infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来 作:伊勢村誠三
心愛「あの人蓮君の子供だったの?」
蓮「誰が誰の息子だって?な訳ないだろ。他人の空似だ。」
心愛「でも逃げる時に疾風!って。」
蓮「今青のサバイブカード持ってるの手塚だから!」
ケイタ「今回はある日の生徒会の一悶着をお届けします。」
心愛「そう言えば生徒会って簪ちゃんのお姉ちゃんとのほほんさんのお姉ちゃん以外にいるの?」
蓮「言われてみれば見た事ないな。」
ケイタ「そこも含めて今回語られます。」
心愛「さてさてどうなる?」
1
「やった合格!!!」
心愛は歓喜し、飛び跳ねながら80点(合格ラインギリギリ)の古典のテストを高々と掲げた。
これで先程の現代文59点と合わせてなんとか1週間補習で済んだのだ。
「そもそも追試の追試になってる時点で不合格。」
コツン、と背後から出て来た誰かが心愛の頭を小突く。
「あて!あ、一夏ちゃん見て!合格だよ!」
「良かったね、早く帰るよ。」
「うん!」
そう言って教室を出るとおかしな人物がいた。
深緑色の衣装に身を包み長い黒緑色のマフラーを巻いた長身痩躯の男だ。
「織斑一夏に保登心愛だね?」
「そうですけど?」
「そう言うあなたは?」
「私はウォズ。預言者だ。君達を正しい、
いや、ここまで仮面ライダーやインフィニットストラトスの歴史と混じってしまえば最早正しい歴史も何もないか。」
(! この人、仮面ライダーを知ってる?)
「? もしかしてケイタ君達のライダー仲間ですか?」
「いや違うよ保登心愛。
ただの同業者さ。それも面識の無い、ね。」
<ビヨンドライバー!>
そう言ってウォズは黒と緑の横長のドライバーを装着する。
「変身ベルト!」
「Vバックルとは全然違う……」
驚く2人に構わずウォズはウォズミライドウォッチを取り出す。
<ウォズ!>
<アクション!>
スロットにウォッチをセットして展開。右手を大きく上げ
「変身!」
<投影! フューチャータイム!>
立体映像の様なエフェクトが展開されウォズを白と緑の戦士に変える。
「うわぁ!」
「きゃあ!」
<スゴイ!ジダイ!ミライ!>
<仮面ライダーウォズ!ウォズ!>
「祝え!過去と未来を読み解き、
正しき歴史を記す預言者…。
その名も仮面ライダーウォズ!
この世界の明日未来を守るために降臨した瞬間である!」
「ええぇ……」
「なんか、凄いの来ちゃった。」
今まで見てきたどのライダーとも違う、
いろんな意味で未来過ぎるウォズに思わず呟く一夏と心愛。
「そう身構えずとも危害は加えないよ。
今日は渡すものがあって来た。」
「渡すもの?」
これだよ。と一夏にブランクリバイブウォッチを渡すウォズ。
「砂時計?」
「巨悪に立ち向かいし3つの力を救うものだ。
来る日まで肌身離さず持っているといい。」
では私はこれでと恭しく頭を下げるとウォズは去って行った。
「……なんか、変な人だけど良い人そうだったね。」
「て言うか見逃しちゃって良かったのかな?」
それ以前にこの学校にあの目立ち過ぎる古着みたいな格好でどうやって侵入できたのだろう?謎だ。
「ん? ウォズさん行っちゃった方から誰か来るよ?」
「あれって…楯無さん。」
もの凄い切羽詰まった感じで楯無がやって来た。
ついでに息も上がって、まるで〆切かは逃げる漫画家みたいだ。
「あ、あなた、、達!丁度いいところ、いたわ!」
「な、なんですか?」
「生徒会室まで来て!今、すぐ!!!」
2
生徒会室に行くと鈴音がケータイゲームをしながら待っていた。
「一夏に心愛。アンタらも会長に呼ばれたの?」
「鈴?」
「鈴ちゃんしばらくぶり!それなんのゲーム?」
「フラネット社が出してるゲームで『ジーンラビリンス』ってゲーム。
なんかのアプリ入れた時に一緒に入れちゃったっぽくて。
けど始めるとなかなか面白くてね。」
ゲームを中断して向き直る鈴音。
横に一夏と心愛も座り楯無がその前に座る。
「今日呼んだのは他でもないこの生徒会の危機に関してよ……」
「生徒会の危機?」
「あの虚ちゃんにっ!彼氏が出来たの!」
後、ゼロワンは語る。
『爆弾は爆発する前に静かになるというのは本当だった。
一夏達の意識が一瞬圏外になり、
更識楯無が落とした特大の爆弾が爆発した。」
と。
「布仏先輩に彼氏!!?あの布仏先輩に??」
「そう!あの虚ちゃんに!!」
「え?誰?誰なんですか!?」
3人は一斉に楯無に詰め寄った。
「ステイステイ!私も事態を図りかねてるの!
