infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来   作:伊勢村誠三

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ケイタ「準備はいいか?みんな!」

箒「無論だ。」

ブラッド「出来てる。」

千夜「それじゃ行こっか。せーの。」

4人「お気に入り登録者数20人達成、ありがとうございます!」

ケイタ「まさか二桁いくと思ってなかったので本当にありがたいです!」

千夜「いつも感想を下さる影山鏡也さん。
登録してくださった皆様、登録してなくても毎回見て下さる皆様、たまたまこのエピソードを見た皆様、そして何だこのゴミssと思いつつも悪意あるコメント一つせずにブラウザバックしてくれた皆様、本当にありがとうございます。これからもこの拙いssをよろしくお願いします。」

箒「なんか最近私の出番がほぼ無いし完結までなんとかいけるのか?と不安になるが、生暖かい目で見守っていてくれ!」

ブラッド「今回は前回の裏で起こっていた出来事や怪人屋の正体が明かされるぞ!」

ケイタ「それではどうぞ!」


Episode of Jokers エピローグ Cも悪魔だ/木組みの街の悪党

1

スティングに逃げられ、ウイングナイトにも逃げられたトルクは不快の絶頂だった。

 

「ああくそ!巫山戯んなよ!

今日お前のせいで二回しくじった!

早く誰か探して倒すぞ早くしろ!」

 

まるで全てアックスが悪いかのように散々に罵倒するトルク。

二人掛かりなら何とかなる。

と甘く考えていた彼にも非は無く無いのだが、

生憎彼は自分を顧みない。

そんな彼の後ろに続きながらアックス、簪はぼんやりと思った。

 

(私はどっちを信じたら、、、。)

 

さっきからスティングに言われた言葉と彼が、

ケイタが思い出させてくれた幼馴染の言葉がぐるぐる頭の中を巡っていた。

 

「君だってあのだらしなく見えてやる時はやる、、というか、やれば出来る?あいつに手を貸したくなったんじゃないか?」

 

確かに恩義を感じてた。下心が有ったにせよ、

前を向かせてくれた彼に恩を仇で返すような事をして申し訳ないと思う。

 

「お嬢の良いとこはなんだかんだ言ってちゃんと前向こうとするとこですよ。」

 

果たして今の自分は今前を向けてるだろうか?

そうな風にボーっと鏡を探していた時だった。

 

「、、、ケイタ。」

 

「なんだって?」

 

鏡の向こうにケイタ達を見つけた。

三人ともバイクに乗っている。

 

「なんだ?ビーストの群れに襲われてんのか。

チャンスだ。纏めて倒すぞ。」

 

そう言ってマグナバイザーを構う直すトルク。

 

「ちょーっと待った!」

 

しかし2人の顔をかすめる様に放たれた短刀がそれを止めた。

 

「間明の旦那から援軍の話は聞いとらへんぞ!

さてはお前ら栄光だけ横取りする気やな?」

 

「間明の旦那?栄光?」

 

「なんだとこの雑魚。」

 

「ゆうたなこのデク!」

 

<ATTACK VENT>

 

無数のレイヨウ型ビーストとスピアー対トルク、アックスの乱闘が始まった。

レイヨウ型ビースト達だけならなんとかお互いの背中を守りあって対応出来たがスピアーは強敵だった。

 

<SPIN VENT>

 

「オラこっちや!」

 

ガゼルスタップで殴りかかったかと思えば

 

「後ろや!」

 

メガゼールの剣で背後から斬りかかり

 

「おら!どこ見とる!」

 

オメガゼールの二叉槍での打撃。

 

「まだまだ!」

 

死角からの短剣の投擲。

 

カード数が全ライダー中最低のスピアーは無数に召喚出来るビースト達の武器を必要に応じて借りる事で多彩な攻撃が可能なのだ。

 

「クッソ!埒があかない!」

 

「ハッハー!俺様名物ガゼルの群れや!

このまま嬲り尽くたるさかい!」

 

短剣から再びガゼルスタップを装備してアックスの二つの肺を狙う。

 

(まず1人!)

