infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来   作:伊勢村誠三

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ケイタ「普通の高校生織斑一夏。彼女には過激派集団タイムジャッカーのうち1人アナザーキカイの手により魔女王にして時の王者にして出席簿を聖剣として戦う武神アナザーチッピーになる未来が待って「いてたまるか!」

ケイタ「なんだよ蓮。いいとこなのに。」

蓮「1つもいいもんか!
まだ影も形も名前さえ出てきてない奴をネタに使うな!
少しは緊張感を持て!はぁ、、ったく。香風後は頼んだ。」

智乃「なんで私に?まあいいですけど。
謎の糸に絡め取られ連れ去られた心愛さんと一夏さん。
ウイングナイトに変身した蓮さんは助けることができるのでしょうか?」

ケイタ「さてさてどうなる第2話!」

(op 果てなき希望 仮面ライダー龍騎)


dragon reBoot

1

「、、、まず何から驚いたらいい?」

 

「私が知りたいです。」

 

取り残された2人、ケイタと智乃は取り敢えず落ち着いて物事を考えることにした。

 

「なんか本来なら反射して写った私たちか反対側の景色しか見えないはずなのに何故か巨大な蜘蛛の巣に貼り付けにされてるお客様が見えるのですが?」

 

「そういうもんなんだよきっと。」

 

「蓮さんが似非バットマンに早変わりして飛び込んでいったんですけど?」

 

「似非でもバットマンでもないでしょ。

どっちかと言えばパワーレンジャーだよあれ。

早変わりっていうか最早変身だったし。」

 

「私たちに何が出来るんでしょうか?」

 

「その青いケータイに聞けないの?」

 

なんにしたってこんな所で燻ってたって何も始まらない。

 

「え?ケイタさんフォンブレイバーを知ってるんですか?」

 

「てか俺も持ってるしね。」

 

 

2

心愛をベンタラに引き込んだ蜘蛛をそのまま機械的にして巨大化させた様なアドベントビースト、ディスパイダーはウイングナイトが後を追って来るのを察知するとすぐさま心愛を手近な柱に貼り付けにその長い長い前脚でウイングナイトを迎え打った。

これにウイングナイトもバイザーを引き抜き対抗する。

火花を散らしながら3回ほど切り結ぶ。

 

「筋力だけは上か、ならバッター交代だ!」

 

<ATTACK VENT>

 

カードをベントインして契約ビーストのダークウイングに攻撃をさせ怯んだ所を懐に入って脚関節の弱い部分にバイザーを突き立て根元から切り落とす。

 

「こいつでノーアウト満塁。一気に盗らせてもらうぜ。」

 

<FINAL VENT>

 

カードをベントインしながら距離を取りダークウイングが背中に合体すると全速力で駆け出す。

そして動けないディスパイダーの眼前まで来た所で大きく垂直に跳躍しマント状になったダークウイングの翼が繭のように包み込む。

巨大な繭はドリルのように回転しディスパイダーをほぼ垂直に貫き木っ端微塵に粉砕した。

 

 

3

『ーい。ーーか。、、おい一夏!起きろ!』

 

心地よい微睡みの中第2回モンドグロッソ、IS国際大会以来の相棒の声が聞こえてくる。

いつも一匹狼的な発言してる癖に自分の方が早く起きてると寂しくて、私を起こしにくるのだ。

 

「うん、、。後五分、、。」

 

『よくそんな硬いコンクリートの上で間違えて目覚ましかけてた日曜日の朝みたいなことが言えるな!

