infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来   作:伊勢村誠三

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ケイタ「さて、今回も前回までのあらすじを張り切っていきたいところなんだけど、、なんでゼロワンあんな落ち込んでるの?」

ゼロワン『、、、。』

セカンド『それはね、網島。貴方、作者がLINEの背景にアナライザーを着身したゼロワンの画像使ってるのは知ってるわね?』

ケイタ「まあ、一応。」

セカンド『その画像が、経年劣化で勝手にアプリが起動したり覚えのない画像が保存されるようにになった作者の母親のスマホに勝手に保存されちゃったのよ。』

ケイタ「それで?」

セカンド『その時にゼロワンの顔が動く方の笑顔がドアップになって表示されて、作者の母親がそれを見てウイルスに感染した!って大騒ぎして。
その後ただ勝手に画像が保存されてただけって分かったんだけど。
あんな不気味な写真を背景にするな!
って言われて。それからずっとあんな調子。』

ケイタ「だから作者この前腹抱えて大笑いしてたのか。」

ゼロワン『いいから始めろ、、。』

セカンド『え、えぇ。さてさてどうなる?』

(op True Blue Traveler)


Dragon against Dark wing その2

1

キュイン。鏡を抜けるとそこは何処かのビルの裏手だった。

奴らは既に他のライダーと戦っている。

 

サイモンズからの情報通り奴らは、ドラゴンナイトこと網島とウイングナイトこと秋山が周囲を見回しながら歩いていた。

 

教えられた通りに箒、仮面ライダーブレードはデッキからカードを引き抜き左手の盾型のバイザー、鳳凰召盾(ほうおうしょうたて)ガルドバイザーにベントインする。

 

<COPY VENT>

 

聞いていた通り網島の持っていた柳葉刀が複製され私の手に収まる。

やはり戦いは剣に限る。

 

「おい貴様ら!」

 

こちらに気付いた2人がこちらを振り向く。

 

「?、、!それ俺の剣じゃねぇか!」

 

「なに?」

 

「そんな事はどうでもいい!私と戦え!」

 

「、、、ご指名だが、どうする?」

 

「どうするって、、あんた、えっと、名前は?」

 

「仮面ライダーブレードだ!」

 

「あんたなんか犯罪やったりした?」

 

「するか!そんな卑怯者の所業!」

 

「だったら戦うの嫌なんだけど?」

 

「ごちゃごちゃ言うな!」

 

ガキン!二つのドラグセイバーが激しく火花を散らす。

いつの間にか居なくなっていたウイングナイトなどもう眼中になかった。

今あるのは目の前のドラゴンナイトへの憎悪と、

脳裏に焼き付いて離れない一夏の姿。

 

昨日の放課後。

箒は一夏を剣道部の見学に誘った。

本人は中学はバイトばかりの帰宅部だったから余り動けないと言っていたが、剣道場で一夏が見せた動きは昔と変わらず素晴らしいものだった。

 

だが、それは正しい篠ノ之流剣術ではなかった。

北辰一刀流、示現流、それどころか篠ノ之流の怨敵とも呼べる鳴神龍神流の技を使う事さえあった。あんな物は外道だ。

 

あんな物を篠ノ之流に連なる者として見過ごすわけにはいかない。

同門の不始末は同門がつける。

その為にはまず、一夏を毒した原因を取り除かなくてはならない。

 

「死ね!」

 

「お断りだ!」

 

先に流れを掴んだのはドラゴンナイトだった。

こいつは多分剣は出来てもそれ以外からっきしだ。

その証拠に左手の盾をまるで使おうとしない。

だったらこっちにもやりようはある。

 

純粋な剣道ならボコボコにされてただろうが長物を持ったまま体術を活かす方法なら兄貴分の帽子の探偵とその不思議な相棒から叩き込まれた。

不意をついた前蹴りで距離を取り、剣戟に蹴りを組み込んでいく。

 

「ッ!この、外道の卑怯者がぁ!」

 

やっぱりキレた。

こうなったら元々大振りの技が多かった敵の剣が無茶苦茶になり始める。

いなすのは簡単だった。

 

切っ先を絡め取って自分の剣と相手の剣を押さえつけるように交差させ、

すっかりお留守の脇腹を思い切り蹴りつけ、

バランスを崩した所を踏み込んで切り上げる。

 

このままファイナルベントで!

