infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来   作:伊勢村誠三

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ケイタ「これまでのinfinite DRAGON KNIGHT。今回の依頼は!」

フィリップ「間明蔵人の差し金により四十院神楽から行方不明者の捜索を依頼されたレン・アキヤマとフォンブレイバーサード。3人の前に謎のドーパントが現れる。」

ゼロワン『そしてついに木組みの街にて姿を現した風都の仮面ライダー、W。果たして奴は敵か、味方か?』

ケイタ「それではどうぞ。」

(op DIVE IN TO THE MILLER KAMEN-RIDER DRAGON KNIGHT)


Episode of Jokers その4 Cは悪魔だ/罪を数える意味

1

少し時を戻して蓮の視点から物語を見よう。

蓮は神楽に指定された公園のベンチに座ってまっていた。

 

《レン様?一つよろしいでしょうか?》

 

(なんだサード?そろそろ四十院が来るから手短に頼む)

 

《なぜあの時わたくしにデビルKと名乗らせたのですか?》

 

実はあの時、四十院に話しかけられた時に蓮はサードにデッキを介して指示を出していたのだ。

 

(もしあの場でデビルK、エンジェルKじゃないって言ってみろ。

他にもいるのか?って探ってくるかもだろ?

少なくともお前がサードでデビルKって事にしとけばフォンブレイバーはエンジェルKと後プロトタイプだけって思ってくれる可能性が高いからだ。)

 

《ナルホド、しかしなぜわたくしはデビルKと呼ばれたのでしょう?》

 

(そりゃお前の色はどう見たって白じゃないし、

暗いとこなら黒っぽく見えるかもだからだろう?)

 

《、、、そんな理由ですか!?》

 

(そんなもんだろ。

それより四十院に関する情報は仕入れられたか?)

 

《勿論です。スマートフォンをご覧ください。》

 

言われた通りにスマホを開く。

サードのアドレスからメールが届いていた。

 

(、、四十院神楽。旧華族の大家北岡家の第一分家四十院家の長女。

幼少から剣術、勉学に励み、旧華族や財閥令嬢しか通わないような女子校で成績はいつもトップクラス。

剣道は大会での優勝経験も。その上ISも座学操縦共に優秀。

さらに見ての通りの容姿端麗で性格も慎ましやかで飾らない。

と才色兼備のお嬢様。17年前に死んだ北岡家出身のスーパー弁護士、北岡秀一に息子がいれば許婚になっていたはずだった。

北岡秀一、確か病気で早死したんだったっけ?

噂だが様々な国の女と交際関係にあった筈だし、

生きてて早い段階で結婚してたら俺らより一つ二つ下の子供がいたかも、か。

許婚ってのもあり得ない話じゃなかったっぽいな。)

 

そんなことを考えているうちに誰かが来たようだ。

 

「おはようございます。

お待たせして申し訳ありません。」

 

袖無しの白い縦セーターに黒いミディスカートの神楽がやって来た。

 

「いや、時間ぴったりだ。問題ない。」

 

歩きながら話そう。そう言って公園の出口に向かおうとすると

 

「あれれ?レンレンにかぐっちだ!おーい!」

 

私服も萌え袖の布仏本音がいた。

 

「あら、布仏さん御機嫌よう。」

 

「ごきげんよー、珍しい二人だね〜。

もしかしてそうゆうことなの?」

 

ニヤニヤといやらしい目つきになる本音。

それに対してただでさえ皺の寄ってることの多い蓮の眉間にそれはそれは深い皺が刻まれる。

 

「悪いが今日は忙しいんだ。

下らない冗談を言う相手が欲しいんなら甘兎の宇治松のとこにでも行ってろ。」

 

「あそこちややんのお家だったの?」

 

余計な話で盛り上がっちまった。

そう蓮が後悔した時だった。

 

「そこの両手に華なクールボーイ、ちょっといいかな?」

 

誰が両手に華だ。

四十院は兎も角布仏はタンポポもいいとこだろ?