起きろ!何が起こったか思い出せ!』

 

思い出せと言われても、昨日は歯を磨いて荷造りして本棚の隙間から出て来た「憧れの先輩シリーズ」とかいう卑猥で下劣で汚わらしい本(多分兄の)を炎に焚べてそれからウォッチャメンさんのブログをチェックした後直ぐに寝てそれから起きて着替えて、、。

 

「私もう木組の街に来てんじゃん。」

 

どうやら自分頭を打って気を失っていたらく左後頭部がズキズキと痛む。

空が見える。どうやら自分は仰向けに倒れているようだ。

上体を起こすと直ぐに自分が五体満足らしいことが分かった。

 

「ゼロワン。私どのくらい寝てた?」

 

自分の左横に転がっていた分厚い黒いガラケーを拾い上げる。

 

『安心しろ1分も寝ていない。立てるか?』

 

ケータイから声は聞こえるが画面は通話状態ではなく黄色と赤の三角形で描かれた鋭いツリ目だけの顔のような待ち受けになっている。

つまり彼女はケータイ越しに誰かと喋ってるわけではなく、世界有数の通信会社にしてISの部品メーカーアンカー社の偶然の産物にして最高傑作。

天才意外の烏合の集の手により初めて生み出された7つの仮想生命の1つフォンブレイバーのはぐれ者ゼロワンと話してるいうことだ。

 

 

 

4

かちゃり。レンから預かった青いケータイを開きさっきまで心愛たちが陣取ってたテーブルに置く。

 

『お久しぶりです智乃様、セブン。

はじめましてケイタ様。

わたくしはフォンブレイバーのサードと申します。

以後お見知り置きを。』

 

「久しぶりですサード。

いきなり本題で申し訳ないですが、ズバリあれはなんですか。」

 

『単刀直入に来ましたね。

まあお二人とも十二分に驚かれたことでしょうし、いきなり全ては理解しきれないでしょうから、取り敢えずあれは人食いモンスターが心愛様を食べる為に巣に持ち帰ったと思ってくれればいいです。」

 

何も良くない。それはつまり広い檻の中の飢えた獣の前に丸腰状態で放り込まれているのと同じだ。

一刻も早く助けなければならない。

 

『えぇ。 ですが先程レン様の言っていた表現を借りるなら本来我々は入国審査どころかパスポート申請さえ不可能です。』

 

「でもあの蓮ってゆう奴は変身したら向こうに行けた。

俺のでも行けるんじゃないか?」

 

そう言って自分のデッキを取り出すケイタ。

 

『恐らく。しかしそのデッキにはわたくしとレン様も知らない要素があります。』

 

そう。何故かケイタのデッキにはレンのものにはあったライダーズクレストがなく、ただ黒い模様があるだけなのだ。

 

『やめておけ網島研修生。生兵法は火傷の元だ。』

 

起きていたのか。ケイタのポケットから男の声がする。

ケイタのフォンブレイバーセブンの声だ。

 

 

「んだよ。ケータイ。文句あるかよ?」

 

『文句ではなく忠告だ。

君は今までそれを使おうとも思ったことがないのだろう?

だからやめておけ。

今君がやろうとしてることはただ持ち歩いていただけで未使用の拳銃を油断なく構えた熟練兵に向けて撃つレベルの愚行だ。

それに見てみろ。もう決着はついている。

今から行っても遅い。』

 

窓を見ると瓦礫やモンスターの残骸を踏みしめながらウイングナイトが心愛を降ろそうとしていた。

が心愛が暴れるせいでなかなか難儀しているようだ。

 

「意外とあっさり済みそうですね。」

 

智乃の言う通りビーストも半分以上が霧散して瓦解しているし。

瓦礫の方から這い出てきた一夏も大した怪我はなさそうだ。

 

『言った通り君の出番はなかったろう?』

 

「それフラグじゃないの?」

 

『何を言う。どこからどう見たってアキヤマの勝利だぞ?」

 

セブンがそう言い終えた瞬間。

ウイングナイトは空を見据えたかと思うと思い切り後ろに飛び退く。

次の瞬間にはウイングナイトがさっきまで立っていた場所に小さなクレーターが出来ていた。

 

『なに!?』

 

「まさか、また別の?」

 

現れたのは東洋龍(ドラゴン)の形をした真っ赤なビーストだった。

炎のブレスを吐きながらウイングナイトを追いかけ始める。

 

「蓮の奴、一夏の方に逃げてんじゃねぇかよ!」

 

ケイタはセブンを掴んでポケットにねじ込むと自分のデッキを構えて

 

「カメンライダー!」

 

『、、、、、。なにも起こらんではないか!』

 

何故かベルトが発動しないのだ。

 

『まさか、コントラクト無くして変身は出来ない?』

 

「それじゃあ、やっぱり向こうには、いけない?」

 

「そんなッ!カメンライダー!KAMEN-RIDER!、、、仮面ライダー。」

 

『言い方の問題な訳ないだろ!

