TS転生したは良いものの身体の感度が良すぎる件   作:内臓脂肪が多いガリノッポ

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さて、待たせてしまってすまないとまずは謝りたい。

なぜ遅れたかの理由なんて話しても、言い訳しかならないからね!言い訳は少ししかしません(ゴミ)!!

えー、夏場は地獄の残業地獄で正直人間性を失いかけてまして……
主に性欲という名の人間性が消えてました。それにより今作の創作意欲も無くなり、EDかと自分を疑い始めていたワイ。

けれど、そこに一筋の光という名の同人誌が!!!

それこそが創作意欲を復活させたワイの救世主だったわけだね、ウン。



ありがとうオークさん(ボーボボ風)……


だから今回急遽登場させました(真顔)


女戦士の天敵と言えば?

 ウサギはライオン。ネズミはネコ。カエルはヘビ。この様に生物には絶対に覆すことのできない食う食われるの関係がある。この『食物連鎖』というものは、一部を除いてほぼ全ての生物が関わっている事柄だ。そして、自らを脅かす相手をこの場合『天敵』と表現するのが正しいだろう。

 

 無論、俺にもその天敵というのは存在する。そりゃもう視界に入れることすら拒みたいくらいには、苦手だ。というか、見るだけで命の危険を感じる。

 

 なんで、突然こんな話しをしているのかだって? 多分みんなも大体予想が付いてると思うがここはあえて俺の現実逃避に付き合って欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 現在地は開けた洞窟。苔が辺り一面に生え、湿りに湿った嫌な空気が広がってるこの空間は、俺の『天敵』の巣だった。

 

 そいつらは人と比べ遥かに高い体格と強靭な肉体を持ち、群れで生活する。上半身はいつも裸で、下半身は布っ切れ一枚という原始人スタイル。

 

 豚の顔に汚らしい肌の色と、その風貌は化け物と呼ぶほかない。さらに奴らは今現在、臨戦態勢(意味深)を取っており、数秒後にはこちらに襲い掛かってきそうな様子である。

 

 そしてなによりも恐ろしいのは奴らの持つその『得物』である。その、天に向かって真っすぐ伸びる槍()はとんでもなく太く、逞しい。あの熱量と硬度を持つ槍()に貫かれたら最期、瞬時に天に昇る(誤字にあらず)羽目になるだろう。

 

 

 …………いや、もうまだるっこしい表現は止めよう。なんせこちとら命の危機に面している。できることなら今すぐにでも尻尾を巻いて逃げ出したいほど、ヤバい状況に俺は身を置いているのだ。

 

 

 

 

「「「ブモォ──────(メスだ──────)!!!」」」

 

 きったねぇ雄叫びと共に襲い掛かって来るのは、豚面の畜生たち。つまりは俺の天敵ことオークさんたちですよハイ。

 

 

 いやいやいやいやいや、不味いまずいマズいまずいまずいマズイ!!! このままじゃ確実に終わりだよ!! 詳しく言えば、あいつらに捕まって思いっきり貫かれて天にも昇る気持ちになって、そのまま苗床エンドだよおおお!! 

 つかアイツら総勢50体はいるよね!? オークですからもちろん全員オスです、本当にありがとうございました!! 

 

 さて、傍らにはボーイ君がいるとはいえ絶体絶命であることには変わりはない。だから、満を持してこのセリフを言わせてくれ。その後は現実逃避という名の回想シーンに入るからヨロシク!! 

 

 

 

 

 ど  う  し  て  こ  う  な  っ  た

 

 

 

 

 

 

 ♢

 

 

 

 

 

 

 それは、さかのぼること半日前。ボーイ君が教えを乞いてきて、数週間経った朝のことだった。真面目に教えたことを実行してくれる彼に、嬉しい気分になったり、一日一回のペースでラッキーでスケベなことされたりと暇はしない穏やかな期間だった。依頼もなかったしね。

 

 そして今日は久しぶりに私服に身を包んで買い物でも、と思った矢指に冒険者ギルドから緊急の招集が掛かった。なんでも、急ぎの依頼をしたいとのことだった。

 

 そんなわけで、俺はジャケットにロングスカート、そして腰に刀を差しているというアンバランス極まりない恰好で、むさ苦しいギルドの館内を訪れることになったのである。

 

 いやー、ボーイ君いてくれてマジで助かった。こんな格好で一人とか周りの視線が痛すぎるからね。というか料理も裁縫もできるらしいし、彼って割と有能なんだよね。あれ? 女子力ってなんだっけか。

 

 

 

 

 館内は特に目立った様子もなく、いつも通りだった。朝から酒盛りをするアホもいれば、依頼の張られた掲示板とにらめっこしているヤツもいる。あとは、そう、俺の方を見てくる奴だろうか。統一性の無い彼らではあるがその実、全員が冒険者だ。つまりは、冒険者なんていうのはチンピラゴロツキヤンキーの総称みたいなものなのだ。

 

 しかし、目立った様子がないというのは今回に限ってはおかしい。俺たちは緊急の依頼で此処に来たというのに一向に呼び出した相手の姿が見えなかった。

 

