TS転生したは良いものの身体の感度が良すぎる件 作:内臓脂肪が多いガリノッポ
転生しましたなんて台詞、もうみんな聞き飽きたことだろうと思う。そして、転生特典をもらいましたって流れも耳にタコができるくらい聞いたかもしれない。
ただ、だな。実際起きてるんだよなぁ。
通り魔に刺されそうになった女の子の身代わりになって刺された俺は倒れこみ、そこにトラックが突っ込んで来て跳ね飛ばされた後に、落ちてきた鉄骨に貫かれて死んだ。
何が起きたのかは俺が一番わけわかんなかったけど、実際に起きたのだ。
「いやぁ~、寝ぼけてミスったとはいえここまでひどい死に方をする奴も珍しいねぇ~。」
そして、現在目の前にいるのは今回の惨状を生み出したゴミクズこと自称神である。
「メンゴメンゴ、許してちょんまげ。このかわゆい神ちゃまに免じてその怒りを抑えてチョーだいな?」
体をくねらせウインクしながら、舌を出して謝罪という名の煽りムーブをするこのくそアマ。もう、怒りを超越してアルマゲドンを起こしそうである。
「———————そもそもなんで連鎖起こしてんだよ!!ぷよぷよじゃねぇんだぞオラァ!!女の子助けて死んだならともかくなんでそこにトラックがプップー って来てマキシマムドライブされて、鉄骨がそれをやきうヨロシクのバッティングしてんだよ!!さらにはどてっぱら貫いて地面に突き刺さった鉄骨が墓標みたいになってんのはなんの!?死んでから供養までのRTAか!?多分これが一番早いわボケ!!」
怒りは火山の噴火、具体的にはカムチャッカのインフェルノの如く噴出した。
「まぁまぁ、さっきも言った通りお詫びに特典つけて転生させてあげるって言ったでしょ?だからそんなビーバーみたいにカリカリしないで?」
「ぅるっせぇ!!なーにがビーバーみたいにカリカリだよ!むしろ『あ”あ”あ”---!!』だよ、叫ぶビーバーだよ!!」
もう自分でも何言ってんのかわかんなくなってきた。
そんな俺の叫びなど無視をして、自称神はおもむろに何かを出した。
「さて、ここでいくら文句を言っても仕方ないし、とりあえずここから三枚引きなよ。」
出てきたのは箱。というか、くじ箱。何もない空間から出現したそれに思わず固まる。
「な、なんだよそれ?」
「あーもう察しが悪いなぁ。ここから特典を引くんだよ。ほら、早く早く。」
急かす自称神は俺の腕を箱に突っ込ませる。混乱していた俺は言うがままに箱から三枚の紙を引いてしまった。
——————瞬間、体を無重力感が襲う。
「は?」
そして、続くのは人間が最も恐怖を感じるものの一つ。
「俺は攻殻機動隊じゃねぇぇぇぇええええええ!!」
墜落だった。そう、あの少佐の如く頭から落ちたのだ。
「それじゃあばいにゃら。次の人生もふぁいとぉ、だよ?」
このクソったれは、最期の最後まで耳に障る甘ったるい声で俺を煽ってきやがる。しかし、落ちていく中で俺にできたのは、歯を食いしばりながら恐怖に耐えることと、思いの丈をあのクソアマめがけてぶつけることだけだった。
「ファッキンごぉっどッ!!!」
終わることのない滑空。重力加速度に従って加速していく身体は、その衝撃に耐えられなくなり次第に意識が薄くなっていく。
結果、キレてばっかりで死の実感を得ることなく今生の俺は終わりを迎えたのであった。
♢
―—————そして、またもやキレる案件。いや、ほんとなんなん?俺あんまり悪いことした記憶ないよ?善良なパンピーだったよ?なのにこの仕打ちはひどすぎる。
目覚めた俺の目の前に広がるのは一面に広がる荒野。植物はサボテンみたいなのしかないし、周りに人はいないし、そもそもこの世界に存在しているのかすらわからない。
