バンジョーとカズーイの大冒険 ~ライトノベルアドベンチャー~   作:作者アアアア

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アクセルの街1

「さてと、それらしいものも見つかったわね」

 二人が前に立つのは一枚の絵、足元にはピース型の土台。

 しかし、絵は一ヶ所だけパズルピースの様に穴が空いていた。

「これにジグソーをはめればいいかな」

「そうだったんじゃない?」

「久々だから覚えていないなぁ」

 そう言いつつもバンジョーは土台に乗って貰ったピースを掲げた。

 すると手の中のピースが消えて、絵の穴が消えて一枚の絵が完成。それの下部にタイトルも浮かび上がる。

『アクセルの街』

 それに答える様に隣にそびえる扉がきしむ音と共に開かれカズーイが呟く。

「アクセル? 変わった名前ね」

「とにかく行ってみよう」

 こうして二人は扉の中へと消えていった。

 

 

 

 二人は、パネルの上に光りながら現れると辺りを見渡す。

「ここが街?」

「きったない所ねー」

「とりあえず進んでみよう」

 カズーイはリュックに入りバンジョーは、狭く暗い道を光の射す方へと走り出した。

 路地裏を抜けた二人の目に飛び込んできたのは、石畳の地面に多種多様な種族が通りを往来している街中、まさにファンタジーの世界でバンジョーが感動の声を漏らす。

「ワーオ! まるでファンタジーの世界みたいだね」

「アタイにはゲームの世界に思えるわ」

 リュックから顔を出したカズーイがぼやくが、バンジョーは彼女と話す為に首を後ろに向けさせる。

「ゲームだったら人の話を聞くのが定石だけど……」

「でも、勝手に喋ってくれる訳じゃないのよ。何を話すか決めないと」

「そうだね。カズーイは何かあるのかい?」

「ここはファンタジーゲームの王道。ギルドの場所を聞いて冒険者になりましょう!」

「オッケー!」

 会話を終えてカズーイがリュックの中に入った所でバンジョーが前を向くと、クマとリュックのトリが物珍しかったのか、人々が足を止めて見つめていた。だがバンジョーはそれを気にせずに近くの人に話しかける。

「すいません。ギルドってどこにあるんですか?」

「え? ああ! ギルドね! それだったら真っ直ぐ行って、突き当りを左よ」

「ありがとうございます」

 バンジョーがお辞儀して感謝すると、カズーイが顔を出した。

「よし、ここからはアタイの番ね」

「おっ頼むよカズーイ」

 カズーイの行動を察したバンジョーがノリノリで頼むと、リュックからカズーイの足が生えてきて、これまでと反対にカズーイがバンジョーを背負う体制になると、足早にギルドへ向かって行く。

「何なのかしら……」

 道を聞かれた人はそれを呆然と見ていた。

 

 

 

 こうして道順通りにギルドへ着いた二人はそのドアを開く。

「人がいっぱいいるね」

「酒場が併設されてるのかしら……酒臭い!」

 そこへウェイトレスの女性が声を掛けてきた。

「いらっしゃいませー。お仕事案内なら奥の席、お食事でしたら空いている席にどうぞー」

「あら、気が利いているのね」

「ボクらギルドに入りたいですけど……」

「でしたらこちらにどうぞー」

 内装を見ながら目的の場所に連れられて行く二人。

「あれは……クマ?」

「背中からトリが出てないか?」

 ざわざわとどよめく周囲を無視してバンジョーは、受付に立ち声を掛けた。

「すいませーん!」

「えっ⁉ クマ⁉」

「あたいもいるわよ!」

 受付嬢はカウンター越しに立つバンジョーに困惑しているとカズーイが顔を出した事で混乱してしまう。

「えっ? えっ? クマに背中にトリに……?」

「受付おばさんちょっといい?」

「カズーイ!」

 対応している女性は若く綺麗な人だが、カズーイはずけずけと物言う。

「アタイ達、ギルドに入りたいんだけどいいかしら?」

「でしたら二人? ですと登録手数料に二千エリス必要になりますが……」

「エリス? お金の事かな?」

「アタイは持ってないわよ。おばさん、オンプじゃダメかしら?」

 実は二人はここに来る道中で落ちているオンプも回収していたのだ。

 今後、出る可能性が無いと思うのでここで紹介しよう。

「沢山集めると良い事のあるオンプでーす。扱い酷くありませんか?」

「髭の元配管工が一々コインを拾った事を書く? 所詮アンタはその程度の存在よ」

 カズーイに一蹴されしょんぼりするオンプを他所にバンジョーも考える。

「うーん……お金が入ったらまた来ます」

 そうして二人はお辞儀をしてその場を離れた。

 

 

 

 腕を組みながら歩くバンジョーにカズーイが声を掛ける。

「どうするのよ。お金なんて簡単に用意できないわよ」

「何か簡単に稼げる方法は……」

 バンジョーが辺りを見渡すと、四人席でトランプに興じる三人を見つけた。しかし、二人が興味を持ったのはテーブル上のエリス。二人は迷わずそこに行き、カズーイがいの一番に話しかけた。

「オッサン、そこで何してるの?」

「ポーカーだよ」

 エリスに目を輝かせるカズーイに気づいたのか持ち主であろう男が睨みつける。

「……盗るんじゃないぞ」

「やーね。あたいがそんな事する訳ないじゃない」

「ボクらも参加したいんですがお金が無くて……」

「なーんだそうかそうか、おれがとくべつにかしてやるよ~」

 顔が赤くなっている一人が楽し気に声を掛けてきて二人はその理由を相手の顔色で悟った。

「アンタちょっと飲み過ぎじゃない?」

「へーきへーき、平気だから」

 カズーイがあまりの酒臭さに怪訝な顔をするが、男は平気な態度をしながら話す。

「それに俺は強い! 酔っていれば尚更な!」

「どーだかねぇ……」

「まあまあカズーイ。これで勝てたらボクらもギルドに入れるんだから頑張ろうよ」

「ん、そうね」

 そう言いながら二人は唯一、開いている席に座ってトランプを受け取る。

「ところで、二人? はポーカーを知ってるか?」

「モチロン! 知り合いと一緒にした事だってあるわ!」

「だったら説明はいらないな」

「すいません。掛け金が無いけれど……」

「おおっと! ほらよ」

 酔っ払いはポケットから千エリスを出すとそれを二分割して二人に渡した。

「五百エリスだ」

「たったこれだけ?」

「ギルドに入りたいんだったら、この試練を抜けないとなあ!」

 酔っ払いはそう言って高笑いをしだし残りの二人もバンジョーとカズーイを見つめる。

「久々だから上手くいくかなあ?」

「バンジョー、こういうのは心意気が大事なのよ。さ、始めるわよ」

 こうしてバンジョーとカズーイも加わった五人のポーカーが始まった。

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