズンのB級ランク戦で、全勝し昇格するという、かつてない偉業を達成している。
まぁ、風間隊がA級に上がった後なんだけどね。カメレオン怖すぎるし、毎回俺斬られるし。
バイパーでカメレオンを解除させるまではいいんだが、なんでか風間さん毎回ちゃんと俺から落としに来るからね。流石に転送位置が遠すぎたら別だけど。
風間さんと菊地原に気を取られていたら、後ろからカクレオン状態の歌川に斬られるという。そして毎回、俺のことを舐めている菊地原にスコーピオン(改)を投げつけ、爆散させるとこまでが一連の動きだ。いつもそうなるから、雪ノ下達は俺が落とされるまで他の部隊を攻撃するようになってしまった。小町も最低限しか支援してくれないし…サイドエフェクトを鍛えるのは使えるが、公式戦ってのがなぁ…でも公式戦だからこそ、本番さながらの緊張感でやれているから、サイドエフェクトも伸ばせたのかもしれない。
それに、スコーピオンの師匠である風間さんが、俺のことをそれだけ警戒してくれているってだけで、かなり嬉しいものだけど。
「当たったらお手柔らかにお願いしますよ。じゃ、そういうことで唯我鍛えますんで」
「訓練室使うか?俺やり方さっぱりだが」
「俺出来るんで大丈夫です。それと、そろそろ逃げた方がいいと思います」
「ん?」
「風間さんが太刀川さん探してたんで。レポート、出してないんでしょ」
「げっ!バレてやがる…サンキューな比企谷。俺は逃げるぜ!」
青い顔をした太刀川さんは、一目散に隊室を出て逃げていったが、少ししてから遠くの方から『やめろー!俺が何をしたって言うんだ!!』なんて聞こえてきたから、多分捕まったんだろうな。
忍田さんと風間さんにお説教されているであろうA級隊員最強へ心の中で合唱をし、俺は唯我を鍛えることに専念することにした。
「おい、そこの御曹司」
「君!どこの誰だか知らないが、唯我財閥の僕にそんな口の利き方をしてただで済むと思ってるのか!」
「ボーダー隊員になった時点で、御曹司だろうがなんだろうが関係ないんだよ。強いか弱いかだ。あと死なないで動けるかどうか」
「な、なんだと!」
「出水にまた蹴られるぞ。あと合成弾で穴だらけにされる。それが嫌なら、とりあえず今使ってるトリガー構成を教えてくれ」
「は、はい」
出水のことが余程怖いのか、名前を出しただけで大人しく話し出して教えてくれる唯我。後輩に容赦ねえなあいつ。てか何したらここまで怖がられてんだよ。
唯我のトリガー構成は、メインがアステロイド(拳銃)、カメレオン、シールド。サブにアステロイド(拳銃)、シールド、バッグワームだった。
見る限り、両手の拳銃で攻撃するんだろうか。…カメレオンとかなんで入れてるの?これって、動ける人だけなら有効だけど、大体の人は使いこなせないんだぞ?