そして、遠くから少しずつ視界に映る範囲を広げてくるのは、明らかに危険な雰囲気を放つ肉食獣らしき群れ。このままなら、一分後には奴らの牙が俺の肌を食い破ることだろう。
「おいおい・・・・・・おいおいおいおい。」
転生させた意味がわからなくなってきたところではあるが、そんなこと考えていても待っているのは二度目の死のみである。どうにかして、この世紀末的状況を切り抜けなければならない。やべ、あのハイエナたちがモヒカンバイクの賊に見えてきた・・・・・・
「そ、そうだ!確かあのクソアマ、転生特典があるとか言ってたはずだ。あれ?引いた紙はどこだ?」
手に握られていた三枚の紙がなかった。それを探すために辺りを見渡していると、タイミングを図ったように頭上から何かが落ちてくる。
ズサッ、と固い荒野の地面に突き刺さる物体。それは、この場には不釣り合いなほど豪華な装飾が施されている手鏡だった。
「————は?」
映る姿に、絶句。いやいや、なんだよこれ。こんなんどっからどう見ても―—————
そんな思考を遮るように続けざまに落ちてくるのは、探していた三枚の紙。ひらひらと宙を踊るそれらは、俺に対する当てつけであるかのように、その身に刻まれた文字を一斉に俺の目へと伝えた。
『ちょー強い身体能力』
『めっちゃすごい刀の才能』
一つ目と二つ目の特典は、言葉の表現はともかくとしてどちらもこの場を切り抜けるのに、助けとなるものだった。逃げるなり戦うなりの選択肢ができたことに少しだけ安堵する。
しかし、だ。最後の特典が余りにもアレな内容でめまいがする。けれどその内容は、先に落ちてきた手鏡に映る光景を証明する内容でもあった。
『そりゃもうとんでもないほどに綺麗な顔で、一部の曇りもないくらいにびゅーてぃほー黒髪ロングで、ルビーみたいに赤く輝く二重のぱっちりなお目目で、聴くものを虜にするロリータぼいすで、———————
紙に所狭しと記されている容姿を表す言葉の数々。長すぎて、読むのが面倒だが、問題なのはそこじゃない。
『——————で、某忍者のような感度の女の子』
「はぁぁぁああああああああああああああ!!??」
思い切っり対○忍じゃねぇか!!いやいやいや、シャレになってねぇって!!いやだぞ、俺はあんなア○顔晒したくないぞ!!さっきから妙に体がムズムズというかゾクゾクしてるわけだ!こんなん特典じゃなくて呪いだよ!
「ってハイエナたちが目前にきてるぅーー!!」
気が付けば、鋭い牙をもつハイエナたちが目前に迫っていた。つか、あいつらマジでモヒカンヘアーじゃん。どういうことだよ。
クソッ、もうこうなったらヤケだ、やってやろうじゃんかよ。例えあいつらがいくら強そうだとしても、この身体能力には敵うまい。
けど、あれ?よく見たらあいつら獲物に襲い掛かるというより・・・・・・・
「にーげるんだよぉーーーーーーー!!」
本能の叫ぶがままにこの場から一目散に逃げ出す。いやだって、あれどう見てもメスに襲い掛かる目してるもん。明らかにあいつらのエリュシデータがイキリトしてるもん。捕まったら最後、3000倍の感度により二度目の人生終了のお知らせだ。
「俺たちの戦いはこれからだッ!!!」
前世の俺へ
拝啓 二度目の人生。今度は普通の死に方したいです。今のところ一番起きそうな死因はテクノブレイクやけど・・・・・・敬具
『えー、この物語はTS転生した頭がゆるい主人公が、感度が良すぎて人生の絶頂に至り続ける、ロークオリティ下ネタ勘違い系異世界という闇鍋的パンドラの箱なのである。R18になったら勝ち、っていうテンションでやってくんでそこんところヨロシクぅー(byかわゆい神ちゃま)』
対魔忍だから、頭がゆるくないとダメだよねっていう固定観念。と