infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来   作:伊勢村誠三

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ケイタ「前回までのinfinite DRAGON KNIGHTは!」
サード『海之様がサバイブモードに変身しましたね。」
心愛「それもあるけど……。」
トルク(遺影)「」
ケイタ「ああ、こいつね。」
心愛「なんかかわいそうだったよね。」
サード『まあ、北岡秀一様の悪い部分だけを固めた様な方でしたし、自業自得ですね。』
心愛「サード君結構言うね!?」
ケイタ「持ち主に似てきたな。」
サード『それより早く始めましょう。』
ケイタ「それではどうぞ!」
(op DIVE INTO THE MIRROR KAMEN-RIDER DRAGON KNIGHT)


the Heat その6

1

<SHOOT VENT>

 

エビルアローから放たれた青い一矢がメタルゲラスを爆散させた。

 

「ば、馬鹿な!なんでお前が!

そのカードは網島くんに渡るように仕向けたのに!」

 

「ほう、本音を怪人屋に仕立て上げたのはお前だったか。

ますますお前を生かしておく理由が無くなった!」

 

<COPY VENT>

 

メタルホーンをコピーして殴りかかる!

 

「全く、イライラさせるね!」

 

メタルホーンの応酬。しかし連戦のストライクの方が不利だ。

たちまちメタルホーンを破壊され丸腰になるストライク。

 

「こ、ここは引くしか!」

 

「逃すと思うか?」

 

<BLUST VENT>

 

スティングは新たなカードを切る。

飛来したエクソダイバーの腹部の車輪型の部分が肥大化し、

急速に回転を始める!

 

「やらせるか!」

 

<CONFINE VENT>

 

カードの効果が打ち消されエクソダイバーが消える

 

<RETURN VENT>

 

事はなかった。

再び現れたエクソダイバーによってストライクは天高く吹き飛ばされる。

 

「お前の手の内ぐらいお見通しさ。」

 

<STRANGE VENT>

 

新たなカードをベントインする。ストレンジベント。

それはアドベントカードで唯一デッキ内外問わず一度だけどんなアドベントカードにもなる奇跡のカード。

 

<SHOOT VENT>

 

有る筈の無い2枚めのシュートベントになったストレンジベントをベントイン!

はち切れんばかりに弓を引く!

 

「はぁ!」

 

青い一矢がストライクを捉えて炸裂する。

ワンテンポ遅れて海上に水柱が立った。

 

「やったか?」

 

「いや…すまない。」

 

ガシャン!と鏡が割れる音がしてスティングの鎧が解除され、

憔悴仕切った海之が現れた。

 

「!? 手塚!」

 

「最後、狙いがずれた…また頭が!アァアア!」

 

「たく、無理しやがって。」

 

<TRICK VENT>

 

3人に分身すると死に体の3人を担いで地球側に帰還した。

 

 

 

2

「はぁ………ガバ!ゴボォ!」

 

なんとか海から岩礁に上がりながら間明は血と海水が混じったものを吐き散らしながら倒れ伏した。

 

「く、クソが……あの、ヒラメ女ぁ!」

 

最悪の気分だ。

あのカードは網島ケイタかレン・アキヤマに使わせる筈だったのに、あれぐらい大きな力を持たせておけば下手に動けなくなる計算だったのに!

 

「殺す!…絶対に殺してやる!」

 

間明は計画通りにいかないという事が我慢ならないタイプの人間だった。

こうやって呪詛を吐く間にも彼の頭にはもの凄い速度で新しい計画が建てられて行く。

 

「はぁ…あぁはぁ……仕方ない。

もう1人ぐらいベントしておきたかったが、

ジーン計画を実行に移す!」

 

間明の笑い声が夜闇に響き渡った。

 

 

 

3

(あれ?私は……。)

 

一夏は目を覚ました。

覚醒しない頭をかきながらゆっくりとベッドから出る。

 

「今日何日だっけって、え?」

 

部屋にかかったカレンダーを見ると、

そこに書かれた文字は、いや文字含めて全て見事に左右反転していた。

 

「な、何が?」

 

一気に目の覚めた一夏は改めて部屋を見渡す。

 

さっきまで寝ぼけていて分からなかったが、

部屋にある何もかもがまるで鏡に映ったように反転していた。

 

「や、やぁ………」

 