振り返ってそう言おうとした時が、その話しかけてきた男見て黙る。

体の運びから只者じゃないのが分かる。

場慣れしてて程々に修羅場も潜ってるんだろう。

顔は中々の美形で、鋭い目を中折れ帽子で隠している。

服は動きやすくもちゃんとした場にいてもおかしくないまあまあの値段のスーツ姿。

 

「あんた興信所の社員だな?」

 

「いかにも、私立探偵の左翔太郎だ。」

 

そう言って小洒落た名刺を差し出した。

 

(鳴海探偵事務所?何処かで聞いた名前だな。

なんかの資料で読んだような?)

 

「それで今あるガール達の行方を探っていてね。

この顔に心当たりないかな?」

 

そう言って三枚の写真を懐から取り出す翔太郎。

 

「先輩達!?」

 

「え!?本当!?」

 

(なに?ということはこの探偵も怪人屋を、、!

思い出した。鳴海探偵事務所。

表向きは普通の興信所だが裏ではガイアメモリを販売、

開発していた秘密組織ミュージアムの起こす超常犯罪解決を組織の裏切り者、園咲文音(そのざきふみね)からの支援を受けながら解決してきた探偵事務所!)

 

「そうかなら話が早い!詳しい話を痛てててててて!!!」

 

「教え子に何を吹き込んでいる怪しい奴め。」

 

写真をしまいメモを取ろうとした翔太郎の腕を思い切り捻りあげる手があった。

いつの間にか背後にいた織斑千冬だ。

 

「織斑先生!?乱暴はやめて下さい!

その方は興信所の方で!?」

 

「こうゆうのも有りますし、信じていいかと。」

 

「ほう、そうか丁度いいなら身分詐称で、、、鳴海探偵事務所、だと?」

 

「痛たた、いきなり何しやがる!」

 

「貴様はまさか、鳴海荘吉の弟子か!?」

 

「!?、、ふふ、やはりおやっさんの名はこの木組みの街まで轟いていたか。いかにもおやっさんは、鳴海荘吉は俺が最も尊敬するハードボイルド探偵さ。」

 

「、、、なら尚更うちの生徒達から離れろ。」

 

「な!なんでそうなるんだよ?」

 

「せんせー?なんか怖いよ?」

 

「織斑先生、お言葉ですがこれ以上は威力業務妨害になりかねません。

ただでさえ向こうは暴行罪で訴えれるんですから事情は知りませんけど落ち着いて下さい。」

 

ぐっ!と悔しそうに唇を噛む千冬。

 

対して勝ち誇るわけでもなく、

メモ帳に着いた砂埃を払い聞き込みを再開する翔太郎。

 

(、、なんというか、この左って探偵。

大人だな。まあ探偵なんてやってりゃ嫌でも人の汚い部分くらい見慣れるか。)

 

一通り終わったのだろう。

帽子を脱いで挨拶すると翔太郎はキビキビと歩き去って行った。

 

「ところで先生はなんで公園に?」

 

「貴様のような不純異性交遊未遂犯を見張る為だ。」

 

「織斑先生、あなたはどうか知りませんが、

私はつい昨日まともに話しをしたばかりの殿方に股を開くような軽い女ではありませんでしてよ?」

 

そう言う四十院は口は笑っているが目には一切光が無い。

 

「、、、すまん四十院、不快な思いをさせたなら謝る。」 

 

(織斑千冬に頭を下げさせるとは、こいつ中々侮れないな。)

 

小さく溜息をつきどうやって千冬を追っ払えばいいかと思案を始めた時だった。

 

「、、、アキヤマ、四十院、布仏、何か聞こえないか?」

 

「なんも聞こえないよ〜?」

 

「頭の次は耳がおかしくなりましたか?」

 

「四十院そろそろ許してやれ。

、、、確かに微かに聞こますね。

砂時計の砂が落ちるのに音をつけたみたいな?」

 

でも砂なんてどこから?ふと下を見てみると

 

(地面が傾斜になって流れてる!?)

