infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来   作:伊勢村誠三

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ケイタ「えっと前回は龍騎ファンなら絶対知ってるあの名言が出たところまでだっけ?」
ゼロワン『それから篠ノ之箒の正体が一夏達にばれたな。』
セブン『これからさらに臨海学校。休む暇なしだな。』
ケイタ「それでは、どうぞ!」


the Heat その1

1

箒はブレードに変身してベンタラにダイブするとアドベントサイクルに乗り込み、目的地を目指す。

そこには肩で息をするトルクがいた。

 

「! お前は確かブレード!」

 

「自己紹介は要らない。

これから倒されるお前のはな!」

 

<SWORD VENT>

 

ガルドセイバーを召喚し、斬りかかるブレード。

 

<STRIKE VENT>

 

間一髪トルクはギガホーンを召喚して受ける。

 

「待て!頼むから待ってくれ!

俺は戦うつもりなんて無いんだ!」

 

「は!ライダーだから戦う。

理由はそれだけで十分だ!」

 

「そうかよ!」

 

ブレードは1人でも倒せれば後は何人でも倒せる様になると考え、殺意を込めて刃を振るった。

 

トルクは死んでたまるか!という一念でギガホーンを繰り出した。

しかし先程のアックスとの戦闘でファイナルベントをくらいかけたトルクの方が不利だった。

たちまちギガホーンを破壊され、丸腰になる。

 

「死ね!」

 

頭目掛けて兜ごと頭蓋をかち割ろうとガルドセイバーが振り下ろされる。

 

「おーっと待った。」

 

<ATTACK VENT>

 

ことは無かった。いつ間にか現れたストライクと

その契約ビースト、ベノスネーカーが吐いた毒酸がブレード目掛けて放たれたからだ。

 

咄嗟にガルドセイバーを盾がわりにしたため助かったが

ガルドセイバーはグズグズに溶けてしまった。

 

「貴様邪魔をするな!」

 

「こっちの台詞だよ。トルクを始末するのは僕の仕事なんだ。

君みたいな雑魚に横取りされたく無いよ。」

 

「なんだと!いいだろうお前からベントしてやる!」

 

「やってみろよモップ頭!」

 

ゴキリ、と首を鳴らすとストライクはバイザーを呼び出しカードをベントイン!

 

<SWORD VENT>

 

<COPY VENT>

 

ストライクはドリル状の海賊剣(カットラス)型の武器ベノサーベルを召喚、剣を失ったブレードもこれをコピーして対応する。

 

2人が8合切り結んだ所でようやく回復したトルクはマグナバイザーを構えた。

 

(今のうちに2人とも始末してやる!)

 

背後から狙い撃とうとした時、トルクは背後から強烈なタックルを食らった。

 

「ぐぅ!お前はドラゴンナイト!?」

 

「悪いな、ブレードを倒される訳にはいかないんでね!」

 

ドラグセイバーを構えるドラゴンナイト。

ブレード達の方を見ると2人の間にウイングウォールを装備したウイングナイトがいる。

 

(くそう!また膠着状態に!)

 

なんとかならないのか?そう思った時、ウイングナイト、ブレード、ストライクの方にトラストの契約ビースト、

メタルゲラスが突っ込んできた。

 

「今度はあの角頭か!」

 

「ああ、私だ!ブラッド・バレットだ!」

 

もう既に装備していたメタルホーンをドラゴンナイトに振り下ろすトラスト。

 

「ッ!落ち着け!このまま戦い続けたってゼイビアックスの思う壺だぞ!」

 

「ゼイビアックスは関係ない!

これはブラッド・バレットの戦いだ!」

 

再びメタルホーンが振るわれ、吹っ飛ばされるドラゴンナイト。

 

「く!このおぉ!」

 

<CONFINE VENT>

 

ドラグセイバーで斬りかかるが、

コンファインベントでドラグセイバーを打ち消され再び吹っ飛ばされる。

 

「ドラゴンナイト! 仕方ない!」

 

<TRICK VENT>

 

<CONFINE VENT>

 

シャドイリュージョンを発動しようとするが、

これもまた2枚目のコンファインベントで打ち消される。

 

「こうゆうカードもあるんだよ。」

 

「たく、面白くなってきやがったな!」

 

5人のライダーの大乱戦が始まった。

 

二本のベノサーベルとメタルホーンにダークバイザーがしのぎを削り、

ドラゴンナイトの拳が、ライダー達の仮面を容赦なく殴りつけた。

 

そしてその様子を、上手く隠れたトルクは物陰からうかがっていた。

 

「は、はは。5枚揃ってロイヤルストレートフラッシュってか?