バイザーのカバーを開けて切り札を取り出す

 

『まてケイタ!流石にライダーの鎧でもファイナルベントは耐えきれん!』

 

「ッ!」

 

バイザーを介してセブンが語りかける。

そうだった。相手はモンスターじゃない。

自分達と同じ血の通った人間だ。

ストライクベントぐらいに加減しないとうっかりベントしかねない。

カードをデッキに戻そうとした瞬間だった。

 

胸部に激痛が走る。斬られた。

そう思った瞬間には二撃三撃と斬り付けられていた。

なんとか視界に敵を捉える。

 

そいつはもう1人のブレードと呼べるほどブレードによく似たライダーだった。

ブレードと同じアラビア風の仮面に、おそらく契約ビーストがエイ型なのだろう。

エイの尻尾を模したおさげのような飾りにまんまマゼンタ色のエイの形の盾仮面ライダースティングだ。

 

「おい格子戸仮面。」

 

「ん?俺?」

 

「ああ。君は、国を愛してるか?」

 

「んー、、、あんまし。」

 

「なら祖国の為に死ね!ドラゴンナイト!」

 

「え!?」

 

スティングの構えた金色の薙刀型武器ウイングスラッシャーが再びドラゴンナイトを襲う。

 

(さっきの刀じゃ不自然な連続攻撃の正体は薙刀か!)

 

なんとかドラグセイバーで防ぐが一の腕を切りら落としてしまう。

不味い!スティングがウイングスラッシャーを突き立て用とした瞬間。

 

「死ねぇえ!」

 

復活したブレードがドラグセイバーを構え直し突っ込んできた。

しかし声でどこから来るか丸分かりだ。

振り向きもしないまま顔面を突かれふらついた所を連撃を食らってまたドラグセイバーを落としてる。

 

「そろそろ飽きたな。」

 

独言るとウイングスラッシャーを箒のように使い、

二本のドラグセイバーを引き寄せ、

スラッシャーを捨てると同時に器用に足で蹴り上げて拾う。

 

二刀流に切り替えたスティングはくるりくるりと舞のような動きでブレードを圧倒していく。

 

「祖国の為に死ね!」

 

右手のドラグセイバーが振り下ろされる、が、スカ!とブレードの仮面をかすめる。

 

「?、、?、!?!?」

 

『なんだ?急に動きがおかしくなったぞ?』

 

セブンの言う通りまるで急に距離感が掴めなくなったようにおっかなびっくり剣を振るスティング。

それどころか頭を押さえたまま、その場に座り込んでしまった。

 

「う、あ、あぁぁ!割れる!割れるぅう、、、ッ!」

 

(なんだ?頭痛か?)

 

「軟弱者が!」

 

<SWORD VENT>

 

距離をとったブレードは新たなカードを切る。

西洋大剣(ツヴァイハンダー)型の武器ガルドセイバーが背中に装備される。

 

「死ぬのは貴様だ!」

 

すらりと引き抜き大上段に構えるとスティングに斬りかかる。

 

「させるか!」

 

しかしそれをスティングがさっき捨てたウイングスラッシャーを拾ったドラゴンナイトが防いだ。

 

「お前、病気なんだろ?無理すんなよ。」

 

「黙れ!」

 

錯乱しているのかドラゴンナイトやブレード、壁、地面と滅茶苦茶に剣戟を繰り出すスティング。

 

「ま、まてよ!俺は別に殺し合いたい訳じゃあ、、あーもー!こうなりゃ仕切り直しだ!」

 

<ATTACK VENT>

 

ドラグレッターを召喚し、2人のライダーに炎球を浴びせ鏡の外に吹っ飛ばす。

 

「ふぅ。つっかれた。あれ、、蓮のやつどこ行った?」

 

 

 

2

カタカタカタカタ。誰もいないIS整備室にキーボードを叩く音だけが響き出して一時間が過ぎた。

もう5時だ。そろそろ一回着替えに寮に戻ろうと内側にはねた腎臓の長さの青髪に赤眼を縁の大きい伊達眼鏡で隠した少女、更識簪(さらしきかんざし)が立ち上がった瞬間だった。

 

キュイーン!目の前のディスプレイから人が飛び出して来たのだ。

咄嗟だったので受け身も取れずに後頭部を強打する。痛い。

 

「誰だ!退け、、退け!」

 

やっとこさ立ち上がった所を錯乱しているらしい相手に突き飛ばされた。

流石に文句の一つも言ってやりたくなったが、

見るとなにやらポケットから錠剤を取り出して無理やり噛み砕きながら服用している。

病気なら仕方ない。落ち着くのを待った。

 

「はぁ、はぁ、、すまない。取り乱した。えっと、簪。」

 

苦虫を噛み潰した(実際薬が苦かったんだろう)ような顔でこちらに手を差し伸べてくるボブカットの茶髪の彼女には見覚えがあった。

同じクラスの手塚海之だ。

 

「別に平気。」

 

「そうか、だがこのままだと私の気が済まない。

今度何かお礼をさせてくれないか?」

 

「じゃあ、なんかあったらその時に。」

 

「わかった。それから暴れといてなんだが、千夜には、

同じクラスの宇治松千夜には秘密にしといてくれないか?」

 

宇治松千夜?確か、緑がかった髪のおっとりした感じの人だったかな?