「____ギルド長は?」

 

 そして、その呼び出した相手というのがこの冒険者ギルドのトップだった。

 

「姿が見えないな。突然呼びつけておいて自分は遅れるなんて勝手すぎる」

 

 少し不機嫌そうにボーイ君が呟く。もしかして、今日予定してしていた俺とのお出かけを邪魔されてご機嫌ナナメなのか? いや、ボーイ君に限ってそれはないでしょ(断言) 多分単純に休みの日がなくなった事への怒りとかそのあたりだろう。わかるよ、休日出勤させるのは犯罪だよな。

 

 そんな風に思考が変な方向にそれ始めたとき、不意に背後から声が聞こえた。

 

 

 

 

「さーて、アサカゼちゅぁんの今日のパンツは何色かなぁ~?」

 

 そして、間髪入れずに襲い掛かってくる衝撃。思わず目をつむる程の風圧と共に正面から何かが迫ってくる。

 

「アサカゼっ!!」

 

 ボーイ君が両手を広げて前に立ちふさがる。あー、けどボーイ君。多分それ無意味だわ。

 

「「「ほいっ!」」」

 

 気が付けばソイツは目の前にいた。正面に立ちふさがったボーイ君など壁にすらならないとあざける様に笑みを浮かべて、俺の前にいた。その目にも止まらぬ速度を証明するかのように後から来る風によりめくれそうになったスカートを手で押さえるも、そこに伸びてくるのは無数の手_____いや、無数にあるのはその手を伸ばしている本人もだった。

 

 その数48人。それを空いている手で払おうとしても何故か空を切る。文字通り四方八方から迫ってくるそれらは、さらに強い衝撃波を俺の足元目掛けて放ち、スカートを浮かばせる。 因みにこの間、コンマ2秒である。

 

「ッ」

 

 

 むず痒い感覚が身を襲う。不本意な快感によって湧き上がる嫌悪感に流され、俺は衝動的に刀を振り抜いてしまった。

 

 

 

 

 マズいかも、と一瞬頭を不安がよぎったが、それは杞憂だった。

 

「はぁぁぁああああああああああああああ!!?? 中身はスパッツかよぉぉぉぉおおおおお!!?? 俺の残像ミラーの連弾衝撃波十字架手刀トリプルヘキサグラムのついでに本体ミラー48分身高速スカートめくりが破られただとぉぉぉぉおお!!!??」

 

 そこには、スカートを抑えながら刀を抜くも空振った変な格好をした少女と、未だ2人に分身したまま前後からスカートをめくり上げながら叫ぶ中年のオヤジの姿があった。

 

 

「____早く、どいてッ!」

 

 いつまでもスカートに手を掛けたままの変態オヤジに、刃を向け振り下ろす。

 

「おっと、アブナイアブナイ」

 

 が、気が付けば変態は数メートル先に立っていた。

 

 

「お、おおおおお前ッ!! 未婚の女性になんてことを!!?」

 

 顔を赤らめながら叫ぶボーイ君。いや、だからスパッツだからそんな恥ずかしがらなくても良くない? というか君、最近は毎日俺の下着見てるでしょ? しかもことごとく事故で。

 

 

「ん? そんな激高することかね? ただのあいさつだよ、あ、い、さ、つ」

 

「そんな挨拶があってたまるか!!」

 

「あいさつは人それぞれさ。それに、アサカゼちゃんじゃなくてなんで君が怒るんだい? もしかして君はアサカゼちゃんのコレ、かい?」

 

 小指を立てながら呆れたような顔で、変態はさらに語る。

 

「ッ〜〜〜〜!!」

 

「だとしたら、スカートの中身がスパッツとかいう男の希望を打ち砕く悪趣味なコーデも、君の仕業か。はー、いやだいやだ」

 

 のらりくらりと返す変態に、怒りや恥ずかしさでさらに真っ赤に染まるボーイ君。やめときな、ボーイ君。さすがに今回は相手が悪い。

 あ、あとモチロンのことだけどスパッツ履いてるのは俺の自己判断だからね? だってパンツとか弱点丸出しも同然だろ? 

 スカートなんていう軽装に身を包んでいるのは、あのゴミクソの自称神が掛けた『ひと月に1回はスカートを履かなければならない』とかいう呪いの所為だから! 悪しからず! 

 

「アサカゼがそういうなら…………っというかそもそもこの変態は誰だ!? アサカゼは緊急の招集でいそがしいんだ、邪魔をしないでくれよ!」

 

「ぬ? 君、ひょっとして俺のこと知らないの? まったく、俺の名も落ちたもんだなぁ」

 

 そう、この男こそ件の依頼主。今は引退したもののかつては最強、最悪、不敗と語られ、もっぱら『悪と女の敵』と呼ばれていた男。

 

「現冒険者ギルドの長をしている、イャヘン=タイジャンだ。名前くらい聞いたことあるだろ?」

 

 イャヘンは不敵な笑みを浮かべ、煙草を片手に実に強キャラ臭のする雰囲気を醸し出す。

 

 

 

 

 

 ────いや、変態じゃん。

 

「あ、あんたがあの? いやいや、 俺は最強の男だとは聞いたが、こんな変態だなんて聞いてない!」

 

「あ、それ言っちゃう? そう言われると納得させる自信ないなぁ。んじゃまぁ──────」

 

 ちょ、ボーイ君!! 危ない! 

