infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来   作:伊勢村誠三

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ケイタ「今回は初番外編です!」

蓮「いいのか?まだ原作一巻も終わってないのに。」

ケイタ「どっちにしろIS戦にライダー戦と続くから一回息抜きしたいって作者が」

蓮「、、まあ完結まで行けるんならいいんだが。」

ケイタ「それではどうぞ」

(OP Day dream cafe ご注文はうさぎですか?)


番外編その1 買出

1

「買出し?」

 

「そ!一夏ちゃんがマグカップ買いに行きたいって言ってたからお店の買出しも兼ねて、蓮くんが車出してくれるから。」

 

成る程、そういえば蓮は車とバイクと両方持っていたのだと思い出す。

 

「てゆうか蓮付き合いいいな。

もっとつんけんしてるもんかと思ってた。」

 

「多分お前が思ってるより人付き合い広いから。

それにマスターにはうんと前から世話になってたしな。」

 

車は20分ほど走らせて着いたのはマグカップの専門店だ。

 

『しかし、何故ティッピーまで連れてきたんだ?』

 

「従業員ですので。」

 

「わしをついでみたく言うな!」

 

『、、、なんだ今の渋い声?』

 

「ゼロワンが言う?」

 

「香風の腹話術だ。気にするな。」

 

「なんでマグカップから?」

 

《、、今の話もう終わりか?》

 

「マスターがそろそろ店の食器を買い替えたいらしい。」

 

「シンプルなので良いですけど。」

 

「えー?折角だしなんか違うのにしよ!

ほら、あの、あれ!お城の手摺りみたいなやつ!」

 

『心愛様、それはアロマキャンドルではないでしょうか?』

 

隠して五人と三機と一羽は店内に入った。

 

「どんなものでも専門店ともなりれば興味ない奴にもそれなりにすごいと思えるものだな。」

 

「別に飲めりゃなんでもよくね?」

 

『人間誰しも君みたいに無色透明で済まそうとしてないって話だ。』

 

大きいのから小さいのまで、違いがほぼ無いものから明らかにカップの形じゃないものまで、多種多様なものが揃っていた。

 

「見てくださいティッピーが入れそうなのがあります!」

 

「マグカップって言うか、もはや丼サイズだねこれ。」

 

「ホントだ!前テレビで見た事あるよ!

うさぎがマグカップに入ってるやつ!ティッピーもやれば?」

 

『丼ご飯にしか見えんだろうな。』

 

更に話題は一夏が見つけてきた可愛いマグカップへと、ココアの見つけたカッコいいマグカップへとコロコロコロコロ変わっていく。

 

「なんで女の買い物が長いか分かった気がする。」

 

「この間に済ませるぞ。」

 

ガールズトークに割って入るのも辛いが比較的メルヘン成分強目の店内で男二人、ポケットに入っている仮想生命体二機を含めれば男四人でいるのもまあまあしんどかった。

心持ち的にも、周りの視線的にも

 

「俺ら何やってんだろ?」

 

「そらお使いだろ。」

 

「普通ここ男女で来るとこだろ?」

 

「俺に言うな。なんなら今からでも向こうに戻「ヴェアアアアアアアア !」

 

「ちょっと心愛ちゃん!ちゃんと前見て!」

 

「危うく割っちゃうとこでしたよ!」

 

「わしの頭に当たったらどうするつもりだったんじゃ!」

 

振り向かないでもわかる。

容易に想像出来る心愛が前方不注意で棚にぶつかってカップの雨を降らせそうになったのだ。

 

「、、、ねぇな。」

 

「だろ。」

 

男たちは淡々とカップを選んでいく。

新手の地獄か?そう思い始めた時だ。

 

「普通ここはばったり知り合いの女の子と!

みたいな風になるとこじゃん。」

 

「さっきから文句ばっか言うな!

そんな事が現実に起こるわけないだろ!

ラノベじゃあるまいし!

現実の女子なんて、見た目に反して行くところなんてアニメショップか、ガンショップだ!」

 

「そんなことはない!偏見だ!」

 

くわっ!見知らぬツインテの背の高い女子が突っかかってきた。

 

「うおっ!ってお前天々座か?」

 

「久しぶりだな秋山。」

 

「蓮知り合い?」

 

「二年前からラビットハウスでバイトしてる天々座だ。

相変わらず寝不足か?毛穴開いてるぞ。」

 

「黙れデリカシー無し男!

お前だってなんだその普通な髪型!

ニュースで見た時結構驚いたぞ!