混乱と吐き気に襲われた一夏は着の身着のままで外に飛び出した。靴も履かずに走って、走って、走って走る。

 

「こ、ここまで来れば……!」

 

「いえ、無理よ。あなたは逃げられ無い。

あなたは私だから。」

 

不意に聞こえた声に振り向く。

そこには、予想外の者がいた。

 

「私?」

 

黒いサマードレスで身に包み妖艶なメイクをした一夏と全く同じ姿の少女がゆっくりと歩いてきていた。

どこか余裕を感じさせる笑みで。

 

「そうよ。あなたは私。」

 

だけど、と言ったその目から、

顔から笑みが消え失せドス黒い殺意だけが残る。

 

「私はあなたじゃ無い。」

 

うなじの辺りから白いチェーンの付いた黒い懐中時計を取り出す。

 

「まさか!」

 

「そのまさかよ。」

 

左手に黒法と夜桜が展開され、刃が一夏に振るわれる。

 

「ッ!」

 

一夏も白式と雪片弐型を展開して受け止めた。

 

「死ね!」

 

「ぐぅ!」

 

黒いもう1人の一夏の攻撃は一撃一撃が重く、殺意に満ちていた。

 

「どうしたの?初めから黒法なら勝てるんじゃない!?」

 

加虐の愉悦に満ちた残忍な笑顔でもう1人の一夏が挑発する。

 

「あ、あれにはもう乗らない!」

 

なんとか攻撃をさばきながら一夏は絞り出すように言った。

 

「どうだか?ケイタさえいなければあなたはまたあの夜桜の魅力に身を委ねるんじゃないの?」

 

「そ、そんな事は!」

 

「有るわよね?だってあなた、あの時5人と戦ってる途中に強化打鉄の3人が割り込んで来た時こう思ったわよね?『ケイタに醜いところを見られてヤダ』って。」

 

「!? そ、それは…」

 

言葉に詰まる一夏。

 

「あの場にはレンも簪さんも居たのにね。

真っ先に浮かぶのはケイタ。酷い女よねあなた。

止めようとしたゼロワンも満壊極夜で無理矢理黙らせて鈴達を殺そうとした。

なのに罪の意識とかより先に出てくるのはケイタ。

あんたみたいな腹黒女に依存されてケイタもきっと迷惑よ!」

 

もう1人の一夏の握る夜桜に零落白夜の白銀の光が宿る。

それに貫かれた瞬間、一瞬だけ視界が暗転してから見知らぬ天井が飛び込んで来た。

 

(………なんだろ?なんかすっごいデジャブ。)

 

起き上がろうとするが何か体に巻きついた物が動きを邪魔している。

 

(身体中がむず痒い……なにこれ?)

 

試しに右手を上げてみる。何故か腕中に包帯が巻き付いていた。

外してみる。()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

(なんで顔にまで巻かれてるんだろ?)

なんとか顔と両手、両足の包帯を外して立ち上がる。

 

「包帯の跡早く取れないかな?」

 

なんて言いながら襖を開けて寝室を出る。

 

『!? いち、か?一夏!一夏なのか!?』

 

「ぜ、ゼロワン?どうしたの?オバケでも見たような顔して。」

 

『いや、一夏お前覚えていないのか?

お前は福音に撃墜されて全身に大火傷を負ったんだぞ?』

 

「や、火傷!?ゼロワンちょっと後ろ向いてて!」

 

ゼロワンに背後を向かせると一夏は患者服の上を脱いで上半身の包帯を外す。

 

(嘘……全く傷がない…。)

 

その後下半身も見てみたが、傷らしい傷は1つも無い。

 

「そんな馬鹿な……。」

 

時間が経つに連れて一夏もだんだんと福音との戦いを思い出して来たからわかる。あれだけの光弾を叩き込まれて無事な筈は無い。

 

「一体何が?」

 

「機体に救われたってだけよ。」

 

不意に背後から、自分と全く同じ声がする。

見るとあらゆる窓という窓に黒い一夏が映っていた。

 

『こ、これは一体?』

 

何故かゼロワンにも見えてるらしい鏡の中の一夏は怪しげな笑みを浮かべたままじっとこちらを見ている。

 

「一夏!」

 

するといつの間に部屋に入って来たのか背後に千冬がいた。

 

「千冬ねむぎゅ!」

 

「どこも、どこも痛く無いのか?