 

「なっ!? い、いつの間に……」

 

 まるで瞬間移動。3度目となる奇妙過ぎる動き。

 

「ハイ、今ので君死んだから」

 

 ボーイ君の首にはギルド長の手がかけられていた。いや、これがねぇ。この俺にもまったく見えんのだよ。恐ろしく速い手刀、俺でも見逃しちゃうね! 

 

「これで、わかってくれたかな? 君も言っていた通り急ぎの依頼なんだ。本人でもないのに出しゃばらないでくれると助かるよ」

 

 笑顔で威圧感を放つ変態に、ボーイ君は黙って下がるしかなかった。お、落ち込まないでね!? そいつ変態のくせしてチート級の強さだから! 相手が悪いだけだから! 

 

 

 

「────さて、そろそろ本題に入ろうか」

 

 

 

「アサカゼちゃん、他でもない君に今回の件を依頼したのは時間がないからだ。多分このままだと2人の女性の生命が無くなる」

 

 より詳しく言えば尊厳もなにもかもを滅茶苦茶にされてから、だがね。そう付け加えたタイジャンの表情は歴戦の男が見せるものとなっていた。

 

「わかった。場所を教えて」

 

 ならば、俺はそこへ一刻も早く向かうだけだ。

 

「ア、アサカゼ…… せめて何の依頼なのかくらい聞いてからでも──「問題ない」ッ……」

 

 彼の言葉を遮り、タイジャンへ質問の答えを求める。俺を呼ぶだなんて戦闘が関係する依頼くらいしか考えられないからな。急いでいるのに根掘り葉掘り聞く必要もない。

 

「ありがとう、君も急いでくれて助かるよ。場所はここから北西を方向にある沼地にある洞窟だ。そこのモンスターたちに囚われている女性2人を救出して欲しい」

 

「わかった」

 

 その言葉がタイジャンに届く頃には、俺は既に駆け出していた。命を守る依頼において時間は絶対的に優先されるものだ。焦りはしないが、ちんたらはしていられない。

 

「んぁ」

 

 身体が風を受け、風を切り裂いていく。その刺激に甘声が少し漏れるもののスピードは一切緩めない。

 

「ア、アサカゼッ!! 待ってくれ、俺も一緒に行く!!」

 

 後ろからボーイ君の声が聞こえる。着いてきてくれるのは嬉しいが、君のスピードに合わせている余裕はないなぁ。

 

「…………素早く移動するときの姿勢、教えたとおりにすれば…………遅れない」

 

 だから、俺からは言えるのはこれだけだ。

 

「ッ! ああ、わかった!! 全力でついていく!」

 

 ボーイ君の顔つきと共に動きも変わった。そうそう、それが正しい姿勢だ、やっぱ飲み込みが早いね。

 

 と、まぁこんな経緯があって現在に至る訳だ。

 

 

 

 

 

 うん、ちゃんと話を聞いておけば、オークなんていう天敵と正面から対峙することなかったね。完全に俺の自業自得だったわ。はぁ~、へこむわー。

 

 

「「「ブゥモ──────!!! フゴフゴ、ブヒッ!! (女は犯せ──!!! 邪魔な男は、殺す!!)」」」

 

 その汚らわしい叫びに現実に引き戻される。さて、このままじゃ俺どころか捕らえられている女性二人も、このケダモノ共に凌辱されてジ・エンドだ。それは、もちろん御免被る。

 

 

 

 だから、俺らはもちろん抵抗するで? この刃で。

 

 迫りくる汚豚(おブタ)さんたちに向かって地を蹴る。オークだろうがなんだろうが、結局のところ一撃もらったらオワオワリってことにゃ変わりない。なら、俺のヤることも変わらないさ。

 

 腰の得物()に手を添え、得物(オーク)の身印に焦点を合わせる!! 

 

「______んっ」

 

 久々に放つ全身全霊の抜刀。その切っ先は狂いなくオークの首を切り飛ばし宙へ舞わせる。確かな手ごたえと、体を走り抜ける甘い感覚が、それが真実であると肯定してくれる。

 

 さぁ、次だ。まだ相手は50以上はいる。だが、負ける気はさらさらない。だから、今の俺に言えるのはこれだけだ。

 

 

 _______俺たちの戦いはこれからだッ!!!! 

 

 

 

 




スカートめくりの元ネタがわかったニキがいっぱいいたら、嬉しい。多分嬉しくてガールズラブのタグが仕事しちゃうな〜(チラ

それはそれとして、次回。 アサカゼ死す!デュアルスタンバイ!!

え?死にはしない?ただ、オークに襲われるだけ?けどそれってある種、死ぬより辛いんじゃ……気にしなくて良い? アッハイ。

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