この素晴らしい王女様に自由を 作:はるみゃ
「――ッ!!」
「――!」
「――ッ!」
久々に訪れたギルドの中は喧騒に包まれていた。その中心には見たことがない三人。
人の目を惹き付ける容姿をもった青色の髪の少女と、頭にトンガリ帽子を被ったいかにも魔法使いっぽい黒髪の少女。そして、どこか懐かしさを感じる容姿をした茶髪茶目の少年だ。
――って私、今なんで懐かしさを感じたんだろう……
「あ、イリスさん。お久しぶりです」
疑問を抱きながら遠巻きに三人の姿を眺めていると、私の姿に気づいた受付のお姉さんが声をかけてきた。
「どうもお久しぶりです」
「最近姿を見せないものですから心配しましたよ」
「すみません、所用でアクセルを離れていたんです」
まさか兵士達から逃げ隠れていた……など本当のことを言うわけにもいかず、適当にありきたりな理由をでっち上げた。
「あ、そうでしたか。……では、アクセルに戻ってきたということは所用は終わったのですか?」
騙して悪いとは思いつつ、ゆっくりと首を振って質問に答える。
「ええ……といってもまたいつかアクセルを離れる可能性はありますけど……」
兵士達が巡回しに来るのが、あの一回だけとは考えにくい。念のため、予めそう伝えておいて、私は本題を切り出した。
「――それで、あの三人は一体――?」
工事現場働いてた期間
「やっぱり気になりますよね。あの三人はめぐみんさんと、アクアさんと、サトウ カズマさんです。三人ともイリスさんよりも先に登録していたのですが、アクアさんとサトウ カズマさんは何らかしらの理由で最近まで――――」
お姉さんはまだ話していたが、それより先は耳に入ってこなかった。
サトウ カズマ。
明らかに日本人の名前だった。
よく見れば確かに日本人らしい顔立ちをしていた。初見で懐かしさを感じたのはその所為だろう。
――もしかして転生者か……!
同郷の者かも知れない。
その可能性が浮上した瞬間に、少年への興味が氾濫した。
「――――もしかしてイリスさん。彼らに興味を持たれたのですか?」
流石に凝視しすぎたのだろう。お姉さんがそんなことを訊ねてきた。
「ええ……」
「でしたら――確か最近まで、アクアさんとサトウ カズマさんは上級職のパーティーメンバーを募集していたみたいですし……一度同じクエストを請けてみてはどうですか?」
うーん……。どうしようかな。
パーティーは組まないと決めていたが、彼とは話してみたいし……
一度だけなら組んでもいいかな……
……そう思い、立ち上がろうとした時だった。
不意に、三人のそばにいた一人の女騎士に目がいった。
「え……」
何故今まで気づかなかったのだろう。
その女騎士は貴族以上の印である金の髪を持っていた。
それどころか、その女騎士の顔は見覚えがあった。
それは王城にいた頃、私によく話しかけてくれた大貴族の女性だった。
「ララティーナ……なんでここに……」
思わず漏れてしまった声。
しかし、その声は、誰にも届くことなく
『緊急クエスト! 緊急クエスト! 街の中にいる冒険者の各員は、至急冒険者ギルドに集まってください! 繰り返します。街の中にいる冒険者の各員は、至急冒険者ギルドに集まってください!』
運良く、街中に流れたアナウンスによって掻き消された。