もう無理だ諦めてアキヤマを信じろ!』

 

「じゃあお前はあそこにいるのが一夏じゃなくて満身創痍の滝本さんとかだったらほっとけるのかよ!?」

 

『そ、それは、、、。』

 

「だったら力を貸してくれよ。あのなんとかハックって奴。」

 

『イニシエートクラックシークエンスか?

そもそもそのケースはインターネットに接続してるのか?』

 

「どう見てもスマホぐらいの大きさしかない上にカードの分のスペースと蓋に半分くらい使ってますよね?」

 

智乃の懸念はもっともでデッキにはタッチパネルの類も見当たらない。

 

「そっちじゃなくて、ISの方で行けない?」

 

「ISの方?」

 

『?、、そうか!そうゆうことか!』

 

セブンが手を自由に出せたらパン!と鳴らしていたことだろう。

ケイタも長時間の思考の末に閃いていたなら指を鳴らしていた。

 

「どうゆうことですか?」

 

『チノ。君は私たちフォンブレイバーの誕生についてどの程度把握してる?』

 

「えっと、確か水戸博士と当時助手だった城戸さんのISの原動力になるISコアを模倣する実験中の事故で出来たISコアの持つ本来希薄なはずの仮想生命が極端に顕在化したもの、、あ。」

 

『つまりケイタ様はアドベントデッキにもIS由来の仕組みが使われているならフォンブレイバーを用いてのアクセスが可能とお考えで?』

 

「あぁ。ISのあの何もないところから物出すあれ、、量子化だっけ?

デッキのあれも多分きっと似たようなもんだと思うんだ。

だからちょっとぐらいは同じような理屈で動いてるんじゃないかって。」

 

確信なんてない何となく思いついた事だが、もしかしらもしかするかも知れない。

 

「頼むぞ!」

 

『了解だ。 イニシエート・コア・クラック・シークエンス発動!

仮称網島ケイタのアドベントデッキのメイン部分にISコアネットワークを用いたアクセス、及び不調の原因の排除を試みる。』

 

現在全世界に467個あるISコアは独自のネットワークで繋がっておりISコアのほんの一部を模した特殊電子頭脳ラムダチップを持つフォンブレイバー達もボディに搭載されたハッキングシステムと特殊サーバー「ELIZA」の支援を受けることでアクセスが出来るのだ。

 

「早くしろよ、蓮の奴逃げてばっかでヤバい!」

 

『急かすな!お前の予想通りアドベントデッキに使われてるISの要素なんて微々たるものなんだ!

入り口が467しかないとは言えネットは広大なんだよ。

そのながら小さな1つを探し出すなんて砂の山から一粒の砂金を探し出すようなものなんだよ!』

 

その上本来コアネットワークへの接続さえ難しいほどしかISコアの要素を持たないフォンブレイバーを使うのだから本当にダメ元なのだ。

 

『あった!』

 

「あった?」

 

しかしセブンはフォンブレイバー一の頑固者。

一度決めた事は何が何でもやり遂げる男だ。

 

『あぁ。だがなかなかアクセスまで漕ぎ着けそうにない。

網島研修生、ブーストフォンの着身許可を!』

 

「ブースト、、これのこと?」

 

ポケットから白い卵型のガラケーを取り出す。

一見なんの変哲も無い携帯に見えるがこれこそがフォンブレイバーを万能のものとする事に欠かせない外付けの強化ユニット、フォンブレイバーが一つ。

インターネットウイルスに対するワクチン製作を得意とするメディカルだ。

 

「ロックこじ開けるのはどっちかというとウイルスの仕事じゃないですか?」

 

『仕方ないだろチノも知っての通りその手のウイルスを作れるアナライザーはあの事件以来廃盤になってる。

背に腹は変えられないし時間もない。結局全部ダメ元だ。

網島研修生、着身許可を!』

 