 

とりあえず四十院を蹴り飛ばし流れの外に出す。

足が浮いたせいで下に下に流されるが打鉄黒翔を展開して上空に浮いた。

見おろすとさっきまで立っていた場所が坂の途中に変わっていた。

 

「なんだありゃ?

蟻地獄の巣みたいになってるぞ?」

 

『蟻地獄のアドベントビースト、

あるいはドーパントの仕業でしょう。』

 

「たく、日本も怖い国になったもんだな。」

 

よく見ると庇いきれずに落とされたらしい本音とまだ近くにいたらしい翔太郎、そして何故かいた鈴が坂の中腹でワイヤーでぶら下がっている。 

 

「流石探偵。いろんなおもちゃ持ってるな。

サード、スラスターの勢いを調整、

あと筋力アシストをもう一段上げてくれ。まとめて拾うぞ。」

 

『了解です。』

 

どうやら向こうも意図を察してくれたらしい。

 

(よしよし、動かないでいてくれよ。)

 

しかしこうもタイミングが悪いことが重なるのかデッキから耳鳴りのような音が響き出す。

 

(ッ!?鏡、鏡、、あそこの噴水か!)

 

気付いたのと同時に噴水から白い糸が飛び出し蓮の腕に絡みついた。

なんとか引っ張り返して敵をベンタラから引きずり出す。

 

「██▅▅▅▃▄▄▅▅▅▅▃▃▄▅▅▅━━!」

 

(ビースト?いや、ドーパントか!)

 

蜘蛛怪人、スパイダードーパントに飛びかかられうまく飛べなくなる蓮。

 

「チッ!蜘蛛に碌な思い出がないな!」

 

『つくづく嫌われてますね。』

 

「うるせえ!」

 

しかしどうしたものか?とドーパントの顔を抑えながらなんとか宙にとどまっていた時だった。

 

<CYCLONE JOKER!>

 

砂嵐と共に緑と黒の二色の超人が姿を現したのは。

 

「code:Wだと!?」

 

「まさかあの探偵が、、、。」

 

スパイダードーパントを抑えながら二人は事の成り行きを見守った。

 

 

 

2

木組みの街の上品なガール、四十院神楽から有力とは言い難いが、情報を得た俺は次なる怪人屋の足跡を探すべく公園を後にしようとした。

 

しかし不意に誰かが俺の背中を叩いて呼び止めた。

しかし右に振り向くと誰もいない。

しかし気配はする。

試しに左に振り向くとまたしても誰もいない。

そして次に右を向くフリをして左に振り向くと

 

「みーつけた!って鈴ちゃんじゃねぇか!?」

 

そこに居たのは意外な人物。

2年前まで風都に住んでいた中華屋の一人娘、鳳鈴音だった。

 

「へへー、久しぶりだね翔太郎さん。」

 

「またこっち来てたのか?ご両親は元気してるか?」

 

「あ、、うん。多分。」

 

「、、、すまねえ、デリカシーのない質問だった。」

 

「う、ううん!いいよ、翔太郎さんが悪いんじゃないし。

私は元気だから。」

 

「そうか、なら丁度いい。

ちょっと聞きたいことがあるんだ。」

 

「もしかしてケイタ達のこと?なら聞いてよ!

なんかケイタも一夏もなんか、恋煩いって感じで!」

 

「ほー、成る程、ケイ坊に一夏が、って、ええええええー!?」

 

俺の頭に晶に彼女がいると知った時以上の衝撃が襲った。

 

「マジかよ、二人が!?はー、青春だな。」

 

「でしょ!しかももしかしたら一夏は結構近しい人になのかもなんだよ!」

 

「根拠は?」

 

「まずあの一夏が注意散漫になるなんてことはそんだけ意外な人物、

近すぎて異性と捉えていなかった人物だってこと。」

 

「あり得ないけど、近さ的には五反田の坊主ぐらいって事とか?

