偽りの鷹   作:セイ・アオク

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鷹、魔術のイケメンに育成(強制戦闘)されることに…。
本当の戦闘パート、それ故に仕方なし。

(一部追加、修正、補正あり)


マジカライズ・イーグル

ジョーイ達が戦闘を繰り広げる中、俺は街中を走りまわっていた。理由は色々とあるけど、取り敢えず……

 

「なんで買い物袋が無いの!?」

 

一日の締め、有意義な楽しみが詰まった御馳走が、いつの間か消えていた件について。

このまま、見つからずに帰ったらご飯抜きになってしまう。それに、博士は言っていたんだ…

 

「白米か…カズマの料理、楽しみにしてるよ?」

 

そう、笑顔で言ってくれた。だからこそ、見つけないといけない…戦いが出来ない自分が出来る最大の恩返しだから。

 

走る中、俺は戦場の中で食材を探す時点で可笑しいと、頭の中で自負していた。けれど、それしか出来ない自分がいる。

 

昔、スパロボプレイした時は、色々と一般市民・報道陣・政府がいた。守ってくれた筈のスーパーロボットとパイロットに対して、陰険に差別的にやる人もいれば、感謝する人もいた。勿論、今の自分みたいに戦場の邪魔をしてしまう人になってしまうかもしれない。

報道陣もそうだ。自分が本来いる世界と大差なく、真実も偽りも沢山ある。けれど、一生懸命に真実を突き止めようとする人はいる。

政府は……スパロボの中で見ると、情けないくらいにやられ気味で敵に操作される流れがある。でも、それはあまり大差無いのかもしれない。

 

そんな人達に対して、失礼ながら邪険する自分が何処かにいた。それは単純だったのかもしれないし、難しく考えすぎなのかもしれない。もしかしたら、そんな社会情勢が……周りが嫌だったのかもな。

 

走りながら色々と考えに浸っていると、突如として大きな地響きと共に周りの建物や空の色がなくなっていき、まるで白黒のデッサンされたような街並みに変わっていた。そんな状況に走る訳にもいかず、只々俺は立ち尽くすしかなかった。

 

 

 

「まだ、迷い続け、力を封じ続けますか?」

 

「!?」

 

急に聞こえた声に、驚きつつも何処か聞き覚えのあるような気がした。でも、それはこの際どうでもいい…

 

「迷うことが……いけないのかよ」

 

謎の声が言った[ 迷い ]のワードに対して反論する。紛れもない俺の心の叫びであり、戦いと平穏の間で迷い続ける自分に対して…

 

「迷いは何に置いても邪魔でしかありません。それは気を狂わせ、生を死に猶予い、真理を閉すものです」

 

頭に響くような声は、優しくもあったが冷め切ったような物言いだ。本来なら俺なら黙りを決め込む筈なのに、何でか何時もより言葉が口から出てくる。まるで、博士と話しているような……

 

「そうかもしれない。でもな、だからこそ迷うことに意味がある筈なんだ」

 

「・・・・・・・」

 

「今は分からない事だらけだ。だからこそ、一つ一つ選択するしかないと思うんだ。 それじゃあ…ダメかな?」

 

目に見えない声に対して自分の絞り出した答えを言う。だけど、相手の声は何も言わず静寂が続く。何分経ったかも定かない中、声は再度頭に響く。

 

「直ぐそこに戦いが待ち構えています。貴方の敗北への道が……それでも、貴方は迷いながらも力を持ち続けますか?」

 

「…それが今の俺の在り方だから。あのイケメンお兄さんに言われた質問も、まだ答えが分からない。分からない事だらけだなぁ…はは」

 

「今の在り方。日々変化する中で、貴方が何処まで行けるか…彼方から…また…」

 

声が遠のいていくと同時に、周りの建物や空が色を取り戻していく。あの声が何者なのか…なんで俺に話しかけてきたのか。自分が知る人で決定的にコレだと思える人は誰一人もいなかった。

 

 

 

周りは元の地響き前に戻り、取り敢えず俺は行動を起こそうとすると、突如背後から強烈な視線を感じたので急いで振り向くと…

 

「えっと…」

 

振り向くと、両腕を腰にやって偉そういるこのゴスロリ少女。何処かで会ったような気がするんだよな。

 

「エセルドレーダ、ハンバーグ 覚えましたか?」

 

取り敢えず彼女の名前はエセルドレーダと、言うらしい。でも急に言われてもな……それに何故ハンバーグ?