 

ビースト達の影から攻撃する。

とった!スピアーが確信した瞬間、何かが首に巻きついた。

 

「がはっ!」

 

ぐん!とそのままハンマーの様に投げられ味方を巻き込みながら吹っ飛ばされる。

 

「はぁ、、はぁ、、、うぷっ。、、ふぅ。

無茶をして来た甲斐があった、私の占いは当たる。

良くも悪くも、、主に悪くも。」

 

エビルウィップを装備したスティングだ。

 

「き、貴様ぁ!いてかましたる!このピンクゥ!」

 

「これは紅色だ!」

 

エビルウィップでは不利と思ったスティングは新たなカードをベントイン。

 

<COPY VENT>

 

二つのガゼルスタップが激突を繰り返す。

スピアーは完全に冷静じゃなかった。

 

「落ち着け!私は君の運命を変えに来たんだ!」

 

「宗教の勧誘なら他所でやれや!」

 

一方アックスとトルクは思わぬ乱入に戸惑いはしたが司令塔が居なくなった為カードを使うだけの余裕が生まれた。

 

<ATTACK VENT>

 

<STRIKE VENT>

 

アックスは契約ビーストのデストワイルダーを、

トルクは近接武器のギガホーンを召喚し、

確実にビーストの群れを減らしていった。

 

「行くぞ!纏めて倒す。」

 

「待って!まずは話を聞いてから「あっちのピンクは兎も角あのガゼルの方は話が出来るとでも思ってるのか!?さっきから役に立たないくせに命令するな!俺に付いて来い!」

 

そう言ってトルクはギガホーンからビームを放つ。

背後からビームを受けたスピアーは対峙していたスティングを巻き込んで吹っ飛ばされた。

 

「あんのデカスケ!」

 

「待て!落ち着け!ベントされるぞ!」

 

「俺があんな奴に負ける訳ないやろ!」

 

「違う!私が占った結果君は紫の尖った肩のライダーにベントされる!こんな所でカードを消費し切ってしまえばなす術なくやられてしまうぞ!」

 

「なんやて?」

 

紫の尖った肩のライダー。そう聞いたアックスは縮み上がった。

かつて、ケイタと出会う少し前、

自分に生まれて初めて死を感じさせた男の姿が脳裏に蘇る。

 

「なんでや?あいつはゼイビアックスの手下やろ?

なんで仲間のはずの俺をベントするんや?」

 

「ゼイビアックス?サイモンズの事か。

奴はなんでか知らんがライダー同士が殺し合うことを望んでいる!つまり君の死を望んでいる!

初めから君の事は仲間ともなんとも思ってないさ!」

 

「なん、、やと?フザケンナや!

じゃあ俺はいままで何のためにあいつらの片棒担いで来たんや!騙しとやがって!降りるぞ!

こんな無意味な戦い俺は降りる!」

 

スティングを突き飛ばすとスピアーは早足で鏡の方に歩き出した。

 

「降りる?許される訳無いだろ?」

 

<SHOOT VENT>

 

ギガランチャー のミサイルがスピアーの背中を直撃した。

 

「ドリュー!?何で!」

 

「うるせえ!」

 

ギガランチャー の反対側のハサミの様になっている部分でアックスを殴り至近距離でミサイルを浴びせスピアーのいる辺りまで吹っ飛ばす。

 

「おい大丈夫か!?」

 

「あなた、まさか最初からこのつもりで!全部嘘だったのね!」

 

「ああそうさ!でもアビスがベントされたのは本当さ。

嘘ってのはほんの少し真実を入れるだけで途端にそれっぽくなるかなら。

実際騙されたろ?もうバレちまったけどな。

使いづらい代わりに賢いお前にはビックリ、プレゼント!

俺のハーレム王国の礎になってくれた事に感謝してあの世への片道切符だ!