整理しながら話すから聞いて頂戴。」
「「「はい!」」」
「まずは…この学校の生徒会の仕組みからね。
知っての通りこの学校は生徒会長が他の役員を指名して指名された側が了承すれば生徒会に入るんだけど…現在生徒会は会長の私に、
休日は必ずデートに行っちゃう会計の虚ちゃんに、
永久欠番の書記の本音ちゃんといったメンバーでして」
もしケイタがいたなら
『それ生徒会って言うかただのアンタの仲良しグループじゃん。
職権濫用もいいとこだよ。
つかそんな仕組み作った奴誰だよ?』
とか言ってそうである。
「本音ちゃんは居るだけで仕事増やす様な娘だったから実質私と虚ちゃんの2人でやってたんだけど…怪人屋事件の後から虚ちゃんがしばらく抜けて、
戻って来た後も土日は絶対に休むから今あんまり仕事が進まないの!」
「いや、それは心苦しいけど布仏先輩に時間を割いて貰うしかないんじゃ?」
「ええそうよ。確かに鈴ちゃんの言う通りよ。
けど考えてもみなさい?あの虚ちゃんが、
本音ちゃんを落とすところまで落とした犯人を探すことに躍起に…いやあれは取り憑かれていたと言ってもいいわね。
だった虚ちゃんがその彼氏君と出会ってから私に泣いて謝ってくれたのよ!」
言えるの?絶対に会うな。なんて。
そう言われて黙り込む3人。
「じゃあどうするんですか?
今まで2人でやってた仕事を1人でやるんですか?」
「いいえ。はっきり言って虚ちゃんの力が無ければこの生徒会は成り立たないわ。だから物量に頼むことにするの。」
「物量?」
「あなた達、生徒会役員になってくれない?」
即戦力採用 と書かれた扇子を広げる楯無。
「すいません私ラクロス部入ってるんで。」
と鈴音
「いつアンカーの任務が入るか分からないんで。」
と一夏。
「わ、私も……」
と申し訳無さそうに手を挙げる心愛。
「そ、そんなこと言わないで!本当にピンチなの!」
3人に縋り付く楯無。
「お願いよ!一定量仕事してくれるならいつ抜けても良いから!
ラクロス部の日程と調整するから!
お願い本当にお願いだから手伝って!
私達友達よね!」
「ヴェア!ちょっと楯無先輩落ち着いて!」
「アンタ本当に生徒会長?威厳も何も無いわよ今!」
「頭上げて下さい!て言うか何をそんなに切羽詰まって」
一夏がそこまで言った時バキッバキッ!
と異様の音を立てながらドアがほんの少しだけ開く。
(あ、あの半分だけ顔を覗かせてるのって……)
(ち、千冬姉!)
「おい。」
「は、はい!」
「更識姉。貴様が溜めに溜めた書類139枚は後48時間以内に終わらせる事になっている。問題ないな?」
「え、えっとぉ……」
「問題ないな?」
消えそうな楯無の声を聴くと千冬は去っていった。
「………楯無先輩、私手伝うよ。」
「今日ぐらいなら、ねぇ?」
「楯無さん。私達、間違ってたみたい。」
「み、皆……」
楯無は先輩の威厳をかなぐり捨てるかわりに生徒会新メンバーを獲得する事に成功した。
3
一方その頃ラビットハウスでは
「来ないなぁ、客。」
「声に出して言うな!」
(!? 今めっちゃダンディな声がティッピーから聞こえたけど?)
「私の腹話術です。あとケイタさん。
暇だからって漫画を読まないで下さい。」
(心を読まれた!?)