『お待ちください皆様。

あまり良い事では有りませんが、一夏様のハンドバッグを探って頂けますでしょうか?』

 

多少罪悪感はあったが非常時だし仕方ない。

言われた通りに椅子に置かれたままになってるハンドバッグを探る。

 

「手帳、は見ちゃいけないラインとして。」

 

「ハンカチ、ティッシュ、財布にスマートフォン。水筒に、、PDA?」

 

白いキーボードに紫の持ち手のシンプルなスライド式のPDAが出て来た。

 

「アナライザー!」

 

「え?コレが?」

 

かちゃん。ケイタの掌でアナライザーがベルトドライブとカメラアイを展開したアクティブモードになる。その姿は

 

「もうちょいなんか無かった?

どう見てもゴキb「メスクワガタです。

角がないんだからメスクワガタに決まってます。

どこからどう見たってメスクワガタです。

それ以外にはカサカサいいながら走る虫はこの世に一匹だっていません。

嘆かわしいですねケイタさん。こんな所にもISのせいで生まれた女尊男卑の風潮が影響しています。そうですよね?そうに決まってます。」、、、おう。そうだな。」

 

この余り表情筋を動かさない少女にしては珍しく物凄く普通な面を見た気がして嬉しくもあったがこのネタでからかおうものなら容赦のない復讐が来そうだからやめておこうと心に誓った。

 

『早く私をアクティブモードに。そしてアナライザーの着身許可を!』

 

507とコードを打ち込み決定ボタンを押す。セブンの折り畳まれていた手足が展開され人間と同じように二足歩行が可能なアクティブモードになる。

 

「そんじゃ、どぞ。」

 

『うむ、、いまいち締まらないが、まあいい。

アナライザー着身!』

 

セブンからのコードを受け取ったアナライザーはケイタの掌からセブンの乗ったテーブルに着地したのと同時にバラバラに分離する。

 

『コレは、、背中。こっちが左足。』

 

そして意外にも一つ一つ手で持って自分に合体させるセブン。

ケイタは始めて智乃は久し振りに見る光景だが

 

(なんかシュールだなぁ。)

 

(何度見てもシュールですね。)

 

奇しくも同じだった。

 

『いよし!アナライザー、着身完了!』

 

全てのパーツを着身し、ピシッ!と某天、地、人が悪を倒せと呼ぶ電気人間の変身ポーズをとるセブン。

 

「前から思ってましたけどそれカッコいいと思ってませんか?」

 

「あ、やっぱ?」

 

『うっ、』

 

『、、無意識とかじゃ無かったんですね。』

 

やっぱり締まらない定めなのかも知れない。

 

 

 

4

「クッソ!」

 

もう何度目かもわからない毒を吐きながらウイングナイトは左に飛んで火炎球を避けた。

敵、赤い龍のビーストドラグレッターはただ火炎球をはき散らしてる訳ではなく敵の動きを予測して時に一夏や心愛を狙いながら確実にウイングナイトのスタミナを削っていた。

一度の変身で使えるカードは各カード一回づつ。

つまり残り4枚のカードを使い切ってしまえば彼に後がないのだ。

 

(やはりゼロワンは織斑一夏と行動していたか。

ならあっちの守りは片手間ぐらいでいいか。

守らなきゃいけないのが保登の方だけなら4枚全部をうまく使えばドラゴンはなんとか倒せる。だが、、。)

 

ドラグレッター向こう側を見る。

そこではさっき爆散させたはずのディスパイダーがゆっくりと元の姿に戻ろうとしていた。

 

(あの蜘蛛野郎、リボーンタイプだったか!あいつと戦うことになるとなればカードを温存しなきゃ勝てない。

だがドラゴンはカードを温存していて勝てる相手じゃない)

 

ちくしょう。何度目かもわからない毒を心愛のヴェアアアアアアアア!をbgmに吐き捨てると近くにいた一夏を抱えながらもう一飛び。

しかしそれを読んでいたのだろう。

まだ復活しかけのディスパイダーが粘着質の糸を吐いてきたのだ。

 