絶対にあり得ないけど。」

 

「大いに同感。最後にそれを相談した相手が今年学校始まってから出来た他クラスの新しい友達なのよ。」

 

「ケイ坊や鈴ちゃんは近すぎて誰が相手か分かっちまうから、か。

確かに筋は通ってるな。」

 

でしょ!と無邪気にいたずらっ子のような笑みを浮かべる鈴。

それに翔太郎も思わず微笑み返す。

しかし直ぐに異変を感じた翔太郎は戦士の貌になった。

 

「?翔太郎さん?」

 

「鈴ちゃん離れるなよ?ここは、なんかがおかしい!」

 

ずるっ。と音を立てて地面が斜めに傾き始める。

 

(この攻撃はまさか!)

 

気付いた時にはもう遅かった。

慌てて左手首のデジタル腕時計型メモリガジェット、スパイダーショックを発動させて下から飛んできた針を受けきるが何発か弾き漏らしてしまったらしい。

敵が放った毒針が鈴の左脛に二本刺さり翔太郎の右腕をかすめる。

 

「しまった!鈴ちゃん!」

 

なんとか毒で痺れて体勢を崩した鈴の襟首を掴み穴の外の街灯にスパイダーショックのワイヤーを引っ掛ける。

 

(よし、このままワイヤーを引っ張って上まで!)

 

しかしそれをよんでいたのだろう。穴の中央から砂嵐が巻き起こる。

 

「え?あ、、助けてー!!」

 

割と穴の縁の近くにいた本音が巻き込まれ翔太郎達の方に吹っ飛ばされてきた。

 

「うおっ!マジかよ。流石に重量オーバーだぜ。」

 

「わ、ワイヤーって、、、もっと丈夫、、なんじゃ?」

 

「俺の手が折れる!」

 

「なんとか頑張ってー!」

 

「クッソ、、鈴ちゃん、それとのんびりガール!

ちょっと荒っぽくなるけど絶対に上にあげてやる!

信じてくれるか!?」

 

毒が回って喋るのも辛い鈴は首肯で、

本音は元気よく信じるよ!と答えた。

それに翔太郎も頷き返すと鈴を掴んでいた手を離し懐からスタッグフォンを取り出す。

 

(頼むぞ、来い!)

 

<JOKER!>

 

<JOKER MAXIMUM DRIVE!>

 

翔太郎の想いに反応したT2ジョーカーメモリはスタッグフォンを変形させ、

穴の主、アントライオンドーパントを攻撃。

その隙に鈴と本音にワイヤーを取り付け穴の上にあげた。

帰ってきたスタッグフォンを回収し、

アントライオンドーパントに対峙する翔太郎。

 

「さて、お前の相手は俺だぜ砂場野郎。…フィリップ!」

 

今風都にいる相棒の名を呼びながら赤いベルト、

Wドライバーを装着。フィリップの魂と共に転送されてきたサイクロンメモリをセット、続いてスタッグフォンから取り出したT2ジョーカーメモリをセット

 

「変身!」

 

<CYCLONE JOKER!>

 

ベルトをWの字形になる様に変形させ、メモリの力を発動。

翔太郎は、否、翔太郎とフィリップは変身を完了した。

 

「漆黒のドーパント!?」

 

「緑の仮面ライダー!?」

 

「いや、どっちもだ、俺たちはW(ダブル)

 

「『さあ、お前の罪を数えろ!』」

 

「つ、、み?」

 

「はっ!」

 

Wの左ハイキックがアントライオンの顔面に決まる。

 

「メタルほどじゃねえが中々硬いな。」

 

『検索通りだ。翔太郎、君の側をメタルに。』

 