もう全部治っているのか?」

 

千冬は普段の彼女から想像出来ないぐらいボロボロ泣きながら一夏を抱きしめた。

 

「ぷは!落ち着いて千冬姉。私は平気。

むしろ今の千冬姉のハグが一番苦しかったぐらい。」

 

「そうか…よかった。」

 

「もう泣かないでよ。それより箒達は怪我とか無かった?」

 

「あ、ああ。ファーストエンゲージではな。」

 

「?……なんか歯切れ悪いね。なにか、あったの?」

 

「……お前と三春以外の専用機持ち全員が福音討伐に向かった。

今指揮は山田先生が採っている。」

 

「!? 行かなきゃ!ゼロワン!」

 

『ああ!』

 

千冬が来たため隠れていたゼロワンを呼び戻し、

外に飛び出す。

 

「ま、待て一夏!行くな!」

 

千冬が追いかけて来たが気にしてられない。

兎に角走る。

 

「あら?まさかあなたISに乗る気?」

 

また鏡の自分が語りかけて来た。

 

「そうしないとケイタ達を助けに行けないよ!」

 

「ほーら!そうやってケイタをダシにして黒法に乗りたいんでしょ?」

 

「そんな事ない!ただ黒法が一番確実ってだけで…」

 

「またあの力を奮いたいんでしょ?

そういうとこ、あなたが聖人君子じゃない証。」

 

「そんな、そんな事は!」

 

「あるわよね?だってあなた、

口では綺麗事を言っても、

心は真っ黒なんだから!」

 

はっはっはっはっはっ!と一夏に良く似た高笑いをあげる。

一夏は、自信がなくなってしまった。

もうここまで言われてしまえばそれが真実な気がしてならない。

 

それに、今よく一緒にいる仲間たちの中でケイタが一番大事なのは紛れもない事実じゃ無いか?

 

そんな風にネガティブに考えているとおかしな記憶が出てくる。

 

 

「検体番号■■■■■■■■■■を■■■夏と呼ぶ。」

 

     「織斑千■のよう■■は■■■ないか。」

 

「しかしこれ■■■で使い用が」

 

 

「う、うぅ…ヴゥああアアアあ!」

 

「一夏?一夏どうしたんだ?」

 

「防護服の、人達。」

 

「え?」

 

「人体、実験?胎児の入った大きなビーカー……。」

 

「い、一夏?一体なぜそれを?」

 

「分かんないけど、きっと、うんと昔のこと…。」

 

何故か分からないが泣きたくなった。

 

「何?何なの?全く、全く分かんない!」

 

「一夏!何も考えなくていい!

お前は、お前は何もしなくていい!」

 

「そうよ一夏(わたし)!そのまま全部忘れていつまでもおんぶに抱っこでいいのよ!今まで誰にも甘えられなかった!

千冬姉はいつも家に居なくて三春兄は勝手に使命感じて遠くに行った!

可憐ちゃんに弱味を見せるわけにも網島のおじさんとおばさんに負担をかける訳にはいかない。

 

唯一弱味を見せれるのはケイタぐらいだった!

だからいいのよ。今更ながら甘えたって逃げたって。

もう全部何もかも忘れて千冬姉に依存しちゃいなよ!」

 

何もかも何と気合いに満ちた甘美な誘惑だろう。

黒法の、夜桜の比じゃない。頭の上までどっぷりと浸かってしまいたくなる。

何もかも投げ出したくなる。

 

「………駄目、それだけは出来ない!」

 

「なんでだ一夏!お前が戦う必要なんて!」

 

「確かに私は夜桜の誘惑に負ける最低最悪の面がある!

けどだからって全部を捨てたくない!」

 

「何?また我儘?」

 

鏡の一夏が嘲笑う。

 

「そうだよ。まだ私は自分の悪いとこしか、

まだ半分しか自分を知らない。翔兄やフィリップ兄は言ってた。『Nobody's Perfect』

完璧なんてない。だから私は良いも悪いも両方を受け入れた上で未来の自分に賭ける!」

 

あなたは私だ!私もあなただ!

一夏は叫んだ。

鏡の一夏は一瞬驚くと黒いチェーンを、

待機形態の黒法を取り出し

 

「好きに使いな。」

 

面白くなさそうに一夏に投げ渡した。

 

(!? 鏡の中から物が出てきた!?)