なーに、しばらく寂しいだろうがドラゴンナイトやゼイビアックスも上手い事利用して用済みになったら直ぐに送ってやるから安心して待ってろ!」

 

そう言って更にミサイルをばら撒くトルク。

 

「この卑怯者!」

 

実力なあるにも関わらず少し出世に賢い奴らに出し抜かれて来たスピアーは思わず叫んだ。

しかしトルクは仮面の下に涼しい顔で答えた。

 

「卑怯ってのはこうゆうのの事さ!」

 

<FINAL VENT>

 

トルクの契約ビースト、鋼の巨人マグナギガが召喚される。

 

「不味い!立てるかアックス逃げるぞ!」

 

スティングの行動は早かった。

アックスの腕を掴むと何とか盾になりそうな物がある方へ飛ぶ。

しかしスピアーは真正面から打ち破る事を選んだ。

 

<FINAL VENT>

 

「者共!であえであえ!」

 

再び無数のレイヨウ型ビーストが現れ、スピアーに続いてトルクとマグナギガに突貫していく。

圧倒的物量と驚異の脚力の嵐の様なキックの合体技、ドライブディバイダーだ。

 

「は!雑魚は何匹束になっても意味ないんだよ!

ゴールは決まりだ。俺は王国、お前は天国!」

 

ガチャ。マグナギガの背中の接続部分にバイザーをセット、

胸部ミサイルハッチ、右腕ミサイル砲、左腕マシンビームガン、頭部ビームガン、両足のビームキャノンがブロウアップする。

 

「何だあれ?」

 

「全砲門、Fire 」

 

無数のビームが次々とビースト達を悉く焼き払ってスピアーにこれでもかと追尾ミサイルをくらわせた。

こうなってしまってはもともと所持してるカードの少ないスピアーにできる事は何も無い。

爆音が終わると周囲は砂ぼこりと煙で周囲は何も見えなくなった。

 

「ふん、ちょろいぜ。」

 

トルクはその場を後にした。そして静寂。

しばらくは何も動かなかったがいくらかして瓦礫の山の一部が動き出す。

 

「う、、、おいアックス。生きてるか?」

 

「、、、死んでる」

 

「ブラックジョーク言える元気があれば上出来だ。

捕まれ。ガゼルの彼も拾って逃げるぞ。」

 

アックスを立ち上がらせるスティング。

瓦礫を嗅ぎ分けながらスピアーを探した。

意外とすぐ見つかった。

一番ひらけた場所で大の字に倒れている。

奇跡的にベントはされなかった様だが、

家臣を全て失った王様とはなんとも寂しいものだな。と思った。

 

「全く無様だねぇ、スピアー君。

命令違反をした上にこんな無様を晒すなんて。」

 

ゆらり、とスピアーの前に一人のライダーが現れた。

キングコブラの胴を模した尖った肩、

紫のボディにギザギザしたゴーグルアイに凶悪な牙のついた仮面、

スティングが予知で見た、かつてアックスに死の恐怖を与えたライダー、

仮面ライダーストライクだ。

 

「命令、違反?」

 

「おかしいなぁ?間明君から聞いてないかい?

アックスはドラゴンナイトをベントするまでベントするな。

ドラゴンナイトの足枷にするためにね。」

 

「いや、何言ってるん、、だよ?そもそも間明はおm「煩いよ裏切り者。そんな事より君、信用を裏切ったら落とし前をつけなきゃあいけないのは分かるよね?それが命の危機と隣り合わせの職場ともなればどうなるかな?」

 

「ッッ!いや、嫌だ。嫌だぁああああ!」

 

<FINAL VENT>

 

満身創痍の体に鞭を打って出鱈目に走り出すスピアー。

ベネバイザーにカードがベントインされる。

現れたベノスネーカーの吐き出す毒液の激流に押し出されたストライクはスピアーの背中にこれでもかとバタ足キックをくらわせた。

ベノクラッシュをまともに受けたスピアーは吹っ飛ばされた先のコンビニの窓を突き破り、商品棚を倒しながら倒れ伏した。

デッキが外れ、有野啓長の姿に戻る。

その体が黒い粒子と化し、デッキに吸い込まれ始めた。

近くにあったガラス片に地球側で普通に生活してる人々が映る。

啓長は縋る様にそれを掴んだ。

 

「誰か!誰でもいいから!!気付いてくれ…出してくれェッ!