風間隊を見てカッコいいと思い、自分も使えると思ったんなら今は外させよう。あそこは、菊地原のサイドエフェクトとかいう聴き分け性能チートがあるせいで、凄まじい連携と回避能力が備わっているが、他の部隊が真似しようとしても無理がある。
B級時代、俺もカメレオンを試したことがある。ランク戦で一色に狙撃されてから使うのやめたけど。「てへっ、やっちゃいましたー☆」じゃねえよ、無駄に可愛いからめちゃくちゃ腹立ったけど、部隊練習の時に俺も使ってなかったから、何も言うことが出来なかった。
それにしても、両手拳銃スタイルか。ちょっとかっけえよな。一時期俺もハマったっけ…ランク戦で結構勝ち星上げてたら、噂を聞きつけてやってきた二宮さんにボコボコにされた上、『お前は射手の方が合ってる。銃なんて使うな馬鹿が。もっと射手として研鑽を積め』って言われたキリ、怖くて人の目があるところじゃ使ってないけど。
怖すぎるんだって。圧がすごいよね、圧が。そんな二宮さんに、いくら合成弾を教わるといっても頭を下げてもらっている出水マジぱねえ。
「一先ず、俺と模擬戦な。本気で殺しに来ていいから」
「はい、了解であります!」
いい返事だ。さて、出水の要望にはどれくらいで届くものか。お手並み拝見だな。
***
唯我を鍛え始めて、早くも1週間が経過した。
二丁拳銃スタイルは、以前ある程度のレベルまで至れるメソッドを確立してはいた。あとは、唯我のやる気次第だったんだが…。
最初の頃は、それはもうすぐにヘタレるし逃げ出そうとしていたのに、今では立派にB級隊員と張り合えるくらいまでは成長しただろう。
もう依頼完了でいいよね?よくない?俺も自分のランク戦したいんだよ。拳銃触ったから、久しぶりに弧月との連動練習したいし。
「おい比企谷!こいつ、本当にあの唯我か?」
「おう。個人戦は僕の主義ではない!が口癖の唯我尊本人だ。もうこれで依頼達成ってことでいいよな?流石に1週間ぶっ通しで教え込んで疲れたんだけど」
「B級中位くらいの実力あるよな!?たった1週間でおかしいだろ!何した!?」
「そうか?基礎をすっ飛ばして、ただただ接敵した時の対応を絞って、それを徹底させることだけひたすらに叩きこんだからな。だから、臨機応変な対応は出来ないし、元の肉体を鍛えてるわけじゃないからあれが限界だけど。狙撃とかには弱いだろうな、あれは。シールドの使い方とか隠れ方とかも全然教えてないし」
「十分だろ。昨日戦ったけど、1週間じゃそこまで強くならないと油断してて、一瞬負けるかと思ったぞ。焦った焦った」
「とか言いつつ、しっかりハチの巣にしてただろうが」
「コイツに負けるくらいなら、すぐにでもボーダー辞めるからな。んで?なんであいつ、隊室の隅っこで体育座りしてんの?なんかあったのか?」
「あー、実はだな…」
唯我には武者修行として、一昨日から個人ランク戦をさせていた。
個人戦は僕の得意分野ではない!と言い続けて駄々こねていたが、無理矢理部屋に入れて出入口塞いでたら、しぶしぶといった感じで戦いを始めていた。
ポイントが4000スタートという、B級隊員になってから一度もランク戦をしていなかっただな…とまる分かりだった唯我であったが…B級隊員相手に初めて勝利を収めることが出来ていた。カクレオンを辞めさせてバイパーにしてたからな。手数増えてたし、相手も唯我相手で油断しまくってたのも大きかったが。
その勝てた興奮からか、空いた時間で2日連続ランク戦をやれるだけやり、今ではアステロイド:4468と、2日間にしては、相当高い数値にまで到達した。勝利数としては30くらい。
いや、まさかポイント6000のレベル相手に勝つとまでは、俺も想定していなかった。それだけ全員共通で唯我のことをA級にコネで入った雑魚と見ていたってわけでもあるが…油断してる相手に銃弾叩き込む修行してたし。