だが俺には、最強の切り札(エース)がある!」

 

<FINAL VENT>

 

マグナギガを召喚してバイザーを背中に接続する。

 

胸部ミサイル、右腕ミサイル砲、左腕ビームマシンガン、額部レーザー砲、両脚のエネルギー弾が一斉に5人のライダーに降り注ぐ!

 

「何!?」

 

「しまった!」

 

「伏せろ!」

 

他にも誰か何か叫んでいたが爆裂音と土煙に隠れて何も分からなくなった。

 

「は、はは、ははははは!

断末魔もなかったな!はははははははは!」

 

トルクは勝利を確信すると去って行った。

 

「う、ぐ…蓮!篠ノ之さん?誰か!

生き残った奴はいないのか!」

 

「ゴホッゴホッ!

その声はドラゴンナイト!生きてたか!」

 

「な、なんだったんだあのデタラメな攻撃は……。」

 

確かなダメージを受けながらも無事だったドラゴンナイト、ウイングナイト、ブレードの3人。

 

「後の2人は?」

 

「トラストならあそこに…ん?」

 

トラストの方を見ると何かおかしい。

人形のように身動ぎ一つせずに中央に突っ立っている。

 

「ありがとうね、僕を守ってくれて。」

 

その理由ストライクに盾にされていたからだった。

 

「ぐふ!き、貴様よくも!」

 

「近くにいた、君が悪いよ。」

 

怒髪衝天でストライクに殴りかかるトラスト。

しかし逆にストライクにヤクザキックをくらいふらついた所をワンツーパンチでダウンさせられる。

 

「う…うぐ。」

 

「ふふふふふ。

さあ、ブラッド・バレット選手の華麗なフィニッシュだ。」

 

<FINAL VENT>

 

それは死刑宣言。

ストライクの背後からベノスネーカーが現れる。

 

「はあ!」

 

それに向かって勢いよくジャンプするストライク!

 

「やあああああああああああ!」

 

吐き出された毒の激流に乗って繰り出されたストライクのバタ足のような連打蹴りがトラストの胸部アーマーを破壊し、真っ赤な炎を上げて炎上した。

 

「そんなぁ!そんな馬鹿なあ!私は!

私は勝つ!ブラッド・バレットは試練に勝つんだ!

こんな!こんなところで!ブラッド……。」

 

それが最後の言葉だった。

仮面が割れて火傷だらけの顔で唯一無事な目が箒の目と合ったその時、彼は霧散して炎もろともデッキに吸い込まれた。

 

「見事ゴォールインッ!皆さま、盛大な拍手を!」

 

バシン!歓喜する。

ストライクにドラゴンナイトの左ストレートが決まった。

 

「……やる気かい?」

 

「俺は甘かったよ。」

 

「?」

 

『ケイタ、まさか…。』

 

「こいつは、俺が、ベントする。」

 

心の何処かでこいつも説得すれば仲間になってくれるんじゃないか?

とか期待していた自分に後悔した。

その結果、ただ挽回したかっただけの、

ある意味一番の被害者が一番無惨に死に絶えた。

 

「お前は邪悪だ。ライダーがみんな魂に致命傷をおってるならお前はそうなる前に魂が腐ってる。

お前は間明とおんなじだ。」

 

「!……はっはっはっはっ!良い!

良い殺気だよ滾るね!」

 

激しい殴打と蹴りの応酬が始まった。

龍と蛇、古来より対になるもの同士として、或いは同一視されて来た魔獣同士の形を変えた対決だった。

一撃一撃が鎧を歪ませ、身体中に衝撃が行き渡る。

 

『おいケイタ!やめろ!無理をするなそれ以上は!』

 

「たく、聞いちゃいないな。」

 

<ATTACK VENT>

 

ウイングナイトはダークウイングを召喚して、

ドラゴンナイトを掴ませると動けなくなっていたブレードを掴み近くの鏡にダイブした。

 

 

 

2

「えっと、えっと、武道場ってこっちだったはず

…あ、一夏ちゃん!ゼロワン君!」

 