「よし来た。お熱いの、かましてやろうぜ!」

 

<HEAT METAL!>

 

右側を赤色に、左側を鉄色にそれぞれハーフチェンジさせたWは召喚された棒型武器、メタルシャフトを巧みに操りアントライオンを追い込んで行く。

 

『この隙にデンデンセンサーを。

見ている限りアントライオンは過剰適合に近い状態にある様だ。』

 

「よし来た、なら直ぐに解放してやらねえとな。」

 

ガイアメモリの過剰適合者の場合、

下手に倒すと当人の命を奪いかねない場合があり、

直接体内のメモリを叩く必要があるのだ。

双眼鏡型のガジェット、デンデンセンサーでメモリを探す。

どうやら首の辺りにある様だ。

 

『ならスタッグを使おう。』

 

<HEAT TRIGGER!>

 

左側を青色のトリガーにハーフチェンジさせ、

突撃銃型の武器、トリガーマグナムを取り出し、

ジョイント部分に変形させたスタッグフォンを取り付ける。

 

「うぅ?、、あ、あぁ、、、やっと、楽に、、、、。」

 

「『トリガースタッグバースト!』」

 

放たれた真っ赤な二叉のビームがアントライオンの首を寸分の狂いもなく撃ち抜く。

ドーパントの体外に排出されたメモリが乾いた音を立てて砕けた。

 

「!?なんだ、どんどん地面が平らに!」

 

『メモリの効果が無くなったんだ早く脱出するよ!』

 

<LUNA TRIGGER>

 

右側のボディを黄色に、伸縮自在のルナにハーフチェンジさせ、

鈴と本音を釣り上げる時にも使った街灯を掴み、

アントライオンに変身させられていた少女と共に脱出する。

 

「おーい、クールボーイ!」

 

スパイダードーパントを振り払い降りてきた蓮に駆け寄るW。

 

「探偵さん。まさかあんたが、スカルドーパントを継ぐ者だったとはな。」

 

「あんたじゃない。あんた達だ。

それからおやっさんはドーパントじゃねぇ。

仮面ライダースカルだ。」

 

「仮面ライダーだと?」

 

「企業秘密なんで喋らないでな。彼女は任せたぜ。」

 

蓮にアントライオンだった少女を任せるとWは去っていった。

 

(俺たちの知らない仮面ライダー、、ガイアメモリの戦士。)

 

『毒をもって毒を制す。という訳ですか。』

 

「歪だな、だけどそれも正義の形か。」

 

 

 

3

夜、仄暗い病室でアントライオンドーパントに変身させられていた少女、IS学園剣道部二年のマキは目を覚ました。

 

「先輩!大丈夫ですか!?

私の名前が分かりますか!?」

 

「、、、四十院さん?私に、何が?」

 

マキは心底分からないという顔を神楽は辛そうな顔をしている。

 

「、、、やはり記憶に混濁があるか。」

 

その様子を外から見ていた警視庁超常犯罪捜査課の刑事、狩野洸一は独り言ちた。

 

「その口ぶりからすると確信があったみたいですね。刑事さん。」

 

隣にいた蓮がそれに質問する。

 

「ああ。彼女の首に付けられていた機械。

あれはガイアドライバー、生体コネクタと呼ばれるガイアメモリを体内に挿入する為のタトゥーの様なこ刻印と同じ働きをする物の技術を応用して作られた物だ。

特殊なもずくの様な藻から取り出した成分をメモリの挿入と同時に体内に入れる事で取り付けた相手の知能、判断力、記憶力を低下させ、命令を強迫観念として刷り込ませらる様にする装置だ。」

 

「悪趣味ここに極まれりだな。

だがそこまで分かってて捜査が進んでないってことは。」

 

「、、、これは俺の独り言だが、

国のIS委員会は、末端はどうか知らんが、

上層部は間違いなく悪質な金に物を言わせた女性権利団体の傀儡だ。

ISを神聖視してそれ以外を認めようとしない。

国に牙を剥かない限りはな。」

 