 

「……ありがとう。」

 

「精々気を付けなさい。

私はあなたを消したくてうずうずしてる。」

 

「平気よ。私は負けない。」

 

そう笑顔で返すと一夏はまた走り出す。

 

「だ、駄目だ!行くな一夏!行かないでくれ!」

 

「………離して千冬姉。」

 

「行かないなら離す!」

 

「無理だから。」

 

「なんでだ!なんで行くんだ一夏!

三春だけでよかった、

いや三春だけでも駄目なのにお前まで行かないでくれ!

全ての問題は私が解決する!だから!」

 

「黙れ馬鹿姉貴!」

 

「い、一夏?」

 

「千冬姉さぁ、そうやって私達の事とか家族の事とかISの事とか全部1人で背負い込んでどうにかなった事、今まで1回だってあった?」

 

例えば白騎士事件とか、モンド・グロッソとか、日々の生活とか。

まるでチベットスナギツネみたいな鋭い視線と言葉で千冬を刺す一夏。

 

「い、一夏それは…」

 

「そうやって私達を危険から遠ざけようとしてくれたのは素直に感謝だけど、アンタなんかに私の道を全部選んでもらう必要ない。」

 

手を振り解きゆっくりと正面から向き合う。

この一言だけは、目を見て言わないと、真剣だと伝えないと駄目だ。

 

「私、ケイタの事が好き、いとこ同士じゃなくて男の子として。」

 

ガツン!と後頭部を金槌で殴られた様な顔で千冬はフリーズした。

 

「これは私が決めた事。私だけが選んだ事。

他の誰にも絶対に譲らない事。だから行く。」

 

今度こそ一夏は千冬を振り切って走って行った。

そしてその場に呆然自失の千冬と鏡の中の一夏だけが残る。

 

「たく、ムカつく良い顔。」

 

「あの顔させる為に一芝居も二芝居も打ったくせに?」

 

「黙れ老骨。お前こそコアがリセットされた筈なのになんで残ってるんだよ?」 

 

黒い着流しの三十路ぐらいの男に鬱陶しげな視線を向ける。

 

「全く、可愛くないなぁ。もうパパが嫌いな歳?」

 

「誰がパパよ誰が!はぁ…ホントあんたと一生一緒とか最高じゃない。」

 

「ありがとう。」

 

「褒めてない! それより白式の方の2人はあの娘になんて言うと思う?」

 

「君程刺々しい物言いはしないんじゃない?」

 

「でしょうね。一夏、足掻きなさいよ。

私達黒法に、飲み込まれずに足掻いて見せなさい。」

 

2人のI()S()()()()()は鏡の中から消えていった。

 

 

 

4

ベンタラから帰還した蓮は海之を千夜に、

真耶を心愛に任せるとケイタを休ませ、

自身のISの調整を始めた。

 

「レンさん、少々宜しいでしょうか?」

 

「どうしたオルコット ?」

 

「レンさんは人を、殺した事はありますか?」

 

「あるな。」

 

「!? 辛く、ありませんでしたか?」

 

「まあ、最初はな。だけど段々忘れていって、

気付いた様に思い出して後悔する。

仕方なかったと自分に言い訳しながらな。」

 

嫌なら今からでも降りていいぞ?

作業の手を止めずに蓮は言った。

しかしセシリアは

 

「いえ、わたくしは降りませんわ。」

 

「なら覚悟ぐらいはしておけ。」

 

「はい。」

 

軍人なんてクソだな。

と思いながら蓮はセシリアを見送った。

 

 

 

5

「馬鹿馬鹿馬鹿!海之ちゃんの馬鹿!

あんだけ無茶はしないでって言ったのに!

死んじゃ駄目って言ってるのにまた無茶して!」

 

「分かった分かった!

私が馬鹿だったから疲れてるのに耳元で叫ばないでくれ悪かったから!」

 

絶対安静を言い渡された海之は自業自得とはいえ、

役に立つつもりが人員を割かせてしまったなと反省した。

 

「(それに私の占い通りなら、そろそろだな。)なあ千夜悪いが水を一杯持って来てくれないか?」

 

「いいけど、抜け出すつもりじゃないよね?」

 

「こんな満身創痍の体で手伝いに行った所で皆の仕事を増やすだけだ。

頼むよ喉が乾いて仕方ないんだ。」

 

一杯だけだからね!