出してくれ…出してくれェッ!!誰か!誰かぁ!!!

出してくれェッ!! 助けて!助けてくれ!!!

助けてくれっ!助けてくれよぉっ‼

俺は帰らなくちゃいけないんだ、俺の世界に!!」

 

しかし山田真耶の様な特殊な例を除きアドベントデッキ、又はカードに触れた事のない者にベンタラを観測する事はできない。ただ人々は通り過ぎていく。

 

「嫌だ……いやだァッ!!出してくれ……出してェ!! 何でこうなるんだよ…… 俺が何したって言うんだよ!俺は…… おれは…… みんなに認めて欲しかったっただけなのに……………。 」

 

右腕が、全身が完全に粒子になり啓長はデッキに吸い込まれてしまった。

最後まで掴んで離さなかったガラス片が落ちて砕ける。

 

「あばよ、コンプレックスくん。」

 

唯一残ったスピアーのデッキを拾いあげながらストライクは特に感動もなく吐き捨てた。

 

「貴様!」

 

背後からスティングの怒りに満ちた声が聞こえる。

恐らく仮面の下は鬼の形相だろう。

 

「やめとけ。二対一でもいいが、君らも満身創痍だろ?

見逃してやるからドラゴンナイトに伝えな。

ゼイビアックス将軍の誘いを蹴った今、

強くならないと愛しの白雪姫を守れないってね。」

 

スピアーのデッキを投げ渡すとストライクは去って行った。

 

 

 

2

一方その頃、仮面ライダーサイクロンとサイクロンドーパントの疾風対決は苛烈を極めていた。

サイクロンメモリの特性は風を取り込みエネルギーに出来る事。

つまり動けば動くほどパワーがチャージされる。

風がある所、つまり空気のある豊かな大地がある所で理論上無限の力を発揮できる大自然の使者に相応しい力だ。

 

「ライダージャンプ!」

 

「ハァッ!」

 

キュインキュイン!と独特な音を発しながら右に左に縦横無尽にジャンプする二人のサイクロン。

サイクロンの全身はあらゆる場所から風を取り込めるようになっている。

つまり体が風車なのだ。

いかに風と一つになれるか、いかに風を吹かせられるか。

同じ力、同じ絶対値を持つ者同士の戦いはどうしても拮抗する。

勝負を最も早く決めるには不意打ちを当ててからの持久戦か一撃必殺の撃ち合いに勝つしかない。

 

「死ねぇえええええ!」

 

先に動いたのはサイクロンドーパントだ。

風のエネルギーを纏った拳を繰り出してくる。

 

「む!」

 

<CYCLONE MAXIMUM DRIVE>

 

仮面ライダーサイクロンもすかさず必殺技を発動した。

右手の手刀に風の力が収束される。

 

「ライダーチョップ!」

 

繰り出された手刀はパンチよりも早く鋭い。

サイクロンにはW程のパワーは無い。

つまりパンチよりスピードと鋭さを併せ持つ刺突がベストなのだ。

戦闘をほぼ全て操った怪人にのみ任せていたドーパントと何があろうと街の涙を拭うために文字通り二心同体でWとして戦い続けてきたフィリップ。

最後の最後で勝負を分けたのは経験だった。

サイクロンドーパントの右肩を貫く。

 

「この、クッソォオオオオ!」

 

仮面ライダーサイクロンを捕まえたままサイクロンドーパントは身体中から爆風を起こして目くらましにすると人混みの中に消えた。

 

「やられた。使用者があれだけ低身長なら人混みに逃げられたら追えない。」

 

変身を解除したフィリップはため息とともに思案した。

彼は逐一翔太郎から報告を受けており、

怪人屋のターゲットになり得る人間をある程度推理していた。

しかしその条件に一夏は合わない。

 