カウンターで読みかけの週刊誌を読みながらケイタ達は客を待っていた。
「まあ、これだけの暑さなら客足も遠のくな。」
気にする事は無いと言う様に理世がケイタの肩を叩く。
「それ、どっちかって言うと智乃ちゃんにやるべきっすよ?」
「え?」
「余計なお世話です。」
心なしか何時もより不機嫌そうに智乃が吐き捨てた。
言外に「どーせこんな店ですよ」みたいな響きがある。
2人がいたたまれない気分になった時カランカランと入り口のベルが鳴る。
客が来た。
「いらっしゃいませ!」
目に輝きが戻った智乃がすかさず入って来た2人を案内してメニューを渡す智乃。
「あの2人って……弾と布仏先輩!」
「知り合いか?」
「弾は同中で、布仏先輩はIS学園の3年生。」
「ほぉ…2人に接点はあったのか?」
普段男みたいな口調で忘れがちだが理世さんもこういう話題に食い付くあたり女子なんだなとなんとなく思うケイタ。
「なんでも弾が布仏先輩を助けたのが始まりらしくて
その後しばらく親交?というか、そんな期間が続いて
その後弾が風都タワーの下で告ってok貰って今に至るそうです。」
「勇者だな。」
「ええ、ただ…時々危ういんですよ。」
「危うい?」
「この話、弾には俺から聞いたって言わないで下さいね?」
4
話はケイタ達が中学一年生のときのバレンタインの日の放課後まで遡る。
「ケイタ、お前はいくつ貰えた?」
軽い鞄を振り回しながら達郎が何気なく訪ねる。
「義理で一夏から1個。お前は?」
「同じく義理で蘭ちゃんから。同率1位だな。」
蘭というのは弾の一つ下の妹だ。
「てことは……」
「弾と数馬は今年もゼロ。
これで俺らが知る限り7年連続。」
因みに数馬もそうだ。項垂れ、
トボトボと2人並んで歩く後ろ姿を見れば明らかだが。
「アイツら面も性格も悪くないけどいかんせん…」
「モテたがるからなぁ……」
そう。何故か、何故か2人とも昔から異様にモテたがるのだ。
ケイタと達郎的には「モテると何かとめんどくさそうじゃん。」的に考えてあまり気にしないのだが。
「毎年のことながら酷い落ち込み様だよな。」
「今年は特に酷いぞ。」
ただ貰えないだけなら良いのだがこの年はなんとクラスの女王的なポジションの生徒に嘲笑われるという事があり失意の中の失意にあった。
(失意と言えば鈴もそうだな。)
達郎の手前言わないが、
鈴音はだいぶ前から達郎の事が好きなのだ。
likeじゃなくloveの方で。
しかしいつもは豪胆で思い切りの良い鈴音だが、
こと自分の恋愛についてとなると途端に奥手になってしまうのだ。
きっと今頃チョコの1つも渡せず落ち込みに落ち込んだところを一夏に慰められているだろう。
「あ、居た!ケイタ、達郎!」
噂をすればなんとやら。一夏が後ろからやって来た。
「どうした?」
「鈴見なかった?さっき目を離した途端に居なくなっちゃって。」
「鈴が?何も言わずに?」
「俺らは見てないな。弾と数馬は知ってるかも…あれ?弾もいなくないか?」
見ると数馬と並んで歩いていたはずの弾も消えていた。
「ちょっとやな予感がするな。ケイタ、一夏。探そう」
捜査は難航した。
下駄箱に外履きが残っていた為校内にいるのは判るのだがどこを探しても見当たらないのだ。
「達郎!そっちいた?」
「いーや、一階にはいない。そう言う一夏は?」
「駄目。三階にもいない。
降りてくる時ケイタにも会ったけど二階にもいないって。」
「じゃああと探してないのって…」
「四階だけ。ケイタが行ってる。」
2人も向かったが、2人は見つからなかった。
「どうする?もう探してないとこなんて…」
「屋上のプール。」
「え?」
「この建物で探して無いとこなんてもうそこぐらいしか無い。」
やけに自信ありげな達郎に続いて屋上に向かう。
そこで見たのは
「オラどんな気持ちだ!最底辺から見上げる気分はどうだ!」
「あはははははははは!
ガボゴボじゃなくてちゃんと人語を喋んなさいよ!」
腐った葉っぱが浮くプールにクラスの女王を突き落とし、
モップで上がってこれない様にする弾と鈴音の姿があった。
5
「その後なんとか騒ぎは治ったんだけで、
止めようとした俺らまでめっちゃ怒られたって事があって。」
「そ、それは……凄いな。」
仲良さげに語らいながらコーヒーを飲む弾に軽く引く理世。
「人は、見かけに寄らないな。」
「ああ見えて結構傷つきやすいんすよ。」
今から話しかけるのも無粋だな。
何て思いながらケイタは再び漫画を開いた。
ケイタ「いかがだったでしょうか?」
心愛「尾行は?」
ケイタ「お、思ったより長くなったので次回に持ち越しです…。」
蓮「考えてからタイトル付けろよ…」
心愛「次回、infinite DRAGON KNIGHT 夏休み編その4 五反田弾の休日デート!」
ケイタ「次回もみんなで!」
蓮「KAMEN-RIDER!」