と言って千夜はしっかり部屋に鍵をかけて出ていった。

 

(そうだ。それでいい…ウッ!)

 

占った通りだ。

胸の中に塊が詰め込まれた様な異物感と共に手先が冷たい針を通された様な激痛が走る。

 

「ーーーーーッ!」

 

見ると右手の血管が全て固まった血の様な黒に変色して浮かび上がっていた。

なんとか激痛に耐えて呼吸を整えると元に戻る。

 

(変身拒否反応(リジェクション)……なんて代償だ!)

 

痛みが引くと頭がボーッとして眠気と倦怠感が襲って来た。

 

(やはり、何か血液循環に異常が起こるのか…

クラクラして目がショボショボする……駄目だ頭回らん…寝よ。)

 

海之は意識を手放した。

それと同じタイミングで千夜が戻ってくる。

 

「海之ちゃんお水…あれ?…寝てる。」

 

またこんな疲れるまで無茶して。

ベントされるより先に過労か心労で倒れるじゃないだろうかと割と本気で思う千夜だった。

 

「代われる人が居ないからって、雄一君の二の舞は嫌だからって無茶して。」

 

君のせいだからね雄一君。

もうどこにもいない雄一に文句を言いながら千夜は窓の外の空を見上げた。

 

「ずるいよ雄一君。あんなに海之ちゃんが頑張るのも君のせいだからね。」

 

君なら海之ちゃんを幸せにすると思って身を引いたのに君が海之ちゃんの呪いになっちゃ意味ないじゃん。

 

本当に悲しそうに千夜は俯くと千夜は海之から没収したスティングのデッキを構えてポーズを取る。

 

「カメンライダー!……やっぱり無理か。」

 

力なく笑いながらデッキをテーブルに置き、

海之が眠る横に座る。

 

「手塚さん?宇治松さん?入るよ?」

 

「網島君、どうぞ。」

 

「手塚さんどう?」

 

「今は寝てる。て言うか網島君こそ大丈夫なの?

海之ちゃんが助けに入らなかったら危うくベントされる所だったって聞いてるけど?」

 

「ま、まあ…けど元々頑丈が取り柄だからね。」

 

お前のせいで海之ちゃんがまた無茶を!

と思う一方でそれを言い出したらキリがないと思えるぐらいには千夜は大人だった。

 

ふーん。とだけ返す。

 

「行くの?一夏ちゃんの敵討ちに。」

 

「ああ、もしなんかあったら山田先生のこと頼んだ。

あの人もさっきの戦いでそれなりのダメージを受けてる筈なんだ。」

 

「分かった。網島君達も気を付けね?」

 

「ああ、行ってきます。」

 

ケイタは部屋を後にした。

再び部屋に静寂と2人だけの空間が戻った。

 

 

 

6

ファーストエンゲージから3時間、

専用機持ち達の姿は浜辺にあった。

 

『もしもし皆さん聞こえますか?』

 

心愛の助けを借りながら真耶が無線で連絡してくる。

本当は海之同様安静にさせておくべきなのだが

 

「皆さんが戦っているのに寝てるなんて出来ません!

それにセイレーンの体は結構丈夫なんですよ?」

 

と、普段の真耶からは珍しいゴリ押しでIS調節の手伝いからオペレーターの仕事まで請け負うに至ったのだ。

 

「良好です。敵は動いていませんか?」

 

『はい、先程ブラウンウイングに偵察させましたが、

織斑さんを撃墜したポイントから動いていません。』

 

「了解しました。

では現時刻を持ってして銀の福音無力化作戦を再開する!

全機、機体認証コードをデリート!

対IS用特別交戦規定レベル3を発令する!

同士討ちに気を付けろ!」

 

「「「「「「「「了解!」」」」」」」」

 

9機のISが東の空に飛んで行く。

彼ら、彼女らの武運を祈って真耶と心愛はただ見送った。




ケイタ「次回、infinite DRAGON KNIGHTは!」
ラウラ「くらぇえええ!」
ロラン「やったか!?」
セシリア「あれは、二次移行!?」
蓮「ぐぁああああ!」
ケイタ「一夏!?」
一夏「これが私の答え!」
簪「一夏も二次移行を!」
ケイタ「行くぞ一夏!これで最後だ!」
2人「「はぁああああああああああ!」
心愛「次回、the Heat その7」
サード『これが、明日のリアル!』

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