 

(あのイケメンお兄さんにいた妹さんじゃないのか!?)

 

「妹さんじゃ…ダメデスカ?」

 

「ハンバーグ、貴方はマスターにも劣る劣等であり、食べ物です。それと貴方の妹ではなくエセルドレーダ と言います」

 

「あの…」

 

「貴方は全世界ハンバーグ連盟代表ハンバーグ・イン・ハンバーグです。次回からそう答えて下さい、良いですね?」

 

俺には拒否権は無いらしい…。それに全世界ハンバーグ連盟代表って、名前っぽくハンバーグ・イン・ハンバーグって。

あの時、イケメンお兄さんが言った質問を誤って回答したから、名前がとんでもない事になってしまった。

 

(これが、絶望なのか……)

 

精神にズキズキと刻み込まれた俺は、唖然と立ち尽くしてしまう。二人の間に静寂が広がるが、咳払いが聞こえ意識を向ける。

 

「マスターからの戯けはそこまでにして、本題に入ります。良いですか…カズマ?」

 

このゴスロリ妹さんは、あのイケメンお兄さんの命令でやっていたらしい。

 

(でも、凄く楽しそうにやっていたような気が……でも、だったら何で名前知ってるんだろう?)

 

「何で名前を?」

 

「それは偉大なるマスターの力を使えば知るのは簡単です。貴方の名前が可笑しいのは明白ですから」

 

マスター、あのイケメンお兄さんがご主人様になるんだよね? 兄妹で主人とゴスロリメイドになったと?

特別な兄妹ならフツウだねぇ…そう普通だとも。だけど、何か隠れている可能性がある筈…

 

「で、実際は?」

 

「……マスターの背後に買い物袋がありまして、レシートに貴方の名前がありました。それまで、ハンバーグだと信じてました」

 

カマかけたら素直に答えてくれた。ありがとう、ゴスロリ妹さん!!、ありがとう、エセルドレーダ様!!

おかげで名前が直ると同時に袋があった情報を得られたと…

 

「あの、その袋は今何処にあるか知ってる?」

 

「袋の中身は無事です。しかし、交換条件が一つあります」

 

彼女からの提案、物凄く嫌な予感しかない……けど、おかずの為、笑顔の為に頑張ります!!

 

(見ていてくれ、博士!! 俺は今、鷹から鷲になる!?)

 

 

 

結果的に話すと、あの悪そうな巨大ロボットと戦うことになった……どうしてこうなるのかな? 勿論、買い物袋はまだ帰ってない、マスターが満足すれば返してくれるそうだが……

でも、エセルドレーダ様は約束を守ってくれるいい子だと思う。まぁ、あれも演技だったら役者さんもビックリだよね。

 

周りを見渡して大きな声で叫んだ。あの時から呼んでないので確証はない。来るかどうかも分からない機体に、不安と恥じらいつつ叫んだ…

 

「ヴァルホーク!!」

 

名前を呼んだ瞬間、空から何かが来るような気がした。物凄く早くやって来るのが分かったものの、あの速さで来たら此方がやばいので近くにある建物の影に潜むことにした。

ヴァルホークは自分が呼んだ場所に的確に来るみたいだ……到着までに一分くらいだと思うと速さは凄まじいと思う。到着する際、スピードを緩めてくれる安心設計に嬉しさしかない。

 

ヴァルホークに搭乗と同時にコックピットのハッチは閉まる。すると…

 

[高エネルギー反応あり、戦闘回避率低下中、搭乗者・カズマ 選択を求める]

 

機械音声が室内響き、俺の進言を待っているみたい。逃げたいのは沢山だけど、今だけは…

 

「…戦闘地域、高エネルギー体に対して、戦闘開始する!!」

 

[了解。離陸後、高エネルギー体に接近します。後、飛行モードからロボット形態に移行します]

 

聴き慣れない単語が聞こえながらも、機体は空を飛び始めた。空から見ると街が被害が思った以上に出ており、地上との差が大きい。

それに、周りのロボットが動いてないのが何か違和感を感じる。

 

[戦闘開始後、搭乗者操作に任せます。尚、最低限のサポートしますので、自身のテクニックを磨いて下さいませ]

 

前回同様、サポートはあるものの基本的には俺次第か。マニュアルは博士の家でやっていた。けれど、戦闘練習も経験もほぼ無いに等しい。

 

(L主人公みたいには上手くいかないだろうな。アレはダンクーガといった、味方がいたことやサポートがあったから。でも、俺は孤立無援の初心者……)

 