(だとすれば怪人屋の狙いは極めて個人的な因縁。という訳か。)

 

「おーい!園咲来人!」

 

さっきロストドライバーを投げ渡した四人がかけてくる。

 

「すまないね、逃してしまったよ。」

 

「別にいいさ。捕まえた時にこれでもかってほどギッシギシに締め上げて落とし前つけさせれりゃ万事OKだよ。」

 

「アンドリューあんた、師団長に拾われてなかったらFBIにそうされていた癖によく言うわね?」

 

「ヒトノコトイエナイ。」

 

「それはテメェもだろアキツネ!

つーかうちの組織身元がはっきりしてる奴なんてお前とお前の妹とボスぐらいだろ?ヘッドは年齢不詳だし。」

 

「深く聞かないでおくよ。ただ、このロストドライバーはどこから?」

 

「安心しなさい。アメリカ政府が財団Xが実験用にとっといた奴を押収した物よ。ざっと調べた結果、毒素のフィルターはちゃんと動いてるわ。」

 

「ま、ヘッドはまた女権の屑どもに喧嘩売った形になるけどな。」

 

「そんな事より早く網島ケイタ達と合流するぞ。

捜索の人手は一人でも欲しい。」

 

「よし来た。いくぞ!」

 

アンドリュー、アキツネ、ジュリエットはそれぞれのイメージカラーの銀、赤、青のカワサキZ1000に跨り、フィリップと洸一を後ろに乗せると発車した。

 

 

 

3

ベンタラから脱出した海之と簪はラビットハウスに向かった。

 

「みんな居るか!?」

 

勢いよくドアを開けて海之は中に入った。

その後ろに申し訳なさそうな沈みきった顔の簪が続く。

 

「手塚、更識!」

 

「どこ行ってたんだよ?あんなにボロボロだったのに。」

 

「………スピアーがベントされた。止められなかったよ。」

 

ケイタにスピアーのデッキを渡す海之。

 

「占いが当たったってこと?」

 

「また運命を変えられなかったよ。」

 

「トルクがやったのか?」

 

「…半分は。トドメを刺したのは紫の蛇のライダー。

ごめんケイタ君。私騙されて、あなたに酷いことを。」

 

「いいよ。悪いのはトルクだ。簪さんのせいじゃ無い。」

 

「ああ。恐らく怪人屋の件もな。」

 

「怪人屋?」

 

唯一怪人屋についての情報を持ってなかった簪に説明を済ますとのライダー達は蓮に問いかけた。

 

「どうゆうことだい?レン・アキヤマ。」

 

「もし俺の邪推が正しければの話ですけど。」

 

「けどわざわざ本人の前で言うぐらいだ。何か確信があるんだろ?」

 

「はい。今から四十院に頼んで先輩方に確認します。」

 

「先輩方っていうとドーパントにされてた人達か?」

 

「ああ。更識。」

 

「何?」

 

「確認しなきゃわからないと言ったが俺は今回の件、

今の段階で90%確信してる。」

 

「?」

 

「だから正直に答えてくれ。更識。暗部の末裔。」

 

「!?………何でそれを?」

 

「アンカーも似たようなもんだからな。次はこっちの質問だ。」

 

その質問とその後に続いた推理はあまりに意外な、誰も予期していないものだった。

しかしケイタは信じたくなかったが妙に納得せざるを得なかった。

何があったか知らないが今までの蓮と今の蓮はどこか違う。

こんな簪の心を深く抉るようなブラフは使わない。

そんな確信と更識簪という少女の恵まれた環境が何よりの証明書だった。

 

「………捕まった後、どうなるの?」

 

「今回ばかりは女権の動き次第、としか言えない。」

 

「やろう。怪人屋は今日捕まえよう。

こんだけ怪しけりゃ蓮の早とちりだったとしてもやる価値はある。」

 

「でももし違ってたら!」

 

「一人容疑者がシロになるだけ。

まぁ、俺はそっちの方に期待してるが。」

 

