加速世界の銀星号   作:ヴィヴィオ

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ダンジョン攻略である!

 

 芝公園地下大迷宮《コントラリー・カセドラル》にニコと共にやってきた。周りは暗く、有象無象が蹲るエネミー達。

 

「さあ、行くぞニコ!」

「ああ」

 

 ニコは拳銃を取り出す。可愛らしいドロッセルのような姿にこの拳銃は凄まじい威力を誇る。同時に多数の銃器を召喚して装備する。本来ならここに許可外装が装備されるはずだが、今は移動の邪魔になる。

 

「移動はどうすんだ?」

「ふむ。ヒカルの背中に乗るのだ」

「おっけー」

 

 ニコことスカーレット・レインを背中に乗せてダンジョンの中を突き進む。重力制御を使った進行方向に向けた落下という移動による高速飛行。ディスティニーがあるからこそできる無茶な速度で突き進む。

 

「うわぁぁぁっ、はええ、はえええよ!」

「ジェットコースターみたいで楽しいな!」

「いやいや、いくらでてんだよ!」

「体感で131キロほどだ」

「こんなところで走る速度じゃねえ!!」

 

 入り組んだ通路を高速で移動し、90℃の曲がり角などは足で蹴って更に加速する。しばらく進むと広い空間にでる。目の前に出現するのは巨大なエネミー。どんどん近づいてくる。

 

「おい! どうすんだ!」

「決まっている。ヒカルの前に現れる全ての者は打ち砕くのみ!」

 

 巨大な蜘蛛型エネミーの頭部に相手が反応できる速度を超えて飛び蹴りを叩き込む。重力制御による加速を行いディスティニーの装甲の硬さを利用した一撃は速度×4×装甲となる。よって、エネミーの頭部は陥没し、蹴りは蜘蛛の内部へと潜り込んで爆散させる。

 

「ふははは、ぬるい、ぬるいぞ!」

「レギオン用のエネミーを一撃とか化け物だろ」

 

 爆散させた勢いを利用してさらに飛び上がる。吹き抜けになった上には無数の蜘蛛型エネミーが存在しているからだ。そいつらを壁を蹴って加速し、縦横無尽に動き回って虐殺していく。

 

「アタシ、やる事ねーな。むしろ振り落とされんようにするのに必死だ」

 

 この部屋の数十体の蜘蛛とボスである蜘蛛を駆逐するまで9分。入口の問題はこれで終わり。

 

「ん? おい、ヒカル」

「なんだ?」

「蜘蛛の巣に隠れてるけどあそこに道があるぞ」

「ほう」

 

 蜘蛛のボスが居た場所の近くに通路があった。飛行するか、蜘蛛の糸を通ってこないと来れないような場所だ。

 

「ふむ。近道かお宝か」

「どっちでもいいし、行っちまおうぜ」

「そうだな。突入!」

 

 隠し通路を突き進む。8時間ほど突き進み、出てくるそれなりのエネミーどもを駆逐して進むと強化外装が何個か手に入った。ヒカルは要らないので全部レインにくれてやる。

 

「いいのか?」

「むしろ、ここに来た目的はヒカルによるニコの強化でもある。なんの問題もない」

「サンキュー。でも、近接武器はいらねえな」

「では、ロータスにくれてやるか」

「それでいいんじゃねえか?」

「うむ」

 

 隠し通路を突破すると光り輝く翼を持つ銀髪の天使が現れた。それが今、白いのと戦っている。いや、動きが鈍いことから何かを白いのにされているのか。

 

「先をこされたのか?」

「ふむ。レインよ、あそこにある台座が見えるな」

 

 ヒカル達はちょうど台座の近くにある2階に出た。現在、下のホールで戦闘が行われている。流石、隠し通路なだけあっていい位置だ。

 

「ああ。王冠が置いてあるな」

「ヒカルが引っ掻き回す間にアレを取ってくるのだ」

「アタシでいいのか?」

「ああ、構わない。小さなレインの方が成功率は高いだろう」

「OK、任せな」

「では、行ってくるのだ」

「え?ちょっ、まっ」

 

 持ち上げたレインを台座に向かって投げつける。同時に女性型のメタトロンが反応して攻撃を行おうとするが、ヒカルが荷物のない全力の超加速を行なって蹴りをかます。メタトロンの動きが白い拘束具で動きが遅くなっていたので間に合った。

 

「なっ!? お前は!!」

「感謝するぞ白いの! これは礼だ!」

 

 蹴り飛ばしたメタトロンを掴んで白いの達の方へ叩き込む。設置型の枷だったようで、重力制御を合わせて壊してやったらメタトロンは嬉しそうに白いの達の中で大暴れをしだした。

 

「感謝しますよ」

「うむ。後で死合おうぞ」

「ええ、いいでしょう。ですが、まずは舐めた真似をしてくれたこの者達から……」

「蹴散らす!」

「ミスリル・スター! また貴方ですか!!」

「ふははは、貴様の敵はヒカルだ!」

 

 ヒカル自身も突入してメタトロンと共に大暴れを行う。もちろん、好きあれば互いに攻撃しあい、その辺の奴らを掴んで盾にする。大混乱が起きたが楽しいひと時だ。蹴散らし終えた後はメタトロンと対峙する。

 

「さて、ヒカルが勝てばお前はヒカルのものになれ」

「テイムですか。いいでしょう。正面から私を下してみなさい」

「望むところよ!」

 

 無数に放たれる光線の雨を重力制御で歪曲させながら駆け抜け拳を叩きつける。相手も格闘戦はできるようで互いに拳と拳をぶつけあう血肉湧き踊る楽しい戦いを行う。今までのエネミーとは違い、ヒカルの全力でも簡単に潰れない。こちらに光の剣で攻撃しながらも無数の光線を連打してくるメタトロンはとても楽しい。

 

「ヒカルのアビリティかディスティニーがなければヒカルの負けであったが、相性はヒカルの方が有利!」

「くっ」

 

 楽しい楽しい戦いは数時間に及んだ。途中で復活してきた奴らはしっかりと処理した。そもそも光線の雨がランダムに飛んでくるのだからたまったものではない。

 

「あ、私の負けですね」

「どうした?」

「守護せし物を取られてしまいました」

「む?」

 

 見ると台座にはレインがザ・ルミナリーを入手していた。何故か強化外装がボロボロになっていたが……はて?

 

「おいこらヒカル! お前絶対私のことを忘れてただろ! 死にながらどうにかだぞ!」

「あっ……」

「やっぱりか!」

「すまない、つい熱くなってしまった」

「ふふ、楽しそうでなによりです」

「というか、人口AI搭載型か、そいつ」

「学習機能もあります」

「……」

「まあ、テイムできたのだ。よしとしよう。さあ、遠足は終わりだ。帰るぞ」

「あいよ」

 

 楽しかった。メタトロンも手に入ったし、強化外装もレインが持てた。これで好敵手が増えることになるのだ。ダンジョンのボスめぐりもいいかもしれない。

 

 

 

 

 

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