「とても為になる独り言だった。吐き気を催すよ。」

 

「気に入ってもらえて何よりだ。レン・アキヤマ特別捜査官。」

 

バサ、と持っていた封筒を落とす洸一。

 

「ああ、吐き気につられて頭痛までして来た。

この体調じゃ他人の荷物までうっかり持ってっちまいそうだぜ。」

 

「奇遇だな。俺も最近忙しくて一刻も早く酒に酔いたい気分だ。

きっと忘れ物をしても気付かない。」

 

蓮は封筒を拾うと裏口の方へ、洸一は正面の方へ歩き出す。

 

「ご武運を。」

 

「叩き上げを舐めるな若僧。

俺は今久し振りに、脳細胞がトップギアだ。」

 

蓮は封筒を上着に隠しながら最低限の足音で階段を駆け下りた。

 

「まて、その封筒はなんだアキヤマ。」

 

「あんたには関係ない。」

 

「いや、ある。目の前で生徒がいらんことに首を突っ込んで行こうとしてるんだ。

これは警察の仕事だ。IS操縦者の卵の仕事じゃない。」

 

「じゃああんたが捜査するのか?ど素人のアンタが?」

 

「だからこれは警察の仕事だ。」

 

「警察は動かない。だからアンダーアンカーが動く。」

 

「お前の様な子供がやらなくても!」

 

「俺以外やらないから俺がやるんだ。

仕事でもなんでもなく金の為にな!」

 

「金?命を張ってまで欲しいものか?」

 

「はぁ、、言いたくなかったが、

あんた如きの、ただ最強ってだけの何の権利もない先生はおとなしく次に出席簿振り下ろす先の事でも考えてろよ。

お前が俺より上なのは年齢(とし)とISのテクだけだ。」

 

「ならばそうしよう。」

 

スパン!と出席簿が蓮の側頭部に直撃し、膝から崩れ落ちた。

 

「、、、すまんな。」

 

一言呟くと千冬は封筒を拾い立ち去った。

それから5分、6分、、、10分後。

蓮の頭の前にオレンジ色の何かが飛び降りた。

それは四角い頭に二本の足をつけた様なメカでツンツン。

と蓮の頭を突く。

 

「もう行ったかハイシーカー?」

 

コクコク。とまだ試作段階の量産型ブーストフォン試作機、ハイシーカーが頷く。

 

「たく、万が一に備えてデッキを起動しておいて正解だったな。」

 

上着をめくるとそこにはVバックルが装着されている。

 

『レン様、無茶は程々に。

しかしブリュンヒルデも侮れませんね。

デッキは起動しただけでスーパーマンと呼べるレベルまで身体強化されるのに一瞬でも意識を刈り取るとは。』

 

「あんな調子でシグルドを見つけられるのかよ。」

 

『立候補してみては?』

 

「バカ言え。誰が好き好んで雌ライオンの世話なんかするか。

さっさと帰るぞ。KAMEN-RIDER!」

 

ウイングナイトはハイシーカーをしまいアドベントサイクルに跨ると帰路に着いた。

 

 

 

4

時は昼まで遡る。

一夏は心愛と共にケイタを探していた。

最初こそ冷静さを失っていたが今にも泣きそうな顔をしながらデッキを持って走り出て来た千夜をみて我に帰った。

 

考えてみれば生活力そんなないグータラさんの癖して悩む時は本当に悩み込んでしまうケイタが口の軽い心愛やデリカシーのない蓮、それから人から結構顔に出やすいとよく言われる自分に、ライダー関連のデリケートなトラブルについて相談するだろうか?