前までのツンツン頭はどこに行った!」

 

「前に友達からイキった不良っぽいからやめた方がいいって言われてな。」

 

旧知の仲故かくだらない喧嘩でもなんか楽しそうだ。

 

「そう言や天々座さん?はなんでここに?」

 

「言いにくいしリゼでいいよ。えっと、」

 

「網島です。」

 

「よろしく網島。実はこの前手を滑らせて一個割っちゃってね。

それでこうゆうの好きな後輩がよくここに来るって言ってたから。」

 

「その後輩ってのはさっきからチラチラこっち見てる香風と同じぐらいの背のガキか?」

 

ビック!と蓮の指差す先にいた外にはねた金髪の少女が大袈裟に震えながら、ゆっくりと振り返る。

 

「シャロ。」

 

「り、リゼ先輩。」

 

「意外だな天々座、お前の彼女か?」

 

「た、ただの後輩です!」

 

「私ストレートだからな?」

 

「、、まさか蓮お前ゲ「周りにレズやらゲイやらバイが多かっただけだ。あんまり深く考えた事はないが俺自身ストレートだ。」

 

どんな環境だ。

と突っ込みたかったが流石にこの店内でする会話ではないので自重した。

 

「そういやシャロはまたコレクションを増やしにか?」

 

「あ、はい、バイト代も入ったんで。」

 

「どこで働いてんの?」

 

「フールドラパンっていうハーブ専門店です。よかったら来てください。」

 

「変な噂は絶えないがな。

ロップイヤーに胸の開いた娼館みたいな制服だし。」

 

「こっちだって恥を忍んでやってるんですよ! 

お金欲しいから!」

 

(ここまで来るといっそ切実だな。)

 

「変な噂なんて元々だろ?この街は二年前からそうだ。」

 

「二年前から?」

 

「あぁ。なんでもこの街は影が人を食ってるらしい。

二年前からこの街の行方不明者は隣街の風都と並んで平均の三倍。

のどかに見えて中々物騒な街なんだ。」

 

「なんか、風都のガイアメモリみたいだな。」

 

「一説には闇バイヤーが風都から流してるらしいぞ?」

 

「風都の闇、か。」

 

ケイタはポケットのデッキを取り出す。

今の自分にはこれがある。

もし、ドーパントと対峙しても、変身さえ出来れば戦って勝てる。

けど、自分から探すのはあるだろうか?そこまで考えて

 

「無いな。」

 

「え?」

 

「どうしました?」

 

「いや、噂は噂だよ。例えばシャロちゃんだってどんなに金貰えても嫌な金なら好きなものに使ったりしないでしょ?」

 

「え、まぁ。」

 

なら、きっといい店なんだよ、フールドラパン。

そう言ってケイタは再びデッキに目を落とした。

多分自分は助けを求められたり、

自分の見える範囲で「助けて。」も言えなくなってる人しか助けようとしない。

 

名前も知らない大勢の為に戦うのも素敵だけど、少なくとも俺の大好きなあのヒーローなら、風都の顔左翔太郎とフィリップならそれしかしない。

それは怠慢じゃなくて悪党にも自分から罪を数えるチャンスが必要だからだ。

 

「今日もいい風が吹いてるかな。風都は。」

 

 

 

2

場所は変わり風都タワーの真下。

帽子を被ったスーツの伊達男が変わった形のガラケーで通話していた。

 

「ガイアメモリが木組みの街に?」

 

『ああ。シュラウドの、母さんの元協力者を名乗るポリー・ナポリターノという女性がさっきこの件の解決を依頼して来た。

シュラウドの協力者だったかは怪しいが、情報の信憑性は高い。』

 

「海外で、ガイアメモリってなると、財団Xがらみか?」

 

『ご明察だ。財団関連の施設から米合衆国政府が押収していたメモリが紛失した。3本あってそれぞれアントライオン、ダミー、ナイトメア。』

 

「懐かしい上に厄介なやつばっかだな。

よしフィリップ。彼女を送り届けたら直ぐに戻るぜ。」

 

暖かな春の風が翔太郎の頬を撫でる。木組みの街か、

そういや懐かしい二人がIS学園に進学したんだったな。

 

「風都の外でも風は出会いを運ぶ、か。」

 

帽子をなおし、上着を正すと翔太郎は彼女を、涌井さん家のメス猫のルナちゃんを連れ戻すべく街に繰り出して行った。




ケイタ「初番外編如何だったでしょうか?」

蓮「特別な予告の割に大した事なかったな。
それに、名前だけとはいえあのクソ女が出てくるのかよ!」

ケイタ「あのクソ女って?」

蓮「お前は気にしなくていいんだよ!
次回、Dragon against Dark wingその5!」

ケイタ「えっ、た、戦わなければ生き残れない!」

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