この素晴らしい王女様に自由を 作:はるみゃ
雲一つない、晴れやかな青空の下。
「えいっ」
俺は現在進行形で『聖剣なんとかカリバー』でアクセルの町までの道中でも何度か合間見えた巨大カエル――通称ジャイアントトートを斬り飛ばしていた。
ソードマスターになったこともあり、『聖剣なんとかカリバー』を装備した私とカエルとの力の差は以前と比べて更に開いていて。
カエル討伐はもはや剣を振るだけの作業と化している現状。
こうも力の差が激しいと弱いもの虐めしているみたいで罪悪感が沸いてくる。
――いやね、本当はもっと強いモンスターと戦おうと思ったんだよ。
――だけど、さすが駆け出し冒険者の町。討伐系クエストが異様に少なくてね。
――初心者殺しとかグリフォンとかマンティコアとか強そうな名前のモンスターの討伐か
――いくらハイスペックボディとはいえ私は初心者冒険者。しかも初めてクエスト。
いきなり高難易度クエストに挑む無茶はしたくなかったんだ。
――だから私は悪くない……
必死に言い訳を心の中で並べつつ、地中からのそのそと這い上がってきた蛙を斬り飛ばす。
十匹目の蛙が地に沈んだ。
請けたクエストはカエル十匹の討伐。
これにてクエストは完了した。
これ以上倒さなくてもいい。
そう考えると自然と安堵の息が漏れる。
もうカエル退治はこりごりだ。
今もなお、相変わらずのペースで地中からカエルが這い出てきているが無視して。
私はアクセルの町へと帰還した。
◇
「ええっ!? もうクエスト完了したんですか!?」
ギルドに戻った私は、受付のお姉さんに冒険者カードを見せ、クエスト完了の報告をすると、とても驚かれた。
何でも私が請けたクエストは初心者冒険者にはかなり厳しめの内容だったため五日以内に達成できればよかったらしい。
確かに厳しかったな、主に精神的にだが。
私がそんなことを考えているうちに、冷静さを取り戻したのか、お姉さんはコホンと軽く咳払い。先程は失礼しました、と謝罪を入れてから、言葉を続けた。
「確認致しますので、冒険者カードを見せていただけますか?」
冒険者カードには、倒したモンスターの種類や討伐数を記録していく機能があるらしい。
私は自分のカードを見せると、お姉さんはカウンターに置いてあった箱を操作して、頷いた。
「はい、確かに。ジャイアントトートを五日以内に十匹討伐。クエストの完了を確認致しました。ご苦労様でした。……ところで、その仕留めたジャイアントトートの場所を教えていただければこちらで移送して買い取ることが出来ますが、どうされますか?」
運ぶにしては一人じゃ重すぎるし、倒したモンスターをどうすればいいのか疑問に思っていたが、移送サービスがあるとは……。
「お願いします……」
断る理由はない。
即座に了承、場所を伝える。
「では、ジャイアントトート十匹の買い取りとクエスト達成報酬を合わせて二十五万エリスになります」
高っ!?
日当二十五万って……一日で私が貯めてたお小遣いの額を越えたんだが……
カエルって儲かるんだな……
………
……
…。
……前言撤回。
これからもカエルのお世話になりそうです。