[突入します。対ショックを構えて下さい]

 

不安に駆られながらも、俺は悪そうな……ラスボスにしか見えない敵に立ち向かうのだった。

 

 

……………………………

 

 

マスターテリオンと蒼き翼の戦いは激しさを増していく。周りの建物は崩壊し被害が増すばかり。

 

(しかし、どちらも本気を出してないように見えるが、アレは…)

 

「蒼き翼が押されているな」

 

「少佐、どうにか援護出来ませんか? あのままではやられてしまいます!!」

 

「あぁ…だが、俺たちも周りの奴も動けない。この呪縛を解けるとしたら…」

 

俺は近くにいるデモンベインに目線を向ける。この魔術を解く為には俺達より専門家の方が得意なのは明白。

 

 

「おい、まだ動けないのかよ!? アイツは、俺達を助けに来てくれたんだぞ!!」

 

「分かっておる!? しかし、まだ解呪するには時間が必要じゃ…」

 

 

…あの様子だと厳しいか。ならば、伝説の忍はどうだろうか? マスターテリオンを翻弄させ、動きを止めた忍ならばどうにか…

 

 

「姫!? 艦の損傷が高まっています、即刻離脱準備を!!」

 

「しかし、離脱してもこのままで姫も我々も…」

 

(何故、伝説の忍は動かないのですか? 今戦っている蒼き機体、それに何かあるのでしょうか?)

 

「くそっ、くそっ!! 何で動いてくんねぇーんだよ!?」

 

「ア、アニキ。落ち着いてくれよ…」

 

「落ち着けるか!! このままじゃあ、俺達もアイツも終わっちまう。 レニー、どうにかならねぇか!?」

 

「わ、分かんないわよ…この目に見えないもので、私達の機体も戦艦も身動きがとれないわ。このままじゃ…」

 

 

皆、この状況をどうにかしようとしている。だが、どうも女神様は試練を与えたいみたいだな…

 

「…ヘル・ストリンガーの準備だ」

 

「少佐、それはいけません!! アレは少佐の身体に負担がデカすぎます!!」

 

「分かっている。でもな、アレならば空間を通って、奴に一撃を与えられる。そうすれば、この呪縛は解けるさ…」

 

サヤには辛いばかりを掛けてしまうが、今思い付く限りはこれしかない

 

「…分かりました。でも、了承はしません。 少佐が望んだ手段は最終手段です。 蒼き翼が負ければ、すぐさま了承します」

 

「サヤ…お前は……」

 

どうやら、俺は娘に嫌われてるみたいだ。俺だけではなく蒼き翼も。サヤは知らない、アレは…

 

 

……………………………

 

 

「どうした蒼き翼よ、余を満足させよ」

 

あの声は、間違いなくイケメンお兄さんだよな。あの子に誘われたんだからこう…なるよな。

でも、予想通りというべきか…

 

「攻撃が全然当たらない…くっ!」

 

[損傷率48%、エネルギー率61%減少、総弾丸数15発。 離脱も検討されたし]

 

状況は悪くなる一方か。どうにか一撃でも与えられれば、まだ活路は見出せる……そんな気がする。でも、一撃で葬るような武装?

 

「武装検索 何か大きなダメージ与えられる武装はあるか!?」

 

戦闘中に呑気に検索出来ないので、機械に任すしかない。記憶の片隅にあった筈だ。

 

「少し早いが余興はここまでにしよう。 貴公に洗礼を渡そう、エセルドレーダ」

 

「イエス、マスター…」

 

敵のロボットが急に止まると、目の前に魔法陣が展開される。それを見た瞬間、身体中から汗が吹き出し寒気を感じる。

 

(アレはヤバイ……ヤバすぎる…どうにかしないと!? でも、どうやって!!)

 

逆転の一手も見つからず、敵の特大魔法が目の前で発動する。その力を前に、戦意喪失な俺に朗報が飛び掛かる。

 

[武装あり、しかし相手の動きを止めなければ意味がありません]

 

機械からの武装情報が入るが、内容からして命中率は低いみたいだ。だけど、今相手は攻撃の準備で止まっている…今しかチャンスはないのは明白だ。

 

「全エネルギーを蓄積させる。その武装に全てをかけるんだ!!」

 

[…了解、パワージェネレーターフル稼働。リミット一時解放、武器解放]

 

(…超えてやる、死に近い山を)

 

 

……………………………

 

 