 

「わかった。」

 

「重ね重ねありがとう。では。」

 

そう言って立ち去っていく海之。

片付けに戻ろうとして簪は変なものに気付いた。

デスクに見覚えのない紅色の長方形の箱が置いてある。

 

(忘れ物、いや落し物?)

 

拾い上げてみて驚いた。

金のエンブレムにちょうど指に2本分の隙間からカードが覗いている。

間違いなくアドベントデッキ。

 

「すまない簪!これくらいの紅色のケースが落ちてなかったか!?」

 

大急ぎで手塚が戻ってきた思わず驚いた表情のまま振り向いてしまった。

 

「脅かしてすまないな。

そのケース。大事なお守りなんだ。」

 

恐る恐るデッキを手塚に渡した。

 

「ありがとう。以後気をつける。」

 

淡白に言い放つと早足で歩き去っていった。

生きた心地がしない。

気持ち悪い。

 

手塚が見えなくなると簪は口を手で押さえながら膝から崩れ落ちた。

涙と吐き気が止まらない。

つい先日、紫の尖った肩のライダーにちょっかいを出した時を思い出した。

圧倒的な技量、力、狂気の差を突きつけられ、危うくベントされる、

殺される所だった。

相手のビーストを凍結させるカード、フリーズベントが無ければファイナルベントが直撃していたに違いない。

 

(死にたくない、、やだ!)

 

一心不乱にトイレに走りながら考える。

なんとかライダーを辞められないか。

あるいは他のライダーを一気に倒せないか?

 

無理だ。私のファイナルベントは基本対象を1人しか倒せないし、

発動までの隙が多過ぎる。

無理だ。無駄だ。絶望と一緒に胃の中の物を残らず吐き散らした。

口の中に酸っぱい味が広がって気持ち悪い。

 

便器にブチまけられたお気に入りの野菜サラダの一部だった未消化の人参に嫌いだって言われてる気がする。

こうなると私はどんどん悪い方に考えてしまう。

嫌な過去ばかり思い出してしまう。

 

『貴女は無能でいなさい。』

 

頭に浮かぶのは自分を縛る一番近い肉親からの呪いの言葉。

 

「黙れ、、、、死んじゃえ。、、死ねよ!なんであたしばっか!」

 

いくら叫んだ所で現状打破なんて出来ない。

その証拠に簪のポケットのデッキは仮面契約者凍斧(カメンライダーアックス)の証は消えてくれなかった。

 

 

 

3

時は昼前の授業に遡る。

授業自体は意外にも教えるのが上手い山田先生の元、恙無く進行していた。

優しい語り口が眠気を誘う以外はほぼ欠点のない授業だ。

 

「ここまでで何か解らないことはありますか?

なんでも質問してくださいね、なんてったって先生ですから!

特に急遽編入が決まった男子3人は、、。」

 

「問題ありません。

先生俺の上司より教えんの上手いですし。」

 

「そ、そんなに褒めてもなにも出ませんよ?、、んっん!網島君と織斑君は?」

 

「今んとこ平気です。」

 

「え?嘘だろ?ケイタお前そんな頭良かったか?」

 

「ほぼ受け売りだよ。」

 

「待て、そんな話はいい。織斑兄。

貴様まさかまるでついていけてないのか?」.

 

「いやだって千<ス・パーン!>

 

ギリギリチャンバラのキメワザみたいなエフェクトと共に千冬さんの出席簿が火を吹いた。

 

「何度も言わすな。ここでは織斑先生と呼べ。

入学前の課題はやったのか?」

 

瞬間クラスの全員の脳裏にジャンプネクスト2冊分ぐらいの分厚い参考書の姿が浮かんだ。

 

「電話帳と間違えて捨てました。」

 

スパーン!再び三春の頭を出席簿が襲う。

 

「逆になんで家に電話帳があったんだ、、、。」

 

ボソッと呟いただけの蓮にも出席簿が炸裂する!