「! 心愛ちゃん!」

 

「みんなは?」

 

辛い表情で俯く一夏。

 

「!?じゃあまさか…」

 

心愛がいいかけたところでケイタ、蓮、箒が近くの鏡から戻ってきた。

 

「痛たた…蓮もうちょっと優しくやれなかったのかよ?」

 

「さっきのあれとナスティベントとどっちが良い?」

 

「さっきので」

 

「賢明だ。」

 

制服に着いた汚れを払いながら立ち上がる2人。

 

「! 良かった2人とも平気?」

 

「酷い目にあったけどなんとか。

ただトラストを見殺しにしちまった。」

 

「ベント、されたの?」

 

「ストライクに。俺は、何もできなかった。」

 

「自分を責めるな。

インサイザーぐらいの防御力が有れば直ぐに動けたかもしれないが、

何も出来なかったのは俺も同じだし、

必要以上に思い詰めるな。」

 

「蓮……。」

 

『アキヤマが素直に人を慰めるとは。』

 

『明日は大雪ですね。』

 

「おいサードにゼロワン。」

 

「蓮君の照れ屋さん。」

 

「引っ叩くぞ心愛。」

 

「ま、レンがツンって改名した方がいいぐらいのツンデレなのは今に始まった事じゃないけど。」

 

「ぶん殴るぞ一夏。」

 

戦闘のすぐ後だというのに和気藹々とした雰囲気が流れる。

 

「ありがとう皆。」

 

「お安い御用です!」

 

『別に思った事を素直に言ったまでだ。』

 

『おや、あなたもツンデレですか?』

 

「ゼロワンもキャラ付け?」

 

『黙れ一夏』

 

だんだんといつもの様になって来た空気。

しかしそれをぶち壊したのが箒だ。

 

「ふ、ふん!軟弱者共が!

ライダーなんだから戦うのもベントされるのも当たり前だ!

ベントされる様な奴らが弱かっただけだ!

なのに自分の事の様に思い詰めるなど無駄もいいところだな!

死人が返ってくる訳でもあるまい!」

 

「ほ、箒?」

 

「お前黙らないと」

 

胸ぐらを掴もうとした蓮を制するケイタ。

 

「ケイタ?」

 

「なあ篠ノ之さん?」

 

「なんだ?」

 

いきなり箒の手を掴む。

 

「!?なんのつもりだ!」

 

「震えてるぞ。」

 

振り払おうとするが思いの外力が強くて出来ない。

 

「キャンキャン吠えてガクガク震えてチワワみたいだな。

知ってるか?ああいう小型犬よく吠えるのってって怖がりだからなんだぜ?」

 

「わ、私が恐れてるとでも」

 

「怖がってるだろ?戦うのも死ぬのも、

そんなんならリタイヤしろよお前。」

 

「! ふ、ふざけるな!リタイヤなんて」

 

「蓮みたいに殺す覚悟も

手塚さんみたいに繰り返さない覚悟も

ラウラみたいに償う覚悟も

シャルみたいにやり直す覚悟もない様な

半端な奴は何やったって半端なんだよ。

リタイアするならくすぶってないでさっさとに消えたら?

みっともないよ。」

 

「き、貴様!」

 

ケイタの腕を振りはらい、殴ろうとする箒、

しかし一夏が割って入る。

 

「やめて箒!」

 

「退け一夏!

冷静になれば私の方が正しいと理解出来るはずだ。

無理もない。

ベンタラに仮面ライダーなんてまともな神経なら理解できない。

一夏は何も悪くない。

一夏は何も心配しないで良い。」

 

「心配もするよ!だって今の箒なんか変だよ。

昔の箒はそんなこと言わなかったよ!

箒は変わっちゃったの?」

 

「変わったのは一夏だろう!」

 

「!?」

 

「………もういい。私は戦う。もう決めたんだ。」

 

「待ってよ!箒……。」




ケイタ「不穏な感じ、嫌だなあ。」
サード『半分は貴方が原作の芝浦淳みたいな煽りをしたからでしょう?』
ゼロワン『そしてトラストは久しぶりに出番かと思えばガードベントか、つくづく不敏だな。』
サード『キャラの多いssの宿命ですね。』
ケイタ「次回、番外編。変わったモノ、変わらないモノ。」
ゼロワン『これが、明日のリアル!』

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