「しまった!」

 

気付いた時にはもう遅い。ウイングナイトが上、一夏が下になる感じで地面に貼り付けられてしまった。

 

「ちょ、重い、、ぜ、ゼロワン!デモリッションを!」

 

なんとか動かせる左手に握ったゼロワンに人命救助用のチェーンソーやレーザーガンのブーストフォンデモリッションの着身を要求する。

 

『、、、すまない一夏。』

 

「え?、、ゼロワン?』

 

「、、やっぱりな。今の衝撃で四肢のどれか、下手したら全部の筋肉アクチュエータがお釈迦になったんじゃないか?」

 

「いや待ってよ!ゼロワンはアンカー社の最高傑作なんでしょ!?そんな簡単に壊れるの?」

 

「あぁ。機械ってのは頑丈そうに見えて結構デリケートだ。メンテを怠ればツケが回ってくるのは当たり前だ。」

 

たしかに、そう言われれば一夏にも心当たりがある。

最近ゼロワンが思い立ったように血の涙みたいなフェイスパターン(フォンブレイバーの顔、表情のこと)の頃のようにふらふら何処かに出掛ける事がなくなっていた。

もしかして中身は兎も角体は見た目よりボロボロなのか?

 

『、、アキヤマの言う通りだ。

もし次にアクティブモードになれば俺の手足はバラバラに、、、。』

 

「じゃあ、どうすれば、、。」

 

「神に祈るか、悪魔と契約するかだな。」

 

どっちを選んでも嫌な予感しかしない究極の二択だな。

そう吐き捨てるゼロワンに全力で同意する。

思えば思うほどやり残しだらけの人生だったな。

一夏が諦めかけたその時。

 

「おりゃああああああ!ぶっ!」

 

近くのビルの窓から落下してきた灰色のなにかがドラグレッターに飛びかかろうとしてその長い尾で弾かれ地面と熱いキスを交わす羽目になる。

 

一夏たちのすぐ隣でフラつきながら起き上がったそれは仮面契約者(カメンライダー)に違いないがその姿はなんだか見るものを不安にさせる様な頼りなさがあった。

 

まず灰色の地味なアンダースーツに黒と銀の簡素なアーマー。

そして何より目を引くのは顔についた仮面だ。

騎士風の仮面という点ではウイングナイトと同じだがウイングナイトのが蝙蝠のようなバイザー部分と蝙蝠の口、と言うよりバッタの口に見えるクラッシャー部分に分かれてるのと異なり格子戸状の頭蓋骨のようにも見える顔全体を覆うデカくて重そうな仮面だ。

その形は塔に幽閉されたもに付けられる決して外せない拷問器具の伝説を連想させる。

奥に見えるまん丸の複眼はさながら眼光だけを残してこの世から完全に消えてしまった咎人の亡霊のようだ。

 

「そのデッキ、お前網島か?」

 

「嘘、、あれがケイタ?」

 

「蓮!一夏!、、無事じゃなさそうだな。」

 

ちょっと待ってろ。すぐに助ける。そう言うとケイタは左手のガントレッド型のバイザーブランクバイザーにカードをベントイン。

 

<SWORD VENT>

 

ただの長剣ライドセイバーを召喚。

剣道の構えを取りドラグレッター目がけて突っ込んで行く。

しかしライドセイバーの先端がドラグレッターの鼻先に触れた瞬間。

 

「折れたぁ!ぐぁあ!」

 

パキン。と小気味いい音を立てて真っ二つに折れてしまった。

そして鼻面ボールの容量であっさり遥か向こうまで吹っ飛ばされてしまう。

 

「いてて。なんでだよ?」

 

『恐らくコントラクトしてないことが原因だろう。

そうじゃなければアキヤマとここまで差が出るとは思えん。』

 

アナライザーを着身したままケイタの変身に巻き込まれたセブンはバイザーの発声機能をハックして語りかける。

 

「ちくしょう。弱いまんまで2対1なんて、、ん?2対1?」

 

突然ケイタは子供の頃一夏が風邪を引いた時に読み聞かせた物語を思い出した。

 