その急激な変化と数々の勝利した快感からか、調子に乗ってしまった唯我はアステロイド:8574に挑んでいった。うん…お気づきになる方もいるだろう。そのお相手は、ボーダー内でどこぞのガンマンと並び、猛者としかランク戦をしないと有名である、戦場を駆け抜ける我が隊のピンクの悪魔だ。トリオン体で爆食してる時の姿を見ると、まさにカー〇ィみを感じるから、最初に名付けた人は本当にセンスある。
開始早々、意気揚々と二丁拳銃を構えて突っ込んでいった唯我。しかし、由比ヶ浜が笑顔で
その後も敗北を重ね続け、すっかり由比ヶ浜がトラウマになってしまった為に、ああやって部屋の隅で震えているというわけだ。
調子に乗られても困るところだったから、由比ヶ浜にボコボコにされて助かりはした。だけど、あれじゃあしばらくランク戦出来ないだろうな。高校生になってから、雪ノ下と2人でランク戦に行かないといけない縛りが解かれてから、基本ランク戦ブースで姿見るし。探してたら誰かしらが被害者になっている。あれを撃ち抜ける弓場さんと里見も、どこかイカれてるんだとぼーっと眺めてた時もあったっけ。
そのうち、そういう話もどんどん話していけたらいいな。こらそこ、話せる相手なんていないでしょとか思わない。
「唯我、お前って奴は…なんて無茶なことを。ただ調子に乗った唯我とかウザい以外の感想浮かんでこないだろーし、由比ヶ浜よくやった!」
「後輩大事にしてやれよ…。由比ヶ浜の場合は、カゲさんのサイドエフェクトとと違って、自分に向けられる感情じゃなくて、相手が抱く感情自体を把握しちまうからな。実質レーダーみたいなもんだ。こっちの攻撃を防ぐというよりは、反撃が怖いタイプだし。近距離での不意打ちに対してが異常なんだよ。人がいる位置がわかる時点で、強サイドエフェクトがすぎる。流石に距離制限はあるだろうけど。詳しくは教えてくれないからな…」
「バッグワームつけて奇襲しても、急にぐりんと銃を向けてきて笑顔で放ち続けるの、毎度毎度怖いんだよ。ログ見る時たまに驚きで声出しちまうし。お前の隊にいる女子でまともなの、いろはすと小町ちゃんだけだろ」
「一色も一色で意味わかんない時あるけどな。ツインイーグレットとか佐鳥の真似事かよって思ってたのに、それが通常モードに落ち着いてんだぞ。しかも佐鳥みたいに2人同時に狙うとかじゃなくて、2発で1人の足や腕を確実に削るっていうね。単純に攻撃回数が倍だから有効だとは思うが、常時はちょっと頭おかしい。マミさん目指してんのかな、近界民に頭から喰われないといいんだが…」
「怖え事言うな!あれ俺トラウマなんだぞ…何が女の子たちがキャッキャウフフしてるアニメだ。2度と比企谷セレクトのアニメは視ない」
「許せって。今度サマー〇イムレンダって面白いやつあるから、一緒見ようぜ。米屋とか緑川も誘って」
「…ちなみにどんなやつなんだ?」
「和歌山の離島を舞台にした、島出身の男の子が久しぶりに里帰りして、ほのぼのと過ごしたりヒロイン達との恋愛模様を描いたやつ」
「ほーん、離島系は視たことないな…いいぜ、他2人も声かけとくよ」
…嘘は言っていない。そういうシーンもあるっちゃあるし…ちなみにヒロインとしてなら澪派。自分が好きになるならひづるだろうけど。
とりあえず、唯我を強化するという、本来の依頼は達成した。
…ちょっとばかしピンクの悪魔に対してトラウマがついてしまったが、それくらい許してもらえるよね?
雪ノ下隊で行われた、アニメ鑑賞会後の各人の反応。
出水「ヒキガヤ、ゼッタイニ、ユルサナイ」
米屋「SF系面白いよな、ハッチセンスあるわ」
緑川「迅さんの影とかいるかな!そしたら迅さんが2人だよ!」
黒江「先輩の影は私が貰いますね」
雪ノ下「パンさんの影とか出てくるのかしら?猫ちゃんの影でもいいわ」
由比ヶ浜・一色「いやいやいや!黒江ちゃんにツッコミ入れて!?」
小町「小町この歳で叔母さんかあ…しかも義姉さんが年下とか…」
八幡「馬鹿なこと言ってないで、次はSchool Days見るぞ」
三馬鹿「お前は一旦刺されていい」