かと思われた次の瞬間!

素早く出された蓮の左手と出席簿が火花を散らした。

よく見ると蓮の手にはウイングナイトのデッキが握られていた。

 

(嘘だろ、、デッキってあんな頑丈なのか!?)

 

(まさか千冬姉に破壊出来ない部室がこの世にあるなんて!)

 

「網島、織斑妹。今何か失礼なこと考えたな?」

 

「イエイエ。」

 

「ソンナマサカ。」

 

「嘘をつくな、なんだその喋り方は。」

 

「コレチュウナンベイデハニチジョウサハンジ。」

 

「ソウソウ。」

 

「、、今回だけそうゆう事にしておいてやる。

それからアキヤマ。

織斑兄があまりに馬鹿らしかったからと言って喋るな。

授業中は私語を慎め。」

 

「Yes ma’am.」

 

「それから織斑兄。

貴様には後で資料を再発行してやる。

一週間で叩き込め。」

 

「一週間で!?無理だろ!?」

 

バゴン!今まで一番、強力な音が響く。

 

「分かってないようだから教えてやる。

ISは兵器だ。

その気がなくても簡単に人の命を奪うことだってある。

そうならない為にその足りない頭に責任と知識を叩き込め。

この学園はその為だけの学園だ。

それから私への返事は『はい』か"Yes"だ。理解しろ。」

 

「い、イエスマム、、、。」

 

 

 

4

昼休みになった。

開始早々他学年、他クラスの女子から襲撃を受けた男子3人は散り散りになって逃げ去っていった。

 

「どうしよっか?」

 

「取り敢えず私たちだけ先に屋上行ってようよ。」

 

一夏と心愛は3人と違い事前に学校に来たことがあるため、

ケイタと蓮をもう卒業してるはずの先輩から教えてもらった穴場に昼食に誘っていたのだ。

 

「待っていっちーにここあん!

3組のみゆきちとちややんが呼んでるよ〜」

 

教室を出ようとして呼び止られる。

萌え袖にまったりした喋り方に雰囲気のクラスメイト、

布仏本音だ。その後ろには、薄っすら緑がかった長い黒髪の楚々とした感じの人と無愛想な感じのボブカットの茶髪の人が立っている。

 

「はじめまして!私は保登心愛!よろしくね、貴女達は?」

 

「手塚海之だ。」

 

「宇治松千夜、よろしくね。」

 

「君が織斑一夏だな?」

 

「え、うん。」

 

するとおもむろに五円玉を取り出して指で弾く。

 

「ふむ、やはりか。」

 

「えっと、何?」

 

それからさらに4回五円玉を弾く。

そして暫く目を閉じて何か考えた後、

 

「一夏、君の助言が網島ケイタの大一番の勝敗を左右する事になる。」

 

「え?もしかして、うちのクラスが代表決めに総当たり戦するの他クラスでも有名?」

 

「?、、それかどうかは判らんし、運命はいくらでも変わるが、私の占いは、当たる。」

 

「みゆきち占い師さんなの?」

 

「ささやかな特技だ。」

 

歩きながら話そう。海之の提案で5人は屋上に向かった。

 

「私は、コインを弾いた音の感じで占うんだ。

いつもはさっきやったみたいに占うつもりが有る人が目の前にいないと殆どはっきり判らないんだが、何故か今回だけ、何気なく適当に占っただけにしてはやけにハッキリ占えたんだ。」

 

「だから私に会いに?」

 

「どっちにしろ占った結果は伝えるつもりだったしな。

あ、後安心しろ。今回は私が勝手に占っただけだ。

料金は取らない。」

 

そんな冗談を言ってる間に屋上についた。

先輩から聞いていた通り先についていたケイタと蓮以外ガラガラで人っ子一人いない。

 

「あ、あみしー!レンレン!」 

 

「あれ?のほほんさん?それにそっちの2人は?」

 

「手塚海之。こっちは宇治松千夜だ。よろしく頼むぞ?」

 

「ん。こっちこそよろしく。」

 

2人は握手を交わした。




ケイタ「なんか今回短かったね。」

セカンド『中古でアドベントカードと龍騎ライドウォッチを購入してハイになった勢いで書いたらしいわ。』

ゼロワン『ふん、どうせまた1週間以上間隔が空くに決まってる。』

ケイタ「それぞれ元気出せって。一夏が心配するぞ?」

セカンド『ほら体育座りしてないで!これ読んで。』

ゼロワン『次回、Dragon against Dark wingその3。』

ケイタ「戦わなければ生き残れない!」

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