 

そう気付いた瞬間体は勝手に千夜に続いて飛び出していった海之とケイタを追っていたが、土地勘のない一夏はたちまち3人を見失ってしまった。

 

「い、一夏ちゃ、、ま、待って、早いよ、、、。」

 

「わ、私は中学時代、中二の五十メートル記録を塗り替えた女、この程度。」

 

息を切らしながら周りを見回す。

何処か広場ということ以外分からないが、兎に角広場の様だ。

 

「一夏ちゃんここ何処かわかる?」

 

「ごめん全く。ゼロワン?GPS使えない?」

 

『安心しろ、調べたところラビットハウスからそんなに離れてない。

歩いて帰れる距離だ。』

 

なら良かった。取り敢えず落ち着こうと噴水に腰かけた。

 

「今更だけどごめんね心愛ちゃん。

私、頭に血が上ってたみたい。」

 

「自覚できたなら良いよ。それよりケイタ君たちどこ?」

 

『一度ラビットハウスに戻って連絡すべきではないか?』

 

「そうは言うけど宇治松さんが持ってたのってケイタの、ドラゴンのデッキだよね?

てことは藤丸さんとあの金髪の子もライダーを知ってる事になるよね?」

 

「確かに、、、。じゃあなんで私達に相談してくれなかったの!?」

 

『口の軽いお前は兎も角、包容力高めの一夏に相談しないのはおかしいな。』

 

「ケイタ昔から結構、一人で悩んじゃうタイプだからなあ、聞いても話してくれるかな?」

 

と頭を抱えた時。

 

「そちらのお疲れガールズ、休憩ついでにちょっといいかな?」

 

(?、、誰だろ?凄く聞き覚えのある声、、翔兄!」

 

「?、、、え!?もしかして一夏ちゃんか!?」

 

「知り合い?」

 

「おっと、、んっん!、初めましてお嬢さん。

鳴海探偵事務所のハードボイルド探偵、左翔太郎です。」

 

「あ、初めまして!私は保登心愛って言います!」

 

「翔兄は風都一の名探偵なんだ!」

 

「へぇ。じゃあ事件の捜査に?」

 

「ああ、この辺りに怪人屋って呼ばれてる悪党が居てな。

そいつを追ってるんだ。」

 

「凄いですね探偵って、、?、、!二人とも避けて!」

 

「なに!うぉっ!」

 

「え?きゃっ!」

 

間一髪、心愛が気付かなければ切られていただろう。

水面を背にしていた一夏と翔太郎に何者かが切りかかった。

 

「なんだったんだ今の、新手のドーパントか?」

 

「違う。」

 

「?、心愛ちゃん見てたの?」

 

「うん。けどありえないよ、アレは、

二人に斬りかかったのはケイタ君、ドラゴンナイトだった。」




ケイタ「いかがだったでしょうか?」

フィリップ「一つ気になったのが、ブーストフォンハイシーカーだ。地の文で量産型プロトタイプと紹介されていたが、フォンブレイバーの量産型プロトタイプが無いのに、量産計画を進めてないのに何故、ブーストフォンのみ計画が進んでるんだい?」

ゼロワン『確かに、俺と間明が起こした事件のせいでセブン以降のフォンブレイバーは開発されていないが。』

ケイタ「作者に特別に教えてもらったんだけど、実はアンカー上層部の一部は
まだフォンブレイバーの量産化、全エージェントバディユーザー化を諦めてないらしくて来たる警察からのサイバー犯罪捜査権限の奪取にむけて水面下に準備してるらしいですよ?」

ゼロワン『という事はアキヤマにはもハイシーカーはただのシーカーの強化版のテスト機としか知らされてない訳か。』

フィリップ「なるほど、ゾクゾクするね。」

ケイタ「それはさておき、次回、infinite DRAGON KNIGHT!」

ゼロワン『Episode of Jokers その4 Cは悪魔だ/罪を数える意味 中編!』

フィリップ「ゾクゾク言わしてやるよ。」

(ED The usual suspects 仮面ライダーアギト)

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