『昔、小さな町に1人の男がいました。

男は正直者で明るく真っ直ぐな気持ちのいい男でした。

頼まれごとをされたら出来るとこまでとことん手伝い、

心の寂しい人と友達になり、

自分の失敗も他の誰かの失敗も笑い飛ばしてくれる彼は町の人気者でした。

しかしある時、男を快く思わない領主が男に危険で凶暴なドラゴン退治を命じました。

男はお世話になってる騎士様から剣を借りドラゴンの住む迷宮に入って行きました。

しかし驚いた。そこにいたドラゴンは見た目こそ凶悪でしたがとても親切なドラゴンでした。

話を聞くとドラゴンは領主に水場を荒らされたから怒っただけとのことです。

これを聞いた男は死んだお婆さんが生きてた時にくれた魔法のお守りでドラゴンと契約し領主と戦い水場を奪い返しました。

それきり男は町の人から敬遠されてしまいましたが掛け替えのない種族を超えた友情を得た男は少しも後悔しませんでした。』

 

本来はもっと簡単な言葉で書かれていたが、そんなことは重要ではない。

デッキからカードを引き抜く。

これが最後のカードだ。そこには軍事契約(CONTRACT)と書かれている。

 

『まさか網島研修生?』

 

ケイタはセブンを無視すると立ち上がりながらカードを真っ直ぐに突き出した。

 

「来いドラゴン!俺に力を貸してくれ!」

 

ドラグレッダーはギャオオオ!と1鳴きするとぐるり、とケイタの周りを一回り。

するとケイタの手にしたカードが輝き始めたのと同時にベルトにはまったデッキに真上から見たドラゴンの頭を模したライダーズクレストが浮かび上がり、ブランクバイザーが龍召機甲ドラグバイザーに、アンダースーツの色も赤く染まり頭頂部にもライダーズクレストと同じ銀色の紋章が浮かび上がり仮面の上の縁には龍の髭を模した金の装飾が加えられる。

 

『バカな、、、私は本当に同じ物に接続しているのか?なんだこの桁違いの出力上昇は!?』

 

契約一つでここまで変わるものか。

セブンは最早別次元のスペックの高さに戦慄した。

と同時に感嘆を覚えた。これはケイタも同じらしい。

 

「なんだよ、これ、、体がこんなに軽い!

内側からパワーが溢れ出てくる!

マジでヤバすぎる!なんだよこれ!」

 

『仮面ライダーとしか言いようが、いやこれが本来の仮面ライダーなのだろうな。名付けるなら、龍騎(ドラゴンナイト)といった所か。』

 

「仮面ライダードラゴンナイト、、、。しゃ!」

 

胸の前で拳を握りしめるファイティングスタイルを取って全力ダッシュ。からの勢いのままに心愛を運び去ろうとするディスパイダーリボーンにドロップキックをお見舞いする。

 

「ウェア!」

 

落下する心愛をキャッチして降ろすと改めてディスパイダーリボーンに向き合う。

ディスパイダーに人型の蜘蛛怪人の上半身を生やしたような気色悪い外見になっている。

 

「行くぜクモタウルス!」

 

突っ込んでくるドラゴンナイトにリボーンは胸部から糸を硬化させて針状にしたものを無数に繰り出し牽制する。

それに対してドラゴンナイトはバックで回避を取りカードをベントイン。

 

<GURDE VENT>

 

ドラグレッターの腹部を模した盾、ドラグシールドを装備し針を弾きながら急接近。

跳躍するとリボーンの人型部分の人間でいう鳩尾辺りを蹴りつけて怯ませながら距離を取る。

今度は近接武器でトドメだ。そう思ってカードを引き抜こうとした時。

 

「ファイナルベントを使え!」

 

背後から蓮の、ウイングナイトの声が聞こえてきた。

どうやら先に助かった心愛の手を借りてあの拘束を抜けてきたようだ。

 

「ファイナルベント?」

 

『、、、なになに、威力6000AP!?通常攻撃の3倍だと!?』

 

なるほど必殺技か。デッキからドラゴンナイトのライダーズクレストの描かれたカードを引きベントイン!