勝負は決しようとしていた。どちらも大きな力を高み始め、俺達や周りの建物に気にしていない。

リベル・レギスは魔法陣を展開し何かを準備している。蒼き翼は、両腕を前に突き出しエネルギーを集め始める。蒼白い小さな玉は大きくなり、その玉の大きさは成長を止めず機体を呑み込む勢いだ。周囲は雷が怒涛に落ち、神の怒りが満ちているように錯覚してしまう。

 

「双方の力が衝突したならば、タダでは済まない…」

 

周りの皆、分かっている…いや、分かってしまう。この肌に伝わる感覚が、神経を通して全身に伝わっていく。寒さを通り越して、死が具現化したような旋律が……

 

(一体どうする!? 片方でも、止めれば良いが…ヘル・ストリンガーでも無理に近い)

 

力の衝突を見守るしかない俺達は…ここまで……

 

 

 

「聞こえるぞ!! 魂の叫びが!! 眠りし意志が!!」

 

「!?」

 

何処からともなく聞こえた声に、一同は驚く。だが、それだけではなかった。

 

「魂ィィィィィ!!!! 暴風激烈斬!!!!」

 

蒼き翼とマスターテリオンとの間に、突如として三つの竜巻が生まれる。三つの連なった竜巻達は、マスターテリオンに襲い掛かるのと同時に、それが分かっていたかのように蒼き翼も竜巻達に続く。

 

「これが……プラズマエクスキュージョンだ!!」

 

蒼き翼から放たれた蒼白い特大の玉は、一直線にいき町の一部を削りながらマスターテリオンがいる場所に向かって突き進み彼を呑み込んだ。

 

「今日はここまでにしよう。蒼き翼よ、その力を高め、更なる境地に進むが良い!!」

 

その瞬間、特大の爆発と強烈な白い閃光が起き、周囲は爆風によって吹き飛ばされる。爆風が収まり辺りが見えるようになる。だが、違和感がそこに広がっていた。

 

「何故…元通りなんだ?」

 

アレだけの激闘があった場所は、事件前と同じ状態に戻っていた。いや、途中までの戦いの傷は残っていた。それは、蒼き翼が介入する前の状態で。

そして、周りには幾つもの機体や戦艦はいたが、伝説の忍・蒼き翼・謎の声を発する存在は、もういなかった。

 

「少佐、コレは一体?」

 

「分からないが、マスターテリオンが再度やった重力結界が原因かもしれないな。あの瞬間から、アイツのテリトリーで戦っていた…のかもしれん」

 

「それは……ありえるのでしょうか?」

 

「…さぁな、それは分からん。 憶測でしかないからな」

 

だが、もしそうならマスターテリオンは化け物じみた存在だと認めたことになる。厄介しかないな…

 

「蒼き翼と、あの声は何だったのでしょうか?」

 

「蒼き翼は、また何処で出会えるはずた…そんな気がする。 声は知らん」

 

「……良いんですか?」

 

「あぁ……」

 

あの声の正体は分からない。だが、あの竜巻を起こしマスターテリオンの動きを止めた……相当な力だろう。

 

俺は選択しなければいけない。蒼き翼と共に歩む道を、その先にある輪廻に対抗する為に……だが、

 

(先ずは、助けた連邦兵をどうするか…だな)

 

まだまだ問題が積もる中、俺はサヤと共に彼らの元に行った。

 

 

………………………………

 

 

「……っ!!」

 

目を覚ますと同時に身体に鈍い痛みが走る。周りを見渡すと、瓦礫が散乱し薄暗かったが、自分はベットに寝かされていたようだ。それに身体中に、包帯が幾つもの巻かれており一部の包帯は赤く染まっている。

 

(何処かの古い建物内にいるようだけど、俺は……)

 

「あ……あぁアァァァァァ!!!!」

 

先程までの死闘が脳内にフラッシュバックし、身体中に寒気さと恐怖に襲われ俺は悲鳴に似た叫びをしてしまう。

 

(俺は…生きて……る? のか?)

 

先程と今とでは状況が全然違く、何も分からなくなっていた。生きてる実感が湧かず、近くにある火のついたロウソクを呆然と眺める。すると……

 

「貴様は生きている……分からんか?」

 

暗闇から声が聞こえ、声がする方向に目線を向ける。薄暗い中、此方に近寄ってくる…

 

「ヨ…ヨロイ……鎧武者!?」

 

そこには、亡霊がいた…?




戦闘パートに入り、キリを探したらこうなった件について。

観覧&感想、応援ありがとうございます。
これからも、地道に頑張りますので宜しくお願いします。
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