「君らしいね翔太郎。」

 

「五月蝿えフィリップ。どっちにしろこの事件はIS学園の事件、言わばこいつらの街の事件だ。よその街の住人が口を出す問題じゃ無え。」

 

「どうする更識。あとはお前の返事次第だ。」

 

「私は………。」

 

「簪さん。どんな決断でも俺たちはそれを尊重するよ。」

 

「……。私は」

 

 

 

4

夜、IS学園の購買部からお菓子が山ほど入った紙袋を抱えた簪が出てきた。

チョコ系の甘いものからおかきに酢昆布などまで網羅してある。

 

「あれー?かんちゃん?」

 

「本音。」

 

「おひさーかんちゃん!」

 

「お菓子ならあげないよ。」

 

「えへへ。バレた?」

 

「………久しぶりだね。こんなふうに話すのも。」

 

「昔はけんけんやじゅっちー達とよく遊んだよね〜。」

 

簪と本音の実家、更識家と布仏家は日本の対暗部用暗部、

忍者を先祖に持つ一族の末裔で現在は本家の更識家に長らく使えてきた布仏家。

それから更識の分家の石橋家、布仏の分家の芝浦家を残すのみとなっている。簪は更識の次女として生まれ、年が近い本音や石橋家の跡継ぎの石橋健(いしばしけん)や芝浦家現当主の腹違いの弟の芝浦淳(しばうらじゅん)と共に幼少期を過ごしたのだ。

 

「また会いたいね、みんなに。四人だけで。」

 

「おー!いーね!そしたらみんなでゲームしたり!お菓子食べたり!」

 

「でもその前に私は償わなきゃ。」

 

「かんちゃん?何の話?」

 

簪の顔が一気に思いつめた、今にも泣きそうな顔になった。

 

「感動のお別れに涙が滝って奴だな。犯罪者。」

 

角の向こうから蓮とアンドリューが背後から一夏とジュリエットが現れる。

 

「え?何?どうゆう事?」

 

「更識簪。アンダーアンカー特別捜査権により、

お前を超常兵器不法所持の現行犯と未成年者掠奪、

及び人身売買の容疑で現行犯逮捕する!」

 

手錠を持ったアンドリューが簪の前に立つ。

 

「…自首、てことにも出来るけど?」

 

ゆっくりと首を振る簪。

 

「あっそう。ならはい、ヒトナナサンマル、現行犯逮捕。」

 

ガチャリと手錠を嵌め、内ポケットからガイアメモリを取り出し起動する。

 

<CYCLONE>

 

「間違いないな。」

 

「よし、連行するぞ。」

 

躊躇いながらもついていく簪。

 

「オラもっと早く歩け!」

 

簪の髪を掴み腹パンするアンドリュー。

 

「かんちゃん!やめろぉ!」

 

「邪魔すんなノロマ!」

 

止めに入った本音の顔面を蹴るアンドリュー。

 

「あっ!」

 

「やりすぎよ幾ら何でも!」

 

反対側の女子二人が非難の声を浴びせる。

 

「だそうだがアンドリュー?」

 

「いーんすよボス。

こんなヤクに人身売買やるかたわらちまちまちまちま殺戮兵器をせっせと作ってるようなクズとその金魚の糞。

こんぐらいが丁度いいっすよ!」

 

「ふざけんなよ。」

 

ドスのきいた声がした。

あまりの気迫に全員が黙った。

視線はただ一人、布仏本音に注がれる。

 

「金魚の糞?それはあいつらじゃん?

かんちゃんは何が何でも一人で打鉄弐式を完成させなきゃいけないだよ。

それなのにどいつもこいつもどいつもこいつも!

かんちゃんの邪魔ばっかして!」

 

「だからって無理矢理ドーパントにするなんて!