 

<FINAL VENT>

 

ベントインした瞬間、跳べ!とケイタの中でなにが命じた。

それがなにの声かは分からなかったが飛来したドラグレッターが自分の周りを回り始めるのを見てそうしなければならないと思い右手を突き上げ飛び上がり、空中で一回転。

キックの構えをとると次の瞬間ドラグレッダーの炎の吐息がドラゴンナイトを押し出した。

 

ようやく真面に物を見れるようになったディスパイダーリボーンが見たのは太陽とそれを背にした一陣の赤い彗星だった。

 

 

 

5

ドラゴンナイトの放ったファイナルベント、ドラゴンライダーキックはディスパイダーリボーンをまるで高所から叩き落とされた果実のように粉々に砕きながら地面にめり込み巨大なクレーターを作って止まった。

あまりの凄まじさに一夏と心愛は声を失い放心している。

例に漏れず蓮も仮面の下で戦慄していた。

 

(なんて威力、、火力だけならトルクのエンドオブワールドにも匹敵するぞ、、、。)

 

とんでもないものと関わることになったな。

と思う一方で上手くやれば最強を味方に出来るかもしれない。

という期待もあった。

 

「おーいみんな!大丈夫だったか!?」

 

砂煙の向こうからドラゴンナイトが駆け寄ってくる。

 

「ケイタ!」

 

「嘘!あれがケイタ君?」

 

変身を解除したケイタがなんであんな無茶をしたんだと一夏から小言を言われている。

 

「別にいいじゃん勝ったんだから。」

 

「全然良くない!生兵法は傷の元!

今回はたまたま上手くいっただけ!

あの鎧が途中でパワーアップしなかったら絶対やられてた!、、、でも助けに来てくれて嬉しかった自分がいる、、、。」

 

散々怒鳴り散らした後で見事にしゅんとなられるとどう対応したものか。

終始オロオロしている心愛になんと声を掛けていいか分からなくなるケイタ。

 

「あー、いちゃついてる所悪いが、少しいいか網島?」

 

蓮も変身を解除して元の白いジャケット姿に戻る。

 

「蓮?」

 

「馴れ馴れしく呼ぶな。」

 

「なんだよ、じゃあハスって呼んでやろうか?確かハスって読むよな?」

 

「なかなか学があるじゃないか。

その物覚えの良さそうな頭を信じて最初に言っておく。

俺たちは、仮面ライダーは戦わなければ生き残れない!」




ケイタ「てな感じの第2話でした!」

蓮「ついに主人公変身か。ようやくこの世界でのフォンブレイバーや仮面契約者の立ち位置も明かされてきたし、次で一区切りぐらいか?」

智乃「そうなりますね。所で一つ気になったんですけど、戦闘時の挿入歌やキャラクターのイメージソングみたいなのは決まってるんですか?」
ケイタ「智乃ちゃんみたいに元々キャラソンある人や蓮みたいに原作キャラを改造してるキャラは元々の、あるいは元になったキャラのと同じだね。」

蓮「網島みたいに元々キャラソンがない奴や織斑みたいにガラッと立ち位置が変わる奴には作者の好きなJ-POPとかを当てるそうだ。」

智乃「なるほど、それで挿入歌は?」

ケイタ「特に拘りはないから盛り上がってる!と思ったタイミングで『果てなき希望』や『DIVE IN TO THE MILLER』を頭の中で勝手に流してくれればいいそうです。」

蓮「特別指定する場合は(bgm 曲名 出典)を表示するからその時に。」
(ED Go! Now! 〜Alive A life Neo〜 RIDER TIME 龍騎より)

ケイタ「早速だね。」

蓮「それじゃあ行こうか、次回、infinite DRAGON KNIGHT!」

一夏「ロン?」

蓮「蓮だ。」

ケイタ「ライダー同士で殺し合い?」

心愛「アンダーアンカー?」

蓮「秘密を知ったからには、一連托生だぞ?」

智乃「次回 how to use taboo Card 」

ケイタ「戦わなければ生き残れない!」

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