そんなの間違ってる!本音は間違ってるよ!」

 

簪が泣きながら叫んだ。

 

「ううん。正しいよ。

かんちゃんは今手錠されたりそこのクズにお腹パンチされたりして混乱してるだけで、すぐのほほんさんが正しいって気付くよ。」

 

<CYCLONE>

 

怪人屋の正体は本音だった。

手にしたサイクロンドーパントメモリを使い変身する本音。

両腕から突風を出し簪以外の四人を吹き飛ばした。

 

「かんちゃん一緒に来て。

のほほんさんがいつまでも一人きりにさせてあげる。」

 

そしたらみんなが認めてくれるよ。ジリジリと近づく本音。

 

「黙ってろよクズ。お前は本音じゃない。

私の知ってる本音じゃない。」

 

簪がそう言った瞬間、ガラスが割れてサイクロンドーパントの大きな右白眼に弾丸がめり込んだ。

 

「██▅▅▅▃▄▄▅▅▅▅▅▃▃▄▅━━―――!!」

 

絶叫を上げて悶絶するサイクロンドーパント。

それもそうだろう。スコープ越しに見ていたスナイパー、

アキツネは独り言ちた。

 

「神経断裂弾、ドーパントニモ効果抜群ダネ。」

 

余りのダメージにメモリが排出される。

物陰に待機していたハイシーカーを着身したゼロワンが回収した。

 

「終わった?」

 

「うん。」

 

ベンタラからケイタが現れる。

もし四人が全滅した時に備えて待機していたのだ。

 

「お願い。本音を、法の元で裁いて。」

 

「…布仏本音。アンダーアンカー特別捜査権によりガイアメモリの不法所持と使用、殺人未遂の現行犯、そして人身売買の容疑で逮捕する。」

 

簪にはめていた手錠を外し本音にはめる。サイレンの音が近づいてくる。もう洸一が手を回していたらしい。

 

「簪さん平気?」

 

首を横に降る簪。その目からは涙がとめどなく流れていた。

 

「ならもう見なくても」

 

「駄目、見なきゃいけない。」

 

「…さあ、お前も罪を数えろ。」

 

「本音を止めれなかった。

本音は善意でやったのに私は感謝できない。

私は気付いてあげられなかった。

だから本音は、変身しちゃった。」

 

ケイタは四人を助け起こすと静かにその場を離れた。

左胸が痛い。翔太郎にフィリップはずっとこんな痛みを感じながら街の悪党と戦っていたのだろうか?

 

『渡さなくて良かったのか?

サイクロンドーパントが持っていたアドベントカード。』

 

「そういやあったな。色々ありすぎて見てなかったけど。」

 

どうせシールとか何枚も有るカードだろう。

そう思って仕舞い忘れていたリフレクオーツのカードと共に取り出すが、

そのカードはあまりにも予想外のものだった。

足が止まり、胸の痛みはモヤモヤした嫌な空気に変わった。

その青いカードに書かれていたのは

 

「SURVIVEだって?」

 

 

 

5

冷たい風の吹く甘兎の屋上、

海之はいつも占いで使う五円玉の穴から星を見上げた。

 

「…………。ついに来たか。ならばスピアーに続き、

次の墓標が立つ日も近いな。」

 

スティングのデッキから取り出された赤いカードに書かれていたのもまた

 

<SURVIVE>




ケイタ「いかがだったでしょうか?」

箒「…アキヤマの部下は何であんな漢字の並びだけで危険極まりないと分かるものを持ってるんだ?」

ブラッド「彼の上司は、師団長は科警研の榎田博士と親友らしい。」

ケイタ「だからって限度があるだろ?」

千夜「私はクウガ見てないからイマイチ分からないけど、サバイブカードの方も驚いたね。」

ケイタ「なぜか俺に疾風で手塚さんに烈火だし。
てか暫くこんな思い調子でやってくの?」

ブラッド「いや次回は流石に番外編をやるらしい。
このままだと君たちが最悪のゴールデンウィークを過ごし切ってしまうからな。」

千夜「次回のinfinite DRAGON KNIGHTは、番外編その2 白いお姫様。
さあ、お前の罪を教えろ!」

